フィールドノート
2025年3月1日(土) 午前中
アズマイチゲ開花
もう3月、遅れていた野草もどうかと探してみました。先ず、井草通り沿いの土手でアズマイチゲ(写真)を見付けました。セツブンソウの開花からほぼ1ヵ月、ようやく第2弾が来たという印象。後はセントウソウとヒメウズ、ホトケノザくらい。ヤマネコノメソウもまだ。外来種のオオイヌノフグリとヒメオドリコソウが目立っています。
木の花もウメに続いてサンシュユが咲き始めたが、マンサクは未だ。考えてみると、ど〜んという寒さが来るのが遅かったために、植物は春が来たのを認識するのが遅れたのかも知れません。
鳥はというと、こちらもさっぱり。オオタカの鳴き声は高くなり、ミソサザイ(写真)も見られ、池にはオカヨシガモ、ハシビロガモ、マガモも。
注目すべきは、アオサギが既に抱卵に入っていること。2カ所の巣で見られました。昨年はアオサギの他コサギ、ゴイサギも営巣して鷺山は大いに賑わいました。今年はダイサギ、ササゴイ、さらにはカワウもと噂されています。こうなると、中の島の沼沢植物群枠への影響が心配。見つめていきたいと思います。
2025年2月8日(土) 午前中
水鳥調査、節分草、紅白梅
今シーズン最後の水鳥調査でした。カモ類の集計結果は総数で130羽、1月は225程度でしたからかなりの減少です。カルガモとキンクロハジロがそれぞれ30羽以上ずつ減っていて、これが大きな原因です。種類としてはホシハジロが見られなかったこと、後は少しずつ減少していました。カルガモの減少はよく分かりませんが、他のカモは繁殖地への移動を徐々に始めていると考えられます。これも春の兆し。
水鳥を数えながら、周辺を見ていると、水辺観察園に春一番の花セツブンソウが5輪咲いていました。丈が低く落葉の中から頭をもたげて健気な白い花を広げています。今年は節分が2日でしたから、けっこう暦に遅れていません。
また、高台のウメも、白梅紅梅がそろって咲いていました。春はそこまで、あるいはもう来ていると感じさせてくれました。
2025年2月1日(土) 午前中
イカル、オオカワラヒワ
石神井池のカモたちを見ながら三宝寺池ゾーンに入ると、城趾下の池でオオカワラヒワ(写真)が6羽ほど、スイレン抑制シートの上で何やら餌を探して群れていました。オオカワラヒワは大陸からの渡り鳥で、留鳥よりも少し大きめ。進むと、蘆原にジョウビタキの♂が現れました。
池の開水面では、オカヨシガモの♂♀が2ペア、ヨシガモと探すと小島の下で丸くなっているのが見えました。♂のようです。
ひょうたん池に戻ると、カメラが数台上を向いていて、エノキにイカルが2羽。このところ毎日のようにエノキの実を啄みに来ているようです。黄色い大きな嘴を紫色に染めて、逆さになって食べていました。
帰りに記念庭園によると、いつものルリビタキの♀が枝の上でじっとしてポーズ。回りでは、ウグイスが出たり入ったり。
2025年1月8、9日 午前中
ミソサザイ、ビンズイ
遅まきながら新年おめでとうございます。
去年から見かけてはいても撮れないミソサザイを待つ。ようやく現れたのですが、落葉の中を動き回っていてしかも暗い。満足のいくものはなかなか取れません。寒いところ長くはいられないので、池の周りを動き回ります。
池では、ヨシガモが昨年末からほぼ定着しています。最大♂♀6羽。これだけいると冬の水面はけっこう華やいで見えます。他にオカヨシガモも。これでヒドリガモも少しは現れてくれると良いのですが、石神井川の方が居心地が良いのでしょうか。
一回りして中の島の東側を見ると、カシラダカの群が動いていました。全部で20羽近くいると思うのですが、飛び込んだかと思うと、また飛び出してという様子。小さなハンノキの枝に止まっても落ち着きません。
最後にお知り合いの方に教えていただいて、お寺さんでビンズイ(写真)を見ることができました。2羽いて、松葉の散り敷いたところで行ったり来たり。正月なので弘法大師様の徳を慕ってというわけではないでしょうが。
2024年12月14日(土) 午前中
ヨシガモ、タシギ、水鳥調査
今季2度目の水鳥調査に参加しました。三宝寺池、石神井池、記念手園、石神井川と回って、カモ類の種数は10種類、総数は218羽を数えました。先月の調査よりは増えていますが、例年と大きく変わるものではなく、横ばいといったところでしょう。それでも、種数では前回調査のオシドリを合わせて11種類とまずまずでした。後はスズガモに期待したいところです。
それでも、ヨシガモの成鳥♂(写真)が今季初めて見られ、ハシビロガモ、ホシハジロも記録されました。ヒドリガモは石神井川で♂♀同数で計16羽が水草の上で休んでいました。また、コガモも計20羽がいて目立ちました。
そのほかの水鳥もあまり変わっていませんでしたが、最後に知り合いの方に教えていただいて、石神井川でようやくタシギを見ることができました。
2024年12月5,6日 午前中
冬鳥、冬ガモ
急に冷え込んできて、公園の黄葉、紅葉も一気に進んできました。今年は、寒くなるのが遅かったためか、サクラ紅葉、カツラやケヤキ、そしてトウカエデやイロハモミジも一辺に色を変えています。華やかな彩りになっています。
鳥はというと、案外出遅れていて、ジョウビタキやツグミ、シメ、アオジ、ウグイスなど見られるのですが、数が少ない。水鳥もオカヨシガモ、ヒドリガモ、コガモ、マガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、ホシハジロなどが顔を見せているのですが、キンクロハジロ以外は、こちらもなかなか一定の数が定着するには至らないようです。
中で、元気なのはジョウビタキ(写真)でしょうか。三宝寺池中の島や水辺観察園の周辺を、オスメスが飛び回っていました。紅葉のなか、散歩するだけでも充分楽しいのですが、やはり小鳥が増えてくれることを期待します。
2024年11月9日(土) 午前中
オシドリ、ジョウビタキ、水鳥調査
このシーズン初めての水鳥調査に参加しました。三宝寺池、石神井池、記念庭園の池、石神井川(豊島橋から愛宕橋まで)と回って、カモの総数は176羽でほぼ例年通り。大半はカルガモ(98羽)とキンクロハジロ(64羽)で、マガモ、コガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、オナガガモがごく少数。さらに8年ぶりにオシドリ(♂2、メス3)が見られました(写真)。
オシドリは全員で回った時には中の島に姿を隠していて見られず。終わってからもう一度浮見堂に行って粘り、ようやく確認できました。ただ、水路からなかなか出てきてくれず、水没した枯木の向こうにようやく姿が見えただけ。それでも、さすがに♂は鮮やかな彩りがくっきりと見えました。
水鳥ではありませんが、調査の途中の石神井川沿いで、モズとジョウビタキが出てきてくれました。これから冬鳥がどんどん増えて来るでしょう。楽しみな季節です。
2024年11月1日(金) 午前中
アトリ、アオジ
到着してすぐに城趾下の池でオオタカが水浴びをしていると教えてもらって観察。成鳥の♂のようです。面白かったのは、すぐ近くでカワセミがダイビングして小魚を捕っていたこと。オオタカも気にはしながらもちょっかいを出す気配無し。スズメ程度以下の鳥には手は出さないと言いますが、カワセミの方も気にしていないようでした。
三宝寺池を一回りして水辺観察園に来ると、カメラマンが集まっていて、アオジがいるのこと。待つほどもなくハンノキの枝に飛び上がりました(写真)。このところそれらしい声は聞いていたのですが、見たのは今季初めて。これも冬鳥の先陣です。周辺にはシジュウカラやメジロの群れが動いていて、何か混じっていないかと探していたら、ムクノキの天辺の当りで動いているアトリを見付けました。胸のオレンジ色が印象的。どうもたった1羽だけだったようですが、これも立派な冬の使者。これからに期待です。
2024年10月11,12日 午前中
キビタキ、エゾビタキ、カケス
雨催いの天候がようやく晴れて、公園にも秋がはっきりと見えてきました。このところ鳥は、春に北へ通過していって北国や山地で子育てをしていたものが南の越冬地に向かう途中で当地にも立ち寄っているところです。
キビタキやエゾビタキ(写真)、サンコウチョウ、センダイムシクイなどが見られています。エゾビタキはキビタキやコサメビタキと同じ仲間ですが、何故か春には東京では先ず見られません。春の渡りでは日本海側を通って東シベリアなどに行き、秋には太平洋側を通って東南アジアに渡りと言われています。地味ですが、秋の渡りを感じさせてくれる鳥です。
木道で写真を撮ろうと夢中になっている人だかりの上を、ジャージャーと鳴きながらカケスが1羽飛びました。こちらは低山から平地に下りて越冬しようと来たのでしょう。ここにとどまって楽しませてくれるとありがたいのですが。
これからは、大陸などで繁殖したジョウビタキなどの鳥たちがいつ姿を現してくれるか。楽しみです。
2024年5月10日(金) 早朝
サンコウチョウ、キビタキ、エゾムシクイ、センダイムシクイ
夏鳥もほぼ終わりに近づいて、このところサンコウチョウが頻繁に現れています。今朝は先ずキビタキの声を4カ所で聞き、野鳥誘致林ではエゾムシクイ、池の西縁ではセンダイムシクイが囀っていました。ただ、葉がすっかり大きくなってしまって、姿を見るのは容易ではない。静かな早朝、声の探鳥も良いものですが。
そんななか、今日も梅林の近くで、サンコウチョウ(写真)を教えてもらって見ることができました。尾の長い♂です。ツキヒホシホイホイホイの声が、明るい新緑の林に響くと、心躍るものがあります。ただ、あんな優美な姿をしているのに、実に素早く飛び回ります。羽虫を主な食料にしているので、当然といえば当然ですが。
これからは、カッコウやホトトギスなどの仲間、メボソムシクイが現れるまで楽しみは続きます。
2024年4月20、21日 早朝
春の渡り
日の出の少し前に公園に着いて、夏鳥の声を探します。梅林ではキビタキとエゾムシクイの声、桜広場でもキビタキ2羽、姫塚周辺にも2羽、野鳥誘致林にもキビタキとセンダイムシク。けっこう良く囀っていました。朝日を浴びるとより囀りが高まってくるようです。姫塚付近で若い人と一緒に探して、ようやくキビタキをとらえることが出来ました(写真)。やはり姿も華やかですね。喉のオレンジ色が際立っています。
池のミニ鷺山はアオサギの雛が生まれているほか、どうやらゴイサギの巣でも孵ったようだ。去年よりも範囲も拡大して中の島に接近してきている。天然記念物にもなっている中の島の沼沢植物群落への影響が心配されるところだ。
水辺観察園では、ミツガシワの他ゲンゲ、ヤマブキソウ、フタリシズカ、ケキツネノボタンなどが開花中。間もなくカキツバタも花をつけそうで、水辺は一番華やかな季節を迎えています。
2024年3月4日(月) 午前中
アズマイチゲ開花
雨や野暮用でごく久し振りの公園でした。三宝寺池に水を供給している井戸のポンプが2月末に復旧して、ようやく水位が回復してきました。この間半年近くも滞っていたので影響も心配されます。
この時期の楽しみは何といっても次々に咲いてくる野草や木の花。節分草に続いてアズマイチゲが咲いていました。花弁、苞が大きくて白い花はよく目立ちます。他にもピンクのホトケノザ、ヒメオドリコソウ、青い花のオオイヌノフグリなど。樹木ではウメの他マンサク、サンシュウ。桜もB地区野球場周辺のカンザクラ、オオカンザクラ、カンヒザクラがすでに開花しています。これから、ニリンソウ、アマナ、カタクリなどが次々に咲いてくれるでしょう。
鳥の世界も繁殖期に入っています。エナガは巣作りに入り、アオサギはすでに抱卵を始めています。昨年はアオサギの他コサギ、ゴイサギも加わってミニ鷺山ができましたが、今年はどうなるでしょうか。オオタカも番の形成に向けた動きが活発になっています。これから注目です。
2024年2月10(土)、11日(日) 午前中
ヒクイナ、タシギ
10日は水鳥調査の日。着いたら三宝寺池中の島のアシ原に噂のヒクイナが登場。調査の参加者全員で見られた。ラッキー。ただ、カモ類は三宝寺池のポンプ故障による水位の低下が影響しているのか、非常に少ない。影響が少ないと思われるボート池のキンクロハジロも大幅に数を減らしていた。
その影響なのか、石神井川は案外多くて、ヒドリガモ、コガモなどが見られた。さらに、クイナも現れて、ヒクイナ、バン、オオバンと合わせてクイナデーとなった。次のシーズンに期待したい。
11日はヒクイナの満足いく写真を撮りたいと再チャレンジ。着いたときは見えなかったが、一回りしてくると期待通り登場。ヒクイナというのは案外小さくて、背が茶色、顔からお腹にかけて赤褐色という色合いで、湿地で動くと本当に目立たない(写真)。自身見るのは東久留米で見て以来。なお俳句では、クイナといえばヒクイナのこと。鳴き声を、恋人が戸を叩く音と聞く。でも、実際はキョキョという声。昔の人は想像力がたくましかったのか。
この後、知り合いの人と石神井川でタシギを探す。いました。上御成橋の下流の島でじっとして。枯れた水草の中に佇んでいると、保護色で全く目立たない。このシーズン、やっと見られました。
2024年2月8日(金) 午前中
セツブンソウ開花、カシラダカの群
5日の夜から6日にかけて雪が降ったので、三宝寺池周辺はどうなっているかと行ってみました。
嬉しかったのは、この雪にも拘わらず水場観察園のセツブンソウが開花していたこと。たった一輪でしたが、春一番の花です。暦の上では春ですが、風が冷たく周囲は枯れた景色。でも、ここには確実に春がありました。よく見ると、日当たりよい場所ではオオイヌノフグリやヒメウズも花をつけています。身近な春を探してみたいものです。
今日目立ったのは、カシラダカの群。20〜30羽程の群が旧山桜園地の柵の中で草の種のようなものをついばんでいました。昨日は50羽程もいたとのこと。この群れは一体何処からやってきたのでしょうか。鳥たちの渡りはすでに始まっていて居るのかも知れません。これも春の足音。
池の水鳥は相変わらず少なく、野鳥誘致林でキクイタダキが見られたくらいでした。
2024年1月30(火)、31日(水) 午前中
キクイタダキ、オオタカ
史跡公園から入ると目の前の枝にアオジが。アオジはこの時期は繁みのなかにいて、たまに見える背中は茶色。ところが、お腹は黄緑色で見上げると春の色。嬉しくなります。
今週はようやくキクイタダキの写真が撮れました。ところが、やはりお腹側からで肝心の頭の黄色い冠毛が見えない。暗い針葉樹の枝をくるくると飛び回り、とりあえず撮れただけでもいいかという状態でした(写真)。
キクイタダキに注目していると、上空をオオタカが飛び回っているのが。このところ、何羽からのオオタカが入り乱れて、出たり入ったりしているのが見られます。ペアリングの時期ですが、昨年まで営巣していた♀は高齢で繁殖には参加できない様子。これに若鳥が取って代わろうとしているようです。果たしてどのペアが営巣するのか、注目されます。
石神井川で、ヒドリガモ、コガモ、コサギなどを見て最後に記念庭園へ。池を回ると、ミソサザイが動き回って餌をとっているようでした。この二日は素早く動く小さな鳥に振り回されました。
2024年1月18日(木) 午前中
ミソサザイ
先ず記念庭園でミソサザイを。ところが、シロハラの声はするものの、なかなか現れず、B地区野球場、野草園、史跡公園からボート池を掠めて三宝寺池へ。現れたのはジョウビタキの♀、カワセミくらい。このところ雨も少ないし、揚水機の故障が続く三宝寺池は益々水位が低下している様子。なかで目立つのはツグミくらい。数十羽が中の島で入れ替わり立ち替わり水浴びをしていました。
野鳥誘致林で会った方から、記念庭園にミソサザイが出ていると教えてもらい、先ほどは全く気配がなかったが、そちらへ。着くとすぐに中の島で動いているのが見られました。焦げ茶色の小さなからだで、とても可愛い。夏は渓流沿いで美声を響かせている歌い手です。
ただ、暗いところを俊敏に動いているので写真はとても難しい。ブレ写真を大量生産することに。なかで何とか撮れたのがこの一枚。去年の年末に見たときには、ボケ写真ばかりだったので嬉しい。初詣を済ませた氷川様に感謝です。
2024年1月6日(土) 午前中
ノスリ
記念庭園でルリビタキを見てシロハラの声を聞いて、三宝寺池に回るとノスリが高い木に止まっていると教えてもらいそちらに。最初は城趾の高い枝にいましたが、カラスに追われるようにして中の島方面へ。ここでは何とか写真が撮れましたが、枝の首掛りが気になるところ。ここでもやがて、カラスに追われるようにして野鳥誘致林方面に飛びました。飛びものはボケボケ、このところ腕が落ちたことを実感。
ノスリは石神井公園では時折現れるだけですが、このところのんびりしている様子。よく見られたのは、春先にアズマヒキガエルを狙ってきたとき。大きなごちそうだったのでしょう。このところアズマヒキガエルもなかなか見られなくなって、ノスリも姿が見えませんでした。
池の周りでは、他にジョウビタキ、シロハラといったところ。すっかり水位の下がった池では、オカヨシガモはいるものの水鳥はさびしい限り。これからどうなっていくか。
2023年12月26、27日 午前中
ルリビタキ、ミソサザイ
記念庭園にルリビタキ、ミソサザイが出るというので粘ってみました。26日葉池の南東側の水際を中心に。ここでは、シロハラ、アオジ、メジロ、ウグイスなどが入れ替わり立ち替わり水を飲みに現れて、それなりに楽しませてくれました。背後の林にはアカハラも。ただ、目当てのものは出ず。
27日は、ミソサザイが潜んでいる可能性が高い、池の中の島を中心に。取り囲んでいる人の一人がミソサザイの動きを見つけ、動くのは見ましたが写真は撮れず。その後は西側の藪のなかでしばらく動いていましたが、こちらも写真にならず。
ただ、その笹藪のなかでルリビタキが動いて、こちらは見ることができました。その後、三宝寺池を回りアトリやジョウビタキ、シロハラなどを見て帰りました。今年の冬鳥はなかなか難しいようです。
アトリ、リュウキュウサンショウクイ、クイナ、スズガモ
ここ数日で季節が急に進んで、雑木紅葉、紅葉の美しい池となりました。24日は晴天で暑いくらい。三宝寺池はアオサギとカワウ、カイツブリくらいで寂しい。野鳥誘致林にオオタカが入っていて、どうも2羽いたようです。しかし、ややこしいところにいて顔が見えない。北側に回ると、梅林で突然リュウキュウサンショウクイが出現。このところ声はよく聞いていたのですが、ようやく見られました。
後は蛍橋下流の石神井川へ。ここでは先ずスズガモ♀を。キンクロハジロと一緒にいてすぐに見られました。去年は見られなかったので2年ぶり。周辺にはヒドリガモ、コガモの群れもいてけっこう賑やか。クイナも顔を見せていました。川の北側では民家のアンテナでモズの♀が声を張り上げていました。
26日は寒い小雨のなかで観察会。始まって間もなくひょうたん池の北側で20羽ほどの小鳥が飛翔。アトリの群でした。三宝寺池をぐるりと回って、オカヨシガモの群、ツグミ、キセキレイ、ジョウビタキなどを見ましたが、全体に低調、次に期待しましょう。
2023年10月30、31日 晴 午前中
マミチャジナイ、アカハラ、シロハラ、オカヨシガモ
月曜日は記念庭園でコガモ、野草園でジョウビタキを見て、三宝寺池側に入ると、知り合いの人から野鳥誘致林にアカハラ、シロハラ、マミチャジナイらしきものが出ていると聞いてそちらへ。しばらく待っていると、バードバスに上にアカハラ登場、さらにシロハラ、眼の上下に白い眉班のあるマミチャジナイ(写真)も現れました。
いずれもツグミの仲間ですが、アカハラ、シロハラが日本で冬を越すのに較べて、マミチャジナイは東南アジアまで渡って冬を越す旅鳥です。この期間だけ見られる鳥。 この日は三宝寺池にヒドリガモが3羽、コガモが3羽見られました。
火曜日は昨日のヒドリガモは姿を消し、替わってオカヨシガモのオスとメスが1羽ずつ。コガモは6羽に増えていました。この時期、渡り鳥はなかなか定着せずに、あちこちの池を歩いて越冬場所を決めるようです。
中の島東側のヨシ原を刈る作業が行われて、ジョウビタキの♀が姿を現し、ウグイスの笹鳴きもあちこちから聞こえました。鳥の世界も一気に冬に向かって動き出したようです。
2023年10月16〜19日 晴 午前中
サンコウチョウ、オオルリ、キビタキ、ジョウビタキ
日曜日に雨が降って、渡り鳥が来ているのではと期待して毎日石神井公園通いです。期待通り三宝寺池で、16日にはオオルリ、キビタキ、コサメビタキ、17日はこれに加えてサンコウチョウ、エゾビタキが。18日はジョウビタキ、キビタキ、エゾビタキ、19日にもジョウビタキ、キビタキなどが見られました。よく見ると、いずれも今年生まれの幼鳥が中心で、オオルリは背中だけが青く、頭部は灰色、サンコウチョウはアイリングの青が薄かったりといった姿でした。
このほか、三宝寺池周辺ではカケスの声が聞こえ、野草園では、ツツドリやモズも見られました。
ジョウビタキは日本で越冬する冬鳥の第1陣です。先週から史跡公園で見られましたが、今週は三宝寺池にも。2羽いたようです。これから、ツグミやシロハラ、アトリやイカル、ウソなど、が次々に入ってくることを期待したいものです。
2023年10月13、14日(金、土) 晴 午前中
ジョウビタキ、ツツドリ、カケス、キンクロハジロ
このところ秋の渡りが本格化してきているようです。とくに、エゾビタキ、キビタキのような南の越冬地に向かう鳥の他、日本で越冬する鳥も見られています。その先行組はカモ類で、コガモ、マガモ、キンクロハジロも姿を見せています。この時期出たり入ったりが多いのですが、キンクロハジロ定着しています。
金曜日は史跡公園で3日振りにジョウビタキ♂を見ました。冬の小鳥の第1弾。半年ぶりに見るジョウビタキは色鮮やかで、秋も深まったという感慨があります。ジョウビタキを待っていたら、突然ツツドリ(写真)が出現。キビタキ、コサメビタキ、エゾビタキもハナミズキの周辺などで飛び回っていました。
土曜日は、朝一番に野鳥誘致林でカケスの声を聞きました。高い木の樹冠を飛び回っていて、写真は撮れず。この後で、ひょうたん池の高木にヤマガラも出現。冬鳥と南に帰る鳥が両方見られる、楽しい季節かも知れません。
2023年9月28日(木) 晴 午前中
モズ、エゾビタキ、キビタキ
猛暑がぶり返したような日でした。B地区野球場にはハクセキレイの若鳥が1羽だけ。その時、野草園側から鋭いモズの高鳴きが。良く探すと、野草園のえのき林の高いところに♂が1羽止まっていました(写真)。やはり来ていたのですね。気分が高まります。
三宝寺池側に入ったところで、バリンにキビタキの♂がいると聞いてそちらへ。教えてもらったのですが、非常に見えにくいところにいて写真になりません。諦めて野鳥誘致林へ。高いところにメジロの群れが見えますが、葉が繁っていてなかなか。
暫くすると、のぞき窓のところに群が下りてきました。低い枝に止まったところを見るとエゾビタキが2羽、キビタキの♀も2〜3羽,シジュウカラ、メジロもいて賑やかになってきました。この混群もやがて南側の方へ。秋の渡り鳥の先行組もようやく形になってきたようです。
2023年6月1日(木) 晴 午前中
アサザ、ホタルブクロ、ヤマアジサイ
渡り鳥の声が少なくなってきたので、久し振りに花に注目。先週辺りから目立っているのがガクアジサイ。すっかり梅雨時のモードに入ってきました。
水辺観察園では水の中にアサザ(写真)の群落、丘にはホタルブクロ、オオハンゲなどが目立っています。
このなかでアサザは、水元公園から移植してきた貴重植物。元々は広く水辺に繁殖していたようですが、今やなかなか見られなくなっています。黄色い花がレースのようで梅雨空に生えています。ホタルブクロは花の形が特徴的で、昔はこの中に蛍を入れて遊んだというお話しもあります。
ガクアジサイのほか、ヤマアジサイも盛りです。小振りで地味ですが、どことなく野趣を漂わせています。
2023年6月21,22日 曇時々晴
タカサゴモズ、ノジコ 奥日光戦場ヶ原散策
奥日光湯本温泉に家族旅行。湯の湖、戦場ヶ原を散策して鳥を探しました。湯の湖では、オシドリ、マガモ、カルガモ、キンクロハジロ、オオバン。宿の近くではオオルリやキビタキの声が。周辺のアシ原にはイワツバメが群れを成して飛び回っていました。
戦場ヶ原では、ミソサザイに至近距離で出会ったり、ゴジュウカラやキバシリといった高原性の鳥も見られました。ハイライトはタカサゴモズに遭遇したこと。10年あまり前、東京港野鳥公園で見て以来。お腹が赤くて、頭がグレーのけっこう大きなモズです。
また、灌木の上にちょこんと乗ったノジコも久し振り。アオジに似たホオジロの仲間ですが、囀りのきれいな鳥です。さらに、散策コースの最後の方で遠くにカッコウの声が聞こえました。やはり高原にはカッコウの声がよく似合います。
大いに楽しめた、奥日光散策でした。
2023年5月9日(火) 晴 早朝
コルリ、サンショウクイ、サギ山
三宝寺池ゾーンに入るとすぐにキビタキの声。ただ、このところ少なくなっている印象。氷川神社の裏の方からはサンショウクイの声が聞こえた。今年はサンショウクイの声をよく聞くのだが、姿がなかなか見られない3月からの急激な気温上昇で樹木にはのしげりが早くて視界が悪くなっていることも一因か。
先輩の方に教えていただいて、城趾を一回りし、区道の辺りでコルリの声を聞くことが出来た。フィリリーンという弱い声だが、はっきり聞こえた。とても嬉しい。
今日はサギ山をじっくり観察。コサギは6巣、アオサギ3巣、ゴイサギ3巣となっているようだ。コサギの上の方の巣は雛が孵っているようで、動きが見える。アオサギは中の島の本体の高木にも営巣し始めていて、中の島の植物群落への影響がとても心配です。
2023年5月2日(火) 晴 早朝
キビタキ、オオムシクイ、アオバト
早朝から回ると、ふくろう広場、野外ステージのあたりでキビタキの囀り。サクラ広場ではアオゲラが飛び回って。さらに野鳥誘致林に進むとエゾムシクイのヒーツーキーの声、センダイムシクイのチヨチヨビー、さらにオオムシクイの声もも聞こえました。
ただ、例によって高い木の枝を飛び回っていて、なかなか落ち着いて写真を撮らせてはくれません。かろうじて撮ったのがオオムシクイ(写真)。ほどほどにしてさらに一回り。
教えてもらった山桜園地に行って、暫くじっと耳を澄ませているとアオバトのウィーン、アオーアオーという声が聞こえてきました。大体ハトの仲間の声って、気持ち悪い声が多いですね。ただ、こちらも声だけ。声だけでも幸せというべきか。
2023年4月19−21日 晴 早朝
オオルリ、キビタキ、クロツグミ カキツバタ開花
前週から夏鳥が入り始め、早朝探鳥を始めました。19日に三宝寺池ゾーンに入ると、すぐにアスレチックの遊具の上からキビタキの元気な囀りが聞こえました。さらに進むと梅林の周辺でも、キビタキの声とクロツグミと思われる囀りが。南側のツグミ平ではセンダイムシクイ、城趾の当りでもキビタキ。一回りして水辺観察園付近に戻ると、オオルリがいると教えてもらって見ることができました。
20日もあちこちでキビタキの囀り、さくら広場では高木の梢に飛び回るオオルリが見られました。ただ、このところの気温の異常な上昇で樹木の葉が大きくなり、鳥がなかなか見られないという悪条件があります。21日は一転して夏鳥の声はなし。わずかに野鳥誘致林でアカハラかシロハラか、キョロンキョロンの声を聞いただけでした。
こうなると、開花状況を見て、カキツバタ、フタリシズカなどの野草、ホオノキ、キリ、トチノキ、フジなどを楽しみました。とくに今年はフジが見事で、城趾から池に懸崖となって枝垂れていました。
鳥は次の波がいつ来るのか、期待して待ちましょう。
2023年3月1日(水) 晴 午前
ウグイスの初音、イカル、アズマイチゲ
3月になり、春を探して公園に。到着してすぐに記念庭園で、ウグイスの囀りが聞こえました。今年初めて初音というわけ。心が騒ぎます。柵に囲まれた山桜園地では、3、40羽のイカルの群が地上に降りて餌をついばむ。ケヤキやエノキの実を探しているようでした。
三宝寺池の側では、南側のいつもの場所でトラツグミ、近くではアオゲラも木をつついていました。今年も営巣してもらいたいものです。池にはヒドリガモとオカヨシガモ。アオサギの巣は低い樹上となり、立ち上がったところで白い卵が見えました。
冬ガモは少なくなり、鳥の営巣が始まる。これも春。
最後に井草通り沿いのゾーンでアズマイチゲの大きな花が見られました。セツブンソウ、セントウソウに続く早春の花。心躍る季節です。
2023年2月11、12日(土、日) 午前
トラツグミ、セツブンソウ開花
11日は今シーズン最後の水鳥調査でした。昨日降った雪のせいか、カルガモが半減して、キンクロハジロも減っていました。渡り鳥の鴨が減るのは春になった証なのですが、留鳥のカルガモが減ってというのはどういうことなのか。
日曜日は三宝寺から回りましたが気配無し、登ってきてようやく待望のトラツグミ(写真)に出会えました。逆光でいい写真にはなりませんでしたが、うれしさはありました。池に下りると厳島神社のところでエナガがクモの巣を集めていました。周辺で巣づくりを始めているのでしょう。
さらに池を回って水辺観察園に入ると、セツブンソウが10輪程開花していました(写真)。節分から10日、案外律儀に咲いてくれました。近くではセントウソウも。早春の花に出会うと、春の訪れを実感します。B地区野球場では、カンザクラが満開になっていました。これから4月まで、行きつ戻りつしながら春は着実に足音を高くしていくのですね。
2023年2月8日(水) 午前
マガン、トモエガモの大群
鳥見仲間の方から教えていただいて狭山湖まで行き、マガンを始め水鳥を見てきました。マガンは宮城県の伊豆沼、石川県の片野鴨池などで見たことがあります。とくに伊豆沼では早朝に2万羽を超えるといわれるマガンなどをいっせいに飛び立っていく様子を見て、感激したことを覚えています。ただ、これもずいぶん昔の話で、改めてみてみようということです。
マガンは堤防の付近にいてすぐに分かりましたが、やはり1羽だけというのは寂しいものです。江戸時代までは東京湾にも群が渡ってきたということですが、今回は仲間とはぐれてしまった迷鳥ということのようです。マガモなどと一緒に寛いでいる様子でした。
その周辺には珍しいトモエガモの大群がマガモの大群と競うように陣を張っていました。およそ200羽もいるかという群でした。頭部の模様が3色の巴柄。背中の飾り羽根もなかなか洒落ています。他にヨシガモも。タヒバリ、ノスリも見られました。
2023年2月4,5,6日 午前
ツグミ類の増加、サギの繁殖羽
今年は冬鳥が少なくて張り合いの少ない鳥見が続いています。それでも、1月末、2月初めの寒波襲来以降はツグミやシロハラは大分増えてきたようです。山桜園地、中の島ではそれぞれ数十羽の群が見られました。周辺ではシロハラ、ツグミとともにアカハラも(写真)。
池のカモはヨシガモは見られなくなりましたが、オカヨシガモ、ヒドリガモは健在。石神井川に下りてみると、ヒドリガモが10羽以上、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロも泳ぎ回っていました。コサギも3羽、目先の婚姻色は出ていませんでしたが、繁殖羽根はかなり伸びてきているようでした。
婚姻色といえば、三宝寺池ではアオサギが2羽、いい感じで近づいているのを見ました。昨年は三宝寺池で4羽のアオサギの雛が巣立ちましたが、今年はどうなるのか。あまり増えるのもどうかと思いますが、注目されます。
春は名のみと言われる立春ですが、確実に近づいています。
2023年1月14日(土) 午前
イカル、タシギ 水鳥調査
新年最初の水鳥調査。集合時間より少し早く到着すると、会員の方からイカルがいると教えてもらい、ひょうたん池北側のエノキにいるイカル(写真)を見ることができました。年内から大小の群が出現していましたが、今年は初めて。3羽はいたようで、エノキの実を大きな嘴で割っている姿は結構迫力があります。
水鳥調査はカモが10種類、193羽確認できました。昨年と比べるとスズガモが見られず、ホシハジロが定着しています。全体としては例年と同様ですが、ヒドリガモやコガモの主力が石神井川にいるため、三宝寺池が少しさびしい状態になっているのが残念なところです。
調査最終地点の蛍橋付近で、先月見られなかったタシギが見られたのは運がありました。探しているとちょうど目の前を飛んできて、1羽ですが確認できました。この辺りは、ヒドリガモ、コガモ、ホシハジロが集まっていて、賑やかな場所になっているが印象的でした。
2022年11月27,28日(日、月) 午前
ツグミ、トラツグミ、リュウキュウサンショウクイ
日曜日は定例観察会の日、到着するとイベント広場の辺りに人だかりが。リュウキュウサンショウクイが数羽飛び回っていました。最近よく出現するんです。もともと沖縄や奄美に生息する留鳥ですが、最近関東まで生息範囲を広げています。
観察会の参加者と一緒に池を回って野鳥誘致林に来て、囲いののぞき窓を見ると何やら飛び回っているものがいて、ツグミの群とシロハラでした。ツグミは今季初遭遇。アカハラやシロハラは見ているのに、最も多いはずのツグミは消息がなくて心配していました。10羽くらいはいたようです。
その中で、枝に飛び上がるものがいて、大きめと思ったらトラツグミ。こちらも今季初お目見え。マミチャジナイ、アカハラを見たという人もいて、ツグミ類の当り日でした。
翌日はツグミの群は姿を消していて、淋しいことに。ただ、リュウキュウサンショウクイは今日も見られ、池にはヨシガモの♂がいて華やいだ雰囲気。ボート池にはホシハジロが4羽入って、こちらもやや賑やかでした。
2022年11月18、19日(金、土) 午前
ヨシガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ミソサザイ
金曜日はボート池から三宝寺池に入ると、今年初めてヨシガモの♂が見られました。オカヨシガモの♀も一緒。近くにはヒドリガモの♂♀、コガモの♂♀もいて、ようやくカモの競演となりました。見ていると、ヨシガモは最初岸の近くの暗いところにいましたが、次第に池の中央に出てきて、光を浴びて金緑色に光りました。周囲を圧倒する程のオーラです。是非定着してほしいものです。
これより先、池の周りを歩いていると、水神様のところでミソサザイの地鳴き。周辺を丹念に探しましたが、笹藪の中にいるようで見つけられず。残念。石神井川でタシギを見て帰りました。
翌土曜日は、野鳥誘致林でアカハラを見ただけ。日によって、様子が変わっていく時期のようです。
2022年10月15、16日(土、日) 午前
アマツバメ、エゾビタキ、コサメビタキ、ツミ
雨の合間を縫って出かけました。土曜日の朝はすぐにエゾビタキ(写真)、コサメビタキが数羽、ひょうたん池のヤナギの枝の天辺に見られました。エゾビタキは春の渡りの時にはほとんどみれレズ、秋にはよく見られます。春は日本海側のコースを取り、秋には太平洋側のコースと取って帰るといわれています。同じコースでは面白くないということかも。ボート池にはキンクロハジロがいました。これから増えてくることを期待します。
日曜日はなかなか気配がなく野鳥誘致林に回ると、突然ツミの声。しかし姿は見られず、残念。 再びひょうたん池に戻ると、昨日と同じところにエゾビタキが1羽だけ。その時、上空を旋回する鳥がいて、羽の鎌のような形からどうもアマツバメです。はやり南に帰る途中に姿を見せたのでしょう。
これから、ジョウビタキやツグミなど冬鳥の訪れが待たれます。
2022年10月8日(土) 午前中
モズ、キセキレイ、オナガガモ、コガモ
朝一番に知り合いの方から、モズとコガモを教えてもらい、B地区野球場のネットの上にいるモズを発見。尾の長いシルエットは目立ちます。ボート池に下りてコガモを見てから三宝寺池へ。
ツグミ平でオナガの声、10羽くらいがエンジュの木をしきりに移動。数珠玉のような実をつついているのでしょうか。ぐるりと回って水辺観察園に戻ると、エナガとシジュウカラにキビタキが交じった混群と遭遇。キビタキは♀タイプで、今年生まれの若鳥のようでした。
南側の城趾の池ではキセキレイが2羽(写真)。スイレンの葉の上を飛び回って、こちらは羽虫を狙っているようでした。色の濃い個体と薄い個体。薄い個体はやはり若鳥でしょうか。若鳥には、これから厳しい冬が待っていて、試練の時です。この冬を生き残ったものだけが来春の繁殖に参加できます。応援したいですね。
帰りにはボート池でオナガガモを3羽見ました。冬ガモもよく見かけるようになってきました。
2022年9月26日(月) 午前
カリガネソウ、秋の花、サンコウチョウ
台風が去って、ようやく秋晴れがやってきました。水辺観察園も秋の佇まいになってきました。目を引くのは青紫のカリガネソウ、赤紫のノハラアザミ、アカバナと白花のゲンノショウコなど。今年はツリフネソウが盛んでよく咲いています。
今日は水辺観察園を西に抜けたところで、サンコウチョウに出会いました。初夏にここを通過して山地で子育てをしていた鳥は、新たに生まれた若鳥も含めて、越冬地を目指して帰っていく時期。9月に入ってから、センダイムシクイ、コサメビタキ、エゾビタキ、キビタキが確認されています。ただ、シジュウカラやエナガなどの群の中にいて、えらく高いところを飛び回り、この日もピンボケばかりでした。カケスやツミも見られました。
すでに、コガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロも姿を見せています。帰っていく夏鳥と追いかけるようにやってくるツグミやカモの仲間。これからが楽しみな季節です。
2022年6月10、11日(金、土) 午前
アカショウビン、カッコウ
11日はチョウ・トンボ調査の日でしたが、ここで大事件。待ち合わせの定刻よりやや早く着くと、知り合いの方からアカショウビンがいると教えてもらってとりあえずそちらへ。着いた時は見られませんでしたが、暫く粘っていると姿を見せてくれました。全身が赤くて、嘴が大きいカワセミの仲間。カワセミが17cmくらいで、アカショウビンは27.5cm。かなり大きく見えます。
バードウォッチャー憧れの鳥で、これを見ようと遠くまで出かける人も沢山います。それが都会の真ん中に現れたので、本当にびっくり。もちろん石神井公園では初記録です。
全体的には春の渡りがほぼ終わって、寂しい情況。なかでは、10日にカッコウの声を聞きました。あとはアオゲラやアオバズク、オオタカの様子が気になるところ。無事に進んでくれることを期待しましょう。
アカショウビン飛来による混乱を避けるために、更新が遅くなりました。
2022年5月29日(日) 晴 早朝
ホトトギス、オオムシクイ
東京の公園は夏鳥の季節はそろそろ終りの時です。石神井公園でも若いキビタキが時々見られるくらい。あとは、遅れて来るメボソムシクイ、オオムシクイ、ホトトギス、カッコウなど。
そのホトトギスに思わぬところで出会いました。場所は高野台という石神井町の隣の緑地。自転車で通りかかると、あの声。思わず自転車を止めて、声のする方向を探しましたがなかなか困難。そうこうするうちにこんもり茂った梢から飛び立ちました。嬉しい出会いでした。
また、このあと自宅近くでオオムシクイの声もしっかり聞きました。となると、本当に渡りは終わり。それにしても、あのメボソムシクイは一体どうなっているのでしょうか。
替わって、公園で話題なのが繁殖です。オオタカは今年も雛が生まれ、親は給餌に忙しいよう。目につきやすいところでは、三宝寺池の小島でことしもアオサギが子育て中。しかも、雛は4羽もいて給餌の度に大騒ぎが繰り返されています(写真)。アオバズクは今年も営巣が見られるのか、期待したいところですが。
2022年5月3、4日(月) 晴 早朝
オオルリ、キビタキ、アオバト カキツバタ
ゴールデンウィーク中ですが、いつもの公園で早朝探鳥。この時期は東南アジアから渡ってきた鳥たちが、東京の公園でも見られるという楽しい季節です。石神井公園ではオオルリやキビタキ、センダイムシクイなどが4月の中旬から姿を現しています。
キビタキはかなり数が多くて、とくに三宝寺池北側で囀りが聞かれました。オオルリは野鳥誘致林入口の広場の高い木の上で気持ちよさそうに鳴いていました。囀りを聞いていると幸せな気分になるのはどうしてでしょうか。田だ、いずれも高いとこと、しかも今年は若葉の開くのが早くて、姿を見るのは困難。4日はアオバトの声も聞こえました。
地上に目を向けると、三宝寺池の池畔ではカキツバタが盛りです(写真)。ミズキや花水木、トチノキなどの木の花が咲いて石神井公園は今が一番華やかな季節です。とくに今年は、水辺観察園水面のアサザの花が元気で、咲き誇っています。
2022年4月18日(月) 曇 午前中
クロツラヘラサギ シギ・チドリ 葛西臨海公園
葛西臨海公園で行われた探鳥会に参加しました。コロナの影響でずいぶん久し振りです。
橋を渡って西なぎさに出ると、東なぎさにいるクロツラヘラサギが3羽見えました。クロツラヘラサギはトキの仲間で、東アジアを中心に世界に500羽くらいしかいない絶滅危惧種です。東京の海で見られるのはラッキー。その上、探鳥会が終わって暫くすると、西なぎさの波打ち際に来てくれました(写真)。
それにしても、長いお玉杓子のような嘴はとても奇妙。これを干潟の砂に差し込み、左右に振っては餌をとっています。この仕草も面白い。
今は渡り鳥のシーズン。シギやチドリの多くは、オーストラリアや東南アジアから飛来し、北太平洋の千島列島、アラスカまで飛んで繁殖します。東京湾はじめ日本の干潟はその中継地。ここでは、チュウシャクシギ、ダイシャクシギ、ホウロクシギのシギ類、コチドリ、シロチドリ、メダイチドリ、オオメダイチドリのチドリ類が見られました。これから5月にかけて、葛西臨海公園はさらに多くのシギ・チドリ類で賑わうことでしょう。彼らの長旅の無事を祈りたいと思います。
2022年3月21日(月) 晴 午前
コチドリ ミツガシワ開花、春の野草
今日は春分の日、サクラも咲き始めて春本番。鳥はと言うと、渡りの季節が始まってめっきり少なくなりました。これから4月中旬に夏鳥が見られる頃まで、辛抱の季節です。
ボート池から三宝寺池と回って、寂しくなった水面を見、オオタカの声を聞いてから、石神井川に回りました。ここで知り合いの方から、コチドリが来ていると教えてもらい見ることが出来ました。今年初めてです。
コチドリも南方から渡ってきて日本で子育てをする鳥。コンクリート3面張りという無粋な川の、小石が堆積して河原のようになったところにいました。アイリングの金色が鮮やかです。近くでは久し振りにタシギも見られました。
先だって回った水辺観察園では、石神井公園を彩るミツガシワ、ニリンソウ、ヒトリシズカ、ジロボウエンゴサク、アマナ、ゲンゲなどが咲き出して、一気に春の花園といった風情になりました。花に鳥、これからが美しい、楽しい季節です。
2022年3月5日(土) 晴 午前
イカル カワラヒワの巣材集め
今日は啓蟄。冬の間地中などに隠れていた虫が這い出してくるという日です。今日も石神井公園に行くと旧山桜園地から口笛を吹くような感じの声がします。目をこらしてみると、高い木のてっぺん付近に鳥影。イカルでした。立派な嘴の黄色が朝日に光っています。周辺からも声がして、数羽はいるようでした。
隣の池淵史跡公園に廻ると、奥でシロハラとカワラヒワが動いています。カワラヒワは2羽で、何やら白い塊を口にくわえています。よく見るとどうやらイヌの毛のようで、巣づくりに使う材料を集めいるようでした。してみると、2羽はつがいで、手前がメス、奥はオス。仲良くこの周辺で巣を構えているところのようです。そういう時期なのですね。
三宝寺池の周りを回っても、ウグイスの囀り練習が佳境に入り、シジュウカラも恋の歌を歌っています。エナガもしきりと、クモの巣を集めていました。野鳥誘致林で出会った10羽ほどのアトリの群も、大分頭が黒い個体が増え、繁殖羽根に替わっているようでした。これからシベリアに向けて旅を始めるでしょう。
セツブンソウに続いてアズマイチゲも開花し、マンサクの花も咲き始めました。まさに、
春本番ですね。
2022年2月21、22日(月、火) 晴 午前
セツブンソウ、ビンズイ
日も長くなってそろそろ鳥も植物も動き出す気配。水辺観察園では春一番にセツブンソウが咲いていました(写真)。丈が短くて周辺の草に埋もれてしまいそうな花ですが、可憐な姿は動き出した春を象徴しています。これからアズマイチゲやジロボウエンゴサクなどが次々に咲いてくるでしょう。
鳥も春の動きです。何といってもオオタカの動きが活発になってきました。城趾の森を中心に、♂♀がディスプレイを繰り広げ、営巣への気分を盛り上げています。池でも石神井川でも、オナガガモ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、コガモ、キンクロハジロなどのカモはすでに多くがつがいとなっていて、繁殖地へ向かう機運です。3月に入るとオナガガモを先頭に次々に飛び立っていくでしょう。
川で見たダイサギもコサギも、繁殖衣備えて美しい蓑羽根に替わっていました。
今日はいつものコースの中でもお寺で、ビンズイと出会うことが出来ました。ルリビタキ♂の若に続いて、繁みの中をよちよちと歩く姿が見られました。石神井公園では10年ぶりくらいの出現です。これからも楽しませてほしいものです。
2022年1月17日(月) 晴 午前
カンムリカイツブリ
先日富士山にお祈りした鳥運が、思いがけない形でやってきました。今日も鳥が少ないなといいながら池の周りを回っていると、カンムリカイツブリガいると教えてくれる人がいて、中の島の周りを探すとカモくらいの白い鳥がいました。白い身体に長い首、冬羽で地味な姿ですが、確かにカンムリカイツブリです。
東京湾に面した葛西臨海公園などではよく見られる鳥ですが、石神井公園には初めての登場でした。よくいるカイツブリが全長26cmに対して、カンムリカイツブリは56cmもあって、日本で見られるカイツブリでは最大。大物です。
あとは、ヨシガモの♂が1羽、この時期さすがに3列風切りが長く伸びて優美な姿です。そこにダイサギが舞い降り、さらにもう1羽。あとの方は若鳥という印象ですが、2羽揃ったところはこちらも優美。
ボート池には年末から氷が張るようになり、40羽くらいいたキンクロハジロが10程度に減って、スズガモも見えなくなってしまいました。冬の小鳥だけでなく、水鳥まで寂しくなっていただけに、珍客の到来は嬉しい限りでした。
2022年1月3日(日) 晴 午前
一富士、二鷹
新年おめでとうございます。この日が石神井公園で初鳥見でした。正月ということで、たくさんのカメラマンが詰めかけていました。なかで一番人気だったのが、やはりオオタカ(写真)。まだ若い個体ですが、カラスに追いかけられながら林の中を飛び回っていました。
三宝寺池の周りを回ると、池にはオカヨシガモ、キンクロハジロのほか、一時姿見えなくなっていたヒドリガモの群も。中の島にはアトリ、ジョウビタキ、シメがハンノキの高い枝に止まっているのが見えました。アトリなどは大きな群を見たいところですが、パラパラとした小さな群だけ。
桜広場に上がると、エナガの声に続いて、モズの甲高い声。モズは♂でした。さらに木を叩く音がして、桜の幹にアオゲラが現れました。こちらも♂。野鳥誘致林では、エナガ、コゲラ、メジロ、シジュウカラの混群に出逢いました。
野草園では、ツグミの声はするものの姿が見えず。隣接の農地にはまたモズ♂が出現。さらにB地区野球場に回りましたが、こちらはハクセキレイだけ。ただ、ここからは雪を被った富士山が見え、今朝夢に現れてくれなかった一富士二鷹を堪能しました。今年の鳥運を期待です。
2021年11月15日(月) 晴 午前
アカハラ、シロハラ、マミチャジナイ、ヨシガモ
今日も石神井公園。遅れている冬鳥ですがこのところ少しずつ増えてきている気配があります。野鳥誘致林では、バードバスにアカハラ、オオアカハラ、マミチャジナイ、シロハラが入れ替わるように現れて、楽しませてくれました(写真)。このバードバス、設置してから数年、さっぱり鳥が寄りついてくれなかったのですが、ようやく風景にも馴染んできたということでしょうか。同じ林の奥からは、ツグミの声も聞こえてきたのですが、こちらは姿を見られず。残念。
池に下りると、ヨシガモとヒドリガモが池の端に群になって浮いていました。ヨシガモは♂が2羽、ヒドリガモは♂が3羽に♀が1羽。ヨシガモはいずれも換羽の途中ですが、派手な衣装の片鱗を見せています。
ヨシ原では、アオジやウグイスの声がひっきりなしに聞こえています。上空にはハイタカの情報も。楽しみな季節は少しずつ進んでいます。
2021年11月1、2、3日(月、火、水) 午前
タヒバリ、マガモ、ヒドリガモ、スズガモ
11月に入って、3日連続で石神井公園に通いました。冬鳥は少しずつ入ってきていますが、どうも遅れているようです。
水鳥はカモ類のヒドリガモ、マガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、コガモ、キンクロハジロ、スズガモが見られました。キンクロハジロをのぞいて、なかなか定着せずに、出たり入ったりという状態ですが、やがて定着してくるでしょう。このほか、オオバンがボート池、三宝寺池にも現れています。
気温が下がってきて、カラの混群によく出会えるようになったことも楽しい。エナガ、メジロ、コゲラ、シジュウカラが中心ですが、ムシクイ類やキクイタダキも期待したい。冬鳥の定番ジョウビタキは史跡公園、農地付近を中心に♂♀が姿を見せています。ツグミ類は声がよく聞こえるのですが、姿が見られていません。
2日には、B地区野球場でセキレイの仲間のタヒバリが見られました(写真)。ハクセキレイと一緒にいたところからも、石神井川の繁みにいて時々餌を取りに現れるのだと思われます。グランドの真ん中にいて、遠いこと遠いこと。
2021年10月16、18日(金、月) 午前
ジョウビタキ、コガモ、キンクロハジロ
日曜日は雨で、その前後に公園で鳥を探しました。土曜日の早朝はボート池の東側でキンクロハジロのオスメス。手前にカワセミの雄。雨が降り出したなかを、三宝寺池の奥までぐるりと回ったが寂しい。なかで、水神さんのところでコゲラとシジュウカラの小さい混群、水辺観察園の入口付近でもメジロ、コゲラ、シジュウカラの混群に会った。こちらは飛び出すところを見ると、約40羽くらいと結構大きな群だった。
雨の日曜日の後は空気がすっかり入れ替わって、晩秋という趣に。ボート池にはやはりキンクロハジロの♀が3羽、三宝寺池にはコガモが3羽。遠くて性別不詳。三宝寺橋まで来たところで、中の島のアシ原の中からお腹が褐色の小鳥が飛び出す。東側の木立の中を見ると、ジョウビタキの♂。今季初めて。
今日も鳥の気配は薄かったが、これから冬鳥が増えてくる期待を持たせてもらった。
2021年9月12日(日) 晴 午前
イソヒヨドリ
イソヒヨドリが見られると聞いて、高速道路近くの白子川まで遠出しました。橋の上で暫く待っていると大きな泣き声が響いて、イソヒヨドリが登場(写真)。背中はかなり青くなっているのですが、お腹はまだらで、今年巣立った若鳥のようです。
イソヒヨドリはかつては海岸の岩の上などで見られる鳥だったのですが、かなり前から甲府盆地など山の中で見られるようになり、最近では八王子などでも繁殖しています。白子川で見られたイソヒヨドリがどこで生まれたものなのか、興味深いところです。
今日の若は、やたらと電線や建物の屋根などを渡り歩いて、なかなかよいショットがとれません。ここで見られたということは、石神井公園にも登場するのは時間の問題でしょう。期待して待ちましょう。
2021年8月5、6日(木、金) 午前
ハッカ、カノコユリ 夏の花
夏の公園は鳥の姿がめっきりすくなりなり、声もななかなか聞こえなくって来ました。賑やかなのはセミですが、石神井公園ではヒグラシの声が聞こえるのが嬉しい。
水辺観察園もすっかり夏の花園に更衣しています。最も目立つのがカノコユリ(写真)です。赤い斑点が入って艶やかな姿のユリ。園芸種としか思えませんが、れっきとした日本の自生種。鹿児島県の甑島を始め、多くの自生地があるとのことです。
他に、赤紫のミソハギはお盆の花でもあります。オレンジ色のヒオウギは、切り立った扇状の葉が特徴的。ヤブカンゾウはすでに終わって、ノカンゾウが盛りを迎えようとしています。この時期になっても、アサザの黄色い花は衰えを見せず、咲き誇っているのが印象的です。
7日は立秋でしたが、秋の花と言われるハッカはすでに盛り。その名のとおり、葉を1枚とって匂いを嗅いでみると、あのハッカの匂いが香ります。また、紫色のカリガネソウが咲き始めていました。季節は足早に移っていきます。
2021年7月20日(火) 午前
オナガアゲハ、アオバズク、オオタカ雛
梅雨が明けて、石神井公園はどうなっているかなと出かけました。到着するとすぐに、ヤナギの木に2羽のアオバズクが止まっているのが見られました。どうも♂と♀のようですが、5月に見た個体なのでしょうか。しばらく見られるといいのですが。
城趾にオオタカの巣立ち雛が見られました。3羽巣立ったはずですが、見られたのは1羽だけ。野鳥誘致林などでも声を聞いたという人がいるのですが、はっきりしません。まだ、親から餌をもらっている時期なので気になります。これからセミなどを捕って狩りの練習をし、やがて秋には独り立ちすることになるはずです。
今日の目標は、マルタンヤンマ、ヤブヤンマ、キイトトンボを見ることでしたが、見られたのはヤブヤンマだけ。昨日はいた、さっきまでいたという情報を聞いたのですが、どうも運が悪い。運がよかったのは、知り合いの方に教えてもらってオナガアゲハを見られたこと(写真)。クロアゲハに似ていますが、尾状突起が長くて、眼状紋もはっきり見えます。東京23区では絶滅危惧種第1種に指定されています。それだけ石神井公園の自然が貴重だということですね。
2021年6月17日(木) 午前
トモエソウ、ハンゲショウ、アサザ 梅雨時の花
しばらく振りに水辺観察園の花情報を中心に。カキツバタなど初夏の花が終わった後、端境期で咲いている花は余りありません。なかで目立っていたのがトモエソウでした(写真)。トモエソウは草丈が1mほどもあって、花の大きさも5センチくらいと目を引きます。何よりも黄色い花弁の先がともえ状にねじれているのが特徴。オトギリソウの仲間です。
いちばん繁茂しているのはハンゲショウです。7月上旬の半夏の季節に咲くのでこの名前があります。ドクダミの仲間で、花は花弁のない穂状に伸びた花茎にびっしりと付いています。花のかわりに上の方の葉が半分白くなって、虫を引きつける役割を果たすという面白い特徴があります。これも東京では見られるところが少なくなっている貴重植物です。
今年は、黄色いアサザがよく咲いて来園者に喜ばれています。霞ヶ浦や東京では水元公園でよく見られます。昔は三宝寺池でも自生していたとのことで、水元公園から移植して育てています。ここ数年、アメリカザリガニやカルガモと思われる食害で、途絶えていましたが、今年は対策が成功してきれいな花を咲かせています。
ほかにも、ヤマアジサイがシーズンです。まもなく、ヒオウギが咲き出すことでしょう。
2021年6月3日(木) 早朝
ミドリシジミ、オオタカ、アオサギの巣
しばらく振りに早朝から出掛けました。狙いはオオタカの様子。生まれたばかりの綿帽子のような雛を見たかったのです。到着するとまもなく給餌が行われて、雛の元気な姿も見ることが出来ました。ただ、昨年よりも巣の嵩が高くなり、手前の枝も被って見えにくくなっているのが残念。無事の巣立ちを祈ります。
一方、離れ小島のアオサギの巣はと見ると、2羽の雛はもういつ巣立ってもおかしくない程大きくなっていますが、なかなか。アオサギは普通高木に営巣し、雛は近くの枝に移るという形で一歩を記しますが、ここは小島なので周りは水。水に落ちることを怖がって踏み出せないでいるのかもしれません。気がかり。
昨日、水辺観察線の作業の時にミドリシジミを桑の木に見たのですが、昼近くになっていて翅を開いてくれない。早朝はどうかと辛抱していると、低いところに下りてきて美しい翅を見せてくれました(写真)。光の状態で、青から緑に見える金属光沢の色彩には魅了されてしまいます。たまりませんね。
2021年5月30日(日) 早朝
アオバズク、ホトトギス、オオヨシキリ
前回の更新から間があきましたが、先週はホトトギスの声を聞き姿も見、オオヨシキリの声もしました。キビタキはまだ聞こえますが、夏鳥はそろそろ寂しくなってきています。そうそう、今朝は水辺観察園でチュリリーンというアオジの囀りを聞きました。冬鳥のアオジですが、まだいたのですね。
今日のトピックは、ようやく噂のアオバズクを見られたこと(写真)。1羽だけでした。このところ、オオミズアオというガの翅がよく落ちている、暗くなると声が聞こえるといった話を聞いていたのです。去年も見られた付近で、高いところに隠れるように身を潜めていました。今年はどんな展開が待っているのか、期待がふくらみます。
もう一つ気になっているのがバンの動向です。3年前に営巣に失敗して以来、この2年途絶えていました。今年は期待しているのですが、はっきりしたところがつかめません。観察を継続していきたいと思います。
2021年5月12(水)〜16日(日) 早朝
ツツドリ、ササゴイ、サンコウチョウ、アオバト
夏鳥の渡りは相変わらず寂しい状態です。12日には水辺観察園で草刈作業をしていると、サクラ広場の方からツツドリのポンポンポンという声が聞こえてきました。作業を中断して駆けつけると、ツツドリの他にサンコウチョウも見えました。こういうときにカメラがないのはアンラッキーとしかいいようがありません。
15日には、野鳥誘致林でサンコウチョウの声を聞き、はるか高いところを飛ぶのも見えましたが、とらえきれません。サンコウチョウはこれで5度目でしょうか。案外多いのかもしれません。16日には、野外ステージ周辺でアオバトの声を聞き、知り合いの方に教えてもらって、ササゴイ(写真)が中の島の暗いところにじっとしているのを見ることが出来ました。繁殖前のこの時期はけっこう珍しいかもしれません。キビタキはこの間ずっと鳴いているのが聞こえました。
ほかに、この週になってからウグイスがずっと囀りを聞かせていました。4月の後半には一旦途絶えたのですが、急にまた入ってきたようです。営巣してくれれば嬉しいのですが。営巣といえば、アオサギの2羽の雛はずいぶん大きくなりました。ボサボサ頭がご愛敬。カイツブリも両方の池で子連れの姿が見え、さらに営巣する気配です。
2021年5月7(金)〜9日(日) 早朝
ムギマキ、キビタキ、オオルリ、サンショウクイ
夏鳥の渡りもピークを過ぎたと思われますが、全体として低調で、だらだらと続いている印象です。そんななか、9日にはサクラ広場から姫塚にかけてムギマキ(写真)が現れました。ムギマキは朝鮮半島から東アジアにかけて繁殖地があり、日本では通過鳥で春は西日本から日本海側の島しょで多く見られる鳥。関東では少なく、石神井公園では2012年以来10年ぶりです。
2羽いたようで、写真は♂の若鳥、成鳥と思われるものと一緒でした。成鳥はキビタキとよく似ていて、その成果、周辺にいるキビタキに終始追い立てられるように枝移りしていました。今年の夏鳥の渡りにアクセントが付いたような気がします。
この間、キビタキは途切れることなく少数が毎日囀りを聞かせ、金曜日以降オオルリも城趾付近に現れています。センダイムシクイ、エゾムシクイもよく聞かれるようになりました。日曜にはサンショウクイの声も、松の風公園の方から聞かれました。
これから先は、オオムシクイ、カッコウやホトトギスの声が待たれます。
2021年4月22−25日 晴 早朝
クロツグミ、オオルリ、キビタキ、センダイムシクイ
クロツグミがとうとう来ました。22日に野鳥誘致林でキビタキを探していると、急にあの声が。結構長く囀ってくれました。必死で探しましたが、大きくなって混み入った葉に遮られて結局見つからず。今年はこのパターンが多い。でもとても嬉しいですね。23日にも、今度は桜広場の当りで聞こえました。どうも2羽はいるようです。
25日には、10日ぶりにオオルリが登場しました。記念庭園にいると教えてもらって急行。しばらく待つとあの声で朗々と囀り始め、数人で探しましたが、なかなか見つからず。ようやく池の上の木にいるのが見えました(写真)。羽根の青が目にしみます。日本三鳴鳥の名に恥じないいい声です。声量が豊か、ゆっくりとした調子、複雑な節回しで鳴いています。聞き惚れてしまいました。
キビタキは毎日のように聞こえるのですが、数は少ないよう。センダイムシクイも散発的。やはり晴天が続いて、鳥は繁殖地を目指して一目散に進んでいるためでしょうか。鳥たちにも骨休めの雨、ウオッチャーには幸運の雨がほしい。次に雨に期待したいところです。
2021年4月15、16日(木、金) 晴 早朝
キビタキ、オオルリ 夏鳥来る
雨が降り続いた翌日、早朝から夏鳥を探しました。野鳥誘致林で、短いながらオオルリの歌が聞こえました。必死に探しましたが、このところの高温で葉が大きくなっていて、高木が生い茂る誘致林では姿が全く見られません。でも、とにかく待ちに待ったオオルリです。心が躍ります。ここでは、シロハラが大きな声で囀り、アオジの声も聞こえました。
翌日も声はすれども姿は見えず、それでも、桜広場でキビタキがいると教えてもらって、ようやく姿をとらえることが出来ました(写真)。こちらは声の方はぐせり程度で今ひとつでしたが、胸から喉にかけての黄色は鮮烈です。眠い目もぱっちりと開きます。
周辺には冬鳥のマヒワの群が。まだいたのですね。ぱっと飛び上がったところを見ると、およそ50羽もいたでしょうか。群を大きくしながら、繁殖地のシベリアに向けてこれから長い旅をするのでしょうね。そういえば、カケスもまだ見られました。
石神井公園は、水面にはカキツバタ、目線の上にはフジ、ハナミズキ。さらに上には夏鳥の声です。本当に華やかな季節を迎えました。
2021年4月9日(金) 晴 午前
コチドリ スミレ
すっかり春爛漫の景色になりました。花の大きな各種の里桜が満開のB地区野球場に行くと、野球の練習をしていないグランドにコチドリが1羽下りていました。スズメくらいの大きさで、眼に金色のアイリング。主に中国南部方面から渡ってくる夏鳥。満開の桜に誘われたのでしょうか。
史跡公園の入り口付近では、スミレが見られました。タチツボスミレなどが席巻するなか、形容詞の付かないただのスミレ。濃い紫色が鮮やかです。
三宝寺池は鳥がすっかり少なくなり、北側の林からカケスの声が聞こえてきた程度。アジアイトトンボがカキツバタの陰で交尾していたり、ルリシジミが現れたりと、風が強い中でも昆虫は動きが強まっているようです。
回っていると、史跡公園にマヒワの群がいるよと教えてもらって、そちらに急行。しかし、群は旧山桜園地の高木に移動していて、ちらちらと見える程度。それでもこの時期に貴重な鳥体験。夏鳥と冬鳥をいっぺんに見た日でした。
2021年3月28日(日) 曇時々雨 午前
マヒワの群 イチリンソウ 春の花
緊急事態宣言が解除され、3ヵ月ぶりの観察会でした。集合場所に行くと、シロハラの囀りが聞こえてきました。キョロンだけでなく、少しですが歌うようなシロハラ独特の声も。うれしくなりますね。城趾下の池に目を転じると、ダイサギが2羽いて、そのうちの1羽はすでに目先が青くなり、嘴も黒ずんできていました。繁殖に向けた婚姻色が出ているのです。
回っていると、水辺観察園の南側で小鳥の動きが。カワラヒワかと見ていると、マヒワでした。4、50羽もいるでしょうか。これほどの群を見たのは10年ぶりくらい。オスは頭が黒くなっていて、すでに繁殖羽根に替わっています。繁殖地シベリアへの渡りに向けて、南から群を大きくしながら移動してきたと思われます。
水辺観察園は春の花があちこちで咲き、春の花園全開です。ミツガシワに続きイチリンソウ、ゲンゲ、ケキツネノボタン、ジシバリ、ツボスミレ、マルバスミレなど。カキツバタはいつ咲いてくれるのか、楽しみはつきません。
2021年3月20日(土) 曇 早朝
ミツガシワ開花 夏羽のアトリ
今日も東側から入ると、B地区野球場にツグミ5羽、カワラヒワ26羽、ムクドリ25羽が、まだ誰もいない芝生の上で餌を探していました。ツグミは少なくなったようです。記念庭園では、1羽だけですがアトリを見ました。頭が真っ黒になった夏羽のオスです。これからシベリアまで帰って繁殖するのでしょう。ウグイスの囀りも大分上手になってきました。ウキウキした気分になります。
三宝寺池のゾーンに入ると、城趾の方からオオタカの声が。何だかいつもの威嚇するような声と違う、甘い感じの声です。交尾しているのかなと思わせます。今年も期待したいところ。
浮見堂脇の満開になったオオシマザクラには、蜜を求めてメジロの群れが来ていました。メジロも顔も何だかうれしそう。桜の開花がうれしいのは人間だけではないのですね(写真)。
水辺観察園では、ミツガシワが開花していました(写真)。氷河時代からここで生き残ってきた花。寒冷地の花らしく、寒気から身を守るために花弁の内側には白い毛を密生させています。アルプスの花エーデルワイスなどと同じ構造ですね。
三宝寺池の冬ガモはオカヨシガモ、マガモ、コガモだけ。水の戻ったボート池にはキンクロハジロが35羽、スズガモ1羽。冬ガモの減少も春になった証ですが。
2021年3月14日(日) 晴 早朝
カタクリ開花 イカル、カワラヒワの囀り
記念庭園の方から回って、旧山桜園地のところまで来ると、リーーーという鳴き声。見上げるとカワラヒワが残り少ないアキニレの実をついばみながら、囀っていました。少し進むと、今度はイカルの囀りが。何だかうれしくなってくる。
三宝寺池のカモはずいぶん少なくなり、この冬賑わせていたヨシガモ、ヒドリガモは姿を消してしまいました。オカヨシガモ、コガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロは健在。木道を歩くと、エナガは営巣に大忙し。今日はカケスが人気を集めていたようです。
水辺観察園に行くと、カタクリが咲いていました(写真)。ヒトリシズカ、ニリンソウ、ジロボウエンゴサクも。ムサシアブミは独特の大きな葉を芽吹かせようとしているところで、角を出しいているような。木の花は、コブシ、レンギョウ、ミツマタ、トサミズキ、ユキヤナギと咲いてきて、華やかになってきました。
ボート池を辿ると、水が大分戻ってきて、早くもキンクロハジロが25羽ほど、スズガモの♀も。春を満喫しました。
2021年2月25日(木) 晴 午前中
エナガの巣作り、ウグイス囀り練習
このところ暖かい日が続いて春の兆しが目に付いてきました。旧山桜園地にイカルの群が下りているのを見てから、三宝寺池ゾーンに入ると、入り口広場のエノキにエナガが2羽いて、しきりに蜘蛛の巣を引っ張って集めていました。これは、巣作りのための材料集め。葉を蜘蛛の糸でかがって巣を作るのです。してみると、この2羽は番で営巣に入ろうとしている。 そういえば、ウグイスも少し前からしきりと囀りの練習をしていました。シジュウカラのツピツピという囀りも次第に高くなっています。春ですね。
水辺観察園では、節分草に続いて、セントウソウ、ジロボウエンゴサク、アマナと開花してきています。樹木の花も、ヤブツバキ、マンサクに続いて、B地区野球場のオオカンザクラ、ユキヤナギなどが花を付けています。これからが、楽しい季節です。
2021年2月11日(木) 晴 午前中
イカル、ルリビタキ、ミソサザイ
緊急事態宣言が出されていますが、好天の祝日とあって石神井公園も多くの人出が予想されるので、人の少ない早朝に行ってみました。7時過ぎに史跡公園・野草園付近を回ると、旧山桜園地の方から20羽ほどの鳥の群れが。イカルでした。
イカルは当初枝先に止まってエノキの実などを食べていましたが、この頃はもっぱら落ち葉だまりで、ケヤキの実などをついばんでいるようです。大きな黄色の嘴が朝日に光っています。
三宝寺池の側に来ると、カラスが大騒ぎ。城趾の方にオオタカがいました。繁殖期も近づいて、動きが活発になっています。ここにはルリビタキの♂、シロハラもいました。
池の周りを辿ると、カモが大分少ない。20羽近くもいたヒドリガモが半分以下になったよう。ヨシガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモは健在でした。それぞれ、オスは繁殖羽根になって、輝くようです。まもなく番いになって北の繁殖地に向かうでしょう。
もう一度、橋のところに行くとミソサザイが出ていました。声は聞いていましたが、姿は久しぶり。冬鳥も極まった印象で、これはら春の渡りに向かってどのように変わっていくのか楽しみです。
2021年2月9日(火) 晴 午前中
セツブンソウが3輪開花
立春も過ぎて、春の気配といいたいところ。寒い中でも、水辺観察園にはセツブンソウが3輪花を開いていました。丈の低い小さな花をのぞくと、雄しべの葯の青紫色が印象的です。公園では、紅梅の他、ロウバイ、マンサク、ミツマタなどが咲き始めて、春の訪れを知らせています。
鳥の方はというと、史跡公園・野草園付近でイカル、ツグミ、モズ。そこにアオゲラも飛び込んできました。
三宝寺池の北側では、ツバキの花にメジロが来て、しきりに蜜を吸っているのに出会いました(写真)。昆虫のいない季節、鳥に花粉を運ばせているのですね。
ボート池はいまかい掘り中で、水は中央の水路が流れているだけ。キンクロハジロなどの水鳥もほとんどいなくなりました。アオサギ、ダイサギ、コサギなどが水溜まりを歩いて小魚を探しているのを見る程度。なかで、オオバンが17羽もいたのにはびっくり。三宝寺池も合わせると、30羽近くもいるようです。どうなっているのですかね。
2020年7月2日(木) 晴 午前中
半夏生・ハンゲショウ
今日は半夏生でした。夏至と小暑の中間で、農事ではこの日までに田植えを終える目安とされていたそうです。この時期に合わせるように、石神井公園でもハンゲショウが咲いていました。半化粧とも書いて、上部の葉が半分白くなっているのが特徴。
ドクダミの仲間で、花序が葉の上に突き出ていて、花弁はなく雄しべと雌しべだけという構造。虫を呼ぶために葉を白くして目立たせているようです。
気温が上がるとトンボが目立ってきます。池の上を直線的に飛ぶオオヤマトンボ、真っ赤なショウジョウトンボ、ウチワヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、コフキトンボ、モノサシトンボなども見られました。マルタンヤンマやヤブヤンマも早くみたいものです。
鳥はオオタカの雛も巣立って、シジュウカラやエナガが巣立ち雛を連れて林を飛び回っているのが目立ちます。キビタキの囀りが聞こえるのが気になるところです。
2020年4月28日(火) 晴 早朝
クロツグミ、オオルリ、キビタキ
水辺観察園から梅林に上がると、クロツグミがきれいに大きな声で鳴いていました(写真)。森のフルート奏者といわれる囀りです。例年はこの季節に一度聞けばラッキーですが、今年は先週も声が聞こえたので、当たり年かもしれません。
さすがに雨上がりで、キビタキは三宝寺池の周辺だけでもおそらく10羽以上、センダイムシクイもそれ以上にいたかもしれません。サクラ広場では、オオルリを見られました。オオルリ、キビタキ、クロツグミという夏鳥のスーパースターが勢揃いして、美声を聞かせてくれるのですから、盛り上がってきました。
センダイムシクイやアカハラ、シロハラ、アオゲラなどの声も聞こえて、森のハーモニーは最高潮。新型コロナウィルス騒動で鳥見もままなりませんが、この日だけはまるで戸隠の森林植物園にいるような心地でした。
2020年4月26日(日) 晴 早朝
キビタキ、センダイムシクイ、アカハラ
風がようやく南寄りになってきました。公園はキビタキとともにセンダイムシクイがたくさん入っているようでした。センダイムシクイはチヨチヨビーと鳴く元気者ですが、今年はほとんど聞いていなかったので、とても嬉しくなりました。
今日の目玉は、野鳥誘致林にいたアカハラ(写真)。アカハラというとツグミの仲間で、冬に繁みの下で動いている日陰者です。ところが、今日は高い木のてっぺんに陣取ってキョロンキョロンという大きな囀りを響かせていました。長野県の戸隠などの繁殖地では♀にアピールしようと高いところで囀っているものです。
飛んで動いた先では、もう1羽のアカハラが。すぐそばに止まって、大きな声で囀り。何だか戸隠ふうですね。何だか心がウキウキしてきます。
2020年2月15日(土) 晴 午前
セツブンソウ、フキノトウ、ヒメウズ
暖冬とはいえだいぶん気温の高い日が続いて、そろそろ春の花が咲き出してはいないかな。水辺観察園ではジロボウエンゴサク、セントウソウなどの芽が出てはいるものの、まだまだ。なかでセツブンソウ(写真)が5輪ほど落ち葉の上に花を咲かせていました。従来、ここではアズマイチゲが春一番を告げていましたが、去年からはこのセツブンソウに選手交代。会員の方の丹精が実りました。
周りを見渡すと、ヒメウズ、オオイヌノフグリ、さらにフキノトウも咲き出していました。これからアズマイチゲ、ニリンソウ、ヒトリシズカ、アマナ、カタクリなどが競うように咲き出すまであと少し。心浮き立つような季節はもう過ぐです。
入れ替わるように減ってきたのが冬鳥。先週まで70羽近かったキンクロハジロは、今日はたったの18羽。スズガモも姿が見えなくなっていました。渡りの季節に備えて、あちこちの水域を動き始めているようです。
2020年2月8日(土) 晴 午前
すでに北帰行の兆し 今月の水鳥調査
今季最後の水鳥調査をしました。カモは大分減っていて、210羽から160羽台。カルガモが30羽ほど、キンクロハジロが10羽ほど減っていたのが全体の数を下げていました。他にもヨシガモの姿が見えなくなり、マガモやオナガガモも数を減らしていました。スズガモは♂が2羽になり、♀1羽とともに健在。嬉しい限り。
そのほかでは、アオサギが22羽と、先月の53羽から大幅に減少。理由はよく分かりませんが、これも春の兆しでしょうか。オオバンは今回も増加、15羽を数えました。
目についたのはキセキレイ。石神井川だけですが、7羽を見ました。さらに上流にもいるのを見ているので、全体では2桁に乗っているかも。セグロセキレイ(写真)も2羽。セグロセキレイはこのところ、2羽でいい雰囲気に飛び回っているので、昨年に引き続いて周辺で繁殖の期待もかかります。カワセミとともに、石神井産の鳥が増えることを期待したいものです。
2020年1月19日(日) 晴 午前
ジョウビタキ、ルリビタキ、モズ 冬鳥増えない
風も穏やかで、寒中とも思えない暖かい日でした。ボート池南側の園路が、改修工事のために閉鎖されていて、今日は記念庭園の方から。
記念庭園は静かで、時々メジロやウグイスがクマザサの中を行ったり来たり。シジュウカラやコゲラが枝移りをしているのが見えるくらい。混群にも出会いません。
B地区野球場は半分使用していて、人のいないエリアでカワラヒワ、ツグミ、それにムクドリが餌を突いて。時々カワラヒワの群れが、採餌の場所を変えるためにいっせいに飛び立って、羽の黄色を際立たせます。
ふと隣の貸し農園を見ると、何やら動く影が。モズ(写真)が地面に突き刺したショベルに止まって、しきりに辺りを見回しています。よく見ると、農園では今年度の区画の整理が始まっているようで、地ならしも。どうやらモズは地ならしで出てくる虫を待ち構えているようです。辺りにはハクセキレイも何羽か。農地の田起しでも、小鳥がトラクターの後を追いかけている光景も。よく知っているなー。さらに史跡公園では、いつものジョウビタキ、アオジと時々顔を出すキセキレイが。
三宝寺池にはヨシガモの♂♀、オカヨシガモの♂♀、今日もアオサギが席巻している。カワウは頭の白いオスが目立ってきた。婚姻色というと赤が多いけれど、白もある。周辺ではルリビタキ。
このあと、仲間に会って石神井河の方面に。セグロセキレイ、キセキレイ、ハクセキレイの3種のセキレイに、コガモ、コサギ、ツグミ、ムクドリと、工事中にかかわらず川の中州には鳥が目立つ。残念ながらタシギは見えず。
ボート池の北岸を通って帰ったが、キンクロハジロは70羽以上になっているようだ。スズガモのオスはほぼ換羽を終えて、背中が白い♂成鳥の姿になっていた。
2020年1月11日 晴 午前
アオサギ、オオバンが大幅増 1月の水鳥調査
今シーズン第3回目の水鳥調査をしました。カモ類の総数は今回ピークを迎えたようで、昨年12月より62羽も多い210羽。ヨシガモが3羽見られたことなどもありましたが、カルガモが30羽余り、キンクロハジロが20羽余り増えて、大幅増に貢献していました。
オカヨシガモが5羽、ヨシガモが3羽、マガモが1羽、カルガモが116羽、コガモ1羽、オナガガモ6羽、ハシビロガモ2羽、キンクロハジロ75羽、スズガモ2羽でした。スズガモは♂♀1羽ずつで、オスの換羽はほぼ完成して、頭の緑色、背中の白い波形模様、側面の白い羽などの特徴がよく見て取れます。
ヒドリガモやホシハジロも出たり入ったりしているのですが、なかなか調査日の数字に表れてくれません。後はオシドリが姿を見せてくれるか、くらいでしょうか。。
カモ以外では、やはりアオサギが53羽と、昨年末の調査よりさらに増えていました。どこからこんなに来ているのでしょうか。後はカワウが10羽の大台に乗り、オオバンは10羽増えて21羽になっていました。お腹の黄色が鮮やかなキセキレイ(写真)が、倍の6羽、セグロセキレイも見られましたが、話題のタシギは見つかりません。さらに上流部にいるのか、注目してみたいと思います。
2019年12月29、31日 晴 午前
タシギ、ジョウビタキ、キクイタダキ
両日ともに晴れて、今年最後の鳥見をしました。石神井池のスズガモは背中がほとんど白くなり、頭の緑色もきれいに見えてきてほとんど成鳥の繁殖羽根という姿になってきました。三宝寺池にはヨシガモ♂♀と、オカヨシガモの♂♀。役者が出そろってきました。
小鳥たちの混群も大きくなり、キクイタダキやヤマガラ、ウグイスも交じっていました。ただ、まだまだ気温が高いせいかキクイタダキなどもなかなか下の方には降りてきてくれません。頭の黄色い換羽が見えなくては興味半減といったところです。
ひょうたん池のところのクロガネモチが食べ頃になってきたのか、ヒヨドリとムクドリが入れ替わり立ち替わりに来ては、赤い実をついばんでいきます。この饗宴もいつまで続くことか。
しばらく振りに池渕史跡公園を訪ねたら、ジョウビタキの♀に出会いました。くりくりっとした大きな目に、白い紋付きで可愛いこと。
知り合いの方に石神井川にタシギ(写真)がいると教えてもらって、探してみると、いましたいました。川の中州になったところに、漂流物に紛れてちょこんと。いつもながら、地シギ類の迷彩、忍者振りには感心させられます。来年の鳥運に期待したいところです。
2019年12月14日(土) 曇 午前
ヨシガモ、オカヨシガモ、アオサギ大結集
今シーズン第2回目の水鳥調査をしました。総数は11月より3羽多いだけの149羽。ですが、内容は大きく変わっていました。カルガモが30羽も減って、その分、キンクロハジロが増えて埋め合わせていました。
オカヨシガモが5羽、マガモが2羽、カルガモが76羽、コガモ1羽、オナガガモ8羽、ハシビロガモ3羽、キンクロハジロ53羽、スズガモ2羽でした。スズガモは♂♀1羽ずつで、オスは換羽が途中のエクリプス。背中の白い波形模様の特徴が日に日に明らかになってきています。
なお、この日は見られなかったのですが、前日にはヨシガモ(写真)の♂♀が1羽ずつ現れていました。ヒドリガモやホシハジロも出たり入ったりしていて、主な種類は出そろってきた形です。
カモ以外で目立ったのは、アオサギが何と47羽も数えられたこと。ダントツの新記録です。ゴイサギも22で、今年はサギ類が結集している様相です。これからどのように展開していくのか、さらに注目です。
2019年11月25日(月) 曇後晴 午前
スズガモエクリプス、ツグミ、カワラヒワの群れ
石神井池のキンクロハジロの40羽余りの群れを見ていたら、背中に白っぽい波形の模様が出ているカモが見つかりました(写真)。後で図鑑などにいろいろと当り、先輩にも教えてもらってスズガモのエクリプスだと分かりました。♀はここ3シーズンほど連続して姿を見せていますが、オスは初めてのようです。東京湾には3万羽というような数の群れがいますが、ここでは少数派。居続けてくれれば、どのように換羽していくのか観察してみたいと思います。
このところ、ツグミがよく目につくようになってきました。水辺観察園の奥に10羽ほどもいるのが見られましたが、三宝寺橋まで来ると橋の上空を渡って池の南側に次々と飛んできました。およそ40羽ほどでいるでしょうか。シベリアからの本格的な渡りの部隊が到着してきたようです。
そういえば渡り鳥ではありませんが、B地区野球場にもカワラヒワのおよそ40羽ほどの群れが降りていました。40という数字に付きすぎているようでしたが、鳥が増えているのは楽しいことに間違いありませんよ。
2019年10月31日(木) 曇時々晴 午前
タヒバリ、シロハラ、ウグイス、スズガモ、オオバン
今日も石神井公園です。ちょっと驚いたのは三宝寺池の西側にアオサギが15羽も止まっていたこと。中の島にいるもの、隠れているものを含めると20羽を超えるでしょうか。去年も年末にかけて最大23羽くらいになりましたが、今年もアオサギの大集結が始まりました。ダイサギも見られました。
野鳥誘致林にはマミチャジナイとアカハラ、それにシロハラも入っているようでした。キヅタの実などを食べているようで、高い枝にチラリチラリと姿を見せます。なかでポヨポヨというシロハラの声が。
池の周りはあちこちでジャジャというウグイスのささ鳴きが聞こえてきます。いつも間にこんなに増えたのかなと。
最後にB地区野球場を覗いたら、芝生の上に14羽のハクセキレイ。中に茶色の鳥がいて、スズメかと思ったらタヒバリ(写真)でした。これも当地では冬鳥。
回ってみると、目立つもの目立たないものを含めてこの公園で越冬する鳥がどんどん入ってきていることが実感できます。楽しみな季節が本格化してきました。
2019年10月24日(木) 曇一時晴 午前
マミチャジナイ、アカハラ、シメ、ヤマガラ
ひょうたん池では先日までのエゾビタキに替わってシメが2羽、ヤナギの木の高いところに止まっていました。南に帰る鳥に替わってこの公園で冬を越す鳥たちがやってきたのです。
南側の木道を歩いているとニーニーの声がして、水際のミズキとエゴノキでヤマガラ'(写真)が3羽ほどせわしなく実をついばんでいます。赤いベストのおしゃれさんです。枝に止まっては取ってきたエゴの実を突いて割っていました。
野鳥誘致林に行くと、マミチャジナイを探している人がいて、一緒に見ているとスマートなお腹の赤い鳥が枝に登場。目指す鳥が来たかとみるとアカハラでした。しばらくするとその上にもう1羽の鳥。こちらがマミチャジナイでした。同じツグミの仲間でよく似ていますが、アカハラは石神井公園では冬鳥なのに対して、マミチャジナイは繁殖していたシベリアなどから来て、これから東南アジアまで旅をする鳥。今年も見られたという感じです。
ボート池ではキンクロハジロの群れが10羽ほどにもなり、スズガモもいるようです。マガモの♂♀も見られて、賑やかになってきました。ツグミなどがいつ見られるか楽しみな季節になってきました。
2019年10月15日(火) 曇一時晴 午前
ハシビロガモ、キンクロハジロ、エゾビタキ、キビタキ
ボート池に着くとちょっとカルガモとは違うカモ、よく見るとキンクロハジロが3羽。♂1と♀が2羽。ようやく冬の鴨が帰ってきました。さらにハシビロガモの♂、オナガガモの♂と♀も。池が一気に生気を取り戻したような気がします。どんどん増えてほしいものです。
三宝寺池ゾーンに進むと、入り口のひょうたん池の周りでカメラ愛好者の人だかりが、高い柳の上に小さな鳥がいます。双眼鏡で見るとエゾビタキが3羽(写真)。しきりに飛んではフライアンドキャッチを繰り返しています。よく見るとトンボを加えている個体も。よく見ると、周辺にはカワラヒワが4羽。さらに、近くのミズキ辺りではキビタキも数羽。こちらは葉が茂っている上に動きが速くて、写真に収まってはくれません。
ようやく秋らしくなってきて、鳥の動きに大分変化が出てきたようです。楽しみはこれから。
2019年2月22日(金) 晴 午前
アズマイチゲ、セツブンソウ 早春の花 蛙合戦
ようやく寒気が緩んできたので、石神井公園で早春の花を探してみました。
水辺観察園を流れる水もキラキラと光っています。西側のゾーンには春の花園があり、探すとアズマイチゲが一輪、セツブンソウ、セントウソウ、ヒメウズが、落ち葉の間から頭をもちあげて咲いていました。
アズマイチゲはここでは例年最も早く花で、今年も一番。セツブンソウ(写真)は今年初めて咲きました。4年前に芽を出したばかりの苗を植えて、丹精してきたのもがやっと咲いてくれました。嬉しいですね。セントウソウも含めて、丈の低い小さな花が、やっと巡ってきた春を告げています。
野鳥誘致林ではマンサクが黄色い花を広げていました。これから、コブシ、モクレン、サンシュウユ、ミツマタなどが次々と咲いてくるでしょう。
最後に水辺観察線の池でアズマヒキガエルの蛙合戦を見ました。一時冬眠から覚め、交尾・産卵をして、また冬眠にかえるという不思議な生態。アズマヒキガエルの♂は必死に♀に抱きつき、産卵を促しますがそこに第3、第4のライバルが現れて大騒ぎ。日だまりの池は恋の修羅場と化していました。
2019年2月16日(土) 晴 午前
アオバトが登場
仲間の皆さんと、ボート池ゾーンを回って冬鳥を探しました。三宝寺池入り口の掲示板前から、ひょうたん池、池渕史跡公園、野草園、B地区野球場周辺、記念庭園を見て、ボート池南岸を辿って出発点に戻るコース。
出発してすぐひょうたん池にダイサギが舞い降りました。近くで見るとさすがに迫力があります。もちろん優雅さも。ここでアトリにあいさつした後、史跡公園ではジョウビタキとカワラヒワ、野草園ではシメとモズを見て、ようやく見やすくなったツグミの群れにも遭遇。冬鳥観察会らしくなってきました。
ハイライトは記念庭園でアオバト(写真)と出会ったこと。夢中でヒサカキの実を食べていて、近くに寄っても気にならないよう。この時期はウメの花の蜜を狙って現れることがあるのですが、ヒサカキとは。肩羽根に褐色味のないメスのようでした。
2019年2月12日(土)
キンクロハジロが大幅増加 2月の水鳥調査
今シーズン最後の調査でした。カモの総数は161羽、オカヨシガモ6、マガモ6、コガモ10、オナガガモ6、カルガモ97、ハシビロガモ3、キンクロハジロ33でした。キンクロハジロとカルガモが増えて、今季最も多い数を記録しました。
一方で、ヨシガモ、ヒドリガモ(写真)、スズガモが姿を消し、種類数では7種類となっていました。なかでも、ヨシガモが1月に♀2羽を含めて5羽となっていたものが一気に姿を消し、寂しい限りです。
ところで、1月の観察会のときに「カルガモはなぜ軽鴨と言うのですか」と聞かれました。考えたこともなかったのですが、調べてみると、奈良県橿原市にいにしえ軽の大池と言われた池があり、この池を歌った紀皇女の和歌があるそうです。「軽の池の浦廻(うらみ)行き廻(み)る鴨すらに玉藻(たまも)のうへに独(ひと)り宿(ね)なくに」(万葉集巻3)、意味は池に泳ぎ回るカモさえも寝るときには一人ではないだろうに」。地方に左遷されて会えない恋人を偲ぶ歌。玉藻=美しい藻が繁る夏に泳ぎ回るカモはカルガモ以外はありませんから、この歌に歌われたカモはカルガモ。と言うことで、軽鴨と呼ばれるようになったようです。
どこにでもいるカルガモにも、ロマンチックな物語があると知りました。
2019年2月10日(日) 晴 午前
未明にかけて積雪があり、鳥相にも変化があるかもと期待して出かけました。結果はほとんど変化なし。せいぜいツグミの姿がたくさん見られた程度。全体に冬鳥は少なく、このまま終わってしまいそうです。
もう一つ大きな群れが見られたのはムクドリ、この冬あまり見られなかったのがこの日急に目に付くようになりました。余り注目されることもないムクドリですが、やはり気になります。
キクイタダキ(写真)は三宝寺池北側のサワラに見られました。小さくて動きが速い、それに枝かぶりで写真は散々でした。
もう一つ、城趾でトラツグミが見られたとのことで粘りましたが、目をそらしていた隙に出現したとのこと。一緒にいた人は一瞬見たそうで残念でした。
2019年1月12日(土) 晴 午前
ヨシガモ♀も出現 1月の水鳥調査
カモの総数は124羽、オカヨシガモ6、ヨシガモ5(写真を見たら♀は2羽いました)、ヒドリガモ1、マガモ6、カルガモ86、ハシビロガモ4、オナガガモ6、コガモ7、キンクロハジロ7、スズガモ1でした。12月調査より30羽近く減っていました。池の氷のせいでしょうか。
ヨシガモの♀(写真)は2013年以来。旧版の野鳥の会のフィールドガイドには特徴のないのが特徴のようなことが記載されていました。今回も♂と一緒でなければ分からなかったかもしれません。♂はロックンロールの歌手みたいな派手な衣装をまとっているのにね。
この間、ヒドリガモの♂が現れたり消えたりしました。♀は少数ながらほぼ定着しているのに、♂はたまに姿を現すだけ。これまた、なぜか理由があるのでしょうか。
2018年12月15日(土) 晴 午前
ヨシガモ 12月の水鳥調査
水鳥調査に参加しました。これまでに11種類のカモを確認しているのですが、今日はどうかな。
好天のなかを三宝寺池からボート池、石神井川まで回って、確認したカモは全部で7種類・160羽。先月の調査では7種類・98羽でしたから、大分増えていたことになります。
ただ、種類数でいうと、先月見られたスズガモが姿を消し、ヨシガモ(写真)が飛来していただけでした。調査日以外に見られていたコガモ、ホシハジロも見られませんでした。
全体としては、増えたかもの大半はカルガモで、他のカモは相変わらず少ない数での変動でした。
そのほかの水鳥で目立ったのはアオサギの数。何と33羽を数えました。これほどの数がどこから集まっているのか。去年は最大23羽でしたから、かなり増えています。羽を広げると1m60cmもあるアオサギが、何かに驚いて一斉に飛び立ったりすると、まさに壮観。三宝寺池の新しい風物詩です。
2018年12月2日(日) 曇 午前
アカハラ、シロハラ、ジョウビタキ、アトリ
人生初めて講演などということをした11月は怒濤のように過ぎて、気がついたらはや師走。冬鳥を見てきました。
三宝寺池側に入るとひょうたん池のハンノキにアトリの群れが降りてきました。先月の中頃から30羽くらいの群れが入って、三宝寺池の周辺を飛び回っています。アキニレやケヤキの実がごちそうです。
三宝寺池の開水面にはオカヨシガモの♂3羽と♀2羽、ハシビロガモの♀も1羽。オカヨシガモ♂の羽衣は相変わらずシック。アオサギも周囲の高木に15羽を数えました。
野鳥誘致林のバードバスを覗くと、シロハラがしきりに水浴びをして。先週、ツルものを払い、たまった落ち葉を取り除いたら、使いやすくなったよう。先日はウグイスも水浴びをしていました。メンテナンスが大切なのです。
池渕史跡公園に行ったら、茂みにジョウビタキ♀とアカハラが見え隠れ。落ち葉の散り敷かれた地面で、赤い実を食べていました。シジュウカラやメジロが食べこぼしたハナミズキのようです。
色鮮やかな鳥と木の実。絵になりますね。
2018年10月14日(日) 曇 午前
エゾビタキ、キビタキ、コガモ
初夏の頃に北へ渡っていった鳥が繁殖を終えて南方へ帰る季節。東京の公園でも南に向かう姿が見られます。今日は公園に着くとすぐにひょうたん池の周辺に人だかりがしていて、柳の木の高い枝にエゾビタキがいるのを教えてもらいました(写真)。南から来るときは日本海ルート、帰るときは太平洋側にも姿を見せるそうです。胸の縞模様と大きな目がチャームポイント。
今日あちこちで見かけたのはキビタキの♀タイプでした。サクラ広場側の藪の中で♂を見たという方もいましたが、この季節巣立った若鳥も♀と似た羽色なので、♀タイプがやたら目立つようです。
池畔に立つと、ボートの船着き場の前のハンノキの島の間をコガモが泳いでいました。半年ぶりの再会です。♀に似た羽衣のエクリプスですが、顔を見るとどうやら♂のようです。今シーズンの初ガモでした。
2018年10月5日(金) 曇 午前
コナギ、ヌマガヤ、ヒメミクリ 中の島見学
都の主催で、天然記念物三宝寺池沼沢植物群落のある中の島を見学しました。仲間の人たちと一緒にゴムボートで渡り、島内の船着き場に到着。作業用の木道があって、見渡すと小さな尾瀬ヶ原のような印象です。
説明を聞きながら島内を一周すると、ミツガシワやカキツバタの花はすでに終わっていましたが、コウホネ、ハンゲショウの貴重植物は群落を保っているようでした。ほかにも、コナギの青い小さな花、ヌマガヤの地味な花、ヒメミクリの実などもあって、秋の湿原はなかなか賑やかでした。
一部は水辺観察園でも見られますが、やはり本体の中の島の植物群落が充実しないことには。これからも見守っていきたいと思います。
2018年7月31日
ブッポウソウ アオゲラ若鳥 7月の鳥見
更新もしないままで7月が終わってしまいました。この時期、鳥はネタが少ないのと、繁殖情報は書きにくいということでした。
6月の下旬に、アオゲラ、オオタカと相次いで巣立ち、ホッとしました。オオタカは4年連続の巣立ちで、すっかり定着しました。アオゲラの巣立ちは本当に久しぶりで、2羽の元気な姿が見られたのは、とても嬉しいことでした。
話題といえば、13日にブッポウソウが現れました。三宝寺池の上空を旋回し、北側のメタセコイア、野鳥誘致林の高木にも止まりました(写真)。ブッポウソウが現れたのは三宝寺池では初めて、練馬でも初記録でした。私も見たのは10年ぶりくらいで、興奮しました。
厳しい暑さのなかで、これからどんな鳥が立ち寄ってくれるのか、ツツドリなどはいつ姿を見せてくれるのか、そんなことを楽しみに観察を続けていきます。
2018年6月14〜18日
ケイマフリ、エトピリカ、タンチョウ、道東の旅
家族旅行で北海道東部に行きました。探鳥目的というわけではなかったのですが、この際と釧路湿原周辺でタンチョウ、知床遊覧船からはケイマフリ、エトピリカ、ウミウなどを見ることが出来ました。
まず阿寒町の阿寒国際ツルセンターで飼育されているタンチョウを見てお勉強。頭頂の赤い部分は肌の露出部であること、尾の黒い羽は尾羽ではなく次列風切りであることなどがよく見て取れました。ここを出てすぐにバスのなかから畑の上を飛ぶタンチョウが見られ、釧路湿原を走る列車の窓からも飛翔姿が見られました。タンチョウはこの地方ではかなり密度が濃くなっているようです。
知床に回っても曇り空で気温が低く海のうねりもやや高い状態でしたが、短縮されたものの海上から海鳥を観察できました。崖に波が砕けるところを飛ぶウミウ、オオセグロカモメ、ウミネコ、そして鳩ぐらいの黒っぽくて足が赤いケイマフリ(写真)、顔の白さと独特の嘴が目立つエトピリカ。ここは海鳥の世界です。
最後は飛行機に乗る前に、札幌の円山公園を散策しました。本州では見られないハシブトガラというコガラに似た小鳥が狙いでしたが、これは空振り。代わりにゴジュウカラが指呼の間まで来てくれて遊んでもらいました。これからは北海道も機会あるごとに探鳥をしたいと念願しています。
2018年5月31日(木) 午前中 曇
巣立ち雛
横沢入に行った20日はホトトギスが石神井公園に出現したとのこと。今年は、どうも留守にしたときに裏をかかれるというパターン。鳥運は氷川様に重々お願いしているのですが。もっとも、同じ日ホトトギスは十分に聞きましたけれど。
さらに、24日にはサンコウチョウの♀が出現、これはかろうじて遠くで聞きました。サンコウチョウは♀もさえずるのですね。この日はオオヨシキリも聞こえました。オオヨシキリは4月の末にもきていて、1ヵ月ぶり、仲間はすでに秋ヶ瀬などで繁殖に入っているのに、何で今頃。
この間には悲しい出来事も。三宝寺池の近くで営巣していたツミの巣が、カラスの集団に襲われて、乗っ取られてしまったのです。昨年の野外ステージでの営巣に続くかと期待していたのですが、本当に残念。
今日は雨上がりのフィールドを歩きましたが、目立ったのは巣立ち雛(写真)を連れたシジュウカラのファミリーくらい。林の鳥も水鳥もこれから雛を連れて歩く姿が目に付くことでしょう。優しく見守ってあげたいものです。
2018年5月20(日) 快晴
ハラビロトンボ、ホトトギス 横沢入
仲間の皆さんとあきる野市の横沢入というところに行ってきました。ここは山の迫った谷津といわれる地形で、都が保護地域に指定して、住民団体の皆さんなどが谷津田といわれる田んぼを守っているところ。里山の鳥、昆虫、植物の観察地として知られています。
付くとすぐにホトトギスの鳴き声が谷にこだまして、歓迎してくれました。もっとも托卵される立場のウグイスにとっては落ち着かない声ですが。足の茂ったところからはオオヨシキリの声が聞こえ、水田をツバメが飛び交い、山側からはキビタキの声も響きました。きっと営巣しているのでしょうね。
田んぼの畦道に入ると、シオカラトンボの仲間、シオヤトンボ、ハラビロトンボが見つかりました。ハラビロトンボの♀(写真)は黄色の地に黒筋の入った柄で、黄八丈を着た娘さんといった衣装。あでやかです。ヤマサナエやカワトンボなどともゆっくりと遊んでもらって、良い1日でした。
2018年5月17日(木) 午前中 晴
アオヤンマ キビタキ 夏鳥
5月に入ってからもキビタキやオオルリの通過は続きました。とくに、15日にはサンコウチョウとジュウイチが現れました。この日は私は別のフィールドに行っていて会えなず。残念。とくにジュウイチは6年ぶりの出現です。サンコウチョウは16日にも声がしました。
ところで、季節は大分進んで、はやアオヤンマ(写真)をはじめ、クロスジギンヤンマ、オオヤマトンボ、ウチワヤンマなどの大型トンボが飛ぶようになりました。とくに、アオヤンマは都内の池ではなかなか見られないトンボ。アシやマコモなどの緑に同化した、青緑色です。気性が荒くて、他のトンボの天敵クモを襲って捕食するという性質があります。夏の三宝寺池はヤンマのの王国。今年も大いに楽しませて欲しいものです。
2018年4月26(木)、27日(金) 曇時々晴 早朝
キビタキ、センダイムシクイ 夏鳥の声
25日は春の嵐、翌26日は強風が吹き荒れるなか、早朝に出かけましたが、案の定囀りは微か。わずかにサクラ広場と誘致林でキビタキの声が一声聞こえただけ。後は記念庭園に回るとセンダイムシクイがこちらも一声でした。
仕切り直しの27日は、到着する早々に、竹林からキビタキの声が響いてきました。水辺観察園にかけて2羽はいる様子。声を頼りに探しても、今年は若葉の成長が早くてなかなか見つかりません。ぐるりと一回りしてからもう一度挑戦。居合わせた人と一緒に探して、高い枝の上に乗っているのを発見しました。昨年秋の渡り以来半年ぶりの再会。胸の黄色が鮮やかです。
今年は今月の14日からオオルリ、センダイムシクイ、20日にはキビタキ、コマドリが記録されていますが、数が少なくて散発的な印象です。これからに期待しましょう。
野草も、カキツバタ、ニリンソウ、コウホネ、ウマノアシガタなどが咲き、木の花はトチノキ、ミズキ、ヤマボウシに続いて、ハクウンボクも咲き出しました。ウキウキするような季節です。
2018年3月30日(金) 晴 午前
ツバメ群舞 ミツガシワ、水辺の花
公園に着くと、自転車から降りないうちにツバメが目の前に飛んできました。もう来てもよいはずと思っていただけにうれしさも一入でした。ボート池の東側で2羽、さらに三宝寺池では7羽ほども旋回していました。あの爽快な飛翔、夏鳥の第1陣です。
来るものがいれば去る者も。冬鳥はすっかり寂しくなりました。カモも、冬ガモはキンクロハジロ、スズガモ、オカヨシガモくらい。それもキンクロハジロ以外はわずかです。ツグミ、シロハラ、アオジなどもすっかり影が薄くなりました。
日いちにちと華やかさを増しているのは、水辺の花です。三宝寺池のシンボル、ミツガシワ(写真)はもう盛り、ケキツネノボタン、タネツケバナも目立ってきました。ゲンゲ、オオジシバリ、オドリコソウももうすぐ。カキツバタもあと三週間ほどで咲き出しそうです。
野草も、イチリンソウ、イカリソウ、ツボスミレ、マルバスミレなどが盛りになってきました。三宝寺池は今が一番華やかな季節です。
2018年3月15日(木) 晴 午前
アマナ 二リンソウ 春の花次々
石神井公園では水辺観察園の春の花園で、スプリングエフェメラル(春の短い命)と呼ばれる春の野草が次々に開花しています。アズマイチゲを皮切りに、ジロボウエンゴサク、セントウソウ、ヒメウズ、ニリンソウ、ヒトリシズカ、そしてアマナ(写真)。いずれも雑木林の林床で早春から花を咲かせ、初夏には地上から姿を消す、春の妖精たちです。
写真のアマナは西洋産のチューリップに近いユリの仲間で、地下の鱗茎が昔から食用にされてきたそうです。それで名前が「甘菜」。花に注目すると、小さなかわいい姿です。
木の花に注目すると、ウメ、ヤブツバキ、マンサク、レンギョウ、コブシ、モクレン、サンシュウユと、咲いてきています。今年は大寒の頃に大雪があり、寒さの厳しい時期が続いた後、一気に気温が上がったので、開花の時期が早まったのかもしれません。
注目のサクラですが、B地区野球場周辺のカンザクラ、オオカンザクラ、赤身の濃いカンヒザクラはすでに開花して、メジロやヒヨドリが花の蜜を求めてやってきていました。ヤマザクラ、ソメイヨシノもつぼみが膨らんできています。
石神井公園は美しい季節を迎えました。
2018年2月27日(火) 晴 午前
ヒドリガモ♂ オオタカ ミソサザイ
またまたカモの話ですが、今日はこのシーズン初めてヒドリガモの♂を見ました。これまでは秋の終わり頃に換羽も今ひとつという姿で現れたことが何度かありましたが、この時期は初めて。胸が美しい桜色に染まったきれいな個体でした。まさに緋鳥。紅梅の咲く池に彩りを添えていました。
今日はこのヒドリガモのほか、オカヨシガモ♂2♀1、ヨシガモ♂2、マガモ♂1♀1、カルガモ、ハシビロガモ♂3♀2、オナガガモ♂3♀1、コガモ♂1♀1、 ホシハジロ♀1、キンクロハジロ♂20、♀5と、10種類ものカモが見られました。そろそろ越冬も終わりに近づき繁殖地への北帰行のシーズンに向け、動きが活発になっているのかもしれません。
そういえば、このところオオタカの声を聞くことが多くなりました。今日も城址方面からしきりに聞こえ、中之島に姿を見せていました。こちらも繁殖のための気分が盛り上がってきているのかもしれません。この冬楽しませてくれたミソサザイも、今日は姿を見られましたが、もう繁殖地は旅立つ時期。3月は鳥たちも別れと旅立ちの季節なのです。
2018年2月10日(土) 晴 午前
ヨシガモ♂成鳥 2月の水鳥調査
2月の水鳥調査を行いました。カモの総数では、1月調査から19羽減の130羽で、例年の傾向通りピークは越えていました。目立ったのはキンクロハジロが大幅に減っていたことで、前回時は他の水域からの一時的な移動だった可能性があります。
ヨシガモは1月調査でも見られましたが、そのときは若鳥でした。今回は3列風切り羽根が長く垂れたきれいな成鳥でした(写真)。ということは、入れ替わっている訳で、なかなか興味深いものがあります。オナガガモはシーズンを通して一桁で推移し、とうとう群れの飛来というレベルではなくなりました。かつては1000羽に近い群れが飛来していたことを思うと、信じられないような気持です。
そのほかオオバンは15羽と数を増し、バンを遙かに上回っています。キセキレイは6羽で2羽増え、前回見られなかったセグロセキレイも3羽確認できました。
3月になると、北極圏の繁殖地まで行くオナガガモを先頭に、カモたちは次々と旅立っていきます。次のシーズンはどんな鳥相になっていくのか、調査を継続したいと思います。
2018年1月29日(月) 晴 午前
オオイヌノフグリ、ロウバイ、紅梅
22日から23日にかけての雪は東京では大雪。まだまだ残っています。次の日曜日は立春というのに、春は一気に遠のいてしまったようです。そんななかでも春を探して雪の中を歩きました。
まず目に付いたのは紅梅。三宝寺池北側の梅林で正月明けから咲き始めていました。もう結構見頃、西側では白梅も咲き始めています。雪の中の紅梅はなかなか見物でした。近くの野球場のフェンスの近くにひっそりと咲いているのはロウバイ。この日確認したのはたった2輪。それでも匂い立っていました。
水辺観察園の側では、日当たりのよいところで、オオイヌノフグリ(写真)が3輪ほど。雪の中で青い色の小さな花を咲かせています。外来種ですが、春一番の花には心が引かれます。
残雪のなかでは、キセキレイが氷上で餌をとったり、シロハラが雪の中で餌を探したりと皆必死で生きています。生き残って命のさえずりを聞かせる春に巡り会ってほしいと願っています。
2018年1月19日(金) 晴 午前
クロジ
ボート池東端に自転車をおいて、ぐるりと回りました。B地区野球場にはツグミが14羽、カワラヒワが40羽。人気のないグラウンドの上で餌を探していました。何に驚くのか、時々カワラヒワが一斉に飛び立ちます。羽の黄色が日に輝いて美しく映えます。
三宝寺池まで来ると、オカヨシガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロがのんびりと。正月には姿を見せたヨシガモとホシハジロはいなくなってしまい、少々寂しくなりました。
今日もお目当ては噂のクロジ。氷川神社の近くでカメラマンが集まっていて、メジロ、ウグイス、ルリビタキと現れて、待つことしばしでクロジが姿を見せました。♂の成鳥のようで、黒みが強い個体です(写真)。クロジはアオジと同じホオジロの仲間ですが、ここではアオジよりも数が少なく、茂みに隠れていることが多く、なかなか見られません。
こんな地味な姿ですが、繁殖期のさえずりはチーホイホイとなかなかのものです。もう少し頑張ってさえずりを聞かせてほしいものです。
2018年1月5日(金) 晴 午前
トラツグミ、ヨシガモ、オオタカ
新しい年に鳥の世界にも新しい動きがと期待したいところ。梅林まで来たところで顔見知りの方からトラツグミの情報をもらいました。そのときは探しきれなかったのですが、その後茂みのなかに動いているトラツグミを発見(写真)。黒と黄色の羽は鮮やかですが、これが茂みにいると全くの迷彩色。年末から探していただけに感激も一入でした。
三宝寺池の海水面を見ていると、オカヨシガモが♂3♀1見られ、そこの近くにやや小型の見かけないカモが。じっくり見るとヨシガモでした。おととしの12月以来ですが、そのとき同じように♂の若鳥でした。3列風切りが伸びきっていない♂にしたらちょっと格好の悪い個体。ヨシガモ、オカヨシガモのそろい踏みが見られ、春から縁起がいいと言ったところ。
そのほか、オオタカが水辺に降りて水浴びの態勢にいるところ。南側でルリビタキの♀、ヤマガラなどを見て今日の鳥見を終了。今年の鳥運を、氷川神社で祈願して帰途につきました。
2017年12月12日(火) 晴 午前
ルリビタキ、モズ
ボート池東端にから、ぐるりと回りました。記念庭園は残り少なくなった紅葉のなか、ツグミとシロハラが威嚇し合うように鳴き合って少々うるさいほど。B地区野球場にはカワラヒワが50羽、人気のないグランドの芝生で草の種をついばんで。スズメとムクドリも少々。ここからサクラ園地、野草園、史跡公園にかけてはツグミの姿が多いようです。三宝寺池の周りに入るのが少ないのはどうしてかな。
ボート池にはキンクロハジロの群れが12羽、うち♀が2羽だけ。オナガガモの♂とハシビロガモの♂が2羽ずつ。オオバンが3羽いて、かなり激しく追い回していました。 三宝寺池の周りは、サクラ広場でルリビタキ若♂。ルリビタキは南側の斜面にもいますが、なかなか姿が見られない。ヤマガラもまだ居着いているようです。
最後に中之島東側のアシ原で、ミソサザイを待ちましたが、今日も空振り。カワセミ♂♀とモズ♀(写真)が遊んでくれただけ。それでも紅葉のなかで飛び回る小鳥はとても魅力的でした。
2017年12月9(土) 晴 午前
オカヨシガモ 12月の水鳥調査
12月の水鳥調査に参加しました。カモ類は総数で、前月より21羽減の108羽。これはカルガモが29羽も少なかったことが大きく影響しています。あるいは、中之島の入り江などに隠れているものが多かったのかもしれません。ほかのカモ類は少しですが増えています。
種類別では、オカヨシガモが♂♀1羽ずつ、マガモが♂4羽♀3羽、カルガモが77羽、オナガガモは♂2羽、ハシビロガモが♂♀2羽ずつキンクロハジロが♂13羽♀3羽でした。コガモの記録されなかったのが気がかりですが、この間に見かけてはいるのですが定着せずに、記録に入っていません。ヒドリガモも10月の台風の日に見かけて以来です。
ほかの水鳥では、サギ類の増加が目立ちます。ゴイサギとアオサギが21羽記録されました。とくにアオサギは、三宝寺池を見下ろす高木にたくさん止まっていました。昨年もこの時期に集まっていました。オオバンも14羽と増加が目立ちました。
石神井川では、先月は記録のなかったキセキレイが6羽も現れました。来春までにどう変化していくか、見続けていきたいと思います。
2017年11月4(土)、5日(日) 晴 午前
マミチャジナイ、カワラヒワ
三宝寺池入り口のひょうたん池のあたりにはアキニレの木がまとまってあり、小さな実をびっしりとつけています。この実は小鳥たちの大好物、とくにアトリやマヒワなどがよく来ます。今日は高い枝にマヒワが次々と飛んでいて、20羽ほどがついばんでいました。
北東側のエノキには、エナガとコゲラの混群。エナガ10羽ほどとコゲラが3羽。定番のシジュウカラ、メジロが見当たらないという、ちょっと変わった混群でした。
三宝寺池の周辺ではヤマガラの声を聞いたぐらいで、あまり当たりはなく、記念庭園の柿の木へ。
すでに、たくさんのカメラが並んでいて、待つほどにメジロの群れ、コゲラ、シジュウカラ、ヒヨドリも現れてそれぞれにカキの実をついいて。遅れてマミチャジナイも登場。おなかの赤みが強くて、アカハラかマミチャジナイかと論議になりましたが、目の下の白斑がはっきりしていることからマミチャジナイと判断しました。ツグミやアカハラの仲間ですが、なぜか東京では春の渡りの時には見られず、晩秋にだけ姿を見せて南に渡っていく鳥。今年も見られて幸せでした。
2017年10月31日(火) 曇時々晴 午前
ジョウビタキ、アオジ、キセキレイ、カケス
記念庭園の柿の木にはたくさんのメジロ。他の木の実も熟してきて冬鳥の季節ですね。
ひょうたん池の岸に黄色い影が飛んできて、これはキセキレイでした。石神井公園ではこれも冬鳥。とてもきれいな個体でした。
三宝寺池を一回りしてから、中之島の東側のアシ原に注目。ジョウビタキがいるようです。じっと待っていると、シジュウカラの群れがやってきて、枯れたアシの茎にとりついて皮をむいては中に潜む虫を探しているようです。気温が下がって、虫を探すのも大変です。
とそこに、アシの奥から茶色い影が。半年あまりのご無沙汰で、ジョウビタキの♀が登場。まん丸の目がとにかくかわいいですね。見返り美人のポーズをとりながら、しきりに尾を振ってあいさつしてくれました(写真)。
このほか、水辺観察園のアシの原にはアオジ、野外ステージの上からはカケスの声が聞こえました。どんどん増えてくれることを期待しましょう。
2017年10月12日(木) 晴時々曇 午前
マガモ、ヤマガラ、オオタカ
三宝寺池南西側の木道を歩いていると頭の上からニーニーという声。池の淵にはエゴノキ、ヤマガラの姿を待つとやがて(写真)。先日も見ましたが、やっぱり秋には会いたい鳥。今年は居着いてほしいものです。
知り合いの人からマガモがいると教えてもらって、中の島西側の付近を丹念に探すと、マガモを発見。入り江付近にじっと潜んでいる姿は、いかにも到着したてのマガモ。これは今シーズンの初見です。もう1羽いるという話でしたが、こちらは枝の影にいて確認できませんでした。
冬ガモの情報をまとめると、9月の末にコガモ2羽が飛来。10月のはじめまでにはオナガガモ、キンクロハジロがお目見え。キンクロハジロはこの日もボート池で♂が見られました。後はハシビロガモ、ヒドリガモ、オカヨシガモなどが待たれるところ。池も少しずつ賑やかになってきました。
この後、南側の木道をたどると、中の島にオオタカ成鳥の姿も見られました。
2017年9月25日(月) 晴時々曇 午前
コサメビタキ、キビタキ
秋が深まってきました。三宝寺池の周りを回って戻り途中の夏鳥を探しました。キビタキが来るというキンモクセイの繁み。確かに、よく見ると時々枝の奥で動く影があります。双眼鏡で覗くと、お腹が白くて背が茶色のキビタキの♀タイプが見えます。しかし、キンモクセイの枝は茂りすぎていて真っ暗。カメラはとても追い付きません。一瞬外に出てきたのですが、今度は露出オーバー。
キビタキは見ただけで満足して、ぐるりと回って池渕史跡公園に行くと、高い枝の上で飛び回る小さな鳥。コサメビタキでした(写真)。枝から飛び立っては虫を捕まえて元の枝に戻るフライングキャッチを繰り返し。今日は水鳥のオオバンも見られました。
この間では、サンコウチョウやツツドリ、センダイムシクイ、それにコガモも見ています。戻り途中の夏鳥だけでなく、ここで冬を越す鳥もぼつぼつ姿を見せ始めてた様子です。
2017年9月10日(日) 晴時々曇 午前
ツツドリ、センダイムシクイ、リスアカネ
この季節晩春から初夏に北に渡っていた鳥たちが、子育てを終えてそろそろ帰ってくる時期。まずツツドリを探しました。ツツドリはカッコウの仲間ですが、なぜか毛虫が大好き。とくにサクラの木につくモンクロシャチホコの幼虫を目当てに、桜並木の周辺に姿をよく現します。
サクラの木をたどって池北側の梅林に行くと、知り合いの方がいてサクラの木にツツドリが止まっていると教えてもらいました。ラッキーがありました。ツツドリは高い枝にじっとしていて、時々羽繕いも(写真上)。かなりまったりしているようです。知り合いのカラのはなしでは少し前には毛虫も食べていたそうです。
池のそばに降りると、暗い水面に突き出た枝にリスアカネが止まっていました。赤とんぼは数がまだ少ないものの、アキアカネ、マユタテアカネ、それにウスバキトンボも飛んでいました。池を覆っていたコシアキトンボの群れは姿を消し、ギンヤンマにシオカラトンボが寂しそうに飛んでいるだけ。
この後、史跡公園に回ってみましたが、こちらはヤマハギの花にキタキチョウが止まってすっかり秋の気配ですが、鳥は見えず。諦めて帰り掛けたときに灌木に鳥が動いているのを発見。シジュウカラと思ったらセンダイムシクイでした(写真下)。春には「焼酎一杯グイー」と賑やかでしたが、いまは音なしの構え。紅葉の始まったハナミズキに飛び上がったところを撮りました。秋の出会いは突然です。
2017年7月31日(月) 晴時々曇 午前
カノコユリ、夏の花園
しばらく振りの石神井公園。水辺観察園はすっかり盛夏の装いに替わっていました。オニユリにカノコユリ(写真)、盆花として知られる赤紫のミソハギ、アヤメ科のオレンジ色の花ヒオウギ、ヒガンバナの仲間のキツネノカミソリ、淡いピンクのチダケサシなどとりどりです。
さらに、早くも秋を先取りするようにアキノタムラソウ、ハッカ、ハグロソウ、ミズヒキ、キンミズヒキなども咲き始めています。
それにしても、カノコユリはとりわけ異彩。こんな派手な色彩ですが、これでも鹿児島の甑島などを初め南の島に自生する原種だそうです。カノコは鹿の子で、白い花弁に散った赤い点を見立てたもののようです。ぎらぎらした夏の日に負けない輝きです。
昆虫類は、オオヤマトンボ、ウチワヤンマ、ギンヤンマなどは元気でしたが、お目当ての林の中にぶら下がっているものは、少々気温が足りないのか、見られませんでした。戻り梅雨というのは、何ともうっとうしい限りですね。
2017年6月16日(金)、17日(土) 午前
ササゴイ、オオタカ巣立ち
石神井公園は夏鳥の渡りがピークを過ぎて、急に寂しくなりました。賑やかなのは、繁殖している鳥たち。カイツブリ、バン、カルガモという目につきやすい水鳥を始め、シジュウカラ、エナガなども巣立ちビナを連れて林を飛び回っています。金曜日には、ツバメもファミリーが野球グランドに降りていました。
さらに珍客も。金曜日はササゴイの成鳥が中の島の木に止まっていました。ゴイサギに似ていますが、羽が笹の葉模様。ゴイサギとは違って、繁殖のために渡ってくる鳥です。とてもスマートな印象。
土曜日は、城址でオオタカの雛が巣立っているのが見えました。元気でした。また、スイレン池では石神井川当たりからきたと思われるカワセミの幼鳥が見られました。胸が汚れていて、顔が幼げ。
新しいいのちが輝く季節です。
2017年6月4日(日)、5日(月) 午前
アサギマダラ、ミドリシジミ、オオムシクイ
日曜日は三宝寺池北側のさくら広場がミドリシジミで賑わいました。光の加減で緑色から青色に輝くミドリシジミを探して早朝からファンが集まりました。近くにはウラナミアカシジミやミズイロオナガシジミも。ハンノキやコナラ、クヌギなどを食草にするシジミチョウの仲間が一気に出てきました。
ここではもう一つ、ジジロジジロと聞きなしされるオオムシクイが見られました。 城址でオオタカの声を聞いていたら、サンコウチョウの声が。まだいたのですね。夏鳥の渡りもそろそろ最終盤となってきました。
月曜日は鳥の声は静でしたが、朝方にアサギマダラ(写真)が登場。これは渡り鳥ではなく渡りチョウ。西南諸島から東北まで、世代を繋いで渡りをしていきます。鳥の季節が一段落するとチョウやトンボの昆虫の季節。楽しみ多い石神井公園です。
2017年5月17(水) 午前
ヤマボウシ、白い花 キビタキ
この季節は木の花が本格的に咲いて、目を楽しませてくれます。写真のヤマボウシは十字手裏剣のような花、大きな花房が垂れ下がるニセアカシア、小さな花がテーブル状に付くミズキ、ローソクを立てたような花をたくさん付けているトチノキ、白から黄色に変わる匂いの強いスイカズラなど。なぜか白い花が多いように思います。
匂いといえば、センダンの木が咲いてきて南国的な強い香りを振りまき始めました。公園内ではこの木にアオゲラが巣穴を掘っていて、注目の的になっています。
今朝もキビタキがしきりに囀っていましたが、そろそろ夏鳥のシーズンも終わりに近づいてきました。ホトトギス、カッコウ、メボソムシクイはいつ来てくれるのでしょうか。
2017年5月9日(火)〜11日(木)
アカコッコ、八丈探鳥
家族旅行で八丈島に行ってきました。アカコッコやタネコマドリ、モスケミソサザイ、カラスバトなどの伊豆七島の留鳥、ミズナギドリなど航路の鳥が楽しみ。
行きの航路では、三宅島を過ぎたあたりでオオミズナギドリの大群に出会いました。波と戯れるように、水面をかすめて飛ぶ姿は見飽きません。ただ、どうも他の水鳥が目に入りませんでした。
着いてすぐに八丈植物園を散策。アカコッコはバードウォッチングゾーンに入るとすぐに出てきてくれました。アカハラによく似ていますが、頭から胸まですっぽりと黒いずきんをかぶった姿で、亜熱帯の森を背景にすると、大きな目に愛嬌がありエキゾチックに見えます。
ここではこれ以上の成果がなく、ビジターセンターで聞いた三原山山麓のスポットに。沢沿いの小道を散策しましたが、タネコマドリ、モスケミソサザイなどの囀りが賑やかに聞こえ、奥からはカラスバトのウォーンという声も響いてきました。しかし、姿は視界をちらりとかすめるだけで、確認に至りません。囀りを堪能するばかりです。
帰りの航路は晴天でしたが風が非常に強く、甲板に出ていると危険を感じるほどで、残念ながら鳥はあまり見られませんでした。
2017年4月21(金)〜23(日) 早朝
コマドリ、サンショウクイ
早朝に出かけて鳥を探しましたが、晴天が続いたためか夏鳥の声はだいぶ少なくなっていました。そのなかで、コマドリが22日、23日と囀りを聞かせてくれたのが印象的でした。ただ、典型的なヒンカラカラの声ではなくフィリリリーンといったやや弱い声で、コルリかもと迷わされましたが、コマドリで決着。なかなか難しい。姿が見られなかったのが残念。
意外だったのはサンショウクイが群れで現れたことです。例年は単独で通過していくことが多いのですが、北側の広場に数羽で現れ、ウオッチャーを喜ばせていました。ピリピリという鳴き声と尾の長いスマートな姿が初夏の季節にとてもマッチしていると思います(写真)。
あとはキビタキ、センダイムシクイにエゾムシクイの声、アカハラもキョロンキョロンと囀りを響かせていました。これからどんな夏鳥が来てくれるのか、期待が膨らみます。
2017年4月19(水)、20日(木) 晴 早朝
オオルリ、キビタキ
雨の後で夏鳥が降りていると期待して、両日ともに早朝探鳥をしました。水曜日は回っても鳴き声はセンダイムシクイの声が少しだけ。諦めて帰りかけたところ、水辺観察園の西側で梅林方面の高い枝になにやら動く影。オオルリでした。餌を探しているのか、あちこち枝移りをして落ち着きません。
木曜日はさくら広場付近で早くもあちこちからキビタキの声が。やはりかなり高いところで、動いています。ひとまずここはこだわらずに、野鳥誘致林から城趾方面へ、三宝寺池を一回り。カケスやアトリを見たり、オオタカ、アオゲラの声を聞いてから梅林にさしかかると、オオルリの囀り。
すでにカメラを構えている人もいて、ヤマザクラの枝などで動いています。ここでは鳴き声を聞かせてくれて、姿も撮らせてくれました(写真)。瑠璃色の上面に白いお腹、ツートンカラーが新緑に映えて美しい。
水曜日はサンショウクイを見たという情報もありました。いろいろな夏鳥が姿を見せてくれることを期待したいものです。
2017年4月16日(日) 晴 午前
キビタキ、センダイムシクイ
そろそろ夏鳥が渡ってくる季節。水辺観察園の西側に来ると、上の方からチヨチヨビーの声が聞こえました。お待ちかねのセンダイムシクイです。ところが、高いところで動いているようで、なかなか姿がとらえられない。腰が痛くなってきて、一旦断念。歳をとるのはつらいことです。
野鳥誘致林で知り合いの人からキビタキがいると教えてもらって、高い枝の上を飛ぶ小さい鳥を探してキビタキを見られました。半年振りの再会ですが、やはり芽生え始めた新緑のなかのキビタキは格別。あまりに高いところで写真はいまひとつでしたが、夏鳥のと出会いは新鮮でした。
周りをよく見ると、営巣中と思われる尾の曲がったエナガやしきりと囀るメジロ、つがいで泳ぐカイツブリ、バンも営巣に入ったようです。オオタカやツミなどの猛禽も今年はどうなるのか。ワクワクする季節が始まりました。
2017年3月23日(木) 晴 午前
ミツガシワ開花 春爛漫
水辺観察園の花情報です。前回は、アズマイチゲやジロボウエンゴサクの開花をお伝えしましたが、ついに三宝寺池・水辺観察園の主役、ミツガシワが開花しました。三宝寺池のミツガシワは氷河期からの生き残りで、東京周辺ではごく一部でしか見られません。
白い5弁の花の表面に縮れたレースのような毛が生えた姿は、アルプスに咲くエーデルワイスと似ていて、寒冷地の花の寒さ対策のようです。水辺観察園では間近に見られるのですが、それでもこの姿をとらえるのは困難。ぜひ双眼鏡などで見てもらいたいものです。
春の花のゾーンでは、このほかカタクリ、キランソウ、ヤマネコノメソウ、ムサシアブミ、カントウタンポポ、キュウリソウなど、水の中でもヘラオモダカが白い花を開いていました。
春の野草はいままさに春爛漫です。
2017年3月10日(金) 晴 午前
ジロボウエンゴサク 春の花次々
水辺観察園の花情報。このところ気温が上昇して、水辺観察園の春の花園は一気に開花が進みました。春一番のアズマイチゲに続いて、ジロボウエンゴサク(写真)、アマナ、イカリソウ、タチツボスミレ、ヒトリシズカ、ニリンソウと開花ラッシュです。
ジロボウエンゴサクとは変わった名前ですが、昔の長野ではスミレをタロウボウ、これをジロウボウと呼んだことから来ているそうです。エンゴサクは根隗を漢方薬として使ったことから来た呼び名で、滋養、強壮などに効果があるそうです。
水辺観察園で花を見ていると、あちこちからウグイスの囀り稽古の声が聞こえてきました。ホーホケ、ケキョなど思わず笑みが浮かんでくるような入れ込みぶり。これに呼応してシジュウカラもツピツピの囀りを高めて。エナガも巣材集めに大わらわ。花も鳥も春本番へ急ピッチです。
2017年2月18日(土) 晴 午前
マンサク開花、キクイタダキ
東端に自転車を置いて、記念庭園から入るとエナガ、シジュウカラ、メジロ、コゲラの混群と遭遇。昨日の暖かさから一変した厳しさを集まってしのごうとしているのでしょうか。
三宝寺池をぐるりと回ると、水位がだいぶ下がっていて、スイレン池の東側の工事のためとか。泥土がむき出しになっているためか、匂いがけっこうきついようです。
野鳥誘致林の端でマンサクが黄色い花を咲かせていました。木の花では、ウメ、早咲きの桜に次ぐもの。早春の気配です。
新池のところまで降りてくると、またまたエナガ、シジュウカラ、メジロ、コゲラの混群。よく見るとその中に3羽のキクイタダキが混じっていました(写真)。キクイタダキは日本最小の鳥。たった10cm、重さは1円玉5枚分。その変わり身のこなしは素早く、サワラの枝のなかで落ち着いてくれません。下から見上げているばかりで、頭の上にある黄色い冠毛はよく見えませんでした。次はもう少し見せてくださいね。
2017年2月12日(日) 晴 午前
2月の水鳥調査から
このシーズン最後の水鳥調査をしました。結果は、カモの総数で123羽。1月の149羽に比べてかなり減っていました。2月になると減少するのは例年のことですが、カルガモとオナガガモの減少が目立ちました。
カルガモはこのところの冷え込みで、ひょうたん池やボート池が凍結することも多いので、他の水域に移動したり中之島のアシの影などにいてみられなかったのかもしれません。これに対してオナガガモは、繁殖のため北極圏まで行くために、渡りの時期が早く、すでに準備が始まったのかもしれません。
オカヨシガモはしばらく♂♀が2羽ずついましたが、1番いになり、ヒドリガモも♀1羽しか見られませんでした。オシドリの♂は元気に泳ぎ回っていました。コガモが石神井川で♂♀計11羽見られたこともうれしいことです。
カモたちもすっかり繁殖羽に変わっていました。オナガガモは♂の尾が長くなり、キンクロハジロの♂の冠毛も長くなりました。ハシビロガモの♂は11月頃のサブエクリプスといわれる、胸に渦巻き模様が見える羽から白と赤茶色の鮮やかな羽衣に(写真)。
水鳥ではありませんが、記念庭園の池のところでトラツグミがシロハラを追いかけて現れたり、石神井川でこのところ見られなかったジョウビタキの♂♀計3羽を見たりと、楽しい調査でした。
2017年1月29、30日(日) 晴 午前
ミソサザイ、トラツグミ
大寒の最中とは思えない暖かさで、公園も多くの人で賑わっていました。やはりオシドリが人気で、注目の的でしたが、アトリ、ルリビタキ、トラツグミなどの冬鳥も。今回はミソサザイにこだわってみました。
ミソサザイが出るというアシ原で待っていると、出てくるのは紛らわしいウグイスばかり、シジュウカラ、メジロも。すると何かがハンノキの枝に止まり、これは換羽が少し立っていて、体に褐色味があるカシラダカ。それほど珍しいものではありませんが、石神井公園ではなかなか見られないもの。数羽の群れで行動しているようです。
日曜日は昼過ぎになって、アシの中に茶色い鳥が動いているのが見え、これはアオジでした。でも、そのそばにまた茶色の鳥がじっとしているのが見え、これが待望のミソサザイ。しかし、あっという間に奥へ。残念。
月曜にもリベンジとばかり待機。トイレに行っている間に出たりと、アンラッキーもありましたが、やはり昼過ぎになって登場。しかも、1羽を追いかけるようにもう1羽が出てきてびっくり。2羽いたんだ。写真はアシの間で、しかも手前の木の枝がかぶっていたりで、靄がかかったようですが、粘った甲斐がありました(写真)。
合間に、仲間の皆さんに会って一緒にムラサキツバメの越冬を見たりと、よい出会いもありました。
2017年1月22日(日) 晴 午前・午後
オシドリ オオタカ
定例の観察会でした。今日の成果はやはりオシドリ。三宝寺池の開水面側の小さな島の付近にいて、水面上に突き出た枝に乗ったり下に隠れたりと、逆光もあってなかなか見にくかったのですが、♂の美しい羽が見られました。ここでは、2年ぶりかと思います。かつては春先によく見られ、現在の松の風文化公園の樹洞で繁殖までしたことがあったのですが、隔世の感があります。
オオタカは歩き出すとまもなく、城址の方面から何回か声がし、一瞬ですが成鳥の姿も。これとは別に、中の島では幼鳥がハンノキに止まってたくさんのカラスに囲まれていました。若造とみたのか、カラスもしきりと挑発を繰り返し、オオタカが止まり木を替えるとその都度カラスの大群も大騒ぎ。これはこれで面白い見物でした。
このほか、回っていくとルリビタキの雄若鳥が現れたり、エナガ、シジュウカラ、メジロの混群にであったりとなかなか面白い会でした。
1月の大寒の最中ですが、オオイヌノフグリとヒメウズが咲いていました。水辺観察園のスプリングエフェメラルも落ち葉の下から芽を出して、春を待ちかねています。来月はどんな花が見られるのか、心せかれる季節です。
2017年1月19日(木) 晴 午前・午後
ウソ、トラフズク 秋ヶ瀬公園で
仲間の皆さんと,今年初めて秋ヶ瀬公園に行ってきました。風は強かったのですが、日差しが暖かくまずまずの日和でした。
子供の森から入って、カケス、ツグミ、シロハラなどを見ながら進むと、林の中で群れになって動く鳥影があり、ウソでした。新年になってからウソは抜けたと聞いていましたが、予想外の出会い。しきりに桜の花芽を食べては、皮を落として。青空を背景に、♂の和菓子のような首まわりの赤い色が何とも言えず映えていました(写真)。
ピクニックの森は意外に静か。ようやくカシラダカの群れを見つけて観察。名前はタカでもホオジロの仲間。冠羽が少し立っているので頭高(カシラダカ)。草原の少ない石神井公園ではなかなか見かけない鳥です。エナガに、メジロ、シジュウカラ、コゲラなどが賑やかでした。
サクラソウ公園に回ってベニマシコを探しましたが、これは見えず。トラフズクのいる場所に行って、何とか探し当てました(写真)。目が多いと頼もしい。いかにも眠そうに、時々目を細く開けて警戒している様子。夜、草原を飛び回ってネズミを捕っているので、昼眠いのは当然。
安眠妨害にならないようほどほどで切り上げて、開けたところに出てくるとノスリが風を受けて停翔飛行。翼の下部の褐色の斑が鮮やか。こうしていると「奴さん」の愛称がぴったり。そこにオオタカも通りかかって最後まで賑やかでした。
2017年1月8日(日) 曇 午前
カモは26%増 水鳥調査
新年初めての水鳥調査をしました。総数としては149羽で、12月調査より30羽あまり増えていました。
内訳はマガモが♂4,♀5、カルガモが102羽、コガモが♂3羽、♀2羽、オナガガモが♂10羽、♀4羽、ハシビロガモが♂♀ともに4羽、オカヨシガモが♂1羽、ヒドリガモが♀2羽、キンクロハジロが♂6羽、♀2羽でした。
カルガモが20羽あまり増えていて、オナガガモが8羽増え、キンクロハジロが11羽減っていたのが目立つくらいで、あとは微増減といったところです。去年の1月調査では前日に雪が降った影響で、オナガガモ、キンクロハジロが大幅に増えていたというアクシデントがありましたが、均せば大きな変化はなく微減傾向は続いていると言えるでしょう。
他の水鳥では、アオサギが前回調査より14羽も減と大きく減りました。増えていたののはオオバンで、6羽も増え、ハクセキレイの他、キセキレイ(写真)、セグロセキレイも増えていました。
2017年1月7日(土) 晴 午前
ニシオジロビタキ
遅ればせながら、話題になっているニシオジロビタキという鳥を見に多摩地区の公園に行ってきました。
たくさんのカメラマンに囲まれて、ロウバイの木の辺りを飛び回っていました。のどの下から胸までが赤くて、とてもチャーミングで、楽しめました。
ニシオジロビタキは、オジロビタキがユーラシア大陸の東側に分布するのに対して、その西側からヨーロッパに掛けて分布し、従来はオジロビタキの亜種と考えられてきました。しかし、現在では別の種との考えが有力になっているようです。オジロビタキは 2005~6年に石神井公園でも見られたことがあります。
やっかいな話ですが、オジロビタキとニシオジロビタキの違いは、オジロビタキがのどの下だけが赤いのに対して、ニシオジロビタキでは赤みが胸にまで及び、下嘴が肉色などの特徴があるようです。
2016年12月31日(土) 晴 午前
ルリビタキ、アカハラ、オオタカ
穏やかな年の暮れでした。今年も石神井公園で鳥見納めをしました。せっかくだからと早朝から入ってじっくりと見て回りました。
記念庭園ではあちこちからシロハラの声。今年はかなり多いようです。クマザザの原からはウグイス、メジロ、アオジの声。早朝はよく聞こえます。シロハラ同士が争っていると思ったら、飛び出してきたのはアカハラ。上の枝ではエナガの群れが枝移りをしています。
B地区野球場付近に回ると、グランドにはカワラヒワとツグミが十数羽ずつ。先日はカワラヒワが100羽もいたのに。
野草園付近の市民農園では人気のないところでヒヨドリが作物を突ついて。収穫の済んだ農地ではハシボソガラスが2羽、なにやら探し回っています。皆生きるのに必死です。史跡公園は鍵がかかっていて、フェンスの外から覗くとツグミ、シロハラ、シメがいて、そこにアトリも数羽。
ひょうたん池は氷が張っていて、いつものカルガモはゼロ。スイレン池の方に移っていました。近くではモズの声。♀がミミズのようなものを加えて朝食の最中。
水辺観察園ではジョウビタキの♂がサンショの実を必死に採食しているのに出会いました。中の島ではオオタカが。
南側の木道を回って、神社の付近に来ると階段にルリビタキが飛び出してきました(写真)。♀タイプですが、羽の付け根の当たりが青くなっていて、どうやら若いオスのようです。青くなるには3年程度かかるるそうです。メーテルリンクの「青い鳥」でも旅をして帰ってきたら、家の茶色い鳥が青くなっていました。いまの幸せを大切に。何だかきな臭くなってきた世の中ですが、この言葉をかみしめつつ野鳥誘致林にあったセンリョウを飾って今年の更新を終えます。ありがとうございました。
2016年12月20日(火) 午前
ヨシガモ、ツグミ・シロハラの争い
今日も石神井公園へ。記念庭園から入ると繁みの奥から飛び出してきたもの、灌木に止まったのはルリビタキの♀でした。さらに繁みで動くものがあって、これはソウシチョウ。姿も声もきれいな鳥ですが、中国原産で輸入された鳥が抜け出し、自然界で繁殖を始めたとか。カメラマンのおじさん達には者人気ですがね。
B地区野球場のグランドにカワラヒワがおよそ100羽、ツグミが19羽。ハクセキレイが3羽。賑やかです。野外ステージの西側に進むとなにやら争っている鳥が。どうもツグミとシロハラがけんかしている様子(写真上)。けっこう激しいようです。このところ冬鳥が増えてきて、楽しいのですが、数が多くなれば争いごとは世の常。餌なのかテリットリーの争いなのか。
三宝寺池の周辺は、池にオカヨシガモとヒドリガモ。アオサギは少ない。アトリがあちこちで餌をついばみ、野鳥誘致林ではアオゲラの♂が登場しました。帰ろうとすると、お知り合いの方からボート池にヨシガモの♂がいると教えてもらって急行。中の島より東側のところで、カルガモと一緒に泳いでいました(写真下)。俗にナポレオンハットといわれる特徴的な頭部の形、光の加減で青から緑に輝く部分と赤褐色の部分がある頭の羽毛。若鳥のようですが、体の青海波模様も特徴的。石神井公園では、3年ほど前に♀1羽が越冬したことがありましたが、♂は20年ぶりの珍客。居着いてくれるとうれしいのですが。
2016年12月12日(月) 午前
ルリビタキ、アトリ、シメ
石神井公園の紅葉はまだまだ見頃を保っています。20年ほど前に比べると、2週間くらい遅れていると感じられます。ナガサキアゲハ、ムラサキツバメなどの暖地性チョウ類の北上と考え合わせても、温暖化の進展は恐ろしい早さです。イロハモミジに来たメジロも少し心配顔(写真)?
記念庭園から入っていつものコースでまわりました。記念庭園では、坂の上のカキがすっかりなくなり、寂しくなりましたが繁みではウグイス、メジロ、アオジ、シロハラなどの鳴き声がよく聞こえ、ルリビタキの姿もちらりと。声の探鳥も良いものです。
大きな群れで飛び回っていたアトリは、小さな群れに分かれてエノキ、ハンノキ、アキニレなどの実をついばむ姿がよく見られるようになりました。近くには、同じアトリ科のシメの姿も。ひょうたん池のそばのイイギリの実もすっかりなくなり、ヒヨドリは近くのセンダンの実に異動して菜食。カメラマンも一緒にセンダンの木に下に移動。現金な物です。
ところで、今日は三宝寺池の南側でルリビタキ♂の姿を見かけました。青い羽根を輝かせてやはり♂は美しい。
2016年12月11日(日) 午前
オカヨシガモ、ホシハジロ 冬鳥調査
今日は仲間の皆さんと今季2回目の水鳥調査をしました。さすがに12月になって、11月調査よりも鴨の数はだいぶん増えていました。
マガモが♂1羽♀4羽、カルガモが79羽、コガモが♂2羽♀1羽、オナガガモが♂4羽♀1羽、ハシビロガモが♂3羽、♀1羽、オカヨシガモが♂1羽、ヒドリガモが♀1羽、キンクロハジロが♂14羽、♀5羽、ホシハジロが♂1羽でした。
カモの総計では118羽、11月の調査が89羽でしたから、19羽増えていた勘定です。カルガモの他、キンクロハジロ、オナガガモの増加が目立ちました。例年1月が最も数が増えているので、これからの期待したいところです。
オカヨシガモとホシハジロの♂が1羽ずつですが、姿を見せてくれたのもうれしいところ。写真はオカヨシガモですが、茶色の濃淡の羽衣をまとったシックな姿がすてき。散り紅葉の池に浮かんだところは絵のようです。
他に、アオサギが22羽もとまっていたのが気になりました。ここにオオタカの若鳥が突っ込んで驚いたアオサギが乱舞したところは見事。しかし、なぜこんなに集まっているのか、気になるところです。
2016年11月17、18日(木、金) 午前
アトリ、ツグミ、シロハラ 冬鳥全開
今日はアトリ、シロハラ、ツグミなどの冬鳥が群れになって出現、飛び回っているのが見られました。ツグミ類はこれまで声が聞こえたり、ちらりと姿が見えたりといったところで、気配は感じるものの存在感はいまひとつでした。
B地区野球場から野草園の方向を見ると、エノキの林でしきり飛び回っている鳥の群れがいます。双眼鏡で覗くとどうもツグミの群れ。回ってみると、エノキの林を飛び回って十数羽のツグミが餌を食べている様子。エノキの実は人間が食べてもおいしい、ツグミにはこの上ないごちそうです。そこにやや毛色の変わった1羽が飛び出してきて、これがシロハラ(写真上)でした。ツグミの群れに混じっていたようです。ようやく姿が見られました。
三宝寺池のゾーンに入ると、そこではアトリが数十羽も飛び交っていて、壮観でした。入り口のひょうたん池の辺りは、アキニレ、ハンノキ、ケヤキなどのアトリ類の好む木の実があって、これをついばんでは群飛を繰り返している様子です。時々はトウカエデなどの紅葉した枝にも止まって、オレンジ色の体がよく映えて見えます(写真下)。
池にはマガモやオナガガモ、キンクロハジロ、上空にはオタカが飛び、彩り鮮やかな紅葉と、鳥たち。美しい季節がしばらく楽しめそうです。
2016年11月6日(日) 晴 午前
ヒドリガモ♂、水鳥調査
今シーズン初の水鳥調査が行なわれました。カモの調査結果は、マガモ♂1♀3、カルガモ68、オナガガモ♂1、ハシビロガモ♂1♀1、キンクロハジロ♂6、♀6、ヒドリガモ♂1♀1で、合計89羽でした。例年のこの時期に比べて、かなり少なく冬ガモの到着はかなり遅れているようです。
中で面白いと思ったのはヒドリガモの♂のエクリプスが見られたことでした。カモのオスは夏以降、結婚シーズンの冬に入るまで♀に似た地味な羽で過ごします。これをエクリプスと言い、識別には難しいものがあります。写真の♂は換羽の途中で背中やお腹が生え替わってきています。
また、このシーズンの水鳥の中では、アオサギが大集結していることが特徴。これまでは多くても数羽だったのが、20羽ほども集まっています。何があったのか、不思議です。
2016年10月30日(日) 曇 午前
アカゲラ、カラの混群
石神井公園の記念庭園に着くと、仲間の方から声がかかりアカゲラがいるとのこと。一生懸命探したものの見つからず。その後、三宝寺池に回ると顔見知りの方から野鳥誘致林にアカゲラがという情報。ここでも見つかりません。振り回されっぱなしです。
帰る前にともう一度記念庭園を訪ねると、知り合いの方がカメラを構えていてアカゲラを教えてもらいました。ようやっと、今日の鳥見の終わりに運が向いて。アカゲラは雌で、枯れた太い枝をしきりと突いて虫を探しているようでした。それにしても、頭と背中の黒、下腹部の赤、お腹の白という彩りは存在感があります。アカゲラは、石神井公園では比較的なじみが薄く、今回はなかなかの長逗留です。アオゲラは来るたびに声や姿を見られるのに、なぜなのでしょう。
今日はアカゲラと同じところで、シジュウカラ、メジロ、コゲラの大きな混群と会いました。今日は日中もかなり寒い一日でした。こんな日には混群もよく見られるようです。落葉樹が葉を落とした林で、小鳥の群れは音符のようにも見えます。
他に、キセキレイ、モズ、カケスなどを見ました。冬鳥がどんどん増えてくるのが待ち遠しいものです。
2016年10月24日(月) 午前
ジョウビタキ、イカル
マガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、コガモなどの冬ガモが日替わりで入ったり出たりしています。この冬の心地よい居場所を探して動き回っているようです。定着するのは少し先かもしれません。
ということは、冬を東京近辺で過ごす小鳥たちも移動の最中。今日は石神井公園の記念庭園の柿の木の下で粘ってみました。すっかり色づいた柿の実がたくさん下がって、中には熟しすぎて落ちてくるものもあります。そこに来たのはまず定番のメジロとヒヨドリ、とくにメジロは20羽以上の群れも。カキの実のオレンジ色とメジロの緑が映えて秋の風物詩です。他にもシジュウカラが来たり、コゲラが来たりと賑やか。
そこになにやらオレンジ色も鳥が。ジョウビタキの♂(写真)でした。といっても、ジョウビタキはカキの実はあまり好みではないようで、せわしなく飛び回って虫を探しているようです。春先以来の再会は、うれしいですね。
と、さらに柿の木を越えて高いムクの木の先端に止まった鳥がいて、こちらはイカルでした。大きな黄色い嘴が日に輝いています(写真)。こちらも半年振りの再会。熊沢の中からはアオジの声が聞こえました。次々と冬鳥に会えて、心躍るものがあります。
今日はアトリを見たという人にも会いました。この冬はどんな鳥が来てくれるのか、見詰めていきたいものです。
2016年10月14、15日(金、土) 午前
カケス、モズ、キンクロハジロ
両日ともカケスが大きな声で鳴いていた。少なくとも3羽はいて、三宝寺池北側のメタセコイア林周辺、記念庭園でも見かけた(写真)。他のところでもカケスが入ってるとの情報があるので、大きな群れが山から集団で下りてきているのかもしれない。
史跡公園周辺では、モズの高鳴き、呼応するようにアオゲラもしきりに鳴き声が聞こえた。動きが活発になってきているのか。猛禽類も、三宝寺池でオオタカが飛び、上空ではハヤブサの仲間のチョウゲンボウがカラスに追われているのが見られた。
土曜日には、三宝寺池にキンクロハジロとオナガガモが♂♀1組ずつ飛来。キンクロハジロは今期初めて見た。オオバンも見られて、水鳥も動きが出てきた。これからが楽しみ。
気温が上がったこともあり、チョウの動きが活発。お馴染みの面々の他、とくにウラギンシジミは照葉樹のシラカシなどの葉の周辺至る所で見られた。また、しばらく振りにコムラサキ、キタテハも何度か見られた。晩秋を迎えて、こちらも注目だ。
2016年10月7日(金) 晴 午前
カラの混群、ヒタキ、ムシクイ
三宝寺池をぐるりと回ってから池渕史跡公園に来ると、餌付けられたキビタキを狙ってたくさんのカメラマン。でも、今日はでていないとのこと。近くのマツのあたりにエナガ、シジュウカラなどが群れをつくっています。カラの混群です。この秋初めて出会いました。
顔見知りの方から、エゾビタキがいたと教えてもらってよく見ると、ヒタキの他ムシクイ類もいるようでした。
混群は道を挟んで野草園の方に移動。クヌギの枝でようやくセンダイムシクイをとらえました(写真)。彼らは5月の連休の頃に、この公園を通過して北関東や南東北の低山で繁殖をして、また戻る途中、東京に立ち寄ってくれたというわけです。小さな体で長い旅、がんばってと声をかけたくなります。
2016年10月2日(日) 晴 午前
中之島を見学
国の特別天然記念物に指定されていて、普段は立ち入ることのできない三宝寺池の中之島を見学しました。都の主催で、ゴムボートに乗り中之島に。ちょっとした冒険気分です。中之島は周囲から見るとハンノキ林という印象ですが、中ほどは高木が整理され、木道が敷かれて貴重植物の保護・育成が行われています。
昭和10(1935)年に指定された当時は、この島は一面カキツバタの群落に覆われ、石神井タヌキモやミツガシワなどが繁茂していたということです。その後放置されている間にハンノキが茂り、キショウブやヨシなどに覆われ、60年代頃の湧水の枯渇で大打撃を受けて貴重植物の多くが失われ、その後復活の試みが進んでいるというわけです。
島では、ミツガシワ、カキツバタ、コウホネ、ハンゲショウを始め、ヒメミクリ、コナギ、サンカクイ、アゼガヤツリ(写真)、ヌマガヤなど多くの植物が見られました。ただ、すでに10月、花はほとんど見られなかったのが残念。来年以降、見学会は初夏に行われるとの話もあり、期待したいところです。
2016年9月30日(金) 曇時々晴 午前
キビタキ、秋の渡り
春に北に渡っていった鳥が、再び姿を現す時期になりました。春と違うのは囀りがないこと。幸運な出会いを期待して、今日はまず池渕史跡公園から。静かでキンモクセイの香りのなかシジュウカラの声が聞こえるだけ。
そのとき、エノキの大木に飛び上がった鳥影。じっくり探すと、喉が黄色いキビタキの♂でした。半年振りの出会いです。最近では、エゾビタキ、コサメビタキ、モズなども見られています。
この後、三宝寺池を一回りしましたが、メジロ、コゲラなどの留鳥が見られただけ。10月に期待しましょう。
2016年9月27日(火) 曇時々薄日 午前
今年の秋の花園は
残暑はさっぱり納まりません。台風の季節も重なって、鬱陶しいばかり。ただ、地上に目を向けると秋の花が咲きそろってきて、季節の移ろいを知らせています。水辺観察園では、ススキの下にナンバンギセルの赤紫の花が顔を出しています。 ナンバンギセルは名前から外来の花のようにも見られがちですが、花が下を向いて咲く姿から、思い花の名前で万葉集にも歌われている国産の花。
道の辺の尾花が下の思い花今さらさらに何をか思はむ(万葉集巻10−2270)
水辺観察園で目につくのは、赤紫のツリフネソウ、ノハラアザミ、薄紫のカリガネソウ(写真)、ハッカ、黄色のキンミズヒキ、赤花と白花のゲンノショウコ、キンエノコロなどが競っています。
2016年8月12日(金) 晴 午前
アカトンボの季節へ
立秋を過ぎて暑さは続いていても、何となく季節の変わり目に来ているという気がします。今日はひょうたん池の柳の枝の先にネキトンボを見ました(写真上)。体は成熟すると全身真っ赤になります。特徴は羽の付け根に近いところがオレンジ色に染まっていること。これもアカトンボの仲間。
今日は他に、顔に眉のような模様があるマユタテアカネ、羽の先が黒いリスアカネも見ました。つい先日はナツアカネとコノシメトンボも見ました。これで、アキアカネが避暑地から帰ってくると一気にアカトンボのシーズンに。
ここでの最近のトンボ話題では、オナガサナエ(写真下)が見られていること。そう珍しいというわけではありませんが、これは流れのある川でよく見られるトンボなので、止水生の水域である三宝寺池ではレアもの。サナエトンボの仲間のコオニヤンマもよく見るようになりましたし、ナゴヤサナエの情報もありました。何か環境に変化があるのでしょうか。
2016年7月7日(木) 晴 午前
夏の花園へ コケオトギリ
水辺観察園はノハナショウブ、ホタルブクロのあとやや寂しくなっていましたが、先月の末あたりから、ハンゲショウが目立つようになり、チダケサシ、ヤブカンゾウ、ミズキンバイ、さらに盆花といわれるミソハギも咲き始めて、夏の花園らしい華やかさになってきました。これからさらに、オニユリ、カノコユリ、サワギキョウなどが賑やかになってきます。
その一角で、ひっそりと咲いているのがコケオトギリ(写真)です。武蔵野では湿気のある土地に広く咲いていたということですが、今やなかなか見られなくなりました。オトギリソウの仲間は、水辺観察園では他にオトギリソウとトモエソウがあります。特徴は、葉やガクに黒点があることですが、コケオトギリではこの黒点から、色素が抜けて白点になっていること。葉を陽に透かしてみると確かに白点が見られます。
花は直径わずか2.5mmですが、秋になると葉が紅葉して草紅葉も見られます。武蔵野生き物の多様性を楽しんでください。
2016年7月4日(月) 晴 午前
アキアカネ、ウスバキトンボ
鳥の季節は去って、トンボの季節に。夏の石神井公園は大型トンボが見られることが特徴。すでにオオヤマトンボ、ウチワヤンマ、アオヤンマ、ギンヤンマなどが悠然と飛び交っています。
ところで、この時期急に増えてきたのがウスバキトンボとアキアカネ(写真)です。ウスバキトンボは世代を継いで、南から北上してくるトンボ。真夏の池やグランドの上を集団で飛び交っている褐色のトンボはほとんどこれです。
一方、アキアカネは秋の空を彩る風物詩ですが、赤くなるのはまだ先のこと。去年の秋この公園の周辺に産卵されたものは、幼虫のヤゴから羽化するのがこの時期。彼らはこれから標高が少し高いところに移動して、暑い夏を過ごし、成熟して赤とんぼに姿を変えて戻ってきます。アキアカネは暑さに弱いので、避暑地に移動するといわれています。熱帯夜に苦しむものにはうらやましい限りです。
2016年5月28、29日(月) 晴
イスカ、ゴジュウカラ、サンショウクイ 戸隠探鳥
この週末に、仲間の皆さんと戸隠に行ってきました。4年ぶりでしたが、戸隠森林植物園は本当に良いところ。カッコウ、ツツドリ、ホトトギスが競うように鳴き、オオルリ、キビタキを始め、たくさんの夏鳥が見られました。
とくに、早朝4時過ぎからの探鳥は最高。囀りが溢れんばかりでした。奥社の大鳥居をくぐっり、アカハラがトウヒのてっぺんで囀っているのを見ていたら、周辺で球果にとりついている10羽ほどの群れが見えました。よく見るとどうやらイスカの群れ。真っ赤な♂もいます。そういえば、前日も入り口付近でイスカの♂が姿を見せました(写真)。
イスカといえば、食い違ったくちばし。なるほど松ぼっくり突いて種をほじくり出して食べているよう。この作業には食い違ったくちばしが、ベストの道具というわけです。なかなか見られないだけに、大いに堪能しました。
奥社への参道では、オオルリを始め、ゴジュウカラが目の前に飛び出したり、よく鳴くミソサザイと対面。また、サンショウクイやコサメビタキの巣を見たりといったことも。コルリは声だけで姿が見られなかったのが心残りでしたが、開き始めたばかりの緑のなか、小鳥のコーラスにいやされた2日間でした。
2016年5月15日(日) 9:30〜12:00 晴
アオヤンマ はやトンボの季節
夏鳥の渡りもピークを過ぎたようで、後はサンコウチョウ、カッコウ類などを期待して公園に行きましたが、メボソムシクイの声を聞いただけで、当たりは少なかった。それと入れ替わるように、トンボやチョウの動きが活発になってきました。
シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、オオヤマトンボ、クロスジギンヤンマなどが飛び回っています。とくに、目立ったのがアオヤンマでした。アシ原を縫うように飛び回っては、時々見えないところに止まります。色が青味の入った緑で、アシ原の色に同化しています。今日は、目の前のカキツバタの葉に止まりました。
このトンボ、東京近辺ではなかなか見られなくなっているそうです。時によって、トンボの天敵クモを襲って食べてしまうという、変わった習性でも知られています。この公園の、環境の多様性の証の一つでもあります。
水辺観察園の花は、ホタルブクロが咲いてきました。また、エゴノキ、ヤマボウシ、トチノキの白い花が盛りとなっています。
2016年5月1日(日) 5:35〜11:40 晴
オオヨシキリ、エゾムシクイ
今日も石神井公園へ。昨日は全く静かでしたが、今日はけっこう賑やかな声が聞こえます。三宝寺池のゾーンで最初に迎えてくれたのはオオヨシキリ(写真)のギョギョシギョギョシの声。見ていると少しアシの上に出てくれました。荒川の土手などに行くとどこでもうるさいほど鳴き声が聞こえますが、ここでは本当に通過するだけ。それもアシの中に籠もりっきりという場合が多いのです。今日はラッキーがありました。
周辺の林では、オオルリ、キビタキ、センダイムシクイ、アカハラの声がよく聞こえました。戸隠や奥日光と言ったらいいすぎですが、高原にいるような雰囲気が味わえました。今日はようやくエゾムシクイの声も。壊れた自転車のブレーキのような声ですが、高い音でヒーツーキーと鳴いています。日月と聞きなして、二光鳥という人もいます。となれば、次はホイホイホイのサンコウチョウが待たれます。
2016年4月25日(月) 5:40〜11:30 晴
ツツドリ、アカハラ
昨日は冷たい雨でしたが、今日は朝から晴天。野鳥誘致林から記念庭園まで回ると、あちらでもこちらでもキビタキの囀り。誘致林ではオオルリの声も聞こえました。竹林の近くを通りかかると、ツツドリの声が聞こえました。ポンポンポンという、竹筒を叩くような声です。深山幽谷の趣があるといわれます。
石神井公園では秋の渡りの時にサクラケムシを食べに逗留する姿がお馴染みですが、春はなかなか見られません。しばらく見ていると、高いクヌギの枝にわずかな間姿を現しました。ラッキーです。
この竹林の周辺でとくに賑やかだったがアカハラの囀り。キョロンキョロンツィーと明るい声で、これまた高いところから響かせていました。春の渡り本番。
2016年4月22日(金) 5:30〜9:00 晴後曇
キビタキ、センダイムシクイ
まず野鳥誘致林に行くと、シロハラが数羽いて競うように大きな声で囀っています。冬の間の地味な姿には似合わず、結構良い声。これに負けまいと、アカハラも声を出しています。誘致林では、キビタキ、オオルリ、センダイムシクイもいて、林は早朝から野鳥のコーラスに包まれて。
B地区野球場では、ツグミが20羽近くグランドに降りていましたが、こちらは無言。求愛の歌はシベリアの大地に帰るまで封印しておくのでしょうか。
今日はどこでもキビタキ、センダイムシクイが多くて。さくら広場ではキビタキが大きな青虫を捕まえて食べているところに遭遇。嘴にくわえて、枝にたたきつけては弱らせてから、ぺろりと飲み込んでいました。そうそう、遠い繁殖地まで行くには栄養補給も大事なこと。つつがない旅と、伴侶獲得を期待しましょう。
2016年4月18、19日(月、火) 晴
オオルリ、キビタキ、春の渡り
春の渡りがそろそろと思って、先週後半から早朝探鳥。日曜日の雨の後18日の朝になってようやく当たりがありました。
野鳥誘致林に行くと、かすかですがキビタキの声。際立っていたのはシロハラの囀りで、数羽が大きな声で鳴き交わしていました。シロハラの囀りって、結構良い声なのですよ。キビタキは史跡公園の周辺も含めて数羽入っていたようです。 オオルリは1羽か2羽、もっぱら誘致林の高木の樹冠付近を移動。さらにセンダイムシクイがあちこちで鳴き出し、アカハラの囀り、サンショウクイのピリピリという声も。
オオルリやキビタキの囀りが低いことが気になりますが、これも次第に大きくなっていくでしょう。ゴールデンウィークに向けて、これからを期待しましょう。
2016年4月16日(土) 5:35〜11:00 曇後晴
コチドリ、オオタカ
夏鳥はそろそろかと石神井公園に行くと、城址の方からオオタカの激しい声が迎えてくれました。♂♀がいるという人もいるのですが、どうなることでしょうか。
誘致林では、ヒ〜リ〜という小さな声、どうもこれはキビタキのようですが姿は見られず。かわりにアオジが囀りを聞かせてくれました。チョッピンツリリリーというかわいい声。アオジは冬は繁みの中にいて、たまに出てきても地味な姿ですが、春になると枝に出てきて囀ります。お腹の黄緑色が日に映えてこれがあのアオジかと思うようなきれいな姿。
今日はB地区野球場で、コチドリ(写真)を見ました。毎年春になるとやって来る渡り鳥ですが、金色のアイリングがとてもかわいい。野球場の芝生に降りて餌を探しているようですが、コチドリといえば河原で繁殖をする鳥、なぜこんな、大きな川から離れた住宅地にやって来るのか。不思議といえば不思議。
2016年3月18日(金) 9:50〜12:30 晴
春の花、キタテハ、テングチョウ
このところ、公園に行くたびに鳥が減っている印象です。あれほどいたシロハラもめっきり出会う回数が減り、アオジの声も少なくなっています。カモも、北帰行の早いオナガガモは見えなくなり、オカヨシガモも姿を消しました。ハシビロガモ、キンクロハジロの天下。
さすがにこれだけ気温が高くなると元気になるのが昆虫。今日は水辺観察園できたては、テングチョウを見ました。越冬から覚めたばかりでさすがに、羽も痛んでいます。キタテハはカントウタンポポの花に必死に捕まって、強風をしのぐ態勢(写真)。木道を回っていると、知り合いの方からトラフコメツキがいると教えてもらいました。これも早春の虫、春の妖精なのだそうです。といっても、ツマキチョウなどと違って、優美さはありませんが。
今日一番うれしかったのは、アマナがたくさん咲き出したことでした。日本原産のチューリップともいわれる花。小さいけれど、元気をくれる姿です。
2016年3月1日(火) 9:00〜12:30 晴
アズマイチゲ、サクラ咲く
ようやく石神井公園でも春の花が咲き始めました。ヒメウズ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリに続いて、水辺観察園のアズマイチゲが開花。このところの寒気でつぼみは大きくなっていたのに、なかなか開いているところが見られずやきもきしていましたが、ようやく陽を浴びて開いてくれました。春の花園では地味ですが、セントウソウ、ヤマネコノメソウ、キランソウもいっせいに。
今日は冷たい風でしたが、もしやと期待してB地区野球場周辺に回ると、カンザクラに続いてオオカンザクラ(写真)とカンヒザクラが開花。サクラのシーズンが始まりました。これからヤマザクラ、オオシマザクラ、カスミザクラ、ソメイヨシノ、さらにサトザクラと続いて、ゴールデンウィーク連休の頃まで楽しめます。
2016年2月16日(火) 10:00〜12:30 晴
水鳥調査、蛙合戦
今シーズン最後の水鳥調査に参加しました。先月は大雪の直後というハプニングがあり、大幅に増えていましたが、今回はほとんど12月のレベルに近いところまで減少していました。個別には、マガモが♂1♀4、カルガモが77、コガモが♂2♀1、オナガガモが♂19♀12、ハシビロガモが♂5♀3、オカヨシガモが♂1♀1、ヒドリガモ♀1、キンクロハジロが♂9♀1、総合計137羽でした。
オナガガモが1月に比べても同レベルなのに対して、コガモ、キンクロハジロは大幅に減少していました。オカヨシガモ、ヒドリガモは越冬しました。とくに♀1羽とはいえヒドリガモの越冬は記録にないところです。
ところで、三宝寺池に帰ってきたら、水辺観察園でアズマヒキガエルが10匹ほど群れて、メスを巡って争う蛙合戦を繰り広げていました(写真)。啓蟄を前に、生き物の春の営みはもう始まっています。
2016年1月31日(日) 9:45〜12:50 晴時々曇
イカル
石神井公園に到着すると、三宝寺池入り口付近で人だかりが。エノキにイカル(写真)が3羽止まっていました。しきりにエノキの実を食べていて、大きな黄色い嘴はエノキの実の紫色に染まっていました。あちこちのエノキやムクノキの実を食べながら、石神井公園にも姿を現してくれたようです。エノキの実はまだかなり残っているようなので、しばらく等注してくれることを願いたいところです。
今日はとても暖かい日でした。三宝寺池に浮かんでいるカモものんびりした雰囲気。今日はコガモが少なく、キンクロハジロが多くなっていました。越冬中のヒドリガモの♀もお腹の褐色が濃くなってきたような気がします。
特筆すべきことは、B地区野球場のカンザクラが咲き出したことです。まだ、立春前の1月中に咲くなんて記憶にありません。やや心配になってしまいます。
2016年1月26日(火) 7:50〜11:30 晴
寒波襲来
天気は良かったのですが、とても冷え込んでいました。石神井公園の隣の区立公園にあるアメダス測候所はマイナス3.4℃を記録。北側の井戸の付近では、水面から湯気が。泳ぎ回るオオバンはまるでお風呂に入っているような。野鳥湯地林のバードバスの懸樋からも氷柱が下がっていました。
それでも、小鳥たちは元気で、心なしか数も増えてきたように感じました。いつものコースを回るとルリビタキ、ジョウビタキ(写真)、モズなどはいつもよりも出会う回数が多かったのです。今回の寒波で東京周辺の山地にも雪が降り積もり、山にとどまっていた冬鳥たちも平地に降りてくるものが多くなってきたのかもしれません。
寒さはつのっても、樹木は春への準備を加速させています。ひょうたん池北側のネコヤナギは茶色の帽子を脱ぎ、銀色の毛皮に衣替え。裸芽のアジサイはもう葉を広げているものもあります。すぐそこに春が。
2016年1月19日(火) 10:00〜12:00 快晴
カモの種類は増
今日は水鳥の調査をしました。昨日の雪の影響で、先月とはかなり様相が変わっていました。ボート池の大部分が凍り付き、カモは三宝寺池の開水面に集まって、数もかなり増加。他の水域からも雪や氷を敬遠して避難してきているようでした。
カモ類は、マガモが♂1♀2、カルガモが59、コガモ(写真)が♂7♀3、オナガガモが♂24♀8、ハシビロガモが♂4♀3、ヒドリガモが♀1、キンクロハジロが♂29♀23、ホシハジロが♂1♀1。残念ながら、年内から定着していたオカヨシガモは見られませんでした。
この冬は、石神井公園周辺で越冬するカモの種類が、9種類に増えていることが特徴ではないでしょうか。従来はだいたい7種類でしたが、今年はヒドリガモ、オカヨシガモも越年してくれました。カモは水域によって種類は決まっているようですが、これだけの種類が越冬する水域は珍しいのではないでしょうか。
他には、オオバンが前回調査よりもさらに増えて11個体に、前回は見られなかったセグロセキレイも2個体確認できました。
2016年1月16日(土) 8:00〜12:00 晴
オオタカ、アオゲラ
寒い朝ですが、水鳥は元気。三宝寺池にも数は少ないながら増えてきました。とくにコガモが年末に群れが入ってから少しずつ定着して数を増やしているようです。今日は12羽まで数えました。マガモ、ホシハジロ、オナガガモなどもボート池からこちらにも入るようになってきました。
北側でマユミの実をメジロがついばんでいるのを見ていたら(写真)、さくら広場の方向からアオゲラの声が聞こえてきました。今年のマユミは豊作でしたが、小鳥がついばむのが案外遅い。年末に四つに避けた袋果から顔を出している実を食べてみると、種を包むゼリー状の部分が本当に少ない。このゼリー状の部分が種を運んでくれる小鳥への報酬で、ごちそうと物の本にはありますが、果実を沢山点けた分報酬が少なくなったのかもしれません。
池の北側ではジョウビタキ♀とルリビタキの♀、南側ではルリビタキの♂やシロハラなどを見てから,史跡公園からB地区野球場方面へ。カワラヒワやハクセキレイを見ていたら突然すぐ上をオオタカの若鳥が旋回。カラスの群れに追われて、やがて、例の高木に戻りました。この高木では数日前にもメスの成鳥を見た人がいます。今年もまた、ワクワクするようなことが起きるのか、楽しみです。
2015年12月12日(土) 6:50〜11:00 曇時々晴
ルリビタキ、アオゲラ、キクイタダキ
暖冬の傾向は変わりませんが、イロハモミジの紅葉もようやく進んできて冬鳥もだいぶ増えてきました。
ツグミやシメもまだ地上には降りませんが、高い枝に止まっているのがよく見えます。このところキクイタダキが見えませんでしたが、今日はエナガ、シジュウカラ、コゲラなどの混群に混じって、さくら広場周辺の高いところで見られました。小さい声でチリチリチリと鳴くのが聞こえました。
いつものアオゲラが飛んでいると見えたら、時間と場所を微妙に変えて♂♀がいました。季節外れの南の大風で、木の葉が吹き飛ばされてだいぶ見やすくなってきたおかげです。
このところの話題はルリビタキ(写真)でしたが、こちらは♀タイプが2〜3羽入っているようで、あちこちで声が良く聞こえます。さくら広場周辺で姿を見せてカメラ愛好家を喜ばせていました。餌付けはほどほどにしてほしいところですが。ジョウビタキは中之島で♂♀が飛び回る姿が。数が少ないながら種類はそろってきて、楽しみな季節となりました。
2015年11月19日(木) 9:00〜12:30 曇時々晴
ジョウビタキ カラの混群
紅葉はだいぶ進んできました。イロハモミジはまだ樹冠部だけですが、コナラやクヌギ、イヌシデ、ムクなどの雑木林の黄葉は今が盛り。ナンキンハゼもだいぶ赤くなってきました。
鳥はというと、今は移動の時期なのでいろいろな情報があります。今日はジョウビタキの♂がよく見られました(写真)。枯れたアシのなかを飛び交うジョウビタキはこの時期のもの。お腹のオレンジ色が鮮やかです。
林の中で迎えてくれたのはカラの混群。エナガ、シジュウカラ、メジロ、コゲラ、ウグイスが群れをなしていました。たくさんの小鳥に囲まれていると、時を忘れ幸せな気分になってきます。
繁みのなかからは、アオジ、ウグイス、それにツグミの声も聞こえてきました。冬鳥はこれからが本番です。
2015年11月17日(火) 10:00〜13:00 晴
水鳥調査
仲間と一緒に水鳥の調査をしました。結果はマガモが5羽、カルガモ83羽、オナガガモ8羽、ハシビロガモ4羽、キンクロハジロ17羽、ヒドリガモ♀1羽でした。総計118羽で、去年よりも26羽減っています。これはカルガモが21羽減ったことが大きく影響しています。その他では、キンクロハジロが増え、マガモ、オナガガモが減少しています。ヒドリガモ♀1羽はこの今のところ定着しているようです。
このほか、コガモは9月から何度か現れていますが、定着には至っていません。オカヨシガモも♂1♀4の群れが現れましたが、1日だけでした。ホシハジロも何度か現れています。
他の水鳥では、オオバン(写真)が9羽もいて、バンをしのぐ数になっているのが注目されます。都内の他の水域でも同様の傾向で注目されます。クイナがボート池で見られたことも特記されます。来年2月まで月に1度ずつ続きます。
2015年10月18日(日) 9:40〜12:00 晴
ヒドリガモ
B地区野球場を通りかかると、グラウンドにハクセキレイが7羽、これに混じってセグロセキレイも2羽。いつの間にか帰ってきていたのですね。これも冬鳥の先駆け。
三宝寺池では、ボートの船着き場周辺にゴイサギの幼鳥が5羽、成鳥が2羽。こちらもいつの間にか増えていました。隣の井戸の湧き出し口付近では、オオバンが1羽泳いでいました。このシーズンは初見。
開水面に目を移すと、池の中央にコガモが3羽。さらに中之島に寄ったところにヒドリガモが1羽(写真)。地味な装いながら、♂のエクリプスのようです。今年は冬ガモの到来が比較的早いようで、9月中にコガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、10月になるとキンクロハジロ、ホシハジロ、ヒドリガモ、そして上空を通過してしまったようですが、オシドリも姿を見せています。
現在までのところ、いずれも1両日のうちにいなくなっていますが、次第に定着してくるはず。マガモ、2年続けて越冬したオカヨシガモも待たれるところです。
2015年10月15日(木) 9:40〜13:00 晴
ジョウビタキ、ハリガネムシ
今日は水辺観察園のピラカンサでジョウビタキ♀を見ました。10月になってキビタキ、エゾビタキ、コサメビタキなど南に帰る渡り途中の鳥が見られるようになったと思ったら、冬鳥の到来です。三宝寺池にはキンクロハジロもいました。雑木林の黄葉も進んできて、秋も深まってきました。
ところで、三宝寺池北側の木道でハリガネムシ(写真)を見ました。初めてのことです。木道に丸くなったワイヤーが落ちていて、これが動いています。ユーモラスというか不気味というか、家に帰ってから調べてこれがハリガネムシというものだと分かりました。
水中で繁殖し、幼生の段階でカゲロウやユスリカに取り込まれ、これがカマキリやバッタ類などに補食されるとここで寄生し、成虫となって宿主のカマキリやバッタ類を水に飛び込ませて脱出し、水中で浮遊しながら繁殖するという何とも不思議な生活史をもっています。
そういえば、近くにハラビロカマキリがいました。これから脱出したのでしょうが、ハラビロカマキリが水に飛び込む前に出てしまって、木道の上をうろうろということのようです。三宝寺池周辺には、不思議が溢れています。
2015年10月9日(金) 9:30〜12:30 晴
秋の渡り キビタキ
だいぶ気温が下がって秋も深まってきました。鳥の秋の渡りも本格的になってきたかなと石神井公園へ。三宝寺池にはオナガガモの♂が1羽。このところ、オナガガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、コガモなどが入れ替わるように姿を見せているようです。この個体はかなり換羽の進んだもののようでした。群れで定着するにはもう少し時間が掛かるようです。
野鳥誘致林から南側の林を回り、シジュウカラの群れを観察しているとツグミ平でキビタキの♂が現れました。周辺には♀タイプもいました。5月以来半年振りの再会です。今年生まれた若鳥は今の時期は♀と同じような姿をしています。秋の渡りの時期のキビタキは♀タイプが圧倒的に多く目につきやすいというわけです。
エゾビタキやコサメビタキの情報もあって、これからが楽しくなる時期です。
2015年9月20日(月) 9:30〜12:30 曇後晴
ツツドリ、アキアカネ群舞
三宝寺池のゾーンに入ると水面の上には、至る所赤トンボが群舞していました。ほとんどはアキアカネのようで、いかにも秋の水辺という風景です。赤トンボは他にもナツアカネ、コノシメトンボ、リスアカネなどが見られました。
北側の林に上がると、ツツドリがいたと教えてもらい、探すとクヌギの木のなかで動く影があり、これがツツドリでした。池の上を飛んでいる姿は何度か見ていますが、木に止まっているのを見たのはこれが初めて。どうやら赤色型のようです(写真)。
それにしても、クヌギの葉が込み入っていてなかなか姿をとらえられません。サクラケムシが大発生して、丸坊主になったサクラの枝を飛び回っているのがよく見えた昨年とは大違いです。空を見上げると、オオタカ、ツミが飛んでいるのが見られました。
池の周りをぐるりと回ると、林床にはキノコがいっぱい。その間をヒカゲチョウ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲが飛び回っています。地味ですが、武蔵野を代表する蝶。南側のアベリアでは、ジャコウアゲハが交尾。立秋を過ぎる頃からとにかく数が増えてきました。ミドリヒョウモンもよく見られました。最後にひょうたん池のところで、ツバメシジミを確認して帰途につきました。
2015年8月24日(月) 9:50〜12:30 曇後晴
最近の花情報 ナンバンギセルなど
このサイトは「花と鳥」のタイトルなのに花の話が少いというご意見をいただきました。最近の花情報です。
いま、水辺観察園で一番目立っているのはミソハギの桃色の花。一名盆花ともいわれます。奥の斜面にあってやや目立ちませんが、キツネノカミソリのオレンジ色の花もまとまって咲いています。
橋を渡ってすぐ左側には、ノカンゾウの花が盛りを迎えています。尾瀬などで有名なニッコウキスゲに近い仲間で黄色の単衣の花が清楚です。その近くで、「我も紅」と主張しているのかどうか、名前の由来はいろいろ説があるようですが、ワレモコウの暗褐色の花も咲いています。
最近のトピックはナンバンギセルの赤い花が咲き出したこと(写真)。ススキなどの根に寄生する植物で、下を向いて咲いている様子から思い草の名前もあります。万葉集にも「道の辺の尾花が下の思い草いまさらさらになにをか思はむ」とうたわれていて、昔から日本人にはなじみが深かったことがうかがわれます。ノハラアザミ、シラヤマギク、カントウヨメナなどのキク科の花も咲き、サワギキョウなどとともに、秋の花園へ歩み出しています。
ところで、ようやくツツドリを見かけました。中之島から飛び立つのを2度。見やすくなるのはこれからでしょう。
2015年8月6日(木) 9:30〜12:00 晴
はやアカトンボの季節
猛暑日の新記録が続くなか、今日は広島原爆忌です。核兵器、原発に絡め取られているような現代世界に、希望は過酷な体験を訴え続けること以外にないのが現状です。
打って変わって平和に見える公園ですが、相変わらず暑い。夏休みの子供すらあまり見かけません。このところ目についてきたのは赤トンボです。ナツアカネ、リスアカネ、マユタテアカネ、ノシメトンボ、コノシメトンボ、ウスバキトンボに顔の青が美しいマイコアカネ(写真)も目立ってきました。トンボ科のアカネ属ではありませんが、全身真っ赤なショウジョウトンボ、羽根に赤い帯が入るコノシメトンボの♀もよく見られます。
影の薄い鳥ですが、今日はツミの幼鳥、アオサギ2羽、ゴイサギの成鳥も見ました。この間サギ類は幼鳥ばかりでしたが、繁殖地に行っていた成鳥も戻ってきたのかもしれません。既に秋の渡りも始まっていると思いますが、囀りがないためになかなか見つけることは困難。今月末になればと、ツツドリを待ちたいものです。
2015年7月13日(火) 午前・午後 晴
オオタカ巣立つ
石神井公園で初めて、1羽のオオタカが巣立ちました。園内のヒマラヤスギです。卵から孵ったのは5月25日頃。非常に見にくいところにありましたが、巣の上で動いているのが見られました。6月の27日頃には巣立ったようで、以降、このヒマラヤスギにいて、親から餌をもらっていました。7月7日くらいになると、周辺の木や電線などに姿が目撃されています。このところ2、3日は姿が見えなかったので、今日は5時にこの場所に行ってみましたが、姿はなし。でも、南側の繁みからは幼鳥のものと思われる声が聞こえました。無事に成長することを祈っています。写真は6月29日のもの、羽ばたきの練習をしているようでした。
今日は午後からは、チョウとトンボの調査。非常に気温が上がっていて、既に猛暑日。こうなると活気づくのはトンボの動き。オオヤマトンボ、ウチワヤンマ、ギンヤンマ、さらにマルタンヤンマ、ヤブヤンマも飛んでいました。梅雨明けにはどんな様子になっていくでしょうか。
2015年6月16日(火) 9:30〜13:00 曇時々晴間
ベッコウハゴロモ、カルガモの雛
天気は曇時々晴間というくらいで、人間には快適なのだが昆虫にはやや気温が低くて活動しにくいよう。トンボはまずまずで、今年初めてチョウトンボも見ることが出来ました。しかし、チョウは本当に少ない。ヤマトシジミ以外のシジミチョウはおろか、アゲハもナミアゲハとクロアゲハくらい。寂しい限り。
そんななか、面白かったのがベッコウハゴロモの幼虫(写真)。石神井公園ではほかにアオバハゴロモ、スケバハゴロモくらいだが、6mm程度でセミの近縁種のツノゼミ科という仲間。成虫を見ても、なぜ羽衣なんていう優雅な名前がついているのということだが、幼虫を見ると納得。この毛が幹について汚れるとか、園芸家には毛嫌いされているようですが、こうしてみるとなかなかかわいいものです。
今日は三宝寺池で初めて、カルガモが6羽のヒナを連れているところを見ました。バンやカイツブリは見ていたのですが。でも、生まれたばかりのカモの雛はいかにも羽毛がふわふわという感じですね。人気のほども納得できます。
2015年6月2日(火) 9:30〜13:50 晴
カッコウ、ミドリシジミ
昨日写真を撮り損なったミドリシジミ(写真は5日)を見ようと、石神井公園へ。到着すると近くで3人ほどの人が繁みをのぞき込んでいる。聞くと知り合いの方もいて、ミドリシジミとのこと。出会えるときはそんなもの、しかも3頭も。早速写真に収めるが、肝心の表の緑色は見せてくれない。これだけ気温が上がっていると、この時間では難しい。出遅れを悔やむ。
一回りして、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、ウラギンシジミなどシジミチョウを中心に見て、ミドリシジミの所に戻ったがやはり開いていない。引き上げようかと思ったところに、あのカッコウの声。あわてて追いかけるが、池の周りの高い木の上を飛び回ってなかなか見えない。ようやく見えたと思ったら、背中だけ、尾だけ。飛ぶところは見えたが写真は撮れず。
それでもあきらめきれずに池の周りをぐるぐる。スマホの動画で声だけを録音して満足するしかありませんでした。でも、初夏らしいカッコウの声はいいものです。
2015年5月15日(金) 9:00〜12:30 晴
クロスジギンヤンマの産卵、センダイムシクイ団体、メボソムシクイ
先日サンコウチョウを見て、夏鳥はピークを越えたかとゆっくりめに到着。ひょうたん池ではすぐにコムラサキ、イチモンジチョウ、アゲハ、アオスジアゲハなどが登場。さらに、アシ原をアオヤンマと思われるトンボが飛んでいました。写真が撮れず残念。
水辺観察園に回ると、ミズキンバイの上でクロスジギンヤンマが産卵中でした。数日前から産卵情報を聞いていましたが、見られたのは本当にラッキー。シオカラトンボなどの邪魔が入らなかったためか、10分以上もミズキンバイの葉の上にいて、尾を水の中に入れて茎に念入りに産卵しているようでした(写真)。
チョウ・トンボを中心に見ていたら、知り合いの方に池の南側でマミジロ、メボソムシクイが囀り、センダイムシクイも10羽くらいいると教えてもらい、俄然鳥モードに。センダイムシクイは確かに10羽くらいいたのですが、マミジロの声は聞こえませんでした。近くではキビタキの囀りが聞こえました。野鳥誘致林に引き返すと、水場で小さな鳥がいて写真を撮ってみるとメボソムシクイでした。これで夏鳥はひとまず終わり。カッコウやホトトギスが希望の待たれるところです。。
2015年5月11日(月) 晴 10:00〜13:00
オオヤマトンボの羽化
仲間の皆さんと、チョウ・トンボの調査をしました。
始めようとしているところに、面白いものがいると教えてもらって行ってみるとオオヤマトンボの羽化でした。石神井公園ではウチワヤンマと並んで池の海水面を飛び回っている大型のトンボです(写真)。三宝寺池は本格的な夏モードです。
トンボは、オオヤマトンボ、ウチワヤンマ、ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、モノサシトンボなど7種類。チョウは、アゲハ、カラスアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、ダイミョウセセリ、サトキマダラヒカゲなど15種類が見られました。
とくに目についたのは、アカボシゴマダラの白い体の春型が、10頭近くも乱舞していいたこと。モンシロチョウなどよりもかなり大型で、中国から移入された種が人為的に放たれて増殖していると知っているためか、何だか異様に見えてしまいます。ペットが飼いきれないと公園に捨てる行為も問題ですが、人為的に生態系を乱そうという行為は犯罪的と言えるでしょう。釣りの愛好家の外来種放流などとも併せ、暗澹とした気分になります。
2015年5月10日(日) 6:05〜11:30 晴
サンコウチョウ、キビタキ
とにかく行ってみようと、二日酔いの頭を励まして石神井公園へ。この時期になれば狙いはサンコウチョウです。
野外ステージのあたりを通りかかると、上からキビタキの声。分かりにくいところにいるようです。まず一通りと、三宝寺池を一回り。しかし、夏鳥の声はありません。こうなると、通りがかりに聞いたキビタキを探してみようとそちらへ。
手前まで来ると、お知り合いの方がいて何とサンコウチョウが鳴いていると教えてくれました。必死に探すと、高い枝の上に長い尾の動く影が。双眼鏡で覗くとサンコウチョウでした。でもそれきり、声はしても出てきてくれません。周辺にいたお知り合いのバードウォッチャーの方と一緒に、あっちへ行ったりこっちへ行ったり。そのうち、キビタキが入れ替わるように囀り始めました。3時間近くも粘って、ようやくやや満足のいく写真も撮れました(写真)。新緑のなかで、サンコウチョウの声を聞いていると幸福感に満たされますね。
ところで、夏鳥の渡りはピークを越え、飛ぶものといえば石神井公園はトンボが勢いを増しています。先日載せたシオヤトンボやシオカラトンボを始め、アオモンイトトンボ、コシアキトンボ、ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、オオヤマトンボも飛び始めました。季節は移っています。
2015年5月4日(月) 5:50〜11:00 曇後晴
シオヤトンボ
今日の夏鳥はキビタキ1羽だけでした。氷川神社のあたりでやはり高い枝にいて、まるで天井に張り付いているような姿。声を楽しむしかありません。
そこへいくと賑やかだったのは昆虫類。水辺観察園のミツガシワにシオヤトンボ♂(写真)が止まっていました。シオカラトンボに似て、太短い胴体、羽根の付け根が飴色になっています。早春のトンボのはずが、なかなか見られず、ここで見たのはしばらく振り。他に、成熟途上のシオカラトンボ♂、アオモンイトトンボも。
今日は、チョウもクロアゲハ、ナガサキアゲハ、カラスアゲハ、アオスジアゲハ、モンシロチョウ、コミスジ、テングチョウと見られて、なかなかな華やかでした。チョウ・トンボの季節到来。
でも、その前にサンコウチョウとホトトギスの声を聞きたい。
2015年5月3(日) 5:30〜12:00 晴
オオルリ若、イカル
4日早朝の野鳥誘致林はシンと静まり返って。やはりこの日が来たかと。ぐるりと回って水辺観察園のところまで来ると、高いところからイカルの声がします。行ったり来たりしながら必死に探しますが、見つからない。イカルって、こんな忍者みたいな鳥でしたかね。
ここでお知り合いの方から、ステージ南の桜園地でキビタキが囀っていると教えてもらってそちらへ。確かにいい声で鳴いているのですが、葉が大きくなり枝が重なって、なかなか見えない。やっと見えたと思ったらすぐに飛んでしまうというわけで、鳥見も難しい季節になってきました。
記念庭園を回ってから三宝寺池に引き返し、朝ご飯を食べていると城趾の方からオオルリ(写真)の声。早々に駆け付けたときは、飛んでしまったと。諦めきれずに待っていると、またこちらに近づいてきて、氷川神社のあたりで見えるところに。例によって高い遠いですが、見られただけでもラッキーというもの。この時期、やはり袖の茶色い若鳥でした。
2015年4月27(月)、28日(火) 晴
キビタキ、イカル、マミチャジナイ、アオバト
ここのところ晴天が続いて、案の定夏鳥は少なくなっています。27日はキビタキとセンダイムシクイ、28日はキビタキだけでした(写真)。
27日は野鳥誘致林で元気な声で囀っていたキビタキも、翌日にはやや声が小さくなったかなと思ったら、南側の林で大きな声。どうやら2羽いるようで、うち1羽はかなり大きな声でした。こうして身近な公園で、美しい声が聞こえるというのは幸せなことです。 常連とは別に、27日は野鳥誘致林でイカルとマミチャジナイ、それにアオバトが現れました。イカルは先週にも水辺観察園で「お菊24」の囀りを聞いていますが、今日は声に加えて姿も見られました。ただ、誘致林と三宝寺池の境の高いサワラの頂上にちらっと姿を見せただけ。
マミチャジナイは誘致林のコナラの太い枝の上にひょっこり登場。アカゲラかと思ったら、色がいまひとつ、それに目の下に眉斑が見られマミチャジナイと判断しました。春のマミチャジナイはここでは初めて見ました。さらに、アオバトの声もして、いろいろな鳥が大移動を繰り広げていることを実感しました。
2015年4月26日(日) 晴 6:00〜11:20
カキツバタ、コミスジ、アオモンイトトンボ
今日は石神井公園の観察会がありました。このサイトでは鳥を中心に書いていますが、水辺観察園を中心に植物の世界は大きな変化を見せています。アズマイチゲ、ジロボウエンゴサクなどに始まったスプリングエフェメラルが花を終え、ミツガシワからカキツバタ(写真)、ホウチャクソウやチゴユリなどの初夏の花に移ってきています。
木本もツツジやヤマブキ、フジなどが中心になってきています。注目はハナイカダ。長円系の葉の上に小さな花が乗っている姿で、ハナイカダの名前に納得。雄木と雌木があり、水辺観察園では心ない園芸ファンによって、しばしば雌木が切り取られる被害に遭っています。今年こそ何とか、実を付けて欲しいものです。
昆虫の世界も、スジグロシロチョウ、モンシロチョウ、ツマキチョウ、キタキチョウの他、クロアゲハやコミスジも飛んでいました。アオモンイトトンボが見られたのもうれしいことでした。多様な生き物の溢れる季節に入りました。
2015年4月19日(日) 晴 6:00〜12:10
オオルリ、去る鳥来る鳥
今日も夏鳥を求めて石神井公園へ。早いうちに着いたのですが、囀りがない。辛うじてセンダイムシクイの声がするくらい。お知り合いの方に会ってキビタキがいたと聞いても、その後はごく小さな声がするだけ。気温が低いせいなのでしょうか。
諦めずにぐるぐる回っていると、野鳥誘致林のところでようやくオオルリの姿、それも♂♀含めて4,5羽も。ただ、コナラやイイギリなどの高い枝でフライングキャッチを繰り返すばかり。遠くて逆光で暗くて、満足のいく写真が撮れませんでした(写真)。
今日は南から来る夏鳥の他、これから北に渡っていく冬鳥の姿も見られました。アトリは30羽ほどが高い枝で新芽を食べているよう、アカハラも数羽が枝にいました。彼らはこれから群れの数を増やしながら、北へと向かっていくようです。
さらに、アオジの声がしたと思ったら、誘致林ではクロジも現れました。来る鳥去る鳥がクロスしてみられた、今日の公園でした。
2015年4月16日(木) 晴 6:25〜11:30
キビタキ、センダイムシクイ
早朝から石神井公園に出かけたのですが、夏鳥のさえずりは聞こえません。水辺ではカモはコガモだけになり、オオバンも姿を消して、アオサギやダイサギといったサギ類だけが元気。そうそう、ボート池西側でここ数日見なかったキンクロハジロの♂♀が泳いでいました。
ぐるりと回って、松の風公園でカケス5羽、B地区野球場付近から知り合いの女性バーダーの望遠鏡でオオタカを見たくらいで、水辺観察園まで戻ってくるとセンダイムシクイの声。「焼酎一杯ぐいー」と景気よくやっているではないか。ただ、肝心の声の主は高いところを素早く飛び回っていてなかなかとらえられない。
そのうちに、知り合いの方からキビタキもいるらしいよと聞き、一緒に探してやっと見ることが出来ました。まだ到着したばかりなのか、落ち着かない様子で飛び回っていました。何はともあれ、これでようやく夏鳥と一年ぶりの再会。あの声、あの姿、やっぱり夏の鳥は華やかです。
2015年4月12日(日) 晴 9:00〜13:30
ヒオドシチョウ、センダイムシクイ
三宝寺池で知り合いの方に会うと、けさ野鳥誘致林でオオルリを見たよと。朝の6時頃だそうで、すっかり後れを取りました。それから探し回りましたが、高い梢で採餌をしているのか、見つかりませんでした。
その替わりというわけではありませんが、今日はヒオドシチョウに会いました。記念庭園のクマザサの上を飛び回っている蝶がいて、止まったところをよく見るといつものキタテハとは違う模様で赤黒い印象。うわさに聞いていましたが、やっと見ることが出来ました。年に1度夏に羽化して成虫で越冬するタテハチョウの仲間。残念ながら越冬中にかなりくたびれてしまったようで、外縁部の青色はほとんど見えなくなっていました。それにしても赤糸威しの鎧を着けた強者とは、よく付けた名前です。
また、三宝寺池ではカキツバタの葉の上ではアジアイトトンボ♂♀が見られました。考えてみると、トンボを見たのは今年初めて。ホソミオツネントンボやシオヤトンボばかりに注意が行っているうちに、こんなところに現れていたのです。体長わずかに3センチ前後。トンボの王国三宝寺池の先駆けです。
2015年4月2日(木) 晴 9:35〜12:30
婚姻色のコサギ
ボート池の東側からB地区野球場まで来ると、女性のソフトボールチームの練習の脇で、カワラヒワ50羽とツグミ10羽がのんびりと芝生を突いています。カワラヒワの群れとしては、今年一番の大きさ。オオタカの声、ジョウビタキ♀も愛嬌を振りまいてくれます。
三宝寺池では、冬のカモ類はコガモ、ハシビロガモだけとなって寂しくなりました。サギはアオサギ、ダイサギ、コサギ、ゴイサギが気を吐いています。とくに、2羽のコサギのうち、1羽は目先が赤くなって婚姻色に染まっていました(写真)。全身が白、嘴の黒、足先の黄緑という配色のなか、目先の赤は白い体に映えてとてもあでやかに見えます。こうなると、黒い嘴に青い目先というダイサギの婚姻色もぜひ見たいものです。
今日の水辺観察園では、先日移植したムサシアブミが、タケノコのような姿から名前の由来である馬の鞍の鐙(あぶみ)に似た姿に大変身しているのにびっくり。サトイモのような葉もすっかり大きくなっていました。
2015年3月27日(金) 晴 9:35〜13:30
アトリの群れ、イチリンソウ開花
記念庭園から入ると、クマザサの上の枝に動く影、アトリでした(写真)。石神井公園ではしばらく振り。小群ですが、どうやら北に帰る移動途中のトランジェットのようです。しばらく観察していると、奥からはオオタカの声、さらにアオゲラの♂の声も聞こえました。シメやシロハラも見られて、ここも大いに魅力があります。すぐ近くのB地区野球場の南側では、ジョウビタキの♀がいて開き始めたヤマザクラに止まっていました。華やかさがあります。
史跡公園から、三宝寺池水辺観察園と回っていくと、モンシロチョウ、キタキチョウ、キタテハと次々に現れて、春の喜びを全身で表しているように見えます。今日はツマキチョウが見られなかったのが残念。
水辺観察園では春の花のスターイチリンソウが咲いていました。ニリンソウに比べるとやはり花が大きくて、堂々として見えます。毎日が新しい開花情報の連続です。
2015年3月17日(火) 晴 9:40〜13:30
早春の花が一気に開花
昨日は曇りがちで肌寒い天気、今日は打って変わって練馬の最高気温は21.9℃。春というより初夏といった方がぴったりする陽気です。体が付いていきません。
この気温で、春の花は一気に開花のスピードアップ。水辺観察園ではアマナが一気に咲きそろい(写真)、ジロボウエンゴサクも。ニリンソウも盛りに、地味ですがヤマネコノメソウも咲いてきています。カタクリの花茎も伸びて、今にも開きそうな気配。
古民家のある池渕史跡公園に回ると、松林の下にコスミレが開花していました。花丈が低くて、やや赤みを帯びた可憐な花です。この公園の南西側に毎年咲くのですが、咲き始めるところは年によって気まぐれ。スミレの種はアリによって運ばれるといわれ、そのためか出るところはけっこうアットランダム。探す楽しみがあるというものですが。
今日は水辺観察園でも史跡公園付近でも、成虫で越冬するキタテハ、キタキチョウが見られました。キタテハは4頭、キタキチョウは6頭も。それぞれ絡み合って飛んでいて、春の雰囲気を濃厚に醸し出しています。
今日は、鳥もツキがあって、B地区野球場の南側で探していたアカハラに出会うことが出来ました。春はいいですね。
2015年3月2日(月) 晴 10:20〜12:00
オシドリ飛来
雨上がりに公園を見て回りました。
三宝寺池北側のさくら広場に上がると、アオゲラがいました。♂のようです。木の下に人が集まってきても頓着しないで、幹の中程をしきりに突いています。よほどおいしそうな餌でも見つけたのでしょうか。ここでは、くらい林の中からルリビタキの声もしていました。
ぐるりと回って浮見堂に来ると、対岸の中之島に動く影が見えて、よく見るとオシドリの♂でした。今日来たばかりなのか、周囲を警戒しているようで、木立やアシなどに囲まれたところに籠もってよく見えません(写真)。ここでオシドリを見るのは結構久し振りです。十数年前には、日銀グラウンド(現松の風文化公園)で繁殖したこともありましたが、最近では見ることもまれになりました。
当時から春先に来るものはおおよそ井の頭公園で放鳥されているものということになっていましたが、今日見たものはどこから来たのか。遠くて足輪なども分かりませんでした。でも、オシドリは華やかですね。いくら見ても見飽きません。
オシドリを見ていたら、オオタカが池の上空でカラスと空中戦を繰り広げていました。あちこちでエナガやシジュウカラも巣を作り始めているようです。お楽しみはこれから。
2015年2月20日(金) 晴 10:00〜12:30
アズマイチゲ開花、マンサク満開
仲間と石神井公園の植物開花状況を見て回りました。だいぶ寒さが緩んできて、心騒ぐ季節です。
今日の目玉はなんといっても、水辺観察園のアズマイチゲの開花(写真)。落葉を持ち上げて白い花を咲かせる様子は、春を告げる妖精です。その周辺では、本当に小さな花を付けて、セントウソウも咲いていました。
野草は他に、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ヒメウズ、ヤマネコノメソウ、ホトケノザ、スズメノカタビラといったところが咲き出しました。オオイヌノフグリの青い花、ホトケノザの赤紫の花と出てくれば、華やかさも。清楚なヒメウズも捨てがたいところ。
ヤマネコノメソウは日陰で、本当に目立たない花を付けています。ネコの目のような小さな黄色い花、地味さではピカイチ。
木の花は、ウメに続いてハンノキ、さらに野鳥誘致林のマンサクが満開になっていました。この時期注目はネコヤナギの花。厚い毛皮で寒さをしのいでいますが、その下から赤いものが。毛を越えて伸びてきた雄花の先には、黄色い花粉も付いています。雌花は褐色の長くて細い花柱を伸ばしてきます。帽子のような鱗片、軟毛、花と変化してくる様は見物です。
2015年2月15日(日) 晴 9:00〜11:00
カモの北帰行の始まりか 2月の水鳥調査
2月の水鳥調査に参加しました。今シーズン最後の調査でしたが、大きくは例年とほとんど変わることはありませんでした。
個別にはマガモが♂1、♀4、カルガモが91、コガモが♂♀1ずつ、オナガガモ♂8、♀3、ハシビロガモが♂4、♀5、キンクロハジロが♂11、♀7で、総計が136羽でした。
昨年は2月の調査日の前日に大雪が降り、その影響でオナガガモやキンクロハジロが大きく増えて総数を押し上げるというハプニングがありましたが、今年はそのようなこともなく、低位安定のままでした。今季のピークは昨年12月調査の153羽でしたから、大きな変動はなかったということです。
変動に大きく影響したのはカルガモが1月に前月より20羽減り、2月に10羽増えたこと。原因は不明です。オナガガモ(写真)が減り始めたのは、北帰行に向けた動きの可能性があります。
オカヨシガモ、ヒドリガモ、ホシハジロは2月に入ってからも見られたことがありましたが、調査日には残念ながらカウントされませんでした。
2015年2月14日(土) 晴強風
銚子でカモメなど
日本野鳥の会東京の主催する銚子探鳥ツァーに行ってきました。銚子といえばカモメ、カモ、カイツブリなどの水鳥が狙いです。
銚子港に着くと、防波堤の上にカモメがずらり。ユリカモメ、ウミネコ、セグロカモメ、オオセグロカモメなどが主なものですが、図鑑に載っているような典型的なものはごく一部で、大半は薄茶色の混じった若鳥で、どれも同じように見えて頭が混乱してきます。とくに大型のカモメは大変。
リーダーやベテランの参加者に教えてもらって、ようやくワシカモメ(写真)、シロカモメを見つけることが出来ました。東京湾では滅多に見られない珍鳥でも銚子では普通とのこと。カモメは銚子に来た回数で識別能力が左右されるとの話に大いに納得。
カモは念願のシノリガモにようやく会え、ビロードキンクロも。他にアカエリカイツブリを含め日本産カイツブリの5種を見、クロサギやヒメウも見られて大いに満足しました。
突堤では立っていられないくらいの強風でしたが、ホットな探鳥でした。
2015年2月9日(月) 曇時々薄日 午前
ジョウビタキ、カケス、アオゲラ、オオタカ
曇りがちで日中も薄ら寒い日でした。石神井公園も池には氷が張り、人影が少なくて寂しげでしたが、こんな日はえてして鳥は近くに出てきてくれるもの。
今日、とても縁があったのはジョウビタキの♂でした。三宝寺池の南側を回っているときに中之島の橋に出てきてあいさつしてくれました。ジョウビタキは♀は毎回のように見るのですが、♂はもう2ヵ月以上も見ていませんでした。さらに、ぐるりと回って記念庭園でも(写真)。春が近くなってきたせいか胸のオレンジ色がいっそう鮮やかですね。ジョウビタキ♀もボート池の西側で。今日はジョウビタキデーでした。
3羽になって戻ってきたオカヨシガモの♀、中之島で水浴びをしたオオタカ成鳥♀を見てから、さくら広場に上がったところでいつものようにルリビタキ♂、ふと気配がして北側を見るとカケスが飛んできました。さらに、声がしてアオゲラの♀も。
エナガの群れにも2度会ったのですが、結構大きい集団でまだ営巣の気配はありません。春は名のみ、暖かい早く春に出会いたいものです。
2015年1月29日(木) 晴 午前
ヒメウズ、レンギョウ開花
厳しい寒さが続きますが、立春を前に花の世界も少しずつ動いてきました。石神井公園では、年末から早咲きの紅梅が咲き始めて、かなり見頃になってきています。寒中の深い青空を背景にした紅梅、なかなか良いものです。
鮮やかなのはヤブツバキとサザンカ。競い合うように深紅の花を咲かせています。水辺は暖かいのか、三宝寺池の縁ではレンギョウの黄色い花も少しずつ開いてきています(写真)。
地味ですが、三宝寺池の中之島の優占種であるハンノキは今が花の盛りといったところ。池を巡る木道から眺めると褐色に煙ったように見えます。ハンノキは房状の雄花からたくさんの花粉を出し風に飛ばして繁殖します。雌花は大きな雄花の上に小さく付いています。杉花粉のようなアレルギー性はないので心配はいりません。
草本はまだまだと思っていたら、南側のツグミ平、ツツジの下にヒメウズの小さな花が。
キンポウゲ科の植物で4mmほどの白い花を付けます。来週は立春。
2015年1月18日(日) 晴 午前
ヒドリガモ♂♀ 1月の水鳥調査から
石神井公園の水鳥調査に参加しました。カモは全体として12月時の調査より十数羽減って139羽となっていました。減ったのはカルガモで、20羽くらい減。増えていたのはキンクロハジロでした。
ヒドリガモの♂(写真)と♀が1羽ずつ入っていて、オカヨシガモの♂も久し振りに帰って来ていました。記念庭園の池は相変わらず水鳥ゼロの状態が続いています。
内訳は、マガモが♀1羽、カルガモが88羽、コガモが♂♀1羽ずつ、オナガガモ♂12羽、♀3羽、ハシビロガモ♂3羽♀2羽、オカヨシガモ♂1羽、ヒドリガモ♂♀1羽ずつ、♀2羽、キンクロハジロ♂9羽、♀14羽でした。
その他の水鳥では、ゴイサギが25羽を数え、ダイサギも2羽、オオバンが三宝寺池で3羽見られました。しかし、ボート池西側にいたオオバンはこのところ姿が見られなくなっています。石神井川ではセグロセキレイが今回も2羽見られ、キセキレイも1羽現れました。
昨年は、2月の調査日に大雪が降り、カモが大きく増えるというサプライズがありましたが、今年はどうなるのでしょうか。
2015年1月10日、11日(土日) 晴 午前
アカゲラ、マヒワ、オオタカ
両日とも主な狙いはアカゲラでした。粘ったあげく日曜日の昼過ぎになって、ようやく野鳥誘致林で姿をとらえました(写真)。中央付近であの声と大きな木を叩く音、25メートルくらいはあるクヌギの木のてっぺんで枯れた枝をしきりに叩いていました。どうやら♀のようです。
石神井公園ではアオゲラは常連なのですが、なぜかアカゲラはなかなか姿を見せてくれない。お隣の光が丘では、アカゲラは常連でかえってアオゲラが珍しいようです。このあたり、キツツキに聞いてみたい話です。
オオタカは毎日姿を見せています。幼鳥と成鳥が入れ替わりに出たり入ったり。カラスとバトルを繰り広げて飛翔する姿が撮影しやすいところから、すっかりオオタカ撮影の人気スポットになってしまいました。
カケスを追ってさくら広場にいたら、カケスの姿と同時にマヒワの声がしました。一緒にいた方は2羽で飛んでいくところを見たといっていたので、とうとう入ってくれたようです。このあたりも次のお楽しみでしょう。
2015年1月9日(金) 晴 午前
アカゲラ、アオゲラ、カケス、ノスリ
今日も風が強く寒い朝。記念庭園に着くとしきりにメジロの声。ツグミやシジュウカラもしのぐような勢いで群れが渡っていきました。B地区グランドは西側を使用していたためか、ハクセキレイが1羽だけ。
三宝寺池では、カモを見ようとボートの船着き場付近まで来たところで、キョキョというキツツキの声。中之島方面から飛んできた姿を見ると、ここでは珍しいアカゲラでした。すぐに西のメタセコイアの方に飛んで行ってしまいました。
あるいはサクラの台地の方かもしれないと上がってみると、ルリビタキの声。カメラ愛好家の人たちが餌付けを。手がかりがないまま野鳥誘致林から城趾の方面をぐるりと。
橋のところでカラスが大騒ぎしながら飛んでいる様子に、空を見上げるとノスリ(写真)が追われていました。ノスリは久し振りです。羽の下面に褐色の斑があり、お腹にも褐色のベルトを巻いているので間違いないでしょう。
もう一度サクラの台地に行くと、アカゲラは現れたようですが既に姿はなく、入れ替わるようにアオゲラの♂♀(写真)がいました。つがいになるには少し早いように思いますが、気になる雰囲気。さらに、よく見るとかケスも近くにいました。先日も松の風公園の方で見たので、定着しているのも。混群も見られて、冬鳥の季節を楽しみました。
2015年1月3日(土) 晴
一富士二鷹
昨日今日と最低気温がマイナス3度以下という厳しい冷え込み。今年初めて石神井公園に行ってみました。
記念庭園から入ると、アオゲラの声。知り合いのからから教えてもらって、オスの姿を確認しました。幸先よし。
しかし、B地区野球場では鳥の姿は全くなし。彼方の富士山が雪をかぶった姿を見せていて、正月気分を味わいました。今年の鳥運を祈願。
一富士とくれば二鷹はどうかと、三宝寺池に着いてみると、こちらも見られましたが、飛び回っていたのはもっぱら中之島の樹林の中だけで、期待の飛翔している勇姿は次の機会ということになりました。何しろ撮影ポイントの南側木道はとにかく寒い。とても長い時間はいられません。
松の風公園の方にカケスがいるという情報を得て、そちらに。しかし、公園は堅く門を閉ざして、入園者を拒んでいます。訪れる人の多い正月にこんなことで良いのかね、練馬区は。
それはともかく、フェンスの外からしばらく探すと、大きなクヌギの木に動きがあり、カケスは近くの木まできてくれました。
鳥見初めとしては、こんなものでしょうか。池ではダイサギがのんびりと羽繕い(写真)。正月の風景でした。
2014年12月30、31日 晴
年末の石神井公園へ穏やかな日和でした。もっとも、31日は梅林付近の水道管が寒さで破裂したようで、三宝寺池入り口付近が水浸しになるというハプニングもありました。
鳥は全体的に少なめ。水鳥は相変わらずゴイサギが多く、アオサギは連日、コサギ、ダイサギは入れ替わるようにして姿を見せていました。オオバンは三宝寺池で3羽、ボート池に1羽が定着。オカヨシガモの♂1♀2の群れもここで年を越したようです。
秋の終わりからカケスが姿を見せ、定着するかと思いましたがしばらく姿を消し、このところまた姿が見えるようになりました。小鳥と言えばアトリの仲間が次々に現れましたが、こちらも定着するには至っていません。年明けからに期待しましょう。
そのなかで気を吐いているのがルリビタキで、♂と♀が定着しています。ここしばらくなかなか定着するに至らなかっただけに嬉しい限り。また、ツグミが多数群れで居着いているのも特徴的です。
特筆されるのはオオタカです。今季もほとんど毎日のように現れ、カラスとの空中ショウを繰り広げていました(写真)。時には3羽が一時に現れることもあって、これからどのように推移していくのか注目です。
このサイトを訪れていただいた皆様には、よいお年をお迎えください。そして、一富士二鷹のよい初夢をみられますように。
2014年12月21日(日) 晴 9:20〜11:00
11月に続いて仲間の方4人と石神井公園周辺の水鳥の調査をしました。三宝寺池、石神井池、記念庭園、石神井川(山下橋〜石神井農協付近)と回りました。風もなく暖かくて絶好の鳥見日和でした。
結果は、マガモ♂が1羽、♀が4羽、カルガモが108羽、コガモ♂が1羽、♀が3羽、オナガガモ♂が13羽、♀が3羽、ハシビロガモ♂が3羽、♀が1羽、キンクロハジロ♂が9羽、♀が7羽。合計で153羽でした。
先月の調査では144羽でしたから、10羽近くの増、カルガモは1羽減でしたから、他の冬ガモが少しずつ増えたということ。昨年同時期は160羽でした、これも大きな変動はありません。コガモがゼロから4羽に増えたことが目立つくらいでした。
ゾーン別では、記念庭園がゼロで、これは周辺で工事をしていることと、オオタカが現れるようになった影響が考えられます。オオタカといえば、三宝寺池の西側開水面では、今年本当にカモが少なくなっています。毎日のようにオオタカが2、3羽現れて、中之島の高いところから見下ろしています。カルガモも開水面を避けて、ひょうたん池のアシの中にいるものが多くなっています。
その他では、三宝寺池に3羽いたオオバンが1羽しか見られなかったこと。アオサギが4羽になっていたこと。石神井川で今年もセグロセキレイ(写真)が見られたことなどが注目されます。
2014年12月18、19日 晴 午前
18日は晴れて強風、19日は穏やかな晴れでした。三宝寺池を中心に見て回りました。イロハモミジの紅葉は既にピークを過ぎ、木々の枝は葉を落としてだいぶ鳥が見やすくなってきました。
この両日、注目を集めたのはルリビタキとオオタカでした。ルリビタキは♀が三宝寺池南側の斜面に、♂が北側に現れていて、カメラを抱えた人たちが集まっています。♂は瑠璃色の羽が美しく、注目の的です(写真)。ただ、暗い地上付近にいるので、付近の金網が映り込んでしまうのが難点。
一方オオタカは、18日には幼鳥1羽と成鳥2羽、19日にも成鳥と幼鳥1羽ずつが現れて、もっぱら中之島のハンノキにいて三宝寺池を見下ろしています。このため、ゴイサギやアオサギは北側のラクウショウとメタセコイアの林の方に避難し、カモも数が極端に少なくなっています。
19日はとくにオナガの大きな群れが飛び回り、これを追いかけていたらメタセコイアの樹冠付近からジャーという強い声。カケスが3羽いいました。ここのところ姿が見えなかったのですが、よかった。
日本海側と北日本は大雪。これから冬鳥たちもいっそう増えてくることでしょう。
2014年12月3日(水) 晴 午前
今日は記念庭園からスタート。大きなカキノキにはまだかなりの実が残っているのですが、ツグミやシジュウカ、メジロなどのお目当てはどうもムクノキのようです。賑やかなことこの上なし。B地区野球場のグランドには珍しくハクセキレイの姿がなし。雪をかぶった富士山の姿はとても美しいのですが。
三宝寺池ゾーンでは、サービスセンター近くのカキノキにアオバトがいました。♀のようで、一番高いところに陣取って食欲旺盛なようです。そういえば、昨年も今頃やはり♀のアオバトが来ていました。同じ個体なのかも。ひとしきり食べたあとはトウカエデの高い枝で食休みをしていました。紅葉を背景にすると姿はよく目立ちます(写真)。
あとはカラの混群には遭遇しましたが、ハシビロガモのなかにオカヨシガモの♀が混じっていたくらいで、全体に冬鳥は低調です。何だかやきもきさせられるシーズン。
2014年11月30日(日) 晴後一時雨 午前
今日はいつもとコースを変えて三宝寺池からスタート。雨上がりに期待していたのですが、どうも入ってきた鳥より出て行った方が多いようで、さっぱりです。時々池の上空をアトリの10羽くらいの群れが飛びますが、なかなか降りて来てくれません。
池にもオナガガモの♂が1羽、ハシビロガモの♂♀2羽ずつがいた程度。オオバンも1羽いました。オオバンはボート池にも1羽いるので計2羽が定着しているようです。
鳥は今ひとつですが、紅葉はクヌギやコナラ、イヌシデなどの雑木紅葉に加えてイロハモミジがようやく色づいてきて、盛りを迎えています。史跡公園のオオモミジも真っ赤になって、古民家のわら屋根に映えていました。
最後に記念庭園に回ると、ここでようやく賑やかな鳥の声。20羽くらいのツグミの群れがムクノキに集まって実を突ついていました。よく見るとメジロやシジュウカラのもこの饗宴に参加。何はともあれ、たくさんの鳥を見ていると幸せな気分になってきます。
2014年11月27日(木) 晴 午前
記念庭園から回るとクマザサの繁みからシロハラの声、B地区グランドでは富士山がよく見えるなかハクセイキレイが3羽。史跡公園ではエナガ、シジュウカラ、メジロ、コゲラの混群。
三宝寺池に入るとひょうたん池にモズの♀、池の縁ではオオタカの成長が水浴びをしたり枝に止まったりと。さらにここでも紅葉のなかをエナガ(写真)、シジュウカラ、コゲラの混群。賑やかになってきました。
サクラ広場に上がると、知り合いの方に教えてもらってアトリに会えました。区立松の風公園との境に立つケヤキのてっぺん付近で、2羽がしきりとケヤキの実を食べているようでした。それにしても高い。ようやく手前のサクラに止まったと思ったら枝の影が。どうも運がないようです。
池の南側を回ると、池にさしかけられたコブシ枝にもうビロードのコートをまとった冬芽が出ていました。冬越しの準備は急ピッチです。
2014年11月20日(木) 曇後雨 午前
石神井公園で活動する仲間3人と、このシーズン初めてカモの飛来数調査をしました。結果は、マガモが♂2羽♀5羽、カルガモが109羽、オナガガモが♂13羽、♀2羽、ハシビロガモが♂2羽、キンクロハジロが♂9羽、♀2羽。計144羽でした。去年の同時期より30羽ほど増えていましたが、増えていたのはカルガモだけで、他はほとんど変わっていません。
注目されるのは、コガモが0だったことです。記念庭園の池や石神井川で何度か見かけたことはあるのですが、どうも定着していないようです。このシーズンは他に、ホシハジロ♂、オカヨシガモ♂、ヒドリガモ♀(写真)が短期間見られています。
このほか、三宝寺池とボート池にオオバンが1羽ずつ、石神井川にセグロセキレイが2羽観察されました。
これからどのように推移していくのか、観察を続けて行きたいと思います。
2014年11月16日(日) 晴 午前
記念庭園、B地区グランド、史跡公園と慌ただしく回って、このところの常連を確認。ひょうたん池にはモズの♀がいました。
三宝寺池では久し振りにダイサギを確認したあと、開水面にオナガガモ♂2羽、ハシビロガモの♂♀2羽ずつを見ていると、そばにオカヨシガモの♂がいました(写真)。このシーズン初お目見えです。シックな茶をベースにしたおしゃれな姿、気品があります。
今日はこの後石神井川に回ってみました。石神井農協の近くは工事中ですが、少し下流から見始めると、セグロセキレイが飛んでいました。これも今季初認。流れに沿って進むとセグロセキレイはさらにもう1羽。よく来てくれました。さらに下流ではキセキレイも。お腹の黄色が鮮やかです。
もう一つ、コガモが3羽見えました。川では今年もさらに面白いことがありそうな予感がします。山野の鳥に加えて、水辺にも冬鳥、楽しみはこれからです。
2014年11月14日(金) 晴 午前
石神井公園は、ケヤキ、コナラ、クヌギ、イヌシデなどの黄色い葉の黄葉が進展しています。
先日、三宝寺池中之島の上を飛んでいるのを見たツグミ、ようやく記念庭園のカキを食べているところが見られました(写真)。4羽いましたが、ヒヨドリが気になるようで、後ろのシラカシの繁みに入ったり出たりしていました。カキの朱色がまぶしいですね。クマザサのなかからはシロハラの声も聞こえました。
史跡公園はエナガ、シジュウカラの混群に会っただけ。三宝寺池に入るとひょうたん池の脇の繁みに飛び込む小鳥の姿。アオジの小群でした。このあたり、アキニレが多くて、実をたわわに付けています。マヒワやウソを見たいものです。
水辺観察園ではジョウビタキの♀が柳の繁みで赤褐色の尾を振っているのが見えました。すぐに出てきてあいさつ。くりくりとした目が何とも言えません。
池の木道に沿って歩くと、中之島を見ながら人が集まっています。高いところにオオタカの幼鳥が止まっていました。一回りして戻ってくると、止まっているオオタカは幼鳥と成鳥の2羽になっていました。カラスと追いかけっこを繰り広げたあと去っていったようです。
このほか、氷川神社の付近ではカケスの声、シメの姿がありました。落葉が進むなか、冬鳥の姿が増えていきます。
2014年10月27日(月) 晴 午前
やはり記念庭園から入ると、池にはカルガモに混じってマガモの♀が1羽。B地区野球場のグランドにはハクセキレイ7羽の他、スズメが20羽ほど。野草園の高い木からはモズの高鳴きも聞こえてきました。
三宝寺池のカケスが今日は声が聞こえません。日曜日の観察会の時も、早朝聞こえた声がその後聞こえなくなりました。今日も、早朝は声がしたとのことなので、いることは間違いないようです。
水辺観察園のムクノキにはカラの混群が来ました。珍しくメジロが中心で、ムクノキの枝を移りながら実をついばんでいるようでした。遊具のある広場でチップを造る機械が大きな騒音を上げているせいか、あるいはたくさんの子どもたちが歓声を上げて走り回っているせいか、そのほかの小鳥は気配がありませんでした。
浮御堂に来ると、目の前にキンクロハジロ(写真)が7羽、はっきりと換羽の進行している♂も1羽。そこにマガモの♂も1羽。渡りのマモはボート池が中心でしたが、ようやく三宝寺池にもはっきりと姿を見せく暮れたようです。
ボート池では、うわさに聞いていたオオバンがいました。去年は4羽が越冬しましたが、今年はどうなるでしょうか。
2014年10月24日(金) 晴 午前
記念庭園のカキノキは熟して、小鳥には食べ頃になったものが増えてきたようです。メジロの姿が増えてきました。その上をカワラヒワの10羽ほどの群れが北西方向に飛びました。あるいはB地区グランドに降りているかもしれないと、急ぎそちらへ。しかし、B地区野球場のグランドにはハクセキレイが6羽だけ。まだまだのようです。
水辺観察園を歩いていると、モズの声が2カ所から。 こちらにも進出してきたのかな。さくら広場に向かうと前の道のあたりで動くものが。双眼鏡で覗くと、クロジ(写真)でした。3羽ほどいるようで、そっと観察を続けるとうち1羽はアオジでした。どちらもホオジロの仲間で。冬鳥の常連です。
帰りにボート池を見ながら進むと、ハシビロガモ、キンクロハジロ、オナガガモも見られました。
水辺では、トチノキ、ケヤキ、ヌルデなど黄色く紅葉する木が鮮やかな彩りを見せています。歩いているだけで気持ちが明るくなる思いです。
2014年10月16日(木) 晴時々曇
石神井公園は記念庭園から入ると、大きなカキノキには今年もかなりの実が付いていて、熟してきたものも多くなった様子。よく見ると高いところの実にはメジロがやってきている様子です。オレンジ色のカキの実に緑のメジロ。コントラストも鮮やかで、バックには青空。秋の風物詩です。
お隣のB地区野球場の芝生にはハクセキレイが9羽も。大半は若鳥のようですが、安心して採餌出来る平日の野球場は楽園と行ったところ。カワラヒワ、ツグミ、それにカシラダカなども待たれます。
三宝寺池に入ると、ひょうたん池で飛び回っている小鳥はコサメビタキ。周辺のアキニレには実がいっぱい付いていて、マヒワなど菜食主義の小鳥を待っているのですが、こちらはまだの様子。
水辺観察園の先まで来るとしきりにジャージャーというカケス(写真) の声。クヌギやコナラの高い枝でドングリを食べているようで、なかなか姿が見られません。クヌギやコナラの葉が落ちて、カケスも低いところに降りてくれるのはいつになるでしょうか。
2014年9月26日(金)、27日(土) 晴時々曇
台風の影響がなくなって、金曜日からは秋晴れとなりました。石神井公園を歩いていると、ツグミ平で知り合いの方からキビタキ♂がいると教えてもらい、エンジュの木の下で待ちました。しばらくすると、エンジュの高い枝に動く影があって、双眼鏡を覗くとキビタキの♂(写真)。春の渡り以来半年振りの再会です。この黄色はいつ見ても鮮烈。
さらに高いところに動く影はフライングキャッチを繰り返していて、こちらはエゾビタキでした。天気も良く風もないので、エンジュの高い枝にのあたりには餌の羽虫がたくさん飛んでるのでしょう。春の渡りでは見られない鳥です。
しばらくヒタキを見ていると、今度はエナガ、シジュウカラ、コゲラ、メジロ、ヤマガラの混群が押し寄せて、このあたりは鳥でいっぱいに。こういうところに身を置いていると、幸福感に満たされます。
三宝寺池の周りを歩いていると、キンモクセイの良い香りがしてきます。さらにもう一つ、カツラの木の黄葉した葉からもそこはかとない香りが。林の中にいるだけで気持ちの良くなる、さわやかな季節です。
2014年9月20日(土)、21日(日) 晴時々曇
台風来襲もいわれていたにしては良い天気になった週末でした。両日とももっぱら秋の渡りの鳥を求めて石神井公園で過ごしました。
定番のツツドリはこのところ三宝寺池のさくら広場で出ずっぱり。少なくとも3羽はいるようで、喉まで横斑のある幼鳥も見られました。今年は餌になるモンクロシャチホコの発生が多いようで、サクラの枝をあちこち移動しながら餌取りに余念がありません(写真上)。ただ、もっぱら高いところにいるためになかなか羽の上面が見えず、なかにはカッコウの幼鳥かと思われる個体もいるのですが、確認が出来ません。
他の渡りの小鳥はまさに出たとこ勝負。それで
も、2日間でエゾビタキ、コサメビタキ、キビタキ、それにヤマガラにも会えました。このところの冷え込みのせいか、カラの混群が目に付くようになり、シジュウカラ、エナガ、コゲラなどの群れに、こうした渡りの小鳥も入っていることが多いようです。
水神様の上の枝には、土曜日はシジュウカラ、ヤマガラ、メジロに混じってキビタキの♀タイプも。日曜日にはシジュウカラと一緒にコサメビタキも見えました。
最後にたどり着いたのは史跡公園で、粘っているとエゾビタキ(写真下)が出現、さらにコサメビタキも。これで渡りの小鳥もほぼ見たことになります。次にはサンコウチョウ、さらにマミチャジナイに会いたいものですが。
2014年9月5日(金) 10:00〜12:15 曇
渡りの鳥を探すのが目的でしたが、これはさっぱり。シオカラトンボの♀がお腹を水に打ち付けて産卵している水辺観察園を橋のところまで来ると、この下の流れでやはり産卵している大きなトンボが。よく見ると、オニヤンマ。
トンボの本にあるとおり、腹部を流れの底の砂地に突っ込んで産卵しています。さすがの迫力。ここでは2度ほどオニヤンマが羽化するところを見たことがありますが、産卵は初めて。オニヤンマは卵からヤゴとなって、羽化するまで5年かかるといわれています。この環境を安定して維持していくことが大切なわけですね。
今日は、木の果実が目に付きました。紫色のコムラサキ、赤い色のサンゴジュやヤマボウシ(写真)、黒いムクノキの実も地上に落ちていました。野鳥誘致林のフェンスに絡みついているサネカズラも和菓子の鹿の子の様な実が下がっています。秋の果実は鳥の大好物。ごちそうを食べに早く来て欲しいものです。
2014年8月30日(土) 10:00〜12:15 曇
朝方の雨が上がったので、しばらくぶりに石神井公園に出かけました。先週にはいたというツツドリ、それに秋の渡りの小鳥がそろそろ入っていないかと期待です。
秋の花が目立ってきた水辺観察園を抜けて、ゴイサギとカルガモがたたずむボートの船着き場からさくらの広場に上がると、ツツドリ狙いか既に先客が。しかし、何も出ないとのことでしたが、諦めかけたときにシジュウカラの群れがやってきて、これに何か他の小鳥も交じっているようでした。
眉斑やホバリングをする様子からセンダイムシクイと分かりました。3羽はいるようです。春の渡りが終わってから4ヵ月近く、秋の渡りの小鳥に今年も出会うことが出来ました。ただ、動きの速い小鳥をしばらく撮っていなかったので、カメラが追いついていかずに、ブレやぼけ写真の連続。
この後、池の周りを回るとツグミ平で顔見知りの方から、エンジュの木にシジュウカラ、コゲラ、エナガの混群がいて、そこにセンダイムシクイも混じっていると教えてもらい、見ているとコサメビタキ(写真)も見られました。曇り空に灰色の鳥という悪条件でしたが、何とか納めるとこが出来ました。いよいよ、鳥のシーズンの開幕。少しずつですが開いていくのを楽しみたいものです。
2014年8月19日(火) 10:00〜13:00 晴
立秋を過ぎて半月、公園の花もかなり様相が変わってきました。夏に咲き誇っていたミソハギは盛りを過ぎ、カントウヨメナ、ノハラアザミ、キツネノカミソリ、サワギキョウ、ハッカ、シロバナサクラタデといった秋を彩る花が出てきました。
キツネノマゴ、ミズヒキ、キンミズヒキ、ツユクサといった雑草系も顔を出しています。キツネノマゴというのは変わった名前ですが、突き出た花穂を狐の尾に見立てたとも言われています。小さな花は見落としてしまいそうです。
一方、キツネノカミソリというのは花の形をカミソリに見立てた名前だそうです。ヒガンバナの仲間で、同様に春から初夏にかけて葉を茂らせ、盛夏には葉を枯らして花を咲かせるという、変わったサイクルです。それにしても、植物にキツネの名前が付いているのが多いのは、キツネが身近な存在だった名残でしょうか。
これから、秋が深まるとともに、ミゾソバ、ツリフネソウ、フジバカマなどに移っていきます。
秋のもう一方の主役の赤トンボは、今日は水面を飛ぶウスバキトンボ、水から突き出た枝に止まったリスアカネ(写真)が見られました。ヤンマから赤トンボへと、こちらも主役交代の時期です。
2014年8月17日(日) 18:00〜20:15 晴
石神井公園の夜の観察会に参加しました。集合時間の午後6時はかなり明るく、トンボもまだ飛んでいる時間です。
水辺観察園でサワギキョウなどを見てから、ヒグラシの声を聞きながら池の周りでセミの羽化を探しましたが、時間が早いのかなかなか見つからない。野帳誘致林に上がる頃になってとっぷりと暮れてきて、クヌギの木などで樹液が出ているところにガや甲虫が集まっていました。目を引いたのは赤地に黄色が混じったスズメガの仲間のベニスズメ(写真)、ヤガの仲間のムクゲコノハなど。ベニスズメはシロテンハナムグリが集まっているところにホバリングしながら口吻を差し込んで樹液を飲んでました。なかなかたくましい。
南側に回ると、ようやくセミの羽化があちこちで始まっていて、参加者からは歓声も。とくに、アブラゼミの羽はあの飴色になる前に美しい青色の姿で杭などからぶら下がっていて、いつもながら神秘的。城趾の近くでは、イヌシデの木にカブトムシの♂も登場して盛り上がりました。
出発点の三宝寺池入り口に戻ってくると、つぼみだったカラスウリの花が開いていました。レースを広げたような白い花は、人ではなく夜飛ぶガや甲虫のために開いていると、改めて実感しました。
2014年8月7日(木) 晴 9:30〜12:30
今日は立秋ということなので、秋の花を探してみました。といえば、まず秋の七種(くさ)。ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ(朝顔の花)ということになります。
水辺観察園では、ハギはかなり前から、ススキも穂が出ています。カワラナデシコは何と6月末から咲いていて、既に一度咲き終わっています。オミナエシは盛り、キキョウ(写真)も咲いています。まだなのは、クズとフジバカマということになります。クズはまもなく咲くと思われますが、フジバカマは10月頃。
秋で思い出すキクの花も、カントウヨメナとユウガギクは咲きだし、タデ類もミズヒキ、イヌタデが咲いています。サワギキョウ、ハッカも見られます。
秋なんていわれてもピンときませんが、残暑の中でも植物の世界では既に秋は始まっています。そういえば、今日は久し振りにオオタカを見ました。サシバの情報もありました。自然界は動き出しているようです。
2014年8月2日(土) 晴 10:00〜13:00
到着すると人が集まっているところで、まずベニイトトンボ(写真)が見られました。このあたり、チョウトンボが多くなったと思ったらキイトトンボも少数ながら毎年見られるようになりました。マコモやヒメガマが池を覆うようになったのは困ったことですが。
水辺観察園ではシオカラトンボ、オオシオカラトンボ。三宝寺池の水面では、オオヤマトンボ、ウチワヤンマ、ギンヤンマが飛び回っています。オオヤマトンボは戦闘機のように直線的に飛ぶので、迫力があります。
池の周りでは、今日もヤブヤンマやマルタンヤンマが見られました。いつ見ても、複眼の美しく青い色には魅了されます。
一回りして、マコモの茂るところに来たらギンヤンマが飛んできて、葉にぶら下がりました。なかなか止まってくれないギンヤンマです。
夏の三宝寺池は大型トンボの王国です。
2014年7月14日(月) 9:30〜12:30 晴
川にいるトンボを見ようと、石神井川に行ってみました。そういえば、鳥の季節が終わってからしばらく行っていない。環8と交差する地点から石神井農協まで見て回りましが、川の上を飛んでいるトンボが非常に少ない。
辛うじて山下橋の付近で水中の水草の上をハグロトンボがたくさん飛んでいるのにほっとした程度(写真)。あとはコシアキトンボくらいでした。ここで、先日ミヤマアカネを見た教えてもらいましが、見つかりませんでした。確かにミヤマアカネはトンボ科の中では、ヤゴが流水に住むかわった性質をもっています。
三宝寺池の方に回ると、知り合いの方から水辺観察園にコオニヤンマがいると教えてもらいました。遠くから写真を撮っていると、すっと浮き上がってモンシロチョウを捕らえ、ハンノキの上に飛んでお食事タイムに。コオニヤンマ今年何度か三宝寺池周辺で見ていますが、流水に住むので、近くの川から飛んできているはず。石神井川なのか、白子川なのか。興味が尽きないところです。
2014年7月2日(水) 10:00〜12:30 晴時々曇
今日は三宝寺池の周りを一回り。今日は半夏生。夏至から11日目に当たり、田植えの終わり頃とされています。同じハンゲショウの名をもつ野草が水辺観察園を覆っています。ドクダミの仲間ですが、この所減少が心配されています。半分白くなった葉が緑に映えて、さわやかに見えます。
水辺観察園ではこのほか、チダケサシ、ミソハギが色づいてきました。地味ですが、フトイ、ホソイ、カンガレイ、サンカクイなどのイの仲間も花を付けています。
この時期注目は、クヌギ、コナラなどの樹液を出している樹木。ヒカゲチョウ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲなどの樹液を好むチョウが集まっています。今日はルリタテハも来ていました。昆虫酒場の別名もあります。
三宝寺池の上では、トンボが増えてきました。ギンヤンマ、ウチワヤンマ、オオヤマトンボなどの大型トンボだけでなく、チョウトンボ、キイトトンボ、モノサシトンボ、アオモンイトトンボなども。
そうそう、今週はカイツブリの孵化が相次ぎました。ボート池で2カ所、少し前ですが三宝寺池でも三宝寺池でも1カ所。その生き残りの1羽が、親と一緒に浮御堂前の杭に止まるトンボを狙ってジャンプを繰り返していました。去年から見かける風景ですが、こんなことも学習によって受け継がれていくものなのでしょうか。
2014年7月1日(火) 10:00〜14:30 曇時々晴
生物多様性調査に協力して、石神井公園のチョウ・トンボの生息調査を始めることになりました。といっても大したことをするわけでもなく、仲間の皆さんととりあえずヤゴ殻集めをしました。
普段はなかなか手が届かないボート池の周りを回って、歩きました。成果はコシアキトンボ2とウチワヤンマ1(写真だけ)。ボート池は丸石をコンクリートで固めた形で護岸が作られていて、池の縁に沿って見て回りました。
トンボは結構いるのですが、コシアキトンボ、ギンヤンマ、ウチワヤンマ、クロイトトンボくらいで、種類は少ないようでした。やはり環境が単調ということでしょうか。注目したのは護岸からヤナギの根が水中に伸びていて、そこに落ち葉などがたまっている場所。そこが澱みになっていて、クロイトトンボがおつながりになって産卵していました。クロイトトンボは、かつては三宝寺池のスイレンの上で産卵しているのをよく見たものですが、最近は見られません。ここは貴重な産卵ゾーンになっていたのですね。
見ていると、ウチワヤンマもやってきて打水産卵を始めました(写真)。真上から見るのは初めて、良い経験でした。ボート池の生態系についても、これから継続して観察していきたいものです。
なお、水辺観察園では、Hさんに教えてもらって、オニヤンマのヤゴ殻を見つけることが出来ました。住宅地の中の貴重なトンボの楽園です。
2014年6月16日(月) 8:50〜12:30 晴
今日は少しだけ早く公園へ。狙いはミドリシジミの表面が見たかったから。着いてすぐに梅林のところの草むらへ。歓迎してくれるようにすぐに姿が見られ、しばらく待っていると光の当たっているところで、表面を見せてくれました。光の当たり具合で青から緑までの光り輝くような色彩が鮮やかです(写真)。この時期だけのハンノキ林に生まれる宝石のような輝き。
ここでは他にも、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、カノコガの交尾などが見られました。近くには樹液の出ているクヌギがあって、サトキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメジャノメなどがたくさん。やや剣呑なオオスズメバチもどっしりと居座って。
池を一回りすると、トンボがたくさん飛んでいます。オオヤマトンボ、ウチワヤンマ、ギンヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、コシアキトンボ、モノサシトンボ、クロイトトンボなど。城趾に渡る橋のたもとでは、早くもチョウトンボが優雅な舞。三宝寺池は夏トンボの王国です。
もう一つの目的のカワセミの巣立ち雛ですが、こちらはボート池の中之島付近で待つと、ヒナが2羽だけ、それもすぐに飛んで行ってしまったと思ったら親が餌のサカナを加えて登場。ヒナが近くにいないので、鳴き声とともに探しに行ってしまいました。
さらに探すと、西側の小さな島の松の木に3羽がいて、少しするともう1羽が加わり、計4羽に。最近では4羽のヒナは珍しい。親も餌運びに大変。元気に育って欲しいものです。
この付近では、カイツブリも営巣、エナガも雛を連れて現れました。夏至が近いこの季節、生き物たちは子育ての季節。降り注ぐ日差しはいのちの祝福のようでした。
2014年6月1日(日) 10:00〜13:00 晴
暑い日でした。アメダス練馬観測地点(石神井公園に隣接)の最高気温は34.8度。猛暑日まであとわずか、体がついて行きません。
そんななかで石神井公園で行われた狩蜂観察会に参加しました。昆虫は不得意、とくにハチはどうもという私、友人の強いすすめがなければ参加しなかったと思います。狩蜂はハチの中では大多数を占めるグループ、むしろハナバチの方が少数派なのです。多くが昆虫の幼虫を狩って、自分の幼虫の餌にするという習性を持っています。
公園の擬木や枯れ枝,古民家のかやぶき屋根、墓地の石塔などに巣を作ったりしています。小さくて目立たないので普段は気がつかない。でも、公園の生態系の中では大きな役割を担っています。生態も、幼虫にそのまま卵を産むもの、巣に餌を運んできて三室を作りその中に卵を産むものなど様々。誘っていただいた友人は、いつもの公園も見方が変われば別物、と言っていましたが、その通りだと感じました。
帰り道で、枯れ木にウバタマムシ(写真)が止まっているのを見つけました。ヤマトタマムシの近縁種で、東京都では絶滅危惧種だそうです。美しいタマムシも老いればこんな姿に、と名付けられたのでしょうか。石神井公園の環境の貴重さをまた教えられました。
2014年5月18日(日) 9:30〜12:30 晴
今日も石神井公園へ。記念庭園でFさんから、野鳥誘致林にホトトギス(写真)がいると聞いて、そちらへ直行。誘致林の入り口付近で梢を見上げているウォッチャーが3人ほど。クヌギの大木の上からホトトギスの声が聞こえたと。
ずっと待っていると、西北側の方から声が。公園の外の道路まで出て探すと、クヌギの木の中程で動きがあり、双眼鏡で覗いてホトトギスの顔を確認。その後、ホトトギスは虫を探しながら枝の繁みの中を移動しているようでした。
それでも時々、見やすいところに出てきてくれて、金色のアイリング、お腹の縞模様などを確認できました。しばらくすると、またあのトキョトキョという囀りも聞かせてくれました。あの声を聞くと、山の中にいるようで幸福感に包まれるのは不思議です。もっとも、託卵されるウグイスには悪魔の笑いのように聞こえるののかもしれませんが。
今日は、他にキビタキ、センダイムシクイの声、アオゲラの声も聞かれました。そうそう、サンコウチョウの声の情報もありました。夏鳥のシーズン、もう少し楽しみたいですね。
2014年5月16日(金) 6:00〜11:00 晴
今日は気合いを入れて早朝から出かけたのですが、夏鳥はさくら広場の当たりでキビタキ1羽とセンダイムシクイ1羽の声を聞いただけ。途中でお目にかかった大先輩ウォッチャーのMさんによると、野外ステージの上で、メボソムシクイが鳴いていたとか。とうとうメボソムシクイまで来たということは、そろそろ夏鳥シーズンは終わりかと。
そんな思い出三宝寺池の木道を歩いていたら、エナガのジュリジュリという声がして、巣立ちビナを10羽ほども連れた家族に出会いました。巣立ちビナは色が鈍くて目の周りが赤いという特徴があります(写真)。今年もこんなに元気に巣立ったかと、何だか嬉しくなってしまいました。この後、周辺からオオヨシキリの声が聞こえたのですが、確認には至りませんでした。
水辺観察園はカキツバタが盛りを過ぎたあと、ノハナショウブ、オカトラノオ、ホタルブクロなどが登場するまでつかの間端境期です。今年はどんな彩りを見せてくれるのでしょうか。
2014年5月4日(日) 5時40分〜10時30分 晴
夏鳥の渡りもピークを迎えているようです。石神井公園へ早朝から出向きました。まず記念庭園のスロープを上がっていくと、オオルリ(写真) の声。西側のタブノキにいるようで、大きな囀りが長いこと続いてましたが、この場は探しきれずに先へ。
B地区野球場は、芝生の上で目立つのはキジバトばかり。ツバメが土を集め、カワラヒワが5羽ほど。とうとうツグミは姿を消し、ムクドリが我が物顔。これも季節の移り変わりの象徴。
三宝寺池側に入ると、キビタキが水辺観察園、氷川神社付近、誘致林で鳴き、センダイムシクイ、エゾムシクイの声もしましたが、これは確認だけに留め、もう一度記念庭園へ。やはりオオルリが気になります。
先にいた人たちと一緒に探すと、オオルリは奥からタブノキ、さらに北側へと結構動き回っていて、ようやく見つかりました。袖は少し茶色いものの、結構きれいな個体でよく囀っています。やわらかく長い囀り、白と青の体は、やっぱり夏鳥のシンボル。
この季節、花もカキツバタが盛りを迎え、フタリシズカなどの野草も輝いています。一部で貴重種の盗掘もありますが、とにかく美しい季節を楽しみたいものです。
2014年4月19日、20日 午前 晴〜曇
待望の夏鳥が来ました。先週の金曜日は雨だったので、土曜日の早朝に駆けつけると、オオルリが高らかに囀っていました(写真)。とても高いところにいたので写真は今ひとつでしたが、あのやわらかく美しい囀り、白と青のからだ。たまりません。他にもセンダイムシクイの囀りがあちこちから、キビタキの声も聞こえました。コサメビタキ、ヤブサメなどの情報もありました。
一方で、ツグミやシロハラ、アオジなどの冬鳥もまだ健在。夏鳥と冬鳥が一緒に見られる幸せな季節。
先日もお伝えした、カイツブリやバンなどの子育て、シジュウカラ、エナガ、コゲラなどの営巣も進んでいます。新緑のなかでもいのちの季節は始まったばかり。大いに楽しみたいものです。
2014年4月7日(月) 10:00〜13:00 晴
サクラはまだ散り残っていますが、お客さんはぐっと減っています。ツグミはたくさんいますが冬鳥は日ごとに影が薄くなり、池のカモもハシビロガモとキンクロハジロ1羽、コガモ1羽だけ。アオゲラの声が響きました。カイツブリの巣はヒナが2羽になりましたが、目に付いていたエナガの巣はカラスに襲われてしまったそうです。
替わって、チョウがたくさん目に付くようになりました。アゲハチョウ、モンシロチョウにスジグロシロチョウ、キタキチョウ、そしてツマキチョウを何度か目にしました。春の妖精といわれるツマキチョウを見ると心躍るものがありますね。
今日の収穫は青いホソミオツネントンボを見たことです。ホソミオツネントンボは数少ない成虫越冬のトンボ、秋から冬にかけては麦わら色をして枯れ草にじっと止まっている姿を目にします。春には♂は青くなって繁殖行動をするということですが、青いホソミオツネントンボ(写真)を見たのは今日が初めて。教えてくれた人の話では、まだまだ青くなるとのことです。
夏鳥の訪れとともに、こちらも楽しみです。
2014年3月23日(日) 9:00〜11:30 晴
石神井公園の観察会でした。いやー、今日は本当にワクワクしました。気温が急に上がり、スプリングエフェメラルといわれる春の花がいっせいに咲き出して、まさに春本番を満喫。今年は寒い冬だっただけに、春はやっぱりいいですね。
アズマイチゲ、セントウソウに続いて、ジロボウエンゴサク、アマナ、ニリンソウ、盗掘にあって心配していたアオイスミレ(写真)も元気に顔を出していました。そして、去年初めて咲いたカタクリまでが、今年は複数の株が花をつけていました。
エナガがすでに営巣し、カイツブリも4個の卵を温めています。ウグイスの囀り練習がなかなか堂に入ってきて、アオゲラも木を叩いてアピールを始めました。去年生まれた小鳥の雛は、生きて春を迎えられるものは1割程度だそうです。そう思って聞くと、シジュウカラのツピツピという囀りも、いのちの喜びの歌に聞こえてきませんか。
2014年3月12日(水) 午前 晴
この所話題になっているウタツグミ(写真)を見に行ってきました。現地の相模原市の公園は、里山をそのまま公園にしたようなところで、ウタツグミはサクラの林の中でしきりと動き回って餌を探していました。
ヨーロッパからシベリア中央部にかけて繁殖し、冬には南ヨーロッパから北アフリカにかけて渡るものもあると図鑑にあります。シベリアから渡るときに間違えて日本に来てしまったようです。日本本土での出現は28年ぶりだそうで、バスのなかでは大阪から見に来たという方にもあいました。すごい人気です。
見た印象はツグミよりも少し小さくて、シロハラのような背中に、ツグミのような模様のお腹という感じです。比較的地味な姿でした。
でも、ウタツグミというくらいなのできっといい声で鳴くに違いないと思い、インターネットで検索してみると、ユーチューブに投稿された動画が掲載されていて、チュリーというような鳴き声で、なかなかの美声でした。
2014年3月8日(土) 9:30〜12:30 晴
鳥はますます少なくなっているようですが、エナガが巣造りをし、シジュウカラの囀りもますます高くなっています。ウグイスの囀り練習も最終段階に入っているようで、あちこちから今ひとつの声が聞こえてきます。
ツグミ平でお知り合いの方と春の野草を探すと、ありましたヒメウズにヤマネコノメソウ(写真)がささやかに開花。ヒメウズなどは暖かい年には1月から開花しているのに、やはり今年は寒かったということ。外来種ですが、ヒメオドリコソウとオオイヌノフグリもあって、ようやく春の草原らしくなってきました。
水辺観察園はアズマイチゲとセントウソウの他、アマナの葉が見るたびに長くなって、今にも花が付きそう。ニリンソウの群落もどんどん膨らんでいます。
それにしても心配なのは、この時期には咲いていなければならないアオイスミレが葉も見つけられないこと。昨年の春に盗掘されたのですが、種が落ちていればと期待をかけていたのです。アオイスミレは厚い腐葉土と半日陰の樹林という環境が必要ですから、家庭の庭ではまず育たないのに、公園にあればみんなが見らるのにと、恨めしい思いです。
2014年2月28日(金) 9:40〜13:00 晴
暖かくなりました。日向にいると汗ばむほどですが、風が強い。こんな日は鳥はあまり期待できないので、春の花を探しました。
水辺観察園で丹念に探すと、降り積もった落葉の間から白い花が開いています。今年も春一番の花はキンポウゲ科のアズマイチゲでした(写真)。とにかく華やかで、春の訪れを告げています。周辺にはセントウソウの小さな花も顔を出していますが、こちらはなかなか気がついてくれる人はいないよう。柵の回りにはオオイヌノフグリの青い小さな花も。ニリンソウの群落もかなり葉が茂って開花の準備が着々進んでいるようです。
探している間に、黄色いものが飛んでいるのに気がつきました。よく見るとキタテハ(写真)が舞っていて、前後で6頭も。とにかく動きが早くてなかなか止まってくれないので、テングチョウも混じっていたかもしれません。成蝶で寒い冬を乗り切って、気温が上がるとすぐに活動を始めます。いとおしい気持ちです。
花もチョウも、春の使いにほかなりません。鳥は今ひとつでしたが、温かい気持ちで家路につきました。
2014年2月26日(水) 10:00〜15:00 晴
葛西臨海公園に行ってきました。晴れて風も弱く、日だまりにいると汗ばむほどの陽気でした。こうなると、遠方は春霞にかすんだようになり、遠くの鳥は見にくくなる。なかなかうまくいかないものです。
まずウミアイサを見ようと、江戸川河口付近を探しますが、逆光もきつくてなかなか見つかりません。観察センターで会った方から、東渚の沖にいたよと聞いてそちらへ。西渚の突端から探すと、スズガモの帯の奥に波間に浮かぶ鳥が3羽。頭のぼさぼさ具合などからウミアイサのようです。ここでは、クロツラヘラサギは見つからず、ズグロカモメがトンだけ。石堤防の上にはハマシギに混じってコチドリも何羽かいました。
東西の渚間の水路には、キンクロハジロ、マガモ、ヒドリガモなどとともに、ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリの群れも。ハジロカイツブリのなかには、すでに夏羽に冠羽しているものも(写真)。後ろの冬羽の個体と比べると、顔に金色の飾り羽が生えて違いがよく分かります。
鳥類園では、上の池はホシハジロの大群に占拠された状態、下の池は鳥の姿がほとんど見られませんでしたが、ノスリが飛んだりして楽しませてくれました。
2014年2月16日(日) 晴 9:30〜12:30
2週連続の大雪に見舞われましが、今日は今シーズン最後の水鳥調査が行われました。快晴ですが、雪と強風の影響でどうなっているのかと思ったら、カモは何と総数では100羽近くも増えて、227羽になっていました。何が変わっていたかというと、オナガガモが♂39羽、♀21羽で計60羽。キンクロハジロが♂39羽、♀32羽で計71羽。先月はいずれも一桁でしたから、これだけで110羽くらい増えていました。このオナガガモとキンクロハジロはどこから来たでしょうね。
これと対照的にカルガモは20羽以上も減って76羽になっていました。ひょうたん池と記念庭園が全面的に凍り付いていて、カモの姿が全く見えなくなっていたのが響いたのですが、あるいは三宝寺池の中之島に相当数が隠れていた可能性もあります。
あとは、マガモが♂♀1羽ずつの2羽、コガモが♂♀2羽ずつの4羽、ハシビロガモが♂5羽、♀3羽の計8羽、オカヨシガモが♂3羽、♀1羽で計4羽、ホシハジロが♂♀1羽ずつで2羽と、先月と大きな違いはありませんでした。
今日の調査では、石神井川でキセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイの他、同じセキレイ科のビンズイとタヒバリ(写真)が見られたのが注目されます。個人的にはこのフィールドでビンズイを見たのは十数年ぶり、タヒバリは去年11月頃にB地区野球場でカワラヒワの群れの近くにいるのを見て以来です。また、カシラダカが1羽見られました。
これからの春先に何が見られるのか、期待しましょう。
2014年2月3日(月) 9:40〜12:40 晴
昨日は雨で十分に見られなかったので、今日も石神井公園へ。このところ、樹上の木の実がほとんどなくなり、地上で採餌する鳥の姿が目立つようになりました。ツグミやムクドリ、アオジも目立つところに出てきています。一番厳しい季節を迎えています。
管理事務所の付近では、モズの♀がコゲラを執拗に追いかけているのを見ました。モズの餌といえば昆虫やカエル、トカゲですが、これらが地上から消える季節には、小鳥を襲うことも。なかなか成功するのは難しいようですが。
今日は野鳥誘致林で、マンサクが咲いているのを見ました(写真)。石神井公園では、年明けまもなくから紅梅、しばらくして白梅、先週くらいからようやくロウバイが咲いていました。明日からは、また厳しい寒さがぶり返すようですが、季節は春へと確実に歩みを勧めています。
2014年2月2日(日) 9:30〜12:30 曇一時雨後晴
出かけたときは曇、しばらくして雨が降り、その後は晴れて来るというめまぐるしい天候のなかでの鳥見でした。
三宝寺池を見ると、オカヨシガモが1羽増えて5羽になっていました。これで♂4♀1。カモのペアリングは進んでいるようで、マガモとハシビロガモが池の中程で交尾。あと1ヵ月ほどで繁殖地への北帰行が始まります。
城趾の方角からピーというアオゲラの声がして、程なくドラミングの音が響きました。木をたたいて音を出すドラミングは、囀りをもたないキツツキ類の求愛行動だそうです。シジュウカラの囀りは良く聞きますし、エナガも2羽だけで行動しているのを見ると、繁殖間近を感じます。
石神井川に回ると、今日もキセキレイ、セグロセキレイ、ハクセキレイの他カワセミが元気に飛び回っています。そのとき茶色いものが飛んで、よく見るとジョウビタキの♀(写真)でした。これもしばらくぶり。かわいい飛翔姿にしばし見入りました。
2014年1月19日(日) 午前 晴
晴れたのはいいのですが、風が強くて、時々目も開けていられないほどの砂ぼこりが立ちす。昔の練馬では、冬から春先の砂煙はすさまじく、名物みたいなものでしたが。
今日は月に一度の水鳥調査の日。強風のためか、カモたちはボート池から風が避けられる三宝寺池に避難しているものが多いようでした。それにしても、少ない。
総数では、昨年12月は160羽でしたが、今回は132羽。内訳は、マガモ♂3、♀4、カルガモが98、コガモが♀1、オナガガモ♂7、♀1、ハシビロガモ♂4、♀2、オカヨシガモ♂3、♀1、 キンクロハジロ♂2、♀5、ホシハジロ♀1。
増えたのはマガモが♂1羽、年末に来たオカヨシガモが4羽、ホシハジロ♀1羽だけ。カルガモが12羽減ったのをはじめ、オナガガモとキンクロハジロは半減以下。コガモに至っては6羽から1羽へという激減ぶりでした。
人に馴れやすいオナガガモとキンクロハジロが減っているのは、石神井公園では餌やりを禁止しているため、餌付けをしている他の水域へと移動しているとも考えられます。昨シーズンも12月がピークで、年を越すと減少していました。
そんななかで元気だったのはセキレイ類で、キセキレイ(写真)、ハクセキレイの他、セグロセキレイも元気に飛び回っていて、やや寂しい水辺を活気づけていました。
2014年1月14日(火) 午前 晴
今日もけっこう強い風。記念庭園のマガモは戻っていました。見ると♂が3羽になっていて、♀は4羽で変わりません。どこから来たものか。
三宝寺池はキンクロハジロが増えていて、その中にホシハジロの♀も1羽。♂は何度か見ましたが、♀は今季初めて。オカヨシガモもだいぶ警戒心が薄れてきたのか、ボートの船着き場の近くまで来て休んでいます。活発なのはオオバンで、頻繁に潜水を繰り返しています。噂のクイナは見られず。
オオタカは今日は2羽出ているとのことで、たくさんのカメラを構えた人たちが池の縁に並んでいます。他に撮るものが少ないですからね。
梅林に上がると紅梅がかなり咲いています。青空に映えますね。そのとき、コナラの枝に動くものが。アオゲラ♂でした(写真)。この所、声は聞いていましたが見たのは久し振り。こちらも、青い空に頭部の赤が映えていました。
2014年1月10日(金) 午前 晴
記念庭園に行くといつものマガモがいない。カルガモも少なく、風を避けて川にでも行ったのかしらん。旧住銀グランドにも降りている鳥はいません。
風はかなり強いのですが、冬至から半月余り、日差しも強くなっています。三宝寺池に入ると水辺観察園のハンノキにシジュウカラがぶら下がっています。ハンノキには雄花がたくさん付いていて、シジュウカラはその雄花をつついている様子。花粉を食べているのかな。
池のカモの♂はほとんどがエクリプス状態からきれいな繁殖羽になっています。すでにつがいになっているものも。池の縁にいたダイサギは、餌をとろうとしてぐっと首を伸ばし羽を広げました。その拍子にきれいな繁殖羽(蓑羽)を見せました(写真)。まだ伸びきってはいませんが、強くなった日差しの中で、恋の季節の準備が始まったのです。
木の上からはツピツピというシジュウカラの囀りが。このシーズン初めて聞きました。そういえば、繁殖の早いエナガも2羽で動いているのを見ました。
まだまだ寒い日が続きますが、生き物たちはすでに春への準備を始めているんですね。
2014年1月2日(木) 9:40〜12:30 晴
新年おめでとうございます。訪問してくださる方の鳥運と三宝寺池の環境が守られることを祈念いたします。
さて、新年の鳥見初めでしたが、やはり年内からの冬鳥の少なさは変わることはありません。オカヨシガモが4羽のんびりと浮かび、オオバンが5羽せわしなく潜水を繰り返しています。到着したばかりという雰囲気のオナガガモが4羽いました。
水辺観察園のイロハモミジにシジュウカラ、エナガ、コゲラの混群が来て、残った種を突いているのも冬の風情です。観察園では、遊歩道から近いところのマンリョウが切り取られていました。盗んだマンリョウで正月の飾りをしても、果たしてよいことがあるのかどうか。新年早々悲しくなる光景でした。
池の木道をぐるりと南側に回ると、突然中之島からオオタカが飛び出して、池から突き出た杭にいたゴイサギにアタック。ゴイサギは正月早々マサカという顔(?)で、冠羽を逆立てていました(写真)。オオタカは諦めずに3度も挑戦しましたが失敗。厳しいものです。
この後は、石神井川を回ってセグロセキレイを探し、ようやく写真に納めることが出来ました(写真)。それにしても、冬鳥が山から下りてきてくれるのはいつになるのか、ひたすら神頼みです。
2013年12月15日(日) 9:00〜12:30 快晴
今朝の最低気温は氷点下1度。美しい紅葉が残る三宝寺池(写真)も周辺部の浅いところは氷が張っていました。そんななかで水鳥調査をスタート。
三宝寺池、ボート池、記念庭園、石神井川と回った結果はマガモ7羽、カルガモ110羽、コガモ6羽、オナガガモ16羽、ハシビロガモ4羽、キンクロハジロ18羽で、合計160羽でした。
前回11月の調査では111羽でしたから、50羽くらい増えていましたが、うち30羽はカルガモの増えた数、コガモ、オナガガモ、キンクロハジロが増え、その他は横ばいか微減でした。コガモは、前回♀1羽でしたが今回は♂も含めて6羽でしたが、例年15羽程度が観察されているのに比べ少なく、記念庭園に1羽も観察されていないのも気になります。いわゆる冬ガモはまだ少なく、南下が遅れているようです。
そのほかでは、オオバンが2羽から5羽になり、バンも4羽から11羽へとクイナ類が大きく増加しているのが目立ちました。また、ゴイサギも10羽から20羽へと倍増。キセキレイはいましたが、前回観察されたセグロセキレイは見られましでした。
2013年12月14日(土) 9:30〜13:00 晴
冬鳥たちはどこに行ってしまったのでしょうか、がこの所のバードウォッチャーのあいさつのようになっています。東京周辺はどこも同様のようで、石神井公園もご多分に漏れません。今日は、旧住友グランド付近でモズの声を聞き、史跡公園でジョウビタキが畑からフェンスに飛び上がるのを見というくらい。それでも、ツグミはあちこちでエノキなどの実を必死に食べていました(写真)。
それで、記念庭園の柿の木の下でしばらく粘ってみることに。カキの実はざっとまだ100個くらいはあり、もっぱらヒヨドリの天下。カラスやオナガもいます。こうした強い鳥がいなくなる時間があり、そこを見計らうようにメジロ、シジュウカラ、エナガ、コゲラ、それにツグミなどの小鳥がやってきます。
小鳥たちはヒヨドリなどが突いて穴をあけたところを狙っているようで、案外ちゃっかりとしたたかなところも見せています。今日はシロハラ、アカハラ、アオゲラなどは見られませんでしたが、実はまだまだ残っていることでもあり、これからに期待です。
2013年12月1日(日) 9:30〜11:30 晴
埼玉県川越市の伊佐沼というところに、ヘラサギが来ているというので見てきました。農業用の灌漑池を公園化したところで、水の中の干潟のようになったところにヘラサギが一本足で立っていました。しゃもじのような大きな嘴を羽の中に入れていると、コサギやダイサギとほとんど変わりません。しかし、一旦その嘴を見せると、存在感が際立ちます(写真)。
サギという名前が付いていますが、佐渡を中心に復活を目指しているトキに近い仲間だそうです。そういえば、先月23日に葛西臨海公園で見た同じトキ科のクロツラヘラサギによく似ています。ヘラサギはユーラシア大陸からアフリカにかけて広く分布していて数も多い鳥ですが、クロツラヘラサギは東アジアに数千羽もいない貴重種。ところが、日本ではクロツラヘラサギは比較的よく見られるのに、ヘラサギは年に1から数羽しか飛来しないということです。
あんな嘴で餌はどうとっているかというと、水の中の浅いところを探るように動かして採餌しているようです。ここでは夕方にならないと採餌行動は始まらないということでした。
ここでは他には、マガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、コガモ、キンクロハジロ、ホシハジロなどのカモ類、アオサギ、ダイサギ、コサギのサギ類、イカルチドリ、ハマシギ、イソシギ、セイタカシギなどのシギ・チドリ類、それにカワウが見られました。
なかでも嬉しかったのはトモエガモを見たこと。沼の中程に1羽だけでぽつんと浮いていて、近くにいた女性のスコープをお借りして、ようやく確認することが出来ました。かれこれ10年ぶりでしょうか。良い鳥見日和でした。
2013年11月26日(火) 9:30〜12:40 晴
紅葉の季節ですが、果実も熟れ頃となる時期。ムクノキやエノキ、ネズミモチ、イイギリなどが鳥には人気ですが、なんといっても柿の実が一番人気。今日はカキノキに来る鳥を待ってみました。
やはりヒヨドリがうるさい、空いた時間にはメジロ、コゲラ、ツグミ、シジュウカラなどが次々にやってきて実をついばみます。よく見ていると、最初にヒヨドリやツグミなどの鳥がやってきて穴をあけ、その後メジロ、シジュウカラ、コゲラなどの小鳥がついばむようです。
気がついたのは、ウラギンシジミやムラサキシジミなどの蝶がけっこうやって来ること。やはり甘い匂いに誘われるのでしょうね。
今日の珍客はアオバトでした(写真)。私が見たのは、昨年の2月の早春にウメの花の蜜を求めてやって来て以来です。カキの実を食べた後、ムクノキの枝でのんびりと休憩。地面の上で採餌するキジバトなどと違い、アオバトは樹冠部で果実などを食べるので緑色をしているといいます。
見上げているので肩羽の様子がよく見えないのですが、ぶどう色も見えますので、♀なのか若い♂なのか。紅葉を背景にアオバトの緑色がよく映えていました。
2013年11月19日(火) 9:30〜12:30 晴
朝は冷え込んだものの、日中は好天になりました。石神井公園も紅葉が一気に進んできました。ケヤキやカツラ、エノキ、アキニレなどの雑木紅葉に加えて、真打ちのイロハモミジも良い色に。この紅葉を背景にエナガ、シジュウカラ、コゲラ、メジロなどの小鳥が飛び回って、花鳥風月の日本画の世界を描き出しています。
今日は旧住友グランドでハクセキレイの羽ばたきを見ていたら、そこにやや褐色味がかった鳥が、よく見るとこのところ話題のタヒバリ。ようやく見られました。ハクセキレイとは親戚ですが、見たところずっと地味な色合い。田んぼの畦などによく隠れています。
三宝寺池では2羽になったオオバンが仲良く?並んで泳いでいました。♂♀としても恋の季節もう少し先だと思うのですが。オオタカは今日もカラスに追われて飛びまくり。この若鳥はすっかり三宝寺池に居着いてしまったようです。
灌木や笹藪からはしきりとウグイスの笹鳴き。ウグイスと並ぶ繁みの鳥アオジは、今日はピラカンサスに出てきていました(写真)。赤い実に黄緑色のお腹のアオジ、これも初冬の彩り。
2013年11月17日(日) 9:00〜11:30 晴
今季初めての石神井公園のカモ調査でした。種としては、すでに来るべき冬鳥は皆姿を見せているのですが、まだまだ数が少ない。マガモ(写真)が♂3羽、♀8羽、カルガモが79羽、コガモがたったの♀1羽、オナガガモが♂8羽、♀1羽、ハシビロガモが♂3羽、♀2羽、キンクロハジロが♂6羽、♀3羽。合計で111羽。去年も記録的な少なさでしたが、それと比べても11羽も少ない数でした。11月のはじめまで暖かくて、南下が遅れているのでしょうか。
そんななか、石神井川ではセキレイ類が健在だったのが目に付きました。ハクセキレイ6羽、キセキレイ1羽の他、このところ記録されなかったセグロセキレイが登場。ジージーという声をなつかしく聞きました。
石神井川では去年はタシギやアメリカコガモが来てくれましたが、今年は沿岸の島地の草がすっかり刈られていて、これでは隠れるところがないなと心配になりました。
2013年11月15日(金) 9:30〜11:40 曇後雨
今週は寒い日が続きました。北関東の山にも雪が降り、冬鳥が平野に降りて来てと期待して出かけました。
カモはオナガガモ、キンクロハジロなどが少しずつ増えてきています。オオバンも三宝寺池に定着。季節外れの繁殖をしたカイツブリは、雛も泳ぐようになり親から餌をもらって元気。でも、これからどうなるのかな。
三宝寺池に入ると、シジュウカラが群れをなしてえさ台周辺に。しかし、それ以外は混じっていないようです。シジュウカラが潜り込んだ灌木の根元に、アオジが顔を見せました。先週から声は聞いていたけれど、姿を見たのは今季初めて。さらに水辺観察園の端から見ると、ここでもヤナギの木にアオジが。池の近くの木に絡んで、♂♀が2羽はいるよう。冬のお客さん、ようこそ。
浮御堂から見ると、水神様の上の木に鳥影。よく見るとツグミでした(写真)。こちらも冬の定番。これまた、初めて見ました。まだ来たばかりで警戒心が強いのか、カメラを向けるとクワーと鳴いてすぐに飛び立って誘致林の方向へ。
水辺観察園ではアワコガネギクが黄色い花を咲かせていました。ここではこれが最後に咲く花。花も昆虫も影を潜めて、鳥の季節です。今日は残念ながら、これ以外に冬鳥との出会いはなく、昼前には雨が降り出してすぐに撤退。それでも、冬鳥の訪れを確実に感じました。
2013年11月1日(金) 9:50〜13:00 晴
11月、石神井公園の紅葉も進んできました。一番進んでいるのは池の縁に立つヌルデ、カツラでしょうか。ヌルデはウルシの仲間で、黄色に朱の混じった色合いが何とも言えません。カツラは黄土色に変わって甘酸っぱい芳香を放っています。雑木紅葉というのは色が多彩で、味わいがあります。
背の高いラクウショウ、メタセコイアの落葉杉、ケヤキもだいぶ紅葉してきました。イロハモミジも頭から次第に赤くなってきています。
そんな雑木林の中を、ヤマガラが飛び回っていました(写真)。よく見ると、エノキの実をくわえているようで、枝に止まってしきりに突いています。ヤマガラのお腹の褐色が周囲の雑木紅葉に溶け込んでいます。
池では今日はヒドリガモの♀が見られましたが、一昨日のホシハジロは姿を消しています。渡りの季節は、いろいろな鳥も冬場の落ち着き先を見極めようと、あちこちの緑地や池を渡り歩いているようです。今年はどんな鳥が居着いてくんでしょうか。
2013年10月30日(水) 9:30〜12:30 晴後曇
記念庭園はカキノキが今年は豊作で、たくさんのカキが実っています。しかし、まだ堅いのか鳥が食べた後はほとんどありません。鳥は実が食べ頃となる時期を本当によく知っていて、あっという間に食べ尽くしてしまいます。でもこれだけあれば、しばらく楽しめるというもの。
旧住友グランドの芝生ではやはりハクセキレイ。今日は17羽を数えました。市民農園続きの林では、今日もモズが高鳴き。葉の落ちたサクラの木の上がお気に入り。
三宝寺池にはオナガガモの群れに交じってホシハジロの♂(写真)。今季初認です。中之島のあたりではコガモが出たり入ったり。ボート池のキンクロハジロ、ハシビロガモ、マガモ、そして数の多いカルガモと会わせ、通常、冬期に石神井公園の周辺で見られるカモ7種類がこの日は出そろっていたことになります。11月に入れば7日は立冬ですからね。
2013年10月28日(月) 9:50〜12:30 晴
まず記念庭園。カルガモの群れと離れて、小島の陰にマガモの♂エクリプスが身繕い中。旧住友グランドの芝生ではやはりハクセキレイ。史跡公園に行くと、先週までの枝降ろし作業は終わっていて、静かです。しかし、どの木もさっぱりと剪定されていて、小鳥の隠れるところがあるのかと心配に。
三宝寺池の北側を回ると、アオゲラの声が。目の前の木でしきりと虫を探しています。頭の後ろまで赤い♂。とてもしばらくぶりでした。
浮御堂まで来るとちょうどオオタカが池の上を飛んでいて、カラスが20羽近くも追いかけてまるでパレード。賑やかといえば賑やか。オオタカはいつもの亜成鳥で、すっかりこの周辺を縄張りにしているようです。中之島では作業をしているようで、コサギやゴイサギも飛び出してきました。
一緒にいた人の声で、水神様の上の木を見るとジョウビタキの♂がちょこんと止まっています(写真)。あっという間に飛び去ってしまいましたが、これが今季の初認。冬鳥の季節は進んでいます。
注目を集めているカイツブリの巣では、雛が数日前にかえったそうで、巣に座った親鳥の羽の中で暖を取り、時々餌をもらっています。沼エビなどがまだいるようですが、寒さに向かう中で育ってくれるのかこれも心配です。
2013年10月17日(木) 9:40〜12:30 晴
先週末には冬鳥の情報があって、台風が去った後は何か来ているかと期待させます。記念庭園の池にはカルガモばかりが20羽も。旧住友グランドにはハクセキレイが6羽。西側からはモズの声。いたいた、民家のアンテナの上。その後、野草公園のサクラの木に移りました。♀です(写真)。
三宝寺池ではアオサギとコサギ、ゴイサギくらい。このところ定着していると思っていたコガモが見当たらない。梅林付近ではシジュウカラの群れが見えただけ。野鳥誘致林を巡ると、端の方で小鳥がついと現れ、良く見るとキビタキの♂。しかもきれいな成鳥でした。
浮御堂には今日もお知り合いの方々がいて、誘致林の方からカラスに追われてオオタカが現れました。毎度のパターンですが、猛禽を代表するオオタカにしては何だか情けない。
ボート池の南側をたどるとカイツブリの巣は台風にも持ちこたえていました。浮巣というのはけっこう頑丈なんです。さらに進むとオナガガモの♂、ハシビロガモの♂と♀がいました。ハシビロガモは今季初めて。台風が去って、秋も深まってきました。
2013年10月12日(土) 9:40〜13:00 晴
まだまだ暑い。石神井公園へ。東側から順に回っていくと、史跡公園のホオノキの実が熟したところにコゲラが来て種をつつき出そうと。ところがぽろりと落下。一緒にいた方が拾って見せてくれて、種の大きさに比べて食べられる部分の小さいこと。コゲラには報酬の少ないお仕事でした。
三宝寺池川の梅林入り口付近ではやはりカメラを構えた人たちが集まって、ヒタキ類を待っている様子。よく見ると、高い枝に影が見えてお腹の白いヒタキ類。背中はやや緑色がかった茶でキビタキの♀と思われます。2〜3羽はいるようですが、高すぎる。
浮御堂では少し前にツミが飛んだよと聞きました。誘致林の方からはアオゲラの声が。なかなか出会えませんが。後は北側に船着き場からゴムボートがこぎ出して、コサギ、ゴイサギが追われたくらい。しばらくいてから、諦めて南側の木道をたどると、突然神社の側からカラスに追われてオオタカの若鳥が飛び出し、浮島の突出した枝に。これを数羽のカラスが周辺から嫌がらせ。オオタカも2度ほど飛んで威嚇(写真)、浮島の中の方に飛び去りました。
帰りに水辺観察園の端のところで、コウモリみたいなものがぶら下がっている。よく見るとナガサキアゲハが交尾しているところでした。夏の間、ナガサキアゲハの幼虫がこの付近のミカンの気に入るのを確認していますが、その個体だとすれば面白い。ただ、ナガサキアゲハも元々南方の蝶。これも温暖化の影響だとすれば、心配な話でもあります。
2013年10月10日(木) 9:40〜13:00 晴
石神井公園へ。ボート池の東端から記念庭園、旧住銀グランド、史跡公園、三宝寺池と回ると、住銀グランドでは消防団の訓練行事中。そこにハクセキレイが1羽だけ。先日は7羽もいたのに。訓練を横目に見ながら歩いて行くと、ギチギチギチと強い声。そうかモズだと気がつく。暑いので秋になったことを忘れていました。
史跡公園には鳥はいませんでしたが、黄葉し始めたカツラが上品な甘い匂いを放っています。キンモクセイの匂いもして、秋の香りのハーモニー。
三宝寺池側に入ると、梅林の付近にカメラを構えたおじさんが結集。キビタキを待っているそうです。浮御堂ではいつもの方々に若い人もいて、待つほどもなく誘致林川からカラスに追われたオオタカの若が飛び立ちました。若いのでカラスを適当にあしらうことに未熟なのか、同じようなところから何度も追い立てられています。ここでは、アオゲラの声も聞こえました。
秋といえば実りの季節。公園でもカキ、ムクノキ、イイギリ、クロガネモチ、トウネズミモチ、ヤマボウシ、アキニレといった果実が実ってきています。昆虫が少なくなってきて、小鳥もこれらの実りが主食になってきます。ムクノキの実は今が盛りで、たくさん落ちているものを拾って食べてみるとこれが甘くて美味。子供の頃、ヤマボウシが甘くなるのを待っていると、ある日小鳥に先を越されて食べられてしまったという思い出をもつ方もあるのでは。
果実で、見た目のNo.1はクサギ(写真)。青い実が赤い星形の台座に乗って宝石のように輝いています。この台座のように見えるものは花弁に付いていたガクだそうです。秋はいろいろと見所が多いですね。
2013年10月3日(木) 9:50〜12:00 晴
台風が去って、また新たな渡りの鳥が入っていないかと、石神井公園へ。ボート池の東端に自転車を置いて、記念庭園、旧住友グランド、史跡公園と回るが、ムクドリ、ヒヨドリ、シジュウカラくらいしかいない。これはだめかと思っていたら、しばらくぶりに会ったウォッチャーの女性が、さくら広場でコサメビタキを見たと教えてもらい、これまた久しぶりに会った先輩とそちらへ。
先週キビタキが出た付近では、カメラを構えたおじさんが手持ちぶさたそう。さくら広場で待つことしばし、シジュウカラ、コゲラの群れに交じって、樹冠部でホバリングをする小鳥が。双眼鏡で見ると、コサメビタキが2、3羽。やっぱり来ていたんだ。
あとは、オオタカの若鳥がいたという話を聞き、コサギ3羽、コガモ1羽、バン1羽を見た程度。帰る途中で、ボート池でまた巣を作ったカイツブリを(写真)。話では、卵が2個あるとのこと。春にもこの付近で巣を作ったものの、コイに巣を壊されたということがありました。急に気温が下がってくるこの時期に産卵して、無事に子育てが出来るものなのか。気になりますが、この日は自転車が壊れてしまって早々に修理に急ぎました。
2013年9月26日(土) 9:30〜13:00 晴
史跡公園から入って、しばらくいましたが何も見当たりません。出たところで知り合いの人に、梅林の方でキビタキがいるよと教えてもらって急行。到着すると、すでにカメラを構えた人がいて、実が付いたミズキの周辺を10羽くらいの小鳥が飛び回っています。キビタキの群れのようで、コサメビタキも入っているようです。なかにはキビタキの♂も見えました(写真)。キビタキの♀が散発的に入っているというのは聞いていましたが、こんな団体は初めて。
そのとき上空を猛禽の影が通過。サシバかもと追いかけたものの見つかりません。
このほか、池にはヒドリガモとオナガガモ、それにコガモが2羽、♂のエクリプスが泳いでいました。秋の渡りも本格的になってきています。そういえば、水辺観察園ではカリガネソウが盛りとなっていました。秋が深まって、楽しみな季節がやってきています。
2013年9月23日(月・祝) 9:00〜12:00 曇
今日は光が丘の探鳥会です。ただ、鳥はあまり見込みがなく、夏に引き続いて昆虫と樹木の観察が中心。
色づき始めた樹木には、すでにたくさんの果実が。バードサンクチャリの前の丘にあるイイギリ、センダン、クロガネモチ、トウネズミモチなどにはいっぱいに実がついて、まもなく熟すと小鳥がたくさんやってきそうです。
草原では、何と絶滅危惧種のオンババッタモドキも。ついでにエンマコオロギ、オカメコオロギ、ツヅレサセコオロギ、クサヒバリといった秋の虫の鳴き声も勉強しました。年配の女性の方が、ツヅレサセコオロギの鳴き声について、「肩させ、裾させ、綴れさせ」と冬支度を促して鳴いていると母から教わったと教えてくれました。当時の生活感が伝わってくるようなほのぼのとした話ですね。
また、トウカエデにぶら下がっている小型の恐竜のような姿をした、シロシャチホコガの幼虫を観察して、皆びっくり。こんなのがいるのですね。
鳥については、途中丘の上でカラの混群に出会った程度でしたが、最後にサンクチャリに戻ってコガモが4羽来ているのを確認(写真)。鳥合わせをしていたら、カラの混群の中に混じってサンコウチョウが出現し、大騒ぎになってしまいました。
2013年9月22日(日) 9:00〜11:00 晴時々曇
石神井公園の観察会に参加しました。気温も下がってようやく秋のさわやかさが感じられます。水辺観察園ではシラヤマギク、カントウヨメナ、ユウガギク、タイアザミ、ノハラアザミといったキク科の花、ミズヒキ、シロバナサクラタデなどのタデ科の花、それに赤紫のツリフネソウ、優雅な形のカリガネソウなどが咲き競って、秋の花園の様相です。
驚いたのは、三宝寺池の上を飛ぶギンヤンマの元気な様子。先日はウスバキトンボが圧倒的だったのに、今日はギンヤンマの天下、ウチワヤンマもいました。それでも、よく見るとあちこちにアキアカネなどの赤とんぼが止まっています。この色は日本の秋の色ですね。
秋の渡りヒタキ類は見られず、観察会のコースを外れたところにツツドリがいたという情報があっただけでした。
帰りにボート池の東側を通りかかるとゴキヅルが面白い実を付けていました(写真)。もう少しすると、この実が上下に分かれ中から2個の種が出てきます。いまではなかなか見られなくなった植物です。華やかではないけれど、貴重な植物が野生で残る石神井公園を大事にしていきたいものです。
2013年9月12日(木) 9:50〜12:30 晴
北の繁殖地に向かった夏鳥が帰る秋の渡りを見ようと、石神井公園に。まずサクラの多い地域で、ツツドリの姿を丹念に探しますが見当たりません。三宝寺池を一回りして目についたのはゴイサギの成鳥1、若鳥3と、アオサギ1くらい。
公園で会った人から区立の公園でコサメビタキを見たと教えていただき、そちらへ。着くと入り口に近いネムの木にカラの混群が来ているところ。一番多いのはエナガで15羽くらいか、シジュウカラも10羽くらい、コゲラも2羽。さらに高いところにホバリングをしながら移動していく小鳥が。ムシクイ類のようで、おそらくセンダイムシクイと思われます。何だかとっても嬉しくなりますね。
さらに待っていると小鳥が1羽飛び出して、どうやらこちらはコサメビタキ。混群には入らず、単独で行動しているようです。
この後、再び三宝寺池のサクラの多いところに。ここで会った人から、ツツドリが出ていると聞いて、しばらく待っていると池に近い方の木の上に飛び出してきました。高い枝に止まって毛虫を食べ始め、枝を移っては食べるという繰り返し(写真)。
ツツドリ、センダイムシクイ、コサメビタキと、南に帰る途中の夏鳥を見られて満足でした。
2013年8月29日(金) 晴時々曇
からっとした快適な陽気に誘われて、石神井公園へ。三宝寺池の北側さくら広場を中心に今日もツツドリを探しましたが、見つかりません。そういえば、地上を見るとツツドリの好むモンクロシャチホコの幼虫がほとんど落ちていません。自宅近くでは、至る所モンクロシャチホコが道の上に蠢いていいる状態なのですが、っこでは餌がまだ少ないということでしょうか。
池の上を渡る風はさわやかで、浮御堂で上空を渡る鳥を待ちました。最初はダイサギ、中之島から飛び上がって池の上を一周。さすがに美しい姿で、サービスしてくれました(写真)。次に外来種駆除作業のボートに驚いたのか、イソシギが1羽飛びました。直線的に飛ぶのでカメラが追いつかず、ブレぼけばかり。そのあとは、ドバトとゴイサギ、ツミも出たのですが、こちらは繁みから繁みへと飛んですぐに姿が見えなくなります。
中之島にいた鳥たちは作業用ボートに驚いて、石神井池か石神井川に飛び去ってしまったようです。この週末に来るという台風のあとには、秋の涼しさを期待したいところです。
2013年8月27日(火) 雨後晴
友人と葛西臨海公園を訪ねました。狙いは渡りのピークを迎えているシギ・チドリ、それに珍しいサギも。
10時前についてまず鳥類園の汽水池に。満潮を少し過ぎたところで、鳥はあまり多いとはいえません。のぞき窓に人だかりがしていて、ちょうどアカガシラサギが出ているところでした。換羽の途中のようで、あまりきれいとはいえませんが、特徴ははっきり分かります。
さらに回っていくと、別の観察窓からはホウロクシギ(写真)が見られました。ホウロクシギは日本で見られる最大のシギで、なが〜いくちばしが特徴です。泥の中にそのくちばしを突っ込んでなにやら探していると思ったら、大きなカニをゲット。しきりに振り回して脚を外し、胴体を飲み込んでしまいました。なかなか器用なものです。
潮位の関係もあったのか、チドリ類は見えず、シギもアオアシシギ、キアシシギ、イソシギ、ホウロクシギだけでした。このシーズン、鳥を思い切り見られるのは干潟だけなので、近いうちに再挑戦したいものです。
2013年8月26日(月) 曇後晴
そろそろ日本で子育てした渡り鳥が動き出す季節。ツツドリあたりが来ていないかと石神井公園へ。管理所前からさくらの広場にかけて丹念に探しましたが、それらしき姿はなし。そういえば、餌になるモンクロシャチホコなどのさくら毛虫もまだあまり出ていないようです。
水辺観察園のススキの下にはナンバンギセルの赤い花がたくさん出ていました。名前に似合わず、万葉集にも歌われている古来から親しまれた花で、「思い花」といわれていました。マヤランもひっそりと咲いていました。
三宝寺池をぐるりと回って浮御堂まで来ると、浮島でオナガの群れが大騒ぎ、そこにカラスに追われたツミが現れて、騒々しいことに。どうもツミは2羽いるようです。これからツツドリ、ヒタキの渡り、冬鳥の到来と、首が長くなります。
2013年8月9日(金)10:15〜12:30 晴
このところ体調を崩していたので、石神井公園は久し振り。いや〜暑いですね。三宝寺池川に入ってすぐに城趾の方からカラスに追われてオオタカが出てきて、すぐに南側に飛び去りました。カメラが間に合わず、しっぽだけ。よくあることですが。
三宝寺池の水辺観察園では、秋の花キツネノマゴにこれまた秋の蝶イチモンジセセリが止まっていました。確かに立秋は過ぎたのですがね。セミもツクツクボウシが多くなったような。奥にはキツネノカミソリ。ヒガンバナの仲間で、それより少し早く咲きます。
これだけ暑いのだからヤンマが止まっているのではないかと探しますが、なかなか。浮見堂でお話をしているとツミとサシバが飛びました。どうもツミに追われているようです。鉢合わせでもしたのかな。それにしてもサシバがこのあたりに現れるのは、ずいぶん早すぎるような気がします。一緒にいた人は10日は早いと言っていました。天候不順に惑わされたのでしょうか。
2013年7月28日(日) 9:00〜11:30 晴後曇
石神井公園の定例観察会がありました。夕べは雷雨でたっぷりと雨が降り、朝方は気温が低め。蒸し暑い陽気で出現する珍しいヤンマ類やアゲハ類は今ひとつでしたが、早くも咲き始めた秋の花、不思議な昆虫など見所がありました。
水辺観察園の入り口には秋の花、キツネノマゴが咲き始めヤマトシジミがたくさん。ハンゲショウは穂状の花がすでに実になっていて、葉の白い部分はすでにあせていました。花が受粉して実になったので、花に替わって昆虫を引きつけるという葉の白化の役割も終えたということでしょうか。今日は秋本番を告げるサワギキョウやハッカも目に付きました。
面白かったのは写真の昆虫。緑色のメタリックな輝きをもった甲虫です。その場で図鑑を開いてみるとミドリイツツバセイボウのようでした。ハチの中でもセイボウの仲間は、他の狩人蜂の幼虫に寄生するという生態をもっています。このメタリックな色は構造色といわれるもので、でこぼこした表面からの反射によって作られる色だそうです。いくら見ても見飽きない不思議な色ですね。昆虫の世界の奥深さを感じました。
2013年7月26〜27日 曇時々晴後雷雨
山歩きの仲間と長野県小諸の奥、高峰高原に行ってきました。宿泊しホテルはちょうど2000mに位置し、蒸し暑い平地とは別天地。まず、近くの高峰山というところにハイキング。ここは高山植物の宝庫ともいえるところで、ニッコウキスゲ、クルマユリ、ヤマブキショウマ、マルバタケブキ、ミネウスユキソウ、ハクサンフウロ(写真)などが咲き誇り、花好きの人にはたまりません。
翌日はいよいよ今回の目的地の水の塔山を目指して登りました。比較的なだらかなところですが、山頂の直下はさすがに岩場が連なり、脚力の衰えたものにはこたえます。それでもゆっくりと匍うようにして進み頂上へ。雲が空を覆っていましたが、夏霧が次々に湧いてきて本当に爽快です。
そのとき、イワヒバリの美しい囀りが響きました。高山の崖のようなところに住む鳥だけに目をこらして探しましたが見られませんでした。登り口から、ホオジロ、アオジ、ウグイスが良く聞こえ、少し上がるとコルリが多くなっていましたが、イワヒバリの声も聞こえるとは幸運でした。
2013年7月8日(月) 晴 10:00〜12:30
とにかく暑い。昨日野暮用で行けなかったので、少々強行軍。三宝寺池の水辺観察園ではハンゲショウの花が盛り。夏の花はもちろん、ミソハギ、アキノタムラソウ、ユウガギクなど秋の花が咲き出しているのには、季節の移ろいを感じて驚いてしまいました。
ハンゲショウ(写真)は花の替わりに葉が半分ほど白くなって、虫の気を引くという面白い植物。花はというと穂のように突き出たものに付いた小さな突起の一つ一つが花です。花が地味なので葉を目立たせて花粉を運んでくれる虫を集めようという作戦。良くできています。
ところで、ハンゲショウという名前の由来は二つあって、一つは葉が半分白くお化粧しているから「半化粧」というのと、72候の一つ「半夏生」の時期に咲くからという説があります。半夏生は昔は夏至から数えて11日目で、この日には毒の雨が降るから外出や農作業をしてはならないとされていたそうです。
梅雨もだいぶ暑くなる頃で、悪い季候とドクダミ科の何となく気持ちの悪い姿のハンゲショウが結びついてしまったのでしょうか。植物に罪はないのに。
もう一つの目的が夏のヤンマを探すこと。池の周りをぐるりと回ると、ようやくマルタンヤンマ(写真)が見られました。東京23区では本当に珍しくなってしまった生き物です。朝とたそがれに飛んで、暑い日の昼間は木陰で枝にぶら下がって暑さをしのぐという変わった生態のトンボです。トルコ石にたとえられる複眼を見ると、三宝寺池も昔はこんな澄んだ色だったのかと感慨があります。アオコの浮かんだ池をヤンマはどんな思いで飛んでいるかと考えてしまいました。
2013年6月22日(土)、23日(日) 晴時々曇
雨がちでなかなか石神井公園にも行けなかったのですが、この週末は、続けて行くことができました。
この季節は、花は初夏と盛夏の端境期という感じで、余り期待できません。それでも、白いオカトラノオ、シロネ、ハンゲショウ、ピンクのチダケサシ、池のなかでは黄色のミズキンバイなどが咲き出していていました。
鳥はボート池でも三宝寺池でも、カルガモ、バン、カイツブリがヒナを連れて餌をついばみ、小鳥もシジュウカラ、ヤマガラ、コゲラの巣立ち雛が大騒ぎをしています。でも、やはり寂しさはまぬがれません。
活発になるのが昆虫です。池の上を飛んでいるたくさんのトンボ、その大半はコシアキトンボですが、なかにオオヤマトンボ、ギンヤンマ、ウチワヤンマなどもいます。さらに、芦原のなかではチョウトンボ、キイトトンボ(写真)、アオヤンマなどのちょっと珍しいものも。これからは、美しいマルタンヤンマやヤブヤンマなども出てきてさらに賑やかになるはず。
なぜか蝶は余り出てきませんでした。アゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、キタキチョウ、モンシロチョウ、ヒカゲチョウ、ヒメジャノメくらいで。ちょっと寂しい状態。観察会のあった日曜日、最後にミドリシジミ(写真)が見られて満足しました。昼近くだったので、羽を開いて美しい金属光沢を見せてはくれなかったのが心残りでした。
2013年5月26日(日) 9:00〜11:20 晴
今日は石神井公園の観察会に参加しました。すぐにヒナを連れたカルガモ母さんが出現。草の影でよく見えませんが10羽以上はいる様子。いつものことながらほほえましい光景です。
水辺観察園の向こう側から聞こえてくるのはギョギョシギョギョシというオオヨシキリのやかましい囀り。浮島東側の葦の群落の中に3日ほど前から潜んでいるのですが、声が大きいわりにここに来るオオヨシキリはなかなか姿を見せません。今日も、南側を通ったときに飛ぶ姿がちらりと見えただけ。
野鳥誘致林を通ったときにジョリジョリという小さな声を聞いて、メボソムシクイかと話していたら、カワセミのお立ち台付近で知り合いの方から出ているよと教えてもらって、イロハモミジの若葉の中を動き回る姿を見られました。朝にはこのあたりでサンコウチョウも鳴いていたとか。メボソムシクイまで来てしまうと、夏鳥の季節はお終いという思いも。
替わって活発に動き出すのは昆虫。とくにトンボは、この日もクロスジギンヤンマ、ギンヤンマ、ウチワヤンマ、アオモンイトトンボ(写真)、モノサシトンボ、コシアキトンボなどが出現しました。
水辺観察園もカキツバタがほぼ終わり、ノハナショウブが開花しました。これからアジサイが咲き出すと梅雨の季節です。
2013年5月21(火)、22日(水) 晴
横浜の友人と一緒に泊まりがけで清里・野辺山高原の探鳥に行ってきました。宿に入る前に清里では清泉寮の周辺をゆっくりと散歩。昔来たときの記憶ではもう少し鳥影が濃かったように思いましが、林ではキビタキ、センダイムシクイ、それにサンショウクイの声を聞いた程度。シジュウカラ、コガラ、エナガ、ホオジロなどの常連も少ない。
むしろ、宿の食堂前に置かれた水場の方が、それほど珍しいものはありませんが次々に小鳥がやってきて楽しませてくれました。しかし、ここでもガビチョウ。うんざり。
翌日は4時過ぎから野辺山探鳥に出発。八ヶ岳が朝日に染まるなか、開拓地を車で案内してもらって贅沢な鳥見。カッコウやホトトギスの声を聞きながら進むと、ノビタキ、ホオアカ、ホオジロ、アオジ、ヒバリ、ノスリなどの草原性の鳥が次々に現れて楽しませてくれました。住宅地付近ではかわいいコムクドリ(写真)、最後にはオオジシギも見られて大満足でした。
帰りにはオオルリの声を求めて吐竜の滝という所に行ってみたのですが、カワガラスの姿とキビタキの声だけ。あとの囀りはどうもガビチョウのようでした。
2013年5月17日(金) 晴 9:30〜11:30
雨上がりの好天となり、サンコウチョウを期待して石神井公園へ。しかし、夏鳥はといえば野鳥誘致林でキビタキとセンダイムシクイの声を聞いただけ。全体に静かなものでした。
あとは水面に目を向けると、スイレンの葉の上をクロイトトンボが飛び交っています。鳥の季節も終わりに近づき、昆虫の季節がすぐそこに。
その分、植物観察をじっくりとしました。足下にはホタルブクロ(写真)、目線の高さにはスイカズラ、ノイバラ、頭の上にはエゴノキ、ハコネウツギ、ヤマボウシ、ミズキ、トチノキ、センダンなどの花。もう夏の景色です。
エゴノキは水際に白い花を散らして、林縁の女王と言われる風情。トチノキは、見上げる高さに白いろうそくのような花を咲かせています。いつでも楽しませてくれるものがある公園です。
2013年5月3日(金) 5:40〜9:10 晴
GWの後半戦初日とあって、遠くに出かけた方が多いようですが、今日も石神井公園へ。今朝はあちこちからキビタキ、センダイムシクイ、エゾムシクイの声が聞こえてきます。とりわけセンダイムシクイの元気な声は、初夏を感じさせます。
水辺観察園からサクラ広場へと進むと、突然ヒヒヒジョビジョビジョビという大きなコルリの声、しかも樹上から聞こえてきます。コルリはウグイスと同様にヤブのなかで鳴くバードウォッチャー泣かせの鳥。あわてて探しましたが、散歩の人が来たのかすぐにヤブのなかに消えてしまったようです。残念!
今朝は気温が低かったせいか、キビタキなども茂みに潜ってしまっているようで、なかなか見つかりません。じっと目をこらすと、茂みのなかに黄色い点が見えたりしました。キビタキです。
また、ツバメも低温のせいで虫が低いところにいるのか、水面ギリギリを旋回しているのが目立ちます。GWの期間にどんな鳥が来てくれるのかわくわくする想いです。
2013年4月25日(木) 5:40〜9:50 晴
昨日は南の風に雨、今朝は夏鳥が降りていないわけはないと信じて早朝から石神井公園へ。水辺観察園の先のところで大きな声で囀っている鳥、キビタキです(写真)。1年ぶりに再会に心が弾んできます。
でも高くて、その上若葉もけっこう茂ってきていてなかなか見つかりません。ぐるりと一回りしてきてからもう一度探すと、けっこう低いところに降りてきてくれて、ようやく写真が撮れました。
しかし、夏鳥はこのキビタキだけ。後は相変わらずアオゲラが大きな声で叫んでいるだけで、音なし。先週はオオルリを見、センダイムシクイの声も聞きましたが、なかなか次々にというわけにいきません。でも、これからに期待しましょう。
水辺観察園はスプリングエフェメラルが一巡して、フタリシズカの他はヤブタビラコばかりが目立ちます。初夏の花へのバトンタッチに、これも期待です。
2013年4月1日(月) 10:00〜12:15 晴
今日から新年度。気を引き締めてがんばっている現役の皆様には申し訳ないと思いながら、天候が回復したのでしばらくぶりに石神井公園へ。
まず、このところ話題になっている石神井川のアメリカコガモを探していると、顔見知りの方にタシギのところで会い、居場所を教えてもらいました。♀と一緒にのんびりと寝ているアメリカコガモを発見。確かに胸元に垂直な白線が見えます。一緒にいる♀もアメリカコガモなのか、これはどの図鑑を見ても普通のコガモとは識別不能と書いてあります。
三宝寺池に行くと、アオゲラが大きなドラミングの音を響かせている下で、カメラマンのおじさんたちはカワセミを追って右往左往。人気者は違います。
今日は気温が少し上がったので、チョウを重点的に見ました。ヤマザクラ園地ではショカッサイが絨毯のように咲いていましたが、その上を飛ぶチョウの姿はなし。河岸を変えて野鳥誘致林のショカッサイのところにしばらくいると、2頭の白いチョウが。ちらちらと舞う羽をよく見ると黄色い模様があって、これはツマキチョウです(写真)。春の妖精に出会って感激。近くでは、ベニシジミもあでやかな姿で登場。まさに春本番。
2013年3月24日(日) 9:00〜11:00 曇
今日は石神井公園の観察会です。花散らしの雨が心配されるなか、自然を愛する人たちがたくさん集まりました。
この一週間ほどで水辺観察園は景色が一変するほど、春の花が一斉に咲き始めました。寒かった冬から、3月に入って急に気温が上がったためか、貴重種のミツガシワ、カキツバタを初め、ジロボウエンゴサク(写真)、ニリンソウ、キランソウ、アマナ、マルバスミレなどが咲き誇っていました。ミツガシワ、カキツバタなどは例年ゴールデンウィーク頃に咲きますから、1週間ほども早い開花。北国の春ではありませんが、春の花と初夏の花がいっぺんに咲いています。
それに比べると冬鳥はカモも、ツグミなどの小鳥もぐっと少なくなっています。替わって、シジュウカラは恋の歌を囀って♀を呼び、ウグイスは囀りの練習に余念なく、カラスまで巣材を集めて飛び回っています。やはり春です。そんななか、ミソサザイがレンギョウの花の中でのんびりと毛繕いをしていました。早く山に帰って、渓流で縄張りを確保しなくていいのかね。まさか、三宝寺池で営巣?
気温が今ひとつ上がらなかったので、蝶は飛びませんでしたが、水の中ではアズマヒキガエルのオタマジャクシが泳いでいました。いい季節の到来です。
2013年3月11日(月) 10:00〜12:30 晴
春先はなぜか珍鳥の季節。というわけでもありませんが、評判のノハラツグミを見に多摩川に行ってきました。ノハラツグミには思い出があって、10年ほど前に埼玉県に現れたときに、仕事が重なって見に行くことができませんでした。
ノハラツグミ(写真前)は、シベリアの中西部で子育てしてヨーロッパで越冬する鳥で、シベリア東部で繁殖して日本など東アジアで越冬するツグミとはかなり様子が違います。シベリアで日本に来るツグミと混じって、こちらに来てしまったのでしょう。
頭部から背中にかけて灰色で、なかなか高貴なイメージのある鳥です。大きさも普通のツグミより少し大きいようです。芝生をあちこちつついて、どうやらミミズを探している様子。時々地中らかミミズを引っ張り出して食べていました。
天気は良し、開放感のある河川敷で晴れ晴れとした気分でした。
2013年3月10日(日) 9:50〜12:40 晴一時煙霧
石神井川にタシギがきていると聞いて、まず川へ。知り合いの方から教えていただいてすぐに見ることができました。ゴミの山に隠れるように潜んでいて、保護色が利いています。ただ、数日前に来たときには、たくさんいたカモ類は今日は少なめ。
三宝寺池周辺では、ようやく春の花が開いてきました。アズマイチゲ(写真)は満開、ニリンソウ、カントウタンポポ、ヒメウズ、セントウソウ、アオイスミレ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリも見られます。
さらに、コスミレを探して池渕史跡公園に行くと、南西の隅の方に今年も咲いていました。このところの暖かさで、一気に咲き始めたのでしょう。これで、アリアケスミレも生き残っていればいいのですが。
さらに、黄色が鮮やかなキタキチョウやキタテハ、ウラギンシジミなどの成虫越冬の蝶も飛んでいました。春全開です。
2013年3月9日(土) 10:30〜12:30 晴
光が丘公園を一回り。近頃はシメの大きな群がやたら目立ちます。次第に北に帰る日が近づいて、近隣からも仲間が集まり大きな群になって越冬地へと向かっていくのではないでしょうか。なかなか壮観です。
公園中央付近で、エナガ、ヒガラ、メジロ、コゲラなどの群れを追っていたら、突然アカゲラ(写真)が出現。周囲の枯れ木をたたき始めました。ここでアカゲラを見たのはごく久し振り。頭部に赤みのない♀で、何だかうれしくなります。
トイレの近くの側溝のフタの上に何かがひらひらしていると思ったら、テングチョウがひなたぼっこ。成虫で越冬して、春の陽気に誘われて出てきて、まず体を温めているよう。サンクチャリの近くでは、2頭のキタテハが早くも追いかけっこをしていました。春を感じます。
おかしかったのは、奥の水場に行ったら、ヒキガエルが10匹ほども集まって蛙合戦の真っ最中。小さな水場を格好の産卵場所と思ったのか、交尾をしたり産卵したりと大騒ぎでした。小鳥もこの騒ぎを敬遠してか、全く寄りつきませんでした。
2013年3月6日(水) 10:00〜14:30 晴
友人がやってきて、ヒレンジャクを見に秋ヶ瀬公園に行ってきました。ヒレンジャクの好きなヤドリギのある付近にはすでに数十人のカメラマンが、囲んでいました。
よく見ると、ヒレンジャクはヤドリギの周辺に21羽ほど群れています。歌舞伎役者の隈取りを思わせるような黒い過眼線が冠羽まで伸びている、特徴のある姿です。飛ぶと、尾羽の赤色が印象的(写真)。毎年1度は見たい鳥です。
周辺の林を回ると、エナガ、キクイタダキ、コゲラ、ヒガラ、シジュウカラなどの混群と遭遇。しかし、数は次第に少なくなってきている印象です。
さらに、別のポイントではアオゲラが見えました。秋ヶ瀬公園では、アカゲラはいつも見られるが、アオゲラが入るのは珍しいそうです。でも、この周辺ではいつも見られるホオジロやカシラダカが全く音無。やはり春の移動を始めているのかな。
2013年2月24日(日) 9:00〜11:00 晴強風
今日は石神井公園の自然観察会でした。寒くて風が強い中を20人が集まって、三宝寺池周辺を回りました。
水辺観察園では、ようやく春の花が咲き始めたところ。寒さのため開花が遅れていたアオイスミレ(写真)、セントウソウ、アズマイチゲ、外来種ですがオオイヌノフグリが小さな花を付けました。例年は、1月頃から咲いているヒメウズもまだ。ニリンソウは群落がだいぶ大きくなってきて、あと一息。この寒さが一段落して気温が上がってくれば、一気に咲き出しそうです。
水辺観察園を出ると、高い枝に小鳥がちらほら。シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、メジロのほか、尾の長いエナガ、キクイタダキも見えます。ただ、一時のような大きな混群ではなく、小さな群です。キクイタダキなどはまもなく繁殖地へ旅立つことでしょう。
ゴイサギが20羽近くも止まっている池の周辺の水辺で、小さな鳥が動いていて、ミソサザイでした。これも今年のトピックの一つ。三宝寺池で見られたのは久し振りです。この後、ルリビタキの♂も姿を見せました。
3月になると、カモを初め小鳥たちもそれぞれの営巣地へと移動を始めます。冬鳥の最後の姿に名残を惜しみました。
2013年2月17日(日) 9:00〜12:00 晴
石神井公園の水鳥調査に参加しました。三宝寺池、石神井池、記念庭園、石神井川と回って、カモ類は総計で182羽。11月が122羽、12月221羽、今年の1月197羽でしたから、12月をピークに減り続けています。
内訳は、マガモ8羽、カルガモ114羽、コガモ13羽、オナガガモ26羽、ハシビロガモ12羽、キンクロハジロ8羽、それに今回初めて記録に載ったヨシガモ♀が1羽でした。ヨシガモは記念庭園の池にいました。コガモの♀に似ているのですが、記念庭園ではコガモの♀の近くで泳いでいて、三列風切りが少し垂れた様子、緑色の翼鏡などの違いがよく分かりました。
種類別の増減では、オナガガモとキンクロハジロが大きく減っているのが目立ちました。オナガガモ♂の尾羽も長くなって(写真)、どのカモもカップルになってきています。暖かい日が続けば北帰行も始まることでしょう。
2013年2月9日(土) 13:00〜15:20 晴
石神井公園の観察会に参加しました。水辺観察園には落葉を持ち上げるようにして、春一番のアオイスミレとセントウソウ、オオイヌノフグリが咲き始めていました。北側ではロウバイ、ウメも開花。立春は名前だけではないのです。
北側の木道を進むと、突然ルリビタキの♂が登場。噂だけは聞いていたのですが、見るのは初めて。やっぱり、あでやかです。
一昨日はあんなに近くにいたキクイタダキは針葉樹の高い枝から下りてきてくれません。枝移りを眺めるばかり。餌となる虫の居所が変わった? そういえば、今日は全体に鳥の出方が控えめ。小鳥もそろそろ繁殖を意識したり、北帰行の準備を始めたりする季節となったのでしょうか。
2013年2月7日(木) 9:10〜12:00 晴
横浜の友人が来て、一緒に石神井公園で鳥見をしました。
いつものようにボート池の東側に自転車を置いて、待ち合わせ場所の三宝寺池入り口へ。途中、記念庭園に寄るとカラの混群に出会いました。地上にはアカハラも。しかし、池の近くで工事があり、池にはカモはなにもいません。旧住友グランドの芝生にはカワラヒワが30ほど、ツグミも3羽。
友人と落ち合ってから、三宝寺池の周りを回ると、北側で早速キクイタダキに出会い、幸先良し。池ではバンの♂同士が♀を争って威嚇し合い、うるさいこと。そういえば、カワウの♂はすでに頭が白くなっているし、コサギも繁殖羽が出始めています。オナガガモの♂の尾羽はすでに伸びきって、求愛行動を開始。水鳥は恋の季節の真っ最中。
お目当てのミソサザイは、池の南側で見られました。小さい上に焦げ茶色で、見つけにくいのですが、倒木の上に出てきて姿が見えました。良かった。この近くのレンギョウにも、キクイタダキが現れて目線の下で見られました。一時♂のオレンジ色の頭央線が見えたのですが、シャッターが遅れて少しオレンジ色が見える程度の写真になってしまいました。
2013年1月24日(木) 10:15〜13:00 晴
朝方の雨が止んで日が差し、石神井公園の付近の畑からは湯気が立っていました。この陽気に誘われたのか、小鳥が賑やかになり楽しませてくれました。
記念庭園では、シロハラの声に続いてシラカシの枝にルリビタキの♀、さらに付近にキクイタダキが2羽。
旧住友グランドの芝生は雪がすっかりなくなり、カワラヒワが50羽ほど、ツグミが16羽、ハクセキレイが2羽の他、ジョウビタキの♀1羽も。何だかうれしくなります。
三宝寺池の周りはカラの混群が賑やかで、特にキクイタダキが6羽ほど目線よりも低いところに現れて、鳥カメおじさんたちを夢中にさせていました。雨上がりで湿度があり気温が上がったせいか、地上に近いところに羽虫の柱があちこちに。カラの混群はこれを狙って降りてきたのでしょう。
今日のトピックはミソサザイに出会えたこと。突然足下の藪に出てきてびっくり。先日から探していた甲斐がありました。アキニレの枝にはマヒワの小群も見られました。
池の周りでは、コブシやネコヤナギのビロードの冬芽が日ごとに膨らんできて、春の兆しを感じました。ただ、この週末からはまた寒波とか。立春が待たれます。
2013年1月21日(月) 9:30〜12:30 晴
昨日は来られなかったので、石神井公園に。記念庭園の池には一部氷があってコガモの♂が1羽だけ寒そうにしていました。旧住友グランドはまだ一面雪で、鳥の姿はなし。一昨日は近くの駐車場の木にカワラヒワが30羽ほど止まっていましたが、これも見えません。
三宝寺池の水辺観察園付近はキクイタダキを撮ろうとするカメラマンが、平日にもかかわらず30人近くも集まって、小さな鳥を囲んでいます。何だか異様な雰囲気。一昨日声を聞いたミソサザイは見つかりませんでした。
ところで、花のことも少し。中之島のハンノキが花盛りになりました。遠くから見ると、ぼーっと褐色にかすんでいるようです。写真のソーセージがぶら下がったようなものが雄花で、小さな雌花も近くにあります。この後、ウメ、ロウバイ、マンサクと続いてくれることでしょう。
なお、昨日は水鳥調査の日でした。参加した人から教えてもらったところでは、マガモ8、カルガモ105、コガモ9、オナガガモ35、ハシビロガモ11、キンクロハジロ25で、計197羽だったそうです。12月の調査よりも25羽減っているのが気になるところです。
2013年1月19日(土) 9:50〜13:00 晴
14日の雪以来初めて石神井公園へ。雪で様変わりしていたのは三宝寺池の中之島。枯れ葦などがほとんど倒れて、すっかり見通せるようになっていました。いかにも島という感じです。
鳥の方は、ツグミくらいの大きさの鳥が目立って、シジュウカラくらいの小鳥は余り目立ちません。とくに、イイギリやセンダンといった高い木に実がほとんどなくなり、あれほどいたヒヨドリが減って、この間まで見られなかったムクドリが地上で採餌していてかなり目立つようになってきました。
小鳥のなかではメジロが活発です。まだ残っているノイバラなどの実を初めサザンカの花にもやってきて、蜜を吸っています。サザンカの花粉で頭が黄色くなっているものも。昆虫のほとんどいないこの時期、花粉を媒介してくれる小鳥は貴重です。
水辺観察園ではチョというミソサザイの声を聞きました。明日は大寒。春は遠いですね。
2013年1月4日(金) 9:30〜12:15 晴強風
新年あけましておめでとうございます。今年初めての石神井公園探鳥をしました。
いつものようにボート池の東端に自転車を置いて、記念庭園から。入るとすぐに松の木のあたりを見上げている人がいて、よく見るとカラの混群でエナガとキクイタダキも見えました。今年もかわいい小鳥たちに迎えられて、上々の鳥見初めです。池にはコガモが15羽ほど、後はカルガモだけ。
旧住友グランドの芝生は、野球の練習があって、降りている鳥はなし。史跡公園の方に回ると、シメ、ハクセキレイなどが見えました。しかし鳥は少なめ。
三宝寺池は相変わらずカモは少なめですが、記念庭園の池にいたものかどうか分かりませんが、マガモの♂♀が2羽ずつ。オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロなど、一通り入るのですが、やはり数は少ない。なかで、このところ定着しているヨシガモの♀は今日もいました。
池の周りでも、カラの混群に2度遭遇。なかでもエナガ(写真)の数が多いようでした。エナガは例年ならこの時期から群れを離れて営巣場所を探すつがいが現れるのですが、気候が厳しいのでまだその気にならないということでしょうか。
この後、三宝寺池をご神体として祭る氷川神社に初詣をして、今年の鳥運をお祈りしました。たくさんの鳥たちが来てくれる環境を守っていかなければと思いを新たにしました。
2012年12月31日(月) 9:20〜12:20 曇時々薄日
今年の鳥見納めに出かけました。日差しはなく、それなりに穏やかな日和でした。
鳥は、カラの混群に2度出会い、エナガ、ヒガラ、キクイタダキなどに出会うことができました。環境が厳しくなると群れが大きくなるといいますが、ほどほど。かわいいメジロも残り少なくなったコムラサキシキブの枝で年越しの餌をついばんでいました(写真)。
夏から秋にかけてあれほどいたムクドリがほとんど見られなくなったと思ったら、小さな群れが旧住友グランドの芝生に。先日は三宝寺池中之島の高い木の上に1羽だけ。どういう行動様式なのでしょうか。
今年は晩秋から冬の初めにウソ、マヒワなどが賑やかに現れましたが、その後やや寂しくなっています。これからどうなっていくのか、それも楽しみです。
世の中は激動のなかで、ややきな臭さも漂ってきています。こうしてのんびりと鳥見ができるのも平和のありがたさ。そのことに思いを致して今年も終えました。
2012年12月23日(日) 9:00〜11:00 曇
今年最後の観察会に参加しました。寒い日でしたが、早朝からたくさんの人が集まって観察会が始まり、もっぱら鳥の姿を探しました。水辺観察園のところで最初に出てきたのはシメ。エノキの堅い実を強い嘴で割って食べていました。そこにアオジが登場、近くのピラカンサの木に移って、鮮やかなお腹の黄緑色がよく見えました。
池の冬ガモはキンクロハジロが多くなり、ハシビロガモもそこそこ見られましたが、オナガガモは♀が3羽、マガモも中之島に♂♀が1羽ずついただけでした。このところ話題のヨシガモの♀は現れてくれませんでした。全体に少ないまま。
池の端で目立ったのは、アオサギとゴイサギ。アオサギは4羽、ゴイサギは幼鳥も含め て15羽を数えました。
野鳥誘致林はイロハモミジの最後の紅葉が鮮やかでしたが、鳥の姿はなく、通り過ぎようとしていたところにキョキョと鳴き声を響かせてアオゲラが登場。クヌギの木をどんどん登っていく姿が見たられ、観察会はようやく盛り上がりました。
カラの混群は観察会の始まる直前に見かけて、キクイタダキやヒガラ(写真)も確認しました。
2012年12月16日(日) 9:00〜11:00 晴
12月の水鳥調査に参加しました。11月の調査に比べて100羽増えていましたが、カルガモの増え方が大きく、他の冬ガモは少しの増加でした。
マガモ10羽、カルガモ127羽、コガモ15羽、オナガガモ37羽、ハシビロガモ9羽、キンクロハジロ23羽、そして話題のヨシガモ♀1羽(写真)でした。合計122羽となります。11月の調査の時には122羽でしたから、ちょうど100羽増えた勘定です。
11月の時は強風ということもあったのか、石神井川で多くのカモが見られたのですが、今回は石神井川は少なく、三宝寺池、ボート池などに移動していたようです。
このほか、今回も石神井川で5羽のキセキレイ、ボート池で3羽のオオバンが見られました。
この冬はいっそう寒くなるとの予報なので、さらに多くの冬ガモが南下してくることを期待したいものです。
2012年12月11日(火) 10:00〜13:00 晴
ボート池の東側からぐるりと一回り。ボート池はオナガガモ、キンクロハジロ、ハシビロガモ、カルガモ、オオバンが3羽、カイツブリが2羽。マガモに似たものを含めアヒルが2羽、かつては西側の島のあたりに住み着いていましたが、最近は東側がお気に入りのよう。
記念庭園の池にはマガモ、コガモ、カルガモ。旧住友グランドにはハクセキレイ、カワラヒワ、シメ、スズメ。
三宝寺池に入ると、ひょうたん池のあたりでマヒワがアキニレの実をついばんでいて、そこにエナガの声がしたかと思ったら、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラ、メジロ、ウグイス、コゲラ、キクイタダキまで加わった大きなカラの混群が出現。こんなに種類が多い混群はしばらくぶりです。
とくにキクイタダキは2羽がシダレヤナギの枝に絡んで、すぐ頭の上まで降りてきてくれました(写真)。写真を撮ろうと意気込んでいるときは高いし遠いしでうまくいかず、思いがけないときに撮らせてくれる。小悪魔みたいな鳥、というのは人間の勝手な妄想。
2012年11月20日(火) 晴 9:50〜13:00
このところ出会えていないウソを撮ろうと、石神井公園へ。途中の住友グランドではハクセキレイの声だけでしたが、三宝寺池に着くとたくさんのカメラ愛好家がいて、すぐにアキニレの高いところにマヒワがやってきました。幸先良し。先に来ている人に聞くと今日も早朝にウソが現れたそうです。
マヒワやカワラヒワ、ヤマガラなどを見ながら待っていると、やはりアキニレの枝にウソ(写真)の登場。2羽いましたが、うち1羽はお腹が赤い亜種アカウソのようです。口いっぱいにアキニレのみをほおばっていました。マヒワといいウソといい、アトリの仲間は植物食ですが、アキニレの実は好物のようです。落ちているのを拾ってみると、薄い皮に包まれた小さな痩せた実です。腹の足しになるのかなと余計な心配をしてしまいました。
2012年11月18日(日) 晴 9:00〜11:00
石神井公園周辺のカモ調査に参加しました。三宝寺池、石神井池、記念庭園、石神井川と回って、総計122羽を数えました。内訳はマガモ8羽、カルガモ87羽、コガモ5羽、オナガガモ9羽、ハシビロガモ7羽、キンクロハジロ6羽でした。
去年の11月調査では208羽でしたから、昨年と比べてもかなり少ない数です。家に帰ってテレビのニュースを見たら、ようやく旭川や札幌で初雪と報じていましたから、カモの南下が遅れているのかもしれません。
石神井川ではハクセキレイ7羽の他、キセキレイが5羽も飛んでくれて楽しませてもらいました。
三宝寺池に帰ってくると、たくさんのカメラ愛好家がいて、待つほどもなくマヒワ(写真)の群れがアキニレにやってきました。時間がなくて写真は思うに任せませんでしたが、わくわくしてきました。
2012年10月28日(日) 8:00〜10:00 曇後雨
雨を心配しながらも、石神井公園観察会に参加しました。冬ガモはボート池にオナガガモの♂が5羽、ハシビロガモが♂2、♀1、記念庭園の池にマガモが♂2、♀2。三宝寺池を回っていると、マガモの♀でカルガモの血が混じっているようなのが1、コガモの♀が1、それに中之島の葦の間に赤い嘴のオシドリの♂が1羽見え隠れしていました。後はカルガモばかり。
水辺観察園でフジバカマ(写真)など秋の花を見ながら進んで、三宝寺池の北側のところでキョキョというアオゲラの声。と上を見るとハクチョウが1羽、東から西に飛んでいくのが見えました。コハクチョウかオオハクチョウかは分かりません。この直前にチョウゲンボウが飛ぶのも見えたそうです。
ぐるりと回って浮御堂に来ると、突然カラスが大騒ぎ。先頭にはオオタカが1羽。
鳥の動きが活発になってきています。冬鳥の到来を心待ちに、雨が降り出すなか、ヤマガラに送られて帰りました。
2012年10月27日(土) 8:20〜12:00 晴後曇
しばらくぶりに石神井公園へ。まずボート池の東側でカルガモのなかにオナガガモの♂が1羽。記念庭園の池にはマガモの♂♀が2羽ずつ。旧住友グランドでは、野球場の芝生にハクセキレイ1とこのところ鳴りを潜めていたムクドリが5羽。
史跡公園の方に回ると、知り合いの方にジョウビタキ♀がいるよと教えてもらい、今年始めてみることができました。
再びボート池に下ると、ハシビロガモの♂が2羽。オオバンも2羽が泳いでいます。オオバンはいつも晩秋から冬の初めてにかけて現れますが、今回はもう2週間以上滞在しています。この冬居着いてくれるのでしょうか。
三宝寺池を回ると、周辺の林や葦の中からチャチャというウグイスの声やチーというアオジの声がよく聞かれるようになりました。ツグミ平でエンジュの実に来ているシジュウカラの群れを見ていると、コゲラ、エナガ、メジロ、ヤマガラも表れて一気に賑やかになりました。なかに、黄色の目立つ小鳥がいて、よく見るとキビタキの♂です。秋のキビタキ♂をここで見たのは数年ぶりくらいでしょうか。
帰りにボート池で、コサギ(写真)がボートの上に1羽乗っているのを見ましたが、どうも蓑羽が出ているよう。恋の季節にはまだ早いのですがね。
2012年10月20日(土) 9:50〜12:15 晴
今日は大きなカメラは持たず、双眼鏡中心で歩きました。ボート池の東側にはカルガモが5羽とカイツブリが1羽。ここから、記念庭園へ。ここの小さな池にはコガモの姿はなく、カルガモが8羽だけ。旧住友グラウンドは少年野球の真っ最中でしたが、ボールが滅多にこないところではハクセキレイ3羽が芝生の上で虫探し。
史跡公園からボート池に降りてくると、西側でオオバンが1羽。さらに中之島方面では浮き寝鳥が2羽。よく見ると体の模様からハシビロガモのエクリプス♂のよう。次第に冬ガモも増えてくる時期。
三宝寺池の入り口では、サンゴジュ、クロガネモチがたくさんの実を付けていてシジュウカラ、メジロが来ています。今年は、カキノキ、イイギリの生りものが不作のようで、この実りは貴重です。
水辺観察園は、フジバカマ、ミゾソバ、ノハラアザミ、ツリフネソウ、ハッカなど秋の花が咲き乱れて、ツマグロヒョウモン、ジャコウアゲハも吸蜜に。ツリフネソウが好きなホシホウジャクが見えないのはなぜ。
水辺観察園の西側では、土曜日とあってまだ残っていたマミチャジナイを撮ろうと、たくさんのカメラ愛好者が集まっていました。ただ、三宝寺池ではゴイサギとカワウ、バンがそれぞれ1羽見られただけでやや寂しい。気温が低くなったせいか、トンボもほとんど現れません。
と、木道のところでエナガ、シジュウカラ、コゲラの混群が出現。そこにヤマガラが。声は何度も聞いていたのですが、見たのはこれが初めて。やっぱりかわいい。
ボート池の南岸がたどると、オオバンが2羽になっていて、そこにキンクロハジロも現れました。さらに進むと、岸辺のエゴノキのあたりでニーニーというヤマガラの声(写真)。よく見ると3羽がエゴの実をついばんでいました。あわててカメラを取り出してぱちり。証拠の写真が撮れました。鳥もケッチャップみたいなもので、なかなか出ないけれど出るときはどばっと出るのかも。
2012年10月19日(金) 9:30〜13:00 晴
台風の前に見逃したマミチャジナイを見ようと、石神井公園へ。着くと今までいたのだけれどねと言われてがっくり。あきらめないで三宝寺池を一回り。エナガ、シジュウカラ、コゲラの混群に2度遭遇。エナガはいつ見てもかわいい。
ツグミ平ではカキノキにメジロが来て、高いところの実をついばんで。だだ、ここのカキの実も数は少ないようです。
再び竹林倉庫のあたりに戻って構えていると、上の方が騒がしくなってマミチャジナイが4羽ほど出現(写真)。なかなか低いところには来てくれませんが、贅沢は言えず何とかカメラに収めました。
マミチャジナイはツグミの仲間で、アカハラによく似ていますが、目に下にも白い眉斑があるのが特徴。東シベリアなどで繁殖するそうですが、東京付近では晩秋にだけ出現します。期間限定鳥というわけで、これが現れると、夏鳥の戻りもそろそろ終わり。いよいよ冬鳥の季節が始まります。
そういえば、マミチャジナイを探していたらシメも出現。もう冬鳥シーズンは始まっている。
2012年9月16、17日 午前 曇時々雨
台風の影響で晴れ間が出たり曇ったり、急なにわか雨が来たりと定めのない天気。秋の渡りの鳥を探して公園へ。
三宝寺池の周りをぐるりと回り、サクラの台地の周辺を重点的に探します。サクラの木の頂上付近にツツドリ(写真)がいると教えてもらって、ようやく見ることができました。サクラの葉を食害するサクラ毛虫(モンクロシャチホコの幼虫)をおいしそうに食べています。
赤色型のようですが、上面の羽の様子はカッコウの幼鳥のようにも見えます。あちこちの角度から見て、頭の後ろの白点が見られないので、やはりツツドリとするのが妥当なようです。
それにしても、この時期渡ってきているのはツツドリばかりではなく、カッコウも相当数いるはずなのに、何となくツツドリとしているのはどうでしょうか。見分けが難しいのと、初夏にはツツドリは高い山にいて、声はよく聞いていても見られることが少ないということがあるかもしれません。
三宝寺池の周りの林では、ヤマガラの声がし、エナガとシジュウカラの混群も見られました。
2012年8月11日(土) 13:00〜15:15 曇
石神井公園の自然観察会に参加しました。降水確率90%という予報でしたが、子供も含めてたくさんの人が参加してくれました。
暑い暑いといいながらも7日の立秋を過ぎ水辺観察園はすでに秋の花が主役になっています。シロバナサクラタデやイヌタデ、ミズヒキなどのタデ類、キンミズヒキ(写真)サワギキョウ、オミナエシ、ツユクサ、それにキツネノマゴもたくさん顔を出し秋の到来を告げています。
前回から一番変わったのは、セミの鳴き声のやかましさ。遅れを一気に取り戻すようかのようにアブラゼミ、ツクツクボウシ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシを含めて5種のセミが鳴き競っていました。ヒグラシのヒューカナカナという声を聞くと、夏休みも終わりが近いと、悲しくなったのは子供の頃の思い出です。
植物も昆虫も、そして鳥も秋への移ろいを感じさせました。
2012年7月26〜27日 晴
ハイキング仲間の企画に参加して尾瀬に行ってきました。尾瀬は4回目ですが、これまでは鳩待峠からすぐに尾瀬ヶ原へ下りていました。今回は鳩待峠からコルリの声を聞きながら尾根道をたどって、アヤメ平、富士見峠。ここで泊まって、翌日尾瀬ヶ原に下り、鳩待峠へというコースでした。
富士見峠はかつての尾瀬入山のメインコースで、アヤメ平は1950年代後半からの尾瀬ブーム時に踏み荒らされて湿原が消滅し、今も復元作業が続いています。そうは言っても、アヤメ平は1996mとこの周辺で一番高いところで、360度のパノラマが展望できるすばらしいところです。至仏山、燧ヶ岳、さらに日光方面(写真)まで一望できました。
この周辺では、木道の近くでナガバノモウセンゴケ、キンコウカ、ウラジロヨウラクなどの花が堪能でき、池溏では高山性のカオジロトンボが見られました(写真)。静かな山小屋では、夜の台所にヤマネが現れて山登りの疲れを癒やしてくました。
翌日は急な坂道を降りて見晴十字路から尾瀬ヶ原へ。途中、ウグイス、コルリ、オオルリ、メジロ、シジュウカラなどの声、イワツバメの姿も見えました。原を歩くと、灌木にホオアカが止まり、ホトトギス、カッコウ、ホオジロ、アオジ、メボソムシクイ、センダイムシクイ、アオゲラなどの声が響きます。池溏はヒツジグサが盛りで、青空を映す水面をオゼイトトンボがスイスイと。瑠璃色のスマートな姿は暑さを忘れさせてくれます。
同行していただいたリーダー、仲間の方、ありがとうございました。
2012年7月16日(月) 10:30〜15:00 晴
石神井公園で自然観察をしている人たちと一緒に、武蔵丘陵森林公園の観察会に参加しました。当日は38度にもなるといううだるような日でした。こういう日の野外活動は水分、塩分を十分にとって健康に気をつけながら、ですね。
狙いはオオムラサキ。 いつも出るというポイントに出たのは出たのですが、すぐに飛び去ってしまったとか。残念。
昼食後に少々離れて、野草の見られるコースに回ってみました。なかなか見られないレンゲショウマという野草を探しました。公園のボランティアの皆さんの丹精で、レンゲショウマ(写真)の群落がつくられていて、つぼみが大きく膨らんでいます。そのうち数株が咲き始めていて、木漏れ日の林間に可憐な姿を見せていました。
帰りにオオムラサキが見られたところにもう一度行ってみると、どこからともなく大きな蝶が飛んできて、これがオオムラサキでした。暑さも忘れて見とれました。
2012年7月15日(日) 10:30〜13:00 晴時々曇
石神井公園でトンボを探しました。強風と条件は悪かったのですが、三宝寺池にはいつものシオカラ、オオシオカラ、コシアキトンボ、オオヤマトンボ、ギンヤンマ、チョウトンボもひらひらと舞っていました。池の上には赤くなったトンボも飛んでいて、これはショウジョウトンボ、ナツアカネ、コノシメトンボなどのようです。
さらに、大型のヤンマを探して周辺の林へ回ります。Yさんと出会って一緒に探していたところ、Kさんからマルタンヤンマ(写真)がいるところを教えてもらい、♂の写真を撮ることができました。
薄暗い林の低木の枝にひっそりとぶら下がって、暑さをしのいでいるそうです。青く澄んだトルコ石のような複眼は何度見ても感動します。
2012年6月30日(土) 10:00〜12:30 晴
知り合いの方からHPが更新されていないとお叱りを受けました。
水辺観察園の様子について、ミツガシワやカキツバタのなどの初夏の花が終わってから端境期でやや寂しい状況でしたが、今日行ってみたら、ミズキンバイが盛り、チダケサシ、ミソハギ、シロネ、コケオトギリ(写真)などが咲き始め、ヒオウギ、オニユリ、シロバナサクラタデもあと少しというところでした。地味ですが、ハグロソウ、ツユクサもありました。夏の花園への変身は後一歩です。
水辺観察園の上にひらひらしているものは何かと見ると、これが数頭のチョウトンボでした。梅雨の晴れ間の日差しに青い羽根が輝いていました。さらに、アシをよく見ると大きなトンボが止まっていて、こちらはアオヤンマでした。近くでは、ショウジョウトンボも見られて、花も昆虫も夏本番を感じさせました。
2012年5月27日(日) 8:00〜10:30 晴
今日は石神井公園の観察会。夏鳥はもう山地に去り、公園はいつもの鳥たちが子育てに忙しく動き回っています。うるさいのはムクドリ。シジュウカラ、エナガの雛は、ピーピーとかシーシーとか鳴いて餌をねだっています。雛を連れたカルガモはどうも3羽はいるようで、水草の間を出没しています。
水辺観察園は春の花が終わり、ホタルブクロ、コウホネなどが咲き始めスイカズラが甘いにおいを漂わせていましたが、本格的な夏の花までは端境期といった様子。ノハナショウブ、ガクアジサイ、オカトラノオなどの開花が待たれるところです。
この季節になると、元気になるのは昆虫たち。オオヤマトンボ、クロスジギンヤンマ、シオカラトンボ、コシアキトンボなどが気持ちよさそうに池の面を飛んでいます。チョウもコミスジ、イチモンジ、ヒメジャノメ、アカシジミ、チャバネセセリ、サトキマダラヒカゲ、さらにテングチョウも現れて参加者を喜ばせてくれました。
写真はアカスジキンカメムシの成虫。宝石のような輝きを放っています。
三宝寺池は昆虫の宝庫だけに、これからの季節楽しませてくれるでしょう。
2012年5月24日(木)〜25日(金)
東京周辺からは去ってしまった夏鳥を追いかけて、長野県の戸隠に行ってきました。戸隠の森林植物園を中心とするゾーンは、多くの夏鳥が集まる繁殖地としてしられています。 早朝の植物園に入ると、鳥たちの大合唱が聞こえます。キョロンキョンのアカハラ、ヒヒッヒッヒッビジョビジョビジョと聞こえるコルリ、キョロキョロキーコキーと複雑にオーボエのような声を響かせるクロツグミ。突然、キョキョキョと割り込んでくるアカゲラ。いくら聞いても聞きあきない大合唱です。
流れにはミソサザイが巣を作って、大きな声で縄張り宣言をしたり、餌を運んだりと大忙し(写真)。2日間で35種類の山の鳥を見ました。
この時期は春の山野草も花盛りで、カタクリのほか、ミズバショウ、リュウキンカなどが咲き乱れて美しい湿原です。貴重なトガクシショウマ、シラネアオイも見ることができて幸せな気分に浸りました。
2012年5月20日(日) 9:30〜13:00 晴
しばらくぶりの石神井公園です。ボート池北側の道を自転車で走っていたら、池の上をスマートな白い鳥。コアジサシのようです。やや早いようにも思いますが、今年もそんな季節になっのです。
三宝寺池に入るとさすがに夏鳥の声は全くなく、耳に入ってくるのはヒヨドリ、シジュウカラ、メジロの囀りばかり。夏鳥の季節は終わったのです。公園の人気を集めていたのはカルガモの雛たち。3日ほど前から現れているようで、10羽の雛を数えました。いつ見てもかわいいものです(写真)。
替わって賑やかになったのはチョウチョやトンボなど昆虫たち。ナミアゲハ、クロアゲハ、コミスジ、イチモンジ、ツマグロヒョウモンなど春の蝶、トンボもギンヤンマ、ウチワヤンマ、シオカラトンボ、アオモンイトトンボなどが池の表をすいすいと飛んでいます。
池の周りはノイバラが盛り、エゴの花も咲き始め、一気に夏の彩り。石神井公園も一番気持ちの良い季節です。
2012年5月5日(土) 5:30〜12:00 晴
ようやく朝から晴れて気持ちの良いこどもの日です。今日も石神井公園へ。着いてすぐに梅林で知り合いの方と会い、キビタキの囀りを聞きました。天気が良いせいか、キビタキの囀りもひときわ高鳴っています。
さらに進むと、エゾムシクイの声も。さらに進んで、道の端の暗いところをなんだか鳥が動いている様子。よく見ると、ミゾゴイのようです(写真)。石神井公園では去年もGWの頃に観察されています。森林性のサギの仲間で、ゴイサギよりも少し小さいくらい。初めて目にしました。
ミゾゴイを追いかけていると、ついっーと飛んできて高い枝の上に止まった鳥がいます。ツミかなと思ってとりあえず写真に納めると、これがなんとホトトギスの仲間のジュウイチ(写真)。そういえば、ジュウイチジュウイチという声も聞きました。ジュウイチは山で何度も聞いたことがありましたが、じっくり見たのはこれが初めて。
ミゾゴイといい、ジュウイチといい今日はツキがありました。あとはサンコウチョウでしょうか。期待に胸が膨らみます。
2012年4月29日(日) 6:10〜11:00 晴
今日こそはオオルリに会えるかなと期待して、今日も石神井公園へ。センダイムシクイはあちこちで鳴いています。キビタキも三宝寺池周辺に少なくとも3羽は確認しました。しかし、昨日はいたというオオルリは今日は声も聞こえません。幸運の女神は前髪しかないというのは本当なのです。
あきらめきれずに池を何度も回っていると、中之島のアシの群生地からギョギョシギョギョシの大きな声が。そう、オオヨシキリです(写真)。ウグイスの仲間で「葦雀」の別名もある、少々うるさいやつ。荒川の土手などにはいくらでもいますが、石神井公園はアシの生えているところが小さいので、なかなか繁殖には至りません。この時期だけの期間限定のお客さんというわけです。
うれしかったのは、今年もランの仲間が育って顔を見せてくれたこと。良い季節になりました。
2012年4月24日(火) 6:15〜11:15 晴
雨上がりの晴、夏鳥が来ていることを信じて石神井公園へ。着くとすぐに梅林へ。か細いながらキビタキの声が聞こえてきました。サクラやクヌギの高い枝を飛び回っていました。鮮やかな黄色が青い空と新緑に映えています。でもやや若い個体でしょうか。さらに野鳥誘致林でもコナラ、クヌギの高木を枝渡りしていました(写真)。
センダイムシクイの元気なチヨチヨビーの声はあちこちから響いてきます。池の上にはツバメがたくさん旋回中。夏鳥全開です。期待していたオオルリは、梅林のあたりで早朝に姿を見せたというのですが、白樫の高木に隠れてしまって、とうとう見られませんでした。残念。
2012年4月22日(日) 7:20〜11:30 曇
今日は石神井公園の自然観察会でした。観察会の始まる前に一回りすると、Yさんに出会って、コマドリとキビタキが来ているよと教えてもらいました。
参加者にこの情報を伝えてみんなで探すと、野鳥誘致林でキビタキの声。新緑のなかを妙なるさえずりが聞こえてきました。声のする方を探してクヌギの木の高いところをあちこち飛び回るキビタキを発見。クヌギの若緑にキビタキの黄色が新鮮です。いつもながら夏鳥の姿は心躍るものがあります。ツバメは飛び回っていたものの、残念ながらコマドリは見つけられませんでした。
水辺観察園では、貴重種のミツガシワ(写真)、カキツバタ、オドリコソウなどが目を楽しませてくれました。
残念だったのは、気温が低かったため昆虫類が全く姿を隠していたこと。これからに期待です。
2012年4月15日(日) 8:00〜12:00 晴
昨日は雨だったので、今日は夏鳥が入っているかもしれないと期待して石神井公園へ。着くと早々にオオルリの情報。三宝寺池の北岸を探すと高い気の上からかすかですが囀り聞こえ、ちらりと姿も見えました。うれしかったですね。
池の周りをさらに回ると、南岸ではウグイスのホーホケキョに合唱するようにセンダイムシクイのチヨチヨビーが聞こえてきました。これも今年初めてです。光が丘でコマドリを見たのに続いて、オオルリとセンダイムシクイに出会えました。
水辺観察園では、三宝寺池を象徴するミツガシワが盛りを迎えていました。白い花がレースをまとったような形をしています。イチリンソウ(写真)、ニリンソウ、ジロボウエンゴサク、アマナ、マルバスミレなど、春の花園は華やかさを増していました。
とそこへ、モンシロチョウよりも小さい蝶が。双眼鏡でのぞくとツマキチョウでした。白い羽の端に黄色い模様があって、この時期しか見られない春の妖精です。春本番を堪能しました。
2012年4月9日(月) 9:50〜12:00 晴
もう初夏を思わせるような日でした。花見の人波を恐れて、週末は避けていた石神井公園に行ってきました。
ボート池のカイツブリは、到着したときは巣の上に乗っていましたが、帰るときにはもう残った1個の卵は見切りをつけたようで、1羽残った雛をつれて泳ぎだしていました。4個の卵のうち生き残ったのは1羽だけ。寒さのせいもあったのでしょうが、厳しい現実です。近くでは、バンも抱卵していました。
水辺観察園では、ミツガシワが咲いていました。ジロボウエンゴサク、キランソウ、イチリンソウも本当に一輪だけ咲き出しました。春の花園は華やかです。
三宝寺池の北岸を回っていると、緊急船着き場の前にコサギが5羽も止まっていました。よく見ると目先が赤くなり、足の先もオレンジ色になって婚姻色が。そのうちに、その中の2羽が近づいて、1羽が巣材になるような枝をくわえると、もう1羽も寄り添って、蓑羽根の衣装も美しく、まさに恋のダンスです(写真)。
2012年4月1日(日) 10:00〜13:00 晴
サクラは昨日開花宣言が出ました。石神井公園のサクラはまだちらほらです。
ボート池のカイツブリは雛1羽が親の背中に乗っていました。4個の卵のうち、3個が孵ったものの、2羽は死んだようです。交代で抱卵を継続しながら、雛に餌を運んできます。
水辺観察園はアズマイチゲが終わり、アオイスミレ、タチツボスミレ、アマナ、ニリンソウ、ムラサキケマンなどが出てきました。よく見ると、目の前に小さなジロボウエンゴサクが1輪だけ咲いていました。なかなか出てこないので心配でしたが、これで一安心。
三宝寺池を南側に回ると、中之島にアオサギがいて、なんと大きな魚を飲み込もうもがいているところに出くわしました(写真)。フナのようですが、飲み込もうとして飲み込めず、一旦草の上に降ろし、また飲み込もうとします。そのうちに枯れアシの陰に消えてしまいましたが、びっくりしました。
2012年3月25日(日) 晴 8:00〜10:30
石神井公園の観察会です。冬鳥は例によってほとんど見られません。池のカモも、尾長はすでにいなくなって、ハシビロガモが多く、キンクロハジロは1つがいだけでした。あとはツグミが日銀グランドでいたくらい。エナガは営巣に入っているようです。
春の観察会の楽しみは、咲き始めた花を探すことです。今日は、水辺観察園でタチツボスミレ、アマナ、ニリンソウ(写真)、クサノオウ、ツグミ平でヒメウズ、ヤマネコノメソウ、カラスノエンドウが咲き始めていました。アオイスミレ、ジロボウエンゴサクは次回の楽しみです。
それにしても公園内は工事だらけで、満足に歩くことも難しくなっています。防災という目的を掲げていますが、自然観察公園の石神井公園にふさわしいものなのか、どのように変貌するのか、いささか心配です。
2012年2月25日(日) 曇 9:00〜11:00
石神井公園の観察会に参加しました。寒いですが、それでもロウバイ、寒梅、マンサク、レンギョウと咲き、草本もオオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウが咲き始めました。水辺観察園でも、アズマイチゲが咲いていました。
三宝寺池では、去年から越冬しているオカヨシガモの♂に加えて、♂と♀が1羽ずつ増えて、計3羽になっていました。夜間に採餌場に出かけて連れて帰ってきたようです。三宝寺池はいいところだよとでも誘ったのでしょうか。
例年なら営巣しているエナガは、まだ混群のなかにいました。これも寒さのせい?
この日の目玉は緑鳩で、紅梅の木に止まっているのが見られました。このところの積雪で秩父あたりからでも避難してきたのかもしれません。緑の羽が紅梅に映えて美しい光景でした(写真)。
2012年2月19日(日) 晴 9:00〜11:30
今日も寒い。そんな中、石神井公園のカモ調査に参加しました。マガモが8羽、カルガモ104羽、コガモ10羽、オナガガモ42羽、ハシビロガモ13羽、キンクロハジロ4羽、それにオカヨシガモ1羽を加えて、総計で182羽。12月の調査と比べると、80羽くらい減っています。特に、カルガモ、キンクロハジロ、コガモが少なくなっているようで、これは工事の影響でお客さんの立ち入ることができるゾーンが大幅に制限されているため、餌がもらえなくて他の水域に移動していると見るのが当たっているようです。
餌がもらえるかどうかで、カモの数が大きく変わってくる。これも都市公園のやや悲しい現実です。
調査を終えて三宝寺池に戻ってくる頃には日差しがかなり強くなってきて、光の春を実感するような陽気となりました。野草公園では、フクジュソウ(写真)が咲いていました。次はスミレが開いてくれるでしょうか。
2012年2月12日(日) 晴 9:30〜12:30
石神井公園で混群を探すが、目指すものは見つからず。寒いせいか、エナガも混群に入っていて、まだ本格的な営巣には入っていないようだ。
水辺観察園のところで、モズの♂が出てきてしきりと鳴いている。♂が飛び去ったと思ったら、そこに今度は♀が出てきた。思えば、日差しは強くなり、小鳥にとっても恋の季節が始まっているのだ。モズも、こうして追いかけっこをしているうちに番いになっていくのだろう。
バードウォッチャーは、冬鳥が少ないと嘆くばかりだが、季節はすでに次へと動き始めているのだ。ボヤボヤしてはおられない。
2012年2月4日(土) 9:40〜12:00 晴
記念庭園では、メジロが多数、シジュウカラが少数。クマザサの中でごそごそしている鳥がいると思ったら、枝に飛び上がったのは4羽のツグミと1羽のシロハラ。追いかけっこをしていました。
ボート池ではクイナを発見。バンが2羽いたので、近くを探したら枯れたアシの間から出てきてくれました。先日見たときは、足の中をうろうろするばかりで、写真も撮れなかったのでラッキー(写真)。
三宝寺池では、エナガなどの混群も見ましたが、全体に鳥影は薄く、目立っていたのはゴイサギがやたら多かったことと、カワウの♂の白い頭の繁殖羽くらい。冬鳥の季節はこのまま終わってしまうのだろうか。
2012年1月7〜9日 晴
3日連続で石神井公園に行ってみました。まず、日頃はなかなか行かない石神井川に。オナガガモ、カルガモ、キンクロハジロが浮かんでいる川には、キセキレイとハクセキレイが飛び回っていました。南田中団地のところで、大量にパンをばらまいているおじさんがいなくなったせいか、カモも少なめ、のんびりとしています。
記念庭園の池はコガモが♂♀合わせて20羽ほど。こちらものんびりしています。池の周りには、トウネズミモチの木があって、こちらにはヒヨドリ、メジロがうるさいこと。笹原にはウグイスのチャチャという笹鳴き。ここはかつて、アオジがうるさいほどいたのですが、餌やりで野良猫が増えてしまい激減。餌やりはこのところなくなっているようですが、アオジはなかなか戻っていません。また、アカハラ、シロハラもなかなか見られません。
三宝寺池には、年末からオカヨシガモが越年しています。ただ、オナガガモやキンクロハジロと違って、時々餌を投げる人がいても近寄らず、時々中ノ島から開水面に出てくるだけ。その他のカモも相変わらず少ないままです。
この中ノ島に、毎日のように現れているのがオオタカの幼鳥。ハンノキに止まって、狩りの機会を窺っているのでしょうが、ハシブトガラスに見つかって追い回されています。
周辺の林では、ツグミ、シロハラが普通に見られるようになり、シメも現れています。エナガ、シジュウカラ、メジロ、コゲラの混群があちこち飛び回って、これをカメラマンが追いかけている様子も冬ならではの光景。
そのなかで、エナガは群から離れて、松の枝などを見て回る様子も見られるようになりました。まもなく巣作りが始まるかもしれません。ハンノキの花も咲いてきて、寒に入ったところで、早くも次の季節への営みが動き始めています。
【2011年 平成23年】
2011年12月18日(日) 8:50〜13:20 晴
月例の石神井公園カモ調査に参加しました。三宝寺池、ボート池、記念庭園、石神井川と回って、カルガモ125羽、コガモ22羽、オナガガモ62羽、ハシビロガモ11羽、キンクロハジロ26羽、そしてここでは珍しいオカヨシガモの♂1羽(写真)で、合計247羽を数えました。
10年くらい前には、1,000羽の迫る数を数えたこともあったことを考えると、ずいぶん少なくなったなという実感です。とくに少なくなっているのはオナガガモ。それにホシハジロがほとんど来なくなっています。カモが少なくなっているのは、全都的な現象で、色々と分析されていますが、石神井公園では餌をやる人がほとんどいなくなったのが、一番大きな原因のようです。
ところで、今日の話題のオカヨシガモはさいたま市の荒川・彩湖などでは普通に見られるカモですが、石神井公園に現れたのは2007年以来です。近くのカモが集まる水域を見ても、ヒドリガモの多いところ、ホシハジロの多いところなど、なぜか少しずつ種類が違うのはどんな理由なのでしょうか。
2011年12月17日(土) 10:00〜12:30 晴
ずいぶん長いこと更新をサボっていました。10月の末に石神井公園の史跡公園でジョウビタキを見て以来、冬鳥が今日は来るかと首を長くしているばかりでした。このところの寒波で、上越国境の山に雪が積もっているようなので、冬鳥もそろそろ平野に降りてきてくれるのではないでしょうか。
まず記念庭園。池にはコガモとマガモ。林のシラカシの枝に動くものは大部分ヒヨドリですが、ちょっと形の違うものがいて、これがシロハラ。少し嬉しくなりました。柿の木にもツグミがいました。
ただ、三宝寺池ではわずかにアオジの姿が見られ、ジョウビタキの声がしただけ。アオサギ、ゴイサギ、それにコサギが増えていました。
遅れていた紅葉は今が盛り、エナガ(写真)の群がラクウショウ、メタセコイアの紅葉を背景に飛び回っているのが印象的でした。
2011年10月29日(土) 9:30〜12:30 晴
もう冬鳥の季節だがと期待して石神井公園へ。史跡公園でジョウビタキがきていると教えてもらい、待つことしばし、♂と♀が交互に現れました。オレンジと黒、灰色が際立っています(写真)。心躍る季節が始まりました。
河岸を替えて、三宝寺池を一回りしましたが、こちらは寂しい限り。アオサギとカルガモ、それにオナガガモが1羽いただけ。この時期、冬ガモはあちらこちらの水辺を動き回っているのは周知の通りで、すでにコガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロも姿を見ています。これからの到来を待つしかありません。
2011年10月23日(日) 8:00〜10:00 曇
石神井公園の観察会に参加しました。雨上がりですが、南の風とあって冬鳥の姿はなく、水辺観察園でカラの混群が渡っていくのを見ただけ。そんななか、ゴイサギが一つの木に5羽も集団で止まっているのが眼に付きました。昨夜来の風雨を避けて集まってきたのでしょうか。
それにしても今年は赤トンボか少ない気がします。池の上をアキアカネ、ウスバキトンボが飛んでいましたが、寂しい様子。繁みのオオアオイトトンボが緑色の金属色を輝かせていました。
終わり頃になって、アサギマダラが2頭、水辺観察園のフジバカマに現れて、みんなを喜ばせてくれました。羽根の水色(浅黄色)があざやか(写真)。これから南に渡っていくのでしょう。
2011年10月10日(月) 9:30〜13:00 晴
知り合いの方2人と数年ぶりに葛西臨海公園で鳥見をしました。3連休の最終日とあって、公園は家族連れで一杯。のどかな秋の休日です。
さて鳥はというと、これがパッとしません。秋を告げるモズの鳴き声、セイタカシギ、アオアシシギが見られたくらいでした。写真はセイタカシギです。長くて細い赤い足がチャーミングですね。それにしても、秋の渡りの小鳥たちはどこにいるのでしょうか。
それでも、干潮から徐々に潮を満ちてきて、潮入の池は次第に動きが活発になってきました。これからに期待しましょう。
2011年8月28日(日) 晴時々曇
久しぶりに晴の日曜日。石神井公園の観察会に出かけました。気温も比較的低めで、まずは快適。
暑い暑いと言っているうちに、自然はすっかり秋の花に衣替えしていました。ミズヒキやシロバナサクラタデなどタデ科の植物、ハッカやシロネ、ユウガギク、アキノノゲシ、キツネノマゴも出ていました。
水辺観察園で目を引いたのは、野鳥と自然の会の仲間が丹精して育てたガガブタ(写真)。石神井公園ではお馴染みのミツガシワと同じ仲間の湿性植物です。花もレースをまとったようでよく似ています。
かつての三宝寺池には、こうした湿性植物がたくさんあったそうで、その水辺環境を取り戻そうという努力の一つです。
トンボはオオヤマトンボ、ギンヤンマ、ウチワヤンマ、シオカラトンボ、などの他、真っ赤に色づいたコノシメトンボがいて、秋の訪れを感じさせます。これからが楽しみです。
2011年8月9日(火) 晴
暑い夏の日。鳥はツミの幼鳥くらいなので、トンボを中心に探しました。
池にはオオヤマトンボ、ウチワヤンマ、ギンヤンマ、コシアキトンボなどの常連の他、今年はとくに多いチョウトンボ、さらにキイトトンボ(写真)も見られて興奮。
それにしても、キイトトンボというのは案外太短いからだととぼけた顔で、憎めない奴という印象ですね。
池に周囲の林では、マルタンヤンマの♂♀、ヤブヤンマの♂も枝にぶら下がっていて、収穫がありました。
鳥が少ない季節はチョウチョもトンボも鳥のうち。しのいでいくしかありません。
2011年8月6日(土) 10:30〜13:00 晴
このところの天候不順で、石神井公園も久しぶりになりました。この間、ツミが営巣し、4羽のヒナが巣立ちました(ただし、まだ1羽巣の中にいるらしい)。巣立ったヒナも周辺にいて、親が巣に餌を運んでくると集まってきます。写真は巣に餌を置いて親が飛び立ったところです。
昨年も、近くに巣をかけましたがどうもハクビシンに巣を荒らされたらしく、放棄していなくなってしまいました。都内の公園でも、ツミが毎年のように営巣するようになり、都市鳥の仲間入りということでしょうか。素直に喜んで良いのかどうか。
水辺観察園はミソハギが花盛り、ユリの仲間はヤブカンゾウに替わって、ノカンゾウが咲き始め,オニユリも咲いています。ヒオウギも姿を見せています。花の少ないこの時期、ピンクやオレンジの色に出会うと元気が出てくるような気がしますよ。
2011年6月19〜20日 晴
福島県の裏磐梯に行ってきました。目的はアカショウビンです。
民宿に到着すると周辺はノジコの声がいっぱい。遠くにはホトトギスも聞こえます。翌朝早く民宿のだんなの車で出発。抱卵中というアカショウビンの交代期を、じっと待つこと4時間、キョロロ〜ンという特徴的な声とともに、♂が現れました(写真)。あこがれの姿です。嘴の赤さを見ると、火の鳥という呼び方も納得できるというものです。
待っている間にも、マミジロ、オオルリ、ノジコ、エゾムシクイ、ヤブサメ、ウグイス、ホオジロなどの声が聞こえて、長い待ち時間も苦にならないほど。いい鳥見ができました。案内してくれた民宿のだんなには感謝、感謝です。
2011年6月10日(金) 9:30〜11:45 曇時々晴
梅雨の晴れ間、しばらくぶりに石神井公園へ。着くとすぐにNさんから「三宝寺池に珍しい水鳥がいるよ」と教えてもらって、急行。池の真ん中にいたのはアカエリヒレアシギ。
しかも、首の周りが赤い夏羽の♀。アカエリヒレアシギは、何度か見たことがありますが、夏羽の♀は始めて。すぐにレンズを望遠に替えて写真を撮ろうとしましたが、そのとたんに飛び去ってしまいました。残念。
ボート池にいないかと探しましたが、見当たりません。まあ、見られただけでも幸せと思いましょう。
この後、野鳥誘致林でツミを見ていると、三宝寺池との間でただならない叫びが。何と、タヌキのような獣と2羽のカラスが木の上で争っています。もっともタヌキは木に登れませんから、よく見ると顔の中央に白いラインのあるハクビシン。最近都会でも増えていると聞いていましたが、こんなところで見るとは。
ハクビシンは、ジャコウネコ科の小型獣で、農水省の有害獣レポートによると、「雑食性で、果実やトウモロコシなどの野菜、小動物、昆虫、鳥類やその卵を食べる」とあります。あるいはカラスの巣に手を出そうとして反撃されたのかもしれません。
考えてみると、カラスはともかく他の小鳥は狙われたらなすすべもないでしょう。石神井公園で繁殖する野鳥に新たな脅威が襲っているのかもしれません。
2011年5月15日(日) 8:50〜12:40 晴
連休中、オオルリ、キビタキ、センダイムシクイ、エゾムシクイ、ツツドリなどの夏鳥に会えました。でも、やはりサンコウチョウに会わないことには締めくくりができません。
昨日は石神井公園で、金曜日にはあれもいた、これもいたという話ばかり。今日は照姫祭りなので、秋が瀬公園に出かけてみました。
行ってみると、朝早くにはサンコウチョウの♂♀がいたよと言う話。遅かったかとがっかりしたのですが、しばらく粘ってみると、なにやら高いところでちらつく影。サンコウチョウの雌でした。尾羽こそ短いものの、コバルト色のアイリングはかわいい限り。スカートのように尾羽を広げてみせるサービスも(写真)。
でもやっぱり♂が見たいと、贅沢心がふつふつと。しばらく前にいたというところで1時間あまりも粘っていると、ツキヒホシホイホイホイの声に続いて、尾羽のナガ〜イ♂が登場。一瞬でしたが、写真に納めることができました(写真)。他に、数は少ないながら、キビタキ、センダイムシクイもいました。
渡る風はさわやか、サンコウチョウにも出会えて、幸せな日曜日でした。
2011年5月8日(日) 7:30〜11:00 晴
ゴールデンウィークも最終日。そろそろサンコウチョウの時期かと、石神井公園へ。公園はカンバスを抱えた人でいっぱい。季節はよし、そのうえ上天気ですからね。
ぐるぐると回りましたが、サンコウチョウの声はなし。迎えてくれたのはイカル(写真)の声でした。「お菊二十四」と聞きなしされる囀りは、新緑によく響きます。東京では冬によく見られる鳥ですが、裸木の梢で実をついばむ姿と異なり、やわらかい緑に大きな黄色い嘴がよく映えています。
後はアカハラのキョロンキョロンツィーという声、オオルリ、キビタキ、センダイムシクイの囀りGWの林はにぎやかでした。
2011年5月4日(水) 6:30〜11:15 曇
前日のキビタキに続き、オオルリを見たいと光が丘公園に出かけました。ぐるりと回って奧の水場に行くとすでに数人が三脚を立てています。しかし、どうも気配がないようなので、周辺を歩いていると林の中からオオルリの囀りが。
ほれぼれするような声ですが、姿は高い木の梢です。やっと撮れたのがこの写真。大きな口を開けて囀っているのが見えます。新緑のなかの瑠璃色の姿。
この後、水場に戻るとこちらでもオオルリの声。みんなで静かに待っていると、何とオオルリが水場に降りてきてくれました。オオルリを目線より下に見たのは初めて。感激でした。
2011年5月3日(火) 6:30〜11:30 曇時々晴
昨日は仕事で鳥見はお休み。その分今日は早朝から石神井公園に出かけました。あちこちからキビタキの囀りが聞こえてきます。梅林にいると、下の方に声が移ってきたようで、水辺観察園の裏手に回ると、キビタキはサワラの木の暗い枝にいました。
さらに、フェンスのなかに移って、下草の間を飛び回っています。このキビタキ、よほど暗いところが好きなようです。でも、そのおかげでなかなか面白い写真が撮れました。ふわふわという感じが出ていますね。
水辺では、カキツバタが咲き始めて、初夏という言葉がぴったりする華やかな季節です。
2011年3月19日(土) 10:00〜12:30 晴
11日の東北地方太平洋沿岸大地震は、東京に住む私たちにも大きな影響をもたらしています。石油をはじめ資材の不足、物流の滞りなどです。何よりも被災地の映像、原発の事故状況などを一日中見ていると、やりきれない気分です。一日も早い復興を祈らずには入られません。
気分を晴らしに、石神井公園へ。すぐにマヒワが登場してくれました。この冬はどこでもマヒワが多くて、かわいらしい姿には本当に癒やされます。
冬鳥もすでにオナガガモはほとんど北に旅立ち、シメの嘴も精悍な鉛色に変わっています。人間界の出来事とも無縁でいられないかもしれませんが、無事の渡りを祈りたいものです。
2011年3月6日(日) 7:30〜10:00 晴後曇
お知り合いの方に教えていただいて、松戸の江戸川河川敷にキガシラシトドを見に出かけました。
到着すると、現場はすでに数人の方がカメラを構えています。餌付けをされていて、早いうちは頻繁に姿を現すとのこと。
しばらく待っていると、アオジの群と一緒に登場。全身が茶色くて地味ですが、冠羽が黄色いのが特徴。キガシラシトドはホオジロの仲間で、本来は北アメリカ大陸の東側、カリフォルニアなどに生息して、夏はアラスカで繁殖するようです。アメリカ側に行かないで、なぜかユーラシア大陸側を南下してしまったのでしょうか。でも、籠抜けの可能性も否定できません。
このあたりは、キガシラシトドと一緒にいたアオジをはじめ、カシラダカ、オオジュリンなどのホオジロ類、カワラヒワ、ジョウビタキなどがいて、けっこう鳥影が濃いようでした。
2011年3月5日(土) 10:00〜12:30 晴
春の暖かさに誘われて、石神井公園へ。水辺観察園にはアズマイチゲの白い花が咲いていました。今年も春一番ですね。周囲を探すとセントウソウ、ニリンソウはつぼみが膨らんでいました。
周囲の農地などを探すと、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、そしてホトケノザの赤紫の花が見られました。今年は寒さが厳しかっただけに、やっと咲いてくれたかという思いがあります。
ただ、スミレはまだ。史跡公園のコスミレも、アリアケスミレも工事でなくなってしまったようです。悲しいとしかいいようがありません。今年は記念庭園も閉鎖されて、なにやら街路灯にとどまらない大規模工事が行われているようです。心配は尽きません。
2011年2月27日(日) 8:30〜10:45 晴
評判のギンムクドリを見に、葛西臨海公園に行ってきました。上の池の岸のこちら側には20人、対岸には30人あまりが陣取っていました。ギンムクドリはしっかり餌付けられていて、待つほどもなくムクドリ10羽ほどと共に登場。
ギンムクドリは嘴が赤く、体の色はグレーや紺などで、桜の枝に止まったり、池の端に用意された餌台に降りたりとよく動きます。可愛いなという印象です。
合間にはクイナも現れて、けっこう楽しめました。春先は珍鳥の季節でもあります。もう少し楽しみたいものです。
2011年2月6日(日) 10:00〜12:30 曇時々晴
ヒレンジャクを探して石神井へ。しかし、気配もない。話を聞いてみると、どうも、ヒレンジャクは周辺にいることはいて、不時に公園にも飛来するらしい。毎日来ている方でも見ていないというのだから、運次第のようだ。
鳥は、ツグミ平で、トラツグミ、ジョウビタキ♂、エナガを見たくらい。
今年は寒いせいか、ヒメウズ、ホトケノザ、オオイヌノフグリもまだ咲いていない。辛うじてヒメオドリコソウを見た。野鳥誘致林のマンサク(写真)が咲いていてほっとした気持ち。
午後、光が丘の図書館へ行ったついでにサンクチャリに寄ったら、ハイタカが見られた。ラッキーかも。
2011年2月5日(土) 13:00〜17:30 晴
風がなくて、こんな渡良瀬は初めてではないか。鷹見台で、情報を聞いてコミミズクの出るという堤防に。たくさんの人が並んでカメラを構えていた。
着くとすでにコミミズクが舞っていて(写真)、とにかくシャッターをたくさん押す。何枚かはうまく撮れている様子。
しばらくして、コミミズクが出なくなったので、チュウヒのねぐら方面に移動。人は集まっていたが、なかなかチュウヒは来ない。人の話では、ねぐらが変わってしまったのではないかとのこと。それでも、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、ノスリを見ることは見た。念願のコミミズクに会えて、まずまずの一日。
2011年1月10日(月) 晴 9:30〜12:30
今日は光が丘の鳥見です。昨日コイカルの情報を聞いたので、先月からイカルが出ているという水場で待ちました。
先ず、ルリビタキの♀、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、シメ、ツグミ、シロハラと出てきたのですが、キジバトが現れて我が物顔に振る舞った後はばったり。移動しました。
こちらでは餌付けをしているので、シジュウカラ、ヤマガラなどがひっきりなしにやってきます。しばらく待つと少し離れたところにイカルが登場。約10羽の群ですが、その中に少し変わった姿のコイカルが(写真)。
頭巾がなくて、お腹がやや褐色、袖の星が2つ見えます。♀のようです。正月早々コイカルが見られて、上々の鳥見でした。
2011年1月8日(土) 晴
鳥見始めはやはり石神井公園でと出かけました。三宝寺池に着くと今日も入り口にワカケホンセイインコの群。正月早々いやなものを見てしまいました。
それにしても鳥が少ない。目立ったものといえば、ジョウビタキの♀とモズの♀くらい(写真)。カモも少ないし、どうなっているのかしらん。
石神井総鎮守の氷川神社で鳥運祈願をし、厄除け祈願のお札を求めて早々に終えました。
【2010年 平成22年】
2010年12月31日(金) 晴
正月の準備を妻に任せて、近くの光が丘公園で2010年最後の鳥見を。俳句の世界では煤逃げなんていう季語もあります。
最近お気に入りのある水場で待つと、かなりの数のツグミの群が高い木の上に止まっています。ヒヨドリも押され気味といったところ。
元気よく現れたのはコゲラの♂。いい音を立てて枯れ木を叩いています。と、風が吹いて頭の羽根が流されて赤い冠羽が現れました。アカゲラやアオゲラと同様に、この赤い冠羽が♂のシンボルです。
待つこと久しく、お目当てのマヒワが5羽の群で登場(写真)。1羽だけは光が丘でも見ていたのですが、群は初めて。かわいいですね。寒いなか、心に小さな焔がともるような姿です。おかげでいい鳥見納めができました。
2010年12月5日(日) 9:15〜12:40 晴
今日も暖かくて、気持ちのいい晴天でした。冬鳥が増えているのではないかと期待して石神井公園に来ました。イロハモミジの紅葉も今が盛り。
確かにツグミはかなりの数が入っているようです。管理所前も記念庭園でも史跡公園でも、柿の木にはたくさんのツグミが群れをなしていました。管理所前ではシロハラも。ただ、アカハラは見えません。三宝寺池の南側で、エナガ、メジロ、シジュウカラ、コゲラの混群と遭遇。この間から探しているヒガラはいないようでした。
知り合いの方から、ボート池にミコアイサとヒドリガモのいずれも♀がいるよと聞いて、探しましたが見つけられず。カモは、マガモ、コガモ、カルガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロの 6種類だけでした。
2010年12月4日(土) 9:00〜12:30 快晴
昨日の嵐が洗ってくれたのか、すばらしい冬晴れの空でした。今日は光が丘の探鳥会に参加。
出発して間もなく、サンクチャリの高い木の上にツグミの群を見つけました。後で聞いたら嵐の前日から大群が入ってきているとのこと。やや遅めながら、冬鳥のシーズン到来。
芝生広場のケヤキの大木にカワラヒワの群が30羽ほど。近くのソメイヨシノの木に移動して、木の下の水たまりに降りてしきりに水を飲み始めました。けっこう人が多かったのですが、警戒しながらもしばしの時間楽しませてくれました。
久しぶりの探鳥会参加でしたが、たくさんの仲間との語らいも楽しいもの。
2010年11月7日(日) 9:20〜11:30 曇時々薄日
今日は立冬とか、練馬の朝はけっこう冷えました。林はけっこう色づいてきて、紅葉のなか冬鳥が飛び交う季節になりました。
昼から予定があったので、朝方だけ史跡公園に行ってきました。カツラの黄葉が綿飴のような匂いを放ち、ハナミズキが紅葉のなか赤い実を実らせています。そこに現れて赤い実をついばんでいるのはヒヨドリです(写真)。ツグミが来ないかと待っていましたが、顔を見せたと思ったら、ヒヨドリに追われてしまいました。新入りはつらいようです。
聞こえてきたのはヒッヒッというジョウビタキの声、ギチギチと騒々しいのはモズ、ジュリジュリとにぎやかにやってきたのはエナガとシジュウカラの混群。
チーチーと甘えた声のメジロに誘われて柿の木に行ってみると、ツグミがいて、ようやく今年初撮りが出来ました。
2010年10月23日(土) 8:50〜12:30 晴
着いてボート池をのぞくと、ハシビロガモが9羽、オナガガモが4羽見えました。ハシビロガモは今季初めてです。次いで、先週アオゲラを見た史跡公園の柿の木を先ずチェック。1時間近くも粘ったのですが、来たのはメジロとシジュウカラ、コゲラ、それにうるさいヒヨドリだけ。
河岸を替えて三宝寺池を一回り。オオバンがいるはずなのですが、見られず。湖岸を上がって野鳥誘致林のところでお知り合いに遭遇。何とマミチャジナイがいるとのこと。しばらく待っていると、現れました。去年も秋ヶ瀬で合いましたが、これはかなり幸運。
マミチャジナイ(写真)はツグミの仲間で、アカハラによく似ていますが、目の下にも白い斑があることが特徴。春日本を通過して、中国大陸やシベリア南部で繁殖し、秋にまた日本を通過して東南アジアに渡ります。
マミチャジナイが去るといよいよ冬鳥が後を追って現れる時期。翌日は、光が丘のサンクチャリでジョウビタキを見ました。
2010年10月16日(土) 9:30〜11:30 晴
石神井公園を一回り。しかし、鳥の姿はなかなか見かけません。カケスもツミも、オオタカも出ません。
会った人から、史跡公園の柿の木にアオゲラが来るよと聞いて、行ってみることに。先客が二人。アオゲラは来ていないとのことでしたが待ってみることに。
シジュウカラやコゲラ、メジロにカワラヒワの声がしたくらいで、なかなか来なかったのですが、バードウォッチングのご婦人がにぎやかにやってくると、誘われたように姿を現しました。やや身なりが冴えないのですが、春に♂♀で現れたのを見て以来。短い時間でしたが、再見を喜びました。
2010年10月2〜3日 晴時々曇
ご無沙汰していましたが、久しぶりに公園へ。夏の暑さのなか動きのなかった鳥にも、どうやら渡りの季節が訪れたようです。
旧住友グランドの野球場を通りかかるとギチギチというモズのけたたましい声が。見上げると♀のようです。また、桜広場ではカケスの声。2羽で動いているかと思ったら、ツミの幼鳥が追い回しているようで、落ち着きがありません。
さらに池にはオナガガモが9羽。知り合いの話では、3日ほど前にも1羽いたとのことですが、本格的な渡りの群です。
いずれにしても、これからが渡りの本番。大いに期待したいところです。
2010年8月21日(土) 19:00〜20:15 晴
月のきれいな晩でした。久し振りに夜の観察会に行ってみました。この観察会、夏休みの子どもたちが元気で、こちらまで夏バテを吹き飛ばしてもらえる気分です。
ただ、石神井公園でも夜の昆虫やカエルなどの生きものたちはすっかり減ったという印象です。外灯の回りを飛び回る昆虫さえ、本当に少ないのです。異常な暑さの今年だけの現象なのかどうか。
見られたのはアズマヒキガエル(写真)、コクワガタ、ウマオイ、アブラゼミやツクツクボウシの羽化などでした。セミの羽化は神秘的な色で、いつまでも見飽きないものですね。
2010年8月16日(月) 10:00〜13:00 晴
夏休みの残り日、石神井公園でトンボ探しをしました。目標はネアカヨシヤンマ。多くのトンボにとっては捕食者でもあるクモを狩って食べるという種です。三宝寺池入り口の水路で丹念に探すと、それらしいヤツが。ただ、ヤブヤンマかもしれないとの疑いがあり、今後の検討が必要。
三宝寺池の周辺では、今日もマルタンヤンマがもられました(写真)。他には、ウチワヤンマ、ギンヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、オオヤマトンボ、ショウジョウトンボ、モノサシトンボ、アオモンにとトンボ、コシアキトンボなどが見られました。
トンボの王国、三宝寺池でした。
2010年6月20日(日) 9:30〜11:45 晴時々曇
雨と思っていたら、案外いい天気になりそうで急いで出かけました。
着いたら、アオサギが蓮池に舞い降りてきました。スイレンの上のアオサギ、なかなかいい風景です。ただ、全体に鳥は影が薄く、なぜか季節遅れのセンダイムシクイを一声聞いたのが印象に残った程度。
活発なのはトンボで、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、コシアキトンボ、ギンヤンマ、ウチワヤンマ、オビトンボ(コシアキトンボ♀)、クロイトトンボ、モノサシトンボなどが見られて、にぎやかになってきました。ヤンマはこれからが楽しみです。
これに対して花は端境期なのか、オカトラノオ、ドクダミなどが木下闇に白く浮かび上がっているくらい。ハンゲショウの白い葉と併せて、白い色が目立っていました。
2010年5月22日(土) 9:00〜12:00
先週石神井公園でサンコウチョウを見て夏鳥も一段落したので、荒川沿いの大久保田んぼに出かけてみました。
田んぼは田植えをしたばかりで一面に水が張られ、小さな苗が風に揺られていました。所々の休耕地にアシが繁り、オオヨシキリが大きな声で鳴いています。目をこらすと遠くに白いサギが1羽。首から上が褐色に染まったアマサギです。ずいぶん久し振りに見ました。
ふと見ると、けっこう近いところにキジの♂が登場。水が溜まったところで悠然とあちこちを見回しました。とそこにバンが現れて、キジの背中を一蹴り(写真)。気が荒いことで知られるキジの♂も、この急襲にはびっくりしたのか、あわてて飛び去ってしまいました。
その後からバンの真っ黒なヒナが現れたところを見ると、この辺で子育て中だったようです。鳥はみな、必死の子育て中です。
2010年5月1、2日(土、日) 午前中 晴
このところ4月の雨と寒さが嘘のような好天が続いています。「3月の風と4月の雨が美しい5月をつくる」というのは真実だったのです。
29日の失敗に懲りて6時過ぎに公園に到着。キビタキの声が響いています。キビタキ、オオルリ、センダイムシクイなどが現れます。ただ不思議なのはオオルリの囀りが聞こえないこと。
まだまだ寒かった29日は低いところにきていた夏鳥が日を追うに従って、高いところ高いところと樹冠部に登っていきます。ヒタキの餌になる虫たちが好天で高いところに移動しているのでしょうか。
オオルリの姿も小さくなるばかり(写真)。トランジェットの日々も終わりに近づいているのかもしれません。
2010年4月29日(木) 9:00〜13:00 晴
今日からゴールデンウィークのスタート。ようやっと天気もよくなってきたというわけで、やはり石神井公園へ。スタートが遅れたこともあって、囀りは聞こえませんでした。
知り合いの方に中ノ島のハンノキにエナガの巣立ちビナがいるよと教えてもらって、見ると葉陰に8羽並んでいます。今日巣立ったばかりという様子で、身を寄せ合いながら親が近くに来ると餌くれーとばかりに口を大きく開いて大騒ぎです(写真)。かわいいですね。
最近はツミが野鳥誘致林に定着していることもあり、小鳥は東側に集まっているようです。付近で待つと、キビタキが水場に降りてきて低い枝に止まってくれます(写真)。時々はフェンスの上に止まってサービスしてくれるのですが、やはりこれでは野鳥写真になりません。
オオルリも一度だけ降りてきたのですが、近くに走り寄ろうという人がいて、また上に上がってしまいました。
おかあさん、野鳥撮影は我慢と忍耐が肝心ですよ。
2010年4月24日(土) 9:00〜12:30 晴
ようやく晴れた土曜日。日本野鳥の会の光が丘探鳥会に出かけました。夏鳥に期待です。
途中、団地内の公園でクロツグミの声。しかし、姿は見つかりませんでした。期待は高まります。
公園はハナミズキが盛り、ライラックも見られました。探鳥会では、途中、チョウゲンボウが長い時間ホバリングをしたり、アカハラ、シロハラが出たりしてなかなか楽しめました。ハイライトは、グラウンドのツグミが長い時間じっとフリーズしていて、これはと空を見るとオオタカが旋回していました。かなり高いところでしたが、地上の小鳥はオオタカの姿を見つけて構えていたのです。
しかし、期待していた夏鳥の姿はなし。心残りで、後で知り合いに聞いたらキビタキは少し現れたとのこと。これからのGWに楽しみを持ち越しました。
2010年4月10日(土) 10:00〜12:30 晴
初夏のようなさわやかな一日でした。石神井公園も名残の桜を楽しむ人でいっぱい。所用で午前中少しだけ。
公園に入って間もなく、知り合いの方から記念庭園にオシドリがいるよと教えてもらって、早速見に。いました。きれいな♂、3年振りくらいでしょうか。散った桜の花びらが漂う水面を優雅に泳いでいました(写真)。おそらく井の頭動物園から飛来したものでしょう。
後は、鳥は本当に寂しくて、来週以降の夏鳥飛来が待たれるばかりでした。
気になったのは、水辺観察園のミツガシワが本当にわずかになってしまっていたこと。冬の間、芽をカルガモやマガモに食べられているようですが、それにしてもこの激減振りはどうしたことでしょうか。公園の看板だけに心配です。
2010年4月3日(土) 10:00〜13:00 晴
水辺観察園で花を撮していると、奥の方になにやら人だかりが。駆けつけてみると地上から1メートルくらいの枝の上でツミの♂がお食事中でした。白い胸の脇にほのかに褐色がかかっていて、本当にきれいな♂の成鳥でした。食事を終えてからもしばらく高い木の上で休んでいて、なかなか威厳のある姿でした(写真)。
このところツミはよく姿を現すので、昨年に続いて繁殖が期待されます。カワセミ、エナガに続いて、ツミも都市鳥の仲間入りをするのでしょうか。
先月末に区立の石神井公園ふるさと文化館という施設がオープンしました。多額の税金を使ってこうしたハコ物を作るのはもういい加減にしてほしいものです。石神井公園について言えば、誰もが形容詞に使う「自然豊かな」という言葉はもう実質を失いつつあります。水質の悪化とヘドロのたい積、樹木の過伐採、下草の度を過ぎた刈り取りなどで、植物、昆虫、鳥も青息吐息の状態です。
税金は水質の浄化をはじめとする自然の回復になる形で使ってほしい。それが切なる願いなのですが。
2010年3月13日(土) 10:00〜12:30 晴
このところ週末は雨に降り込められて、久し振りの石神井公園です。気がつくと、池にはオナガガモの姿はなく、水辺観察園ではアズマイチゲ、アマナ、ニリンソウなどスプリングエフェメラル(春の短い命)が咲いていました。
今日一番嬉しかったことはウグイスの初鳴きを聴いたことです。ホケキョウにならずにピケキョウだったりしていましたが、この声を聴くと春が来た実感がします。
三宝寺池の上空にはアオサギが長い時間旋回していました。よく見ると2羽がつがいになったかのように飛んでいました(写真)。アオサギの羽はすでに繁殖羽。あでやかな姿で舞っていました。春本番です。
2010年2月14日(日) 7:30〜11:30 晴後曇
久し振りに太陽がのぞいた日、遅ればせながら三番瀬にコクガンを探しに行きました。船橋川の突堤の先の小さな砂浜にスズガモ、ヒドリガモと一緒にいました。大きさはスズガモより少し大きいくらい。何といっても黒い体に首の白い輪が目立ちます。珍鳥というのはワクワクさせてくれるものがあります。
波打ち際にはハマシギの群、オナガガモやユリカモメ、セグロカモメも。そこにミヤコドリの大きな群。豊かな遠浅の海です。
海岸のアシのなかでちらちらする鳥もいます。目をこらすとセッカ、オオジュリンがアシの間を飛び回っています。タヒバリの姿もありました。写真はオオジュリンです。
アシの皮をはいで、中にいる虫を探しています。こうして厳しい冬を乗り切ろうとしているのです。春はもうそこまで。がんばれと言いたいですね。
2010年1月30日(土) 10:00〜12:30 晴
暖かい週末でした。大寒なのにと、いささか心配になってしまうほど。
そこで、もしかしたらと水辺観察園を探すと、ありましたタチツボスミレ(写真)。枯葉の間から紫の花がのぞいています。さらに近くを探すと、アオイスミレも花支をのばしていました。春はこうしてやって来ます。
三宝寺池の北岸をたどると、陽が差して水が温んできた浅瀬でヒキガエルが集まって交尾しています。間もなく産卵が始まるでしょう。
野鳥誘致林ではマンサクが、管理所のそばではロウバイが咲いていました。梅林はすでに満開といったところ。そこにはメジロがひっきりなしにきて、蜜を吸っています。
寒さの戻りはあっても、春はもうそこまできています。
2010年1月16日(土) 10:00〜13:00 晴
石神井公園で初めての鳥見らしい鳥見でした。記念庭園の池にはコガモ、坂を登るとモズの声、シロハラも飛び出してきました。
ボート池には相変わらずのコクチョウ2羽。5日に飛来してイラすっかりなじんでしまった様子。実は用事のついでに9日に一度見に来たのですが、顔なじみの人の話では、何度も交尾しているし、巣作りの様子さえ見せているとのことです。一体どうなるのでしょうか。
三宝寺池を一回りしましたが、相変わらず鳥は少なめです。エナガ(写真)が元気に近くまで寄ってきてくれたのだけが救い。そろそろ巣作りのシーズン。こちらは大いに期待したいところです。
2010年1月11日(月) 8:30〜12:30 晴
何かと野暮用の多かった3連休でしたが、最終日になって埼玉県の北本自然観察公園に出かけることができました。目的は8年ぶりとなるミヤマホオジロでした。
入っていくとなにやら囀りが聞こえます。もしやと思ってみると、やはりガビチョウが飛び出してきました。ここにも進出しているのですね、ウンザリ。
ジョウビタキ、アオジ、カシラダカ、ホオジロ、モズ、シメ、ヤマガラなどが次々に出てきて、歓迎してくれました。奥の方では昨年に引き続きアリスイ(写真)が見られました。キツツキの仲間ですが、枯葉をまとったような姿は本当に独特。
葦原ではかわいいベニマシコも見られ、大いに満足したのですが、目的のミヤマホオジロはとうとう出てきてくれませんでした。近くでタシギを見て、帰途につきました。
【2009年 平成21年】
2009年12月31日(金) 8:30〜11:50 曇時々
石神井公園で今年の鳥見納めをしました。ここも全体に鳥は少なめ。住友グランド、史跡公園、日銀グランドと工事が行われていることも少なからず影響している思われます。
シロハラ、モズ、ジョウビタキくらいは迎えてくれ、エナガ、シジュウカラ、コゲラ、メジロの混群にも出会って、まずまずの鳥見納めでした。
梅林では早咲きの紅梅が咲き、園芸種ですがスイセン(写真)も咲いていて、新年を迎える準備も怠りないと感じました。
今年は政権交代という大きな出来事があり、私自身も光が丘公園の方面に引っ越すという変化がありました。HPは現在のままで継続していくつもりです。新年には、みなさんの生活も鳥運も少しでもいい方向に向かうよう願っています。
2009年12月30日(木) 8:30〜11:40 晴
年末休暇に入って、久しぶりに秋が瀬公園に出かけました。寒波が弱いせいか、今年はどこも冬鳥が少ないようです。秋が瀬公園でも同様のようで、出会った鳥見人たちは嘆いていました。
それでも、ピクニックの森を歩くと、アカハラ、シロハラ、ツグミ、ホオジロ、アオジ、カシラダカ(写真上)、モズなどが次々に出てくれて、けっこう楽しめました。
とくにこのところ定着してるというノスリ(写真下)が、ハンノキの高い枝に止まっているところへハシブトガラスがモッビングをかけ、小競り合いを繰り返していたのはなかなか興味深い見物でした。
それにしても、カワラヒワが全く見られなかったのは不思議でした。
2009年11月23日(月) 9:00〜12:30 晴
少し間をおいて行ってみたら、晩秋から初冬の趣でした。でも、イロハモミジの紅葉はまだまだ。少し物足りないところです。
というわけで楽しみは鳥だけ。あちこちの繁みから、声がたくさん聞こえてくるようになりました。チャチャというウグイスの笹鳴き、チーと強い響きはアオジの声、キチキチとモズの声、ジュリジュリとエナガの声も降ってきます。
水辺観察園でヒッヒッと鳴いて飛んできたのはジョウビタキ(写真)。枯れ葦に止まって、しきりに尾を振っています。ヒタキは本当に目がかわいいですね。
そばのヤナギの根元で動く影はアオジのようですが、よく見ると冠羽が立っていてカシラダカ。ホオジロの仲間ですが、この公園ではなかなか見かけません。しばらくいてくれるといいのですが。
記念庭園のカキは残りごくわずか。時々ヒヨドリが来るだけ。笹藪のなかの大きなムクノキはまだまだ実が残っているようで、ヒヨドリがうるさい。そのなかでキョキョという声がして、ツグミが数羽遠慮がちについばんでいました。冬鳥の季節です。
2009年11月8日(日) 10:00〜12:30 曇時々晴
久しぶりに石神井公園に行ったら、ケヤキなどの紅葉が進んで晩秋らしい空気になっていました。こうなると冬鳥です。
この時期鳥を探すには、やはり木の実をつけている木に注目するのが一番。そう思って見ると、柿の木をはじめ、サヤエンドウのようなエンジュの実、黒く熟してきているネズミモチ、イイギリの赤い実、サンゴジュ、アキニレなど。誘致林のナンキンハゼにはシジュウカラの群がしきりと来ていました(写真)。この実は油っぽい味がして、小鳥に人気があるようです。
なかでも人気はムクノキの実のようです。黒く熟して、落ちているのを食べてみると甘い味がします。記念庭園の大きなムクノキの樹幹でしきりと動く影をよく見ると、キジバト、ヒヨドリのほかに、アカハラ、トラツグミもいました。これからですね。
2009年10月11日(日) 9:30〜13:00 晴
秋らしいさわやかな日でした。公園の木立を渡ってくる風が実に気持ちよく感じられました。
例によって秋に渡りの鳥を探したわけですが、なかなかです。諦めて帰ろうとしたら、公園でよくお会いする方からツミとカケスがいると教えていただいて、よく見るとなるほどツミが白いお腹を見せて、高い木に止まっています。こんなきれいな♂の成鳥は久しぶり。
さらにその回りに同じくらいの大きさで、ちょっかいを出すように飛び回っている鳥がいます。目をこらすとこれがカケス(写真)。しかも2羽います。早くも山から下りてきたのでしょうか。そういえば、公園は先週の台風もあって、至る所にドングリが落ちています。カケスにはご馳走の山というわけです。この秋冬シーズンはぜひ定着してもらいたいものです。
2009年10月4日(日) 9:15〜11:50 曇時々晴
昨日はけっこう激しい雨が降りました。この雨で鳥が降りているのではないかと、勢い込んで出かけたのですが、公園に渡り鳥の姿はありません。昨日雨がやんでから来たという人の話では、昨日はキビタキ、エゾビタキもいたというのですが??
それでも三宝寺池の縁を歩いていると、ホシハジロが1羽、コガモが6羽いました。ホシハジロは♂のエクリプスで。それにしてもけっこう早い渡来です。先遣隊というところでしょうか。
水辺観察園はミゾソバが一気に盛りとなり、ツリフネソウ、サクラタデ、ノハラアザミ、カントウヨメナなどとともに、秋の花園の雰囲気を盛り上げています。写真はボントクタデといって、紅白の花が咲くタデの仲間です。けっこうきれいな花を咲かせるのに、蓼酢の材料となるヤナギタデと比べて、辛みがなくて役に立たないからと、ぼんくらのタデという名前をもらってしまいました。何だか不公平な気もします。
2009年9月19日(土) 10:00〜12:30 晴
秋の大型連休、何でもシルバーウィークというそうです。高速道路は大変な混みようということですが、当方は関係なく近くの公園というわけです。
先週に続いて秋の渡りの鳥を探しましたが、昨日までいたという話ばかり。方向転換してトンボを見て回りました。池の上など赤トンボがいっぱいです。大半はアキアカネとコノシメトンボのようですが、よく探すとナツアカネにマユタテアカネ、そして教えていただいてマイコアカネも見られました。
マイコアカネは胴体が真っ赤、顔が青いのが特徴です。華やかな衣裳をまとった舞妓さんを連想させるという訳です。それはさておいても赤と青のコントラストはきれいですね。
水辺観察園はちょうど端境期で、花は今ひとつ。林を探すと、サンゴジュやゴンズイがもう赤いにをぶら下げていました。よく見ると、コナラやクヌギのドングリ、ネズミモチ、ハリエンジュなども青い実がいっぱいついています。実りの秋はすぐそこです。
2009年9月13日(日) 9:10〜12:00 晴
昨日は雨で出かけられず、今日はその分気持ちのいい晴れでした。待望の秋の渡りはと出かけてみれば、いましたツツドリ。しかも赤色形。ツツドリの赤色形は初めてです。何だか、キジの♀みたいでホトトギス類という感じは今ひとつです。
高いサクラの木の枝で、しきりに毛虫を食べているようでした。飛び立つと、近くに灰色形もいたようで、こちらの方が少し大きい体でした。
水辺観察園はゲンノショウコ、ツユクサ、ハッカ、少し離れたところには彼岸花が咲き出していました。律儀なものです。次はツリフネソウ、ミゾソバあたりの出番でしょうか。
2009年9月5日(土) 10:00〜12:30 晴
残暑の一日でした。石神井公園はイベントで子どもがいっぱい。そんななか、ちらほらと噂を聞くツツドリを探して歩き回りました。ツツドリはカッコウの仲間で、姿形もよく似ています。やはり毛虫が大好きという習性があって、この季節サクラの木に止まっていることがあります。
そこでサクラの木の多いところを丹念に探したわけですが、残念ながら姿は見あたりません。それでも、エナガとシジュウカラの混群に混じって、センダイムシクイらしい鳥が見えて、秋の渡りを確認できました。これから次第に楽しみが増えるというわけです。
水辺観察園では、ナンバンギセルの花がススキの下にひっそりと咲いていました。万葉集にも「思い草」の名前で登場する花です。花が下を向いて咲くことから「思い草」の名前で呼ばれるようになったようですが、同様にうつ向いて咲くカタクリの花言葉は「初恋」。秋と春の違いに加えて、それぞれの花の風情の違いということでしょうか。
2009年8月22日(土) 10:00〜13:30 晴
暑い暑いと言いながらも、秋の気配を感じる頃です。自然界ではとっくに秋が。水辺観察園では、その名もアキノタムラソウ、キンミズヒキ、シロバナサクラタデ、ユウガギク、キツネノマゴ、それにゲンノショウコの小さな白い花も見えました。
昆虫の世界でも、キツネノマゴには小さなイチモンジセセリがいっぱい飛び交っていました。こんな小さな体で、渡りをすることが知られています。このチョウが現れると東京は秋というわけです。写真は別のところで撮った、キバナコスモスに止まったところです。目がかわいいと思いませんか。
トンボも赤い色のものが目立っています。ショウジョウトンボもまだがんばっていますが、グランドの上にはウスバキトンボ、池の周辺にもナツアカネが飛んでいます。ナツアカネといっても、赤くなるのは秋になってからなんです。
鳥も、秋の渡りのシーズンが始まっています。来週くらいには早駆けのツツドリが姿を見せてくれることを期待したいですね。
2009年8月9日(日) 9:30〜12:45 曇時々晴
相変わらずはっきりしない季節です。そんななかで公園を一回りしたのですが、驚いたのは水辺観察園の花がはっきりと秋の花に移ってきていることです。これまでに紹介したアキノタムラソウやシロバナサクラタデ、キンミズヒキに加えてキツネノマゴ、ハッカも花を咲かせていました。そういえばこの金曜日の7日は立秋でした。
写真はヒオウギです。カキツバタからノハナショウブと続いてきたアヤメ科の最後を飾る花です。切り立った葉が檜の扇を連想させるのでこの名前をもらったとのこと。花が散った後に出来る実も丸くて漆黒の色からぬばたまの名をもらっている、趣深い植物です。
そんな水辺観察園でもう一つ驚いたのは、マルタンヤンマの産卵を目撃したこと。いきなりブーンと飛んできて、ミツガシワやコウホネの茎にとりついて水面に潜り産卵を始めました。あのマルタンヤンマはこんなところで産卵していたのですね。三宝寺池の生態系の奥深さを感じました。
2009年8月2日(日) 9:50〜12:30 雨
林間に咲く夏の野草を見に武蔵丘陵森林公園に出かけました。ところが出かける頃から雨。やがて止むのではとの期待も裏切られて、雨は強くなるばかり。それでもせっかく出かけたのだからと回ってきました。
華やかな大輪のヤマユリはピークを過ぎたところ。フシグロセンノウ、キツネノカミソリ、キキョウ、ナツズイセンなどが盛り。さらにはイヌタデ、ママコノシリヌグイ、アキノタムラソウ、キンミズヒキといった秋を彩る野草もすでに咲いていました。
お目当てのレンゲショウマ(写真)は林間でひっそりと。地味すぎず、しかし華やかさも感じさせる独特の魅力があります。しっとりした風情です。
2009年7月26日(日) 14:30〜16:30 晴
夏らしい一日でした。所用で午後から出かけました。気温も上がったのでトンボが出ていないかと探してみました。
蓮池の上には赤トンボが。ウスバキトンボです。さらにショウジョウトンボも。ほかにもギンヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウチワヤンマ、コシアキトンボなどがぶんぶん飛び回っています。
さらに探すと、いましたマルタンヤンマ(写真)、ヤブヤンマも。マルタンヤンマ♂のトルコ石のような青い目の色には引きつけられますね。こんな美しいトンボのいる三宝寺池が本当にいとおしく思われます。
2009年7月20日(月) 曇時々晴
その後、ツミのヒナはどうしているかと早朝から見に行きました。特徴的な鳴き声が聞こえて、ヒナが3羽じゃれ合うように飛び交っていました。周辺には親の姿はなく、巣立ち後の給餌も終わっているのかもしれません。それにしても、わずか3週間前は巣の中で白い産毛に包まれた姿だったのに、もう大きさは親とほとんど同じ。背中の羽と頼りなさそうな顔つきだけが特徴です。
1羽が何か足に捕らえて食事をしているのが見られました。よく見ると大きめのトンボのようです。これから夏の間セミやトンボなどの昆虫を捕まえて飢えをしのぎ、その間に敏捷な小鳥も捕まえられるようになるのでしょう。
三宝寺池はトンボ、チョウがにぎやかです。スイレンの池には真っ赤なショウジョウトンボも止まっていました。ただ、マルタンヤンマは見つけられず。やや涼しかったのが災いしたのかもしれません。
チョウは話題のナガサキアゲハが水辺観察園のオニユリに来ていました。ツマグロヒョウモンと並んで地球温暖化による南のチョウの北進といわれています。心配ですね。
2009年7月4日(土) 9:30〜12:30 曇時々晴
曇りがちながら梅雨の晴れ間。水辺観察園で一番目だっていた花はヤブカンゾウのオレンジ色でした。中国では無憂花といわれて大変愛されている花だそうです。その美しさに憂いを忘れるほどというわけです。ただ、私には同じユリ科でも八重のヤブカンゾウよりも、一重のノカンゾウが好ましく感じられます。
ミソハギの赤紫の花もぼつぼつ咲いてきて、オニユリのつぼみも大きくなり、夏の花園の雰囲気が次第に整ってきました。
今週行ってみるとツミのヒナはすっかり大きくなって、親とさほど変わらないくらいになっていたのには驚きました。それに比べると♂は本当に小さくて、羽も貧弱です。
ヒナといえば、ボート池でバンのヒナが6羽出ていました。黒い毛糸玉そっくりです。シジュウカラも巣立ちビナを連れて飛び回っています。厳しい時期を乗り切った鳥たちの命の輝く季節です。
2009年6月27日(土) 7:30〜11:00 晴
私事で時間を取られなかなか更新も出来ませんでした。今日はとにかく暑い一日でした。こういう時は体が暑さに馴れていなくて、熱中症の心配があります。気を付けたいものです。
ツミのヒナが出てきたらしいということで、早くから粘ってみました。樹木が密集したところで、しかも高い木の上。なかなか見通せるところもなく、条件は悪かったのですが、確かにヒナがもぞもぞと動いていて、時に顔をのぞかせます。時々親が餌を運んでくるのですが、これも巣に被ってろくに見えません。それでもツミの繁殖は2004年以来です。
ところで、三宝寺池はやっぱりトンボの王国。アオヤンマにオビトンボ、ギンヤンマ、ウチワヤンマなどが飛び回って、にぎやかです。
水辺観察園はやや端境期の様子。目立つのはオカトラノオ、アサザくらい。しかし、ヒオウギ、ヤブカンゾウ、ミソハギなどの夏の花がこれからというのに、アキノタムラソウやイヌタデが一部で咲き出していたのにはびっくりしました。
2009年6月7日(日) 9:20〜12:30 晴
ようやく晴れて気持ちのいい日でした。三宝寺池は昆虫の天国という様子になってきました。トンボはとにかくコシアキトンボがいっぱい。シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、アオヤンマ、オオヤマトンボ、クロスジギンヤンマなどが飛び交っていました。
蝶はアゲハ、クロアゲハなどのアゲハ類、スジグロシロチョウ、ヒメジャノメ、ツマグロヒョウモンなどに混じって、今年もミドリシジミが何頭も見られました(写真)。
水辺観察園のススキの葉の上で羽をもぞもぞと動かし、たまには羽を広げてサービスしてくれました。裏の地味な茶色に比べて、表は青緑色の鮮やかな色彩。目を奪われます。
そばにはホタルブクロの白い花に加えて、オカトラノオの特徴的な花穂が伸びて花を開くばかりになっています。梅雨は間近です。
2009年5月31日(日) 9:00〜11:00 曇後雨
昨日の土曜日は一日雨に降られ、今日こそと出かけたらまたまた雨にたたられてしまいました。
鳥の季節はすでに去り、先週、今週ともっぱらトンボ探しに終始しました。先週はシオヤトンボにオビトンボ(コフキトンボの♀)、今週はオアヤンマが尾繋がりになって交尾しながら飛んでいくところに出会いました。
トンボはこれからが本格的なシーズン。ヤンマの王国の三宝寺池はこれからが楽しみです。
水辺観察園の花はノハナショウブがやや盛りを過ぎたところ。赤紫の花が雨に煙っています。ホタルブクロも今が盛り。白い釣り鐘形の花が薄暗い中でひっそりと浮かびます。
雨といえば何といってもアジサイ。ボート池の入り口のガクアジサイが色づいていました(写真)。雨を楽しむ季節です。
2009年5月16日(土) 10:00〜12:30 曇
雨かもとの予報もあって寝過ごし、これはいけないと公園へ。さすがに夏鳥の声はほとんどなくなっていましたが、野鳥誘致林にさしかかると、ホイホイホイのサンコウチョウの声。
ここでH氏に会い、さらにY もやってきて一緒に探すと、尾は短いようですが確かにサンコウチョウの姿が。サンコウチョウは♀も囀るといいます。暗い樹冠をひらりひらりと飛ぶと、若葉が大きくなっていることもあってなかなかとらえられません。先週♂の写真を撮っていることもあって、ここはあっさりと断念。三宝寺池北側の台地で声を聞いた人もあり、今年はサンコウチョウの当たり年かも。
ところで、池の周りに目を移すと、ややピークは過ぎてしまったもののカキツバタが美しい青紫色を見せています(写真)。ここのカキツバタは都内では珍しい自生のもの。ミツガシワとともに特別天然記念物三宝寺池沼沢植物群落の目玉です。
さらに池を巡る木道を歩くと、白い花が道を被っているところも。上を見るとエゴノキの花がびっしりと咲いています。雑木林の春の女王といわれるだけあって、清楚でしかもあでやかです(写真)。池の縁ではホタルブクロの白い花も。本格的な夏の花シーズンが始まっていたのです。
2009年5月10日(日) 6:10〜10:30 晴
昨日に引き続いて早朝から公園へ。ところが昨日とは打って変わって、耳につくのはシジュウカラのツピツピばかり。あれほどいたキビタキも、わずかに野鳥誘致林で2羽が鳴き交わしているばかり。
しかし、記念庭園を通りかかるとホイホイホイの声。待っていたサンコウチョウの囀りです。じっくり待ちかまえていると、見えました。長い尾、眼の回りにはコバルト色のアイリング。まさにサンコウチョウです。若葉の下まで伸びている長い尾を見てください。
しかし、あんな姿をしていて実に身のかわしが早い。枝の良く茂った暗いところをひらりひらりと餌を取りながら飛び移ります。それでも何とか写真に納まってくれました。GWの最後を飾る大物スターに出会えて、幸せな休日でした。
2009年5月9日(土) 5:50〜9:30 晴
4日間も降り続いた雨があがった土曜日、夏鳥がたくさん囀っているに違いないと確信して公園へ。いましたいました。どこからもキビタキの声。センダイムシクイ、エゾムシクイ、待望のオオルリも囀っています。
今日は何といってもオオルリ狙い。野鳥誘致林で降るような声の下、ひたすら上を見て目をこらします。お知り合いのFさんに教えていただいて、ようやく写真に納めることが出来ました(写真)。
風切り羽根の先に茶色味が残る若鳥でしたが、囀りはほぼ一人前。それにしてもやわらかくて節回しの複雑な美しい声。戸隠か奥日光にでもいるような、すばらしい時間でした。
2009年5月3日(日) 8:00〜11:00 晴
連休2日目で公園を一回りしましたが、夏鳥の声は野鳥誘致林でキビタキのかすかな声を聞いただけ。晴天が続いて都市公園へのトランジェットはなしに、目的地への旅を急いでいるようです。
三宝寺池の周辺はカキツバタが盛りで、GW の華やかさを演出していました。周囲の台地ではひっそりとギンランの花も。しかし、どうも盗掘がされているようで、年々見られる数が少なくなってなっています。貴重な種をどうしたら守れるか、公園の管理者にも真剣に考えてもらいたいところです。
そろそろ切り上げようかと考えていたときに、池の端で「コゲラの巣にヘビが入った」という声が聞こえて、行ってみるとハンノキに空いた丸い穴にひものようなものが入っています。どうやらこれがヘビ。そこにコゲラの♂親が餌の虫をくわえて戻ってきて、異変に気がついてしきりに周辺を飛び回り、ヘビを威嚇しようとします(写真)。
しかしこれも自然界の掟、コゲラにはなすすべもありません。哀切な物語ですが、まだ繁殖の季節は始まったばかり、コゲラには再起を期待しましょう。
2009年4月26日(日) 5:30〜12:30 曇後晴
夏鳥の季節です。昨日はかなり強い雨が降り、今日はたくさんの鳥が降りているのではないかと早朝から石神井公園に出かけました。ぐるりと一回りすると、少なくとも6羽のキビタキのさえずりが聞こえました。先週はセンダイムシクイの声が降るようでしたが、今週はキビタキというわけです。
一回りするとあちこちで照姫祭りのテントばかり。早いうちに切り上げました。
一旦家に帰ってから、光が丘公園に出かけました。いつものポイントに行くとたくさんのカメラマン。コマドリが出るとのことで待つと、きれいな♂が出現。ここでコマドリを見るのは6年ぶりくらい(写真下)。
ここに今日降りてくれなければ会えなかったわけですから、これも一期一会。野鳥との出会いはいつもドラマチックです。
2009年4月12日(日) 9:30〜12:30 曇後晴
桜の花も散り季節は新緑へと移ろうとしています。今日は埼玉県の森林公園に出かけました。主な狙いは山野草でしたが、入り口を入るとすぐにキビタキの囀りに遭遇。いるんですね、気の早いヤツが。すっかり嬉しくなってしまいました。
ほかにはウグイスがすっかり良い声になっていて、ホオジロ、メジロ、それからコジュケイもしきりと鳴いていました。子育ての季節に入ろうとしているのですね。
ただ、一番良く聞こえたのはガビチョウの声。歓迎できませんね。
鳥の声を聞きながら山野草園に行くと、イカリソウ、クマガイソウ、ヒトリシズカ、ヤマブキソウ、シロバナエンレイソウなどが林床を彩って咲いていました。イカリソウの朱がとても印象的です(写真)。その名の通り花の形が船の碇にそっくりです。春の野を歩く楽しみは尽きません。
2009年4月4日(土) 10:30〜12:30 晴時々曇
桜が見頃になって、石神井公園も花見客でいっぱいなので、ほどほどにして、清水山憩いの森にカタクリを見に行ってきました。
ここは東京では珍しいカタクリの自生地で、コナラやクヌギの林の下に30万株があるといわれています。落葉した林で冬のうちから陽の光を浴びて力を蓄え、早春から花をつけて種を作り、コナラやクヌギが葉を広げて林床が暗くなる頃には葉も枯れて地上からすっかり姿を消してしまいます。
北向きの斜面なので、丈の低いカタクリを下から見上げて写真を撮るのはなかなか大変です。ここは、地元のボランティアの人たちが保護して育て、盗掘などないよう見守っています。いつまでも残しておきたい練馬の貴重な自然です。
2009年3月28日(土) 10:00〜13:0 曇後晴
ソメイヨシノが咲いた土曜日。ただこのところの寒さでまだまだ3分咲きと言ったところ。それでも気の早い花見客は午前中から宴を開いていました。
花見客が多いエリアは避けて、人気の少ない史跡公園で先ずスミレを探します。先日紹介した紫の濃いコスミレ、ポピュラーなタチツボスミレ、白くて小さなツボスミレ、さらにアリアケスミレ(写真)も見つかりました。水辺観察園で見つけたマルバスミレも併せて、この日だけで5種類のスミレを見ることが出来ました。
鳥も、アカハラ、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、アオジ、アトリなどが見られました。これからの繁殖に備えて、すでに婚礼衣装に着替えているものも。アトリは頭が黒くなり、アカハラやシロハラなども精悍な面構えに変わってきています。彼らの旅の無事と恋の成就を祈らずにはいられません。
2009年3月20日(金) 雨のち晴 11:00〜14:30
朝方やや強い雨があり、昼近くなってから出かけました。雨上がりで人が少なかったせいか、ジョウビタキやアカハラも近くに出てきてくれました。彼らとも間もなくお別れです。
お別れと言えば池の鴨はオナガガモ、マガモ、キンクロハジロはほとんどいなくなり、残っているのはコガモとハシビロガモくらい。寂しくなりました。
花はニリンソウが一気に出てきました。クサノオウの黄色い花に水滴がついているのを撮していたら、日影にはシャガの花が見え、水辺ではムラサキサギゴケ、ゲンゲ、ケキツネノボタン(写真)も水面の輝きにスポットライトを浴びていました。
ソメイヨシノも日当たりの良いものは咲き出していました。コブシ、レンギョウ、ハクモクレン、春爛漫です。
2009年3月15日(日) 10:00〜13:00 晴
昨日は冷たい雨の一日でしたが、今日は春本番の暖かさ。花粉の来襲もあって、体がついていきません。
公園に行ってみるとコブシの花が咲き始めていました。大きな木の花が咲き出すと、さすがに華やかさが加わってきます。水辺観察園では、先週からのアズマイチゲに加えてジロボウエンゴサク、アマナ、ムラサキケマンも咲いていました。
氷川神社をのぞくと、本殿横のミニ水田にはヤマアカガエルのオタマジャクシがいっぱい(写真)。ここには毎年ヤマアカガエルが産卵するのですが、彼らはどこからやって来るのでしょうか。
2009年3月8日(日) 8:00〜11:15 曇
先週から到来が伝えられていたヒレンジャク、キレンジャクを見に秋が瀬公園に出かけました。
最初、いつものヤドリぎの近くで待っていたのですが、さっぱり。ウォッチャーの情報を聞いて、河岸を替え、ようやく出会うことが出来ました。
ヒレンジャク、キレンジャクはジャノヒゲの実を食べに地上の草むらに降りていて、移動するときに灌木に止まってくれるところが狙い目。春先とはいえ、枯れ枝がじゃまをしてなかなか良い写真が撮れませんでしたが、何とかキレンジャクも納まってくれました。
アースカラーの林床の中、ヒレンジャク(写真)の赤色があざやかです。歌舞伎役者のような隈取りがあって、思わず引きつけられてしまう魅力があります。
幸せなひとときでした。
2009年3月7日(土) 10:00〜12:30 晴
雨が上がって日が差すと、本当に春の気配です。これだけで嬉しくなってしまいます。旧住友グランドのオオカンザクラはどうかと訪ねると、図々しくも大きなワカケホンセイインコが2羽居座って、花をむしって蜜を吸い、ぽいと捨てています。木の下は花の形をしたまま捨てられた桜でいっぱい。これってどうにかならないものでしょうか。
さらに史跡公園に回ると、ほんの2輪ばかりですが、コスミレ(写真)が咲いていました。枯葉の積もった間から紫色の小さな花を出して、春はここにあるよと囁いているようです。
水辺観察園はアズマイチゲの第2陣が盛りでした。ジロボウエンゴサクやニリンソウはまだでしたが、葉は大きくなっていて、開花は近いようです。その後を飾るミツガシワやカキツバタも芽が出て生長していました。楽しみな季節です。
2009年2月28日(土) 8:45〜11:30
久しぶりに雨が上がって、ようやく暖かくなりました。記念庭園の池から坂を上がると、ウグイスのさえずりが聞こえてきました。つぶやくような小さな声で、それもホケキョくらい。練習を始めたところでしょうか。
探すと、つぼみばかりの小さな梅の枝に止まっています。梅にウグイスといいますが、ウグイスが梅に止まっているのを見たことは数えるほどです。メジロとの混同ということのようですが、梅にウグイスの図に春を感じて嬉しくなりました。
公園では、セントウソウやヒメウズ(写真)が大きくなり、ヒメオドリコソウも目立つようになってきました。春の雨が上がった後は、春の花も本番となるでしょう。
2009年2月21日(土) 9:50〜13:00 晴
しばらくぶりに石神井公園に行くと、水辺観察園ではアズマイチゲとアオイスミレが咲いていました。いや〜春ですね。スプリングエフェメラルと言って、春一番の林床に咲いて、初夏にはすっかり姿を消してしまう花たち。春を待つ心にこたえてくれます。
この他、住友グランドのカンヒザクラ、オオカンザクラもすでに開花。心が浮き立ってきます。
鳥の世界でも、今日はエナガが巣材を集めている姿にあいました。2羽でやって来ては、クモの巣、草の葉、さらになにやら綿毛のようなものもくわえています。よく見ると、ミノムシの蓑からしきりに綿のようなものを引っ張り出しています。繭の綿を失敬しているようです。
エナガがここで繁殖すれば3年連続になります。すでにエナガも都市鳥の仲間になったのでしょうか。住宅地の公園で子育てにいそしむエナガも、環境の変化に必死で生き残ろうとしているのでしょう。
2009年2月14日(土) 9:30〜11:40 曇
東久留米駅近くの川にヒクイナがいるというので見に行ってきました。ヒクイナは夏に田んぼなどで見られる鳥で、埼玉県の大久保田んぼなどで何度か声は聞いたことがありますが、姿は見たことがありません。
一時は大変多くの人が詰めかけたということですが、今日は20人ほどでした。1時間ほど待って、枯れ葦の間から顔を見せてくれました。図鑑で見るほどあざやかではありませんが、顔や額それに胸などが美しい褐色に彩られていました。
ヒクイナは、俳句や和歌などに詠まれたことでイメージが膨らんだ鳥です。水鶏といえばかつてはヒクイナのことで、現在のクイナは別の鳥です。鳴き声がタンタンタン・・・と聞こえ、クイナが戸を叩くといわれました。芭蕉も、
水鶏啼くと人のいへばや佐屋泊まり
と詠んでいます。ヒクイナの声を聞くためにわざわざ遠回りをしたということです。
それにしてもヒクイナが冬にこのあたりにいるとは驚きです。
2009年2月1日(日) 8:30〜10:30 晴
今日から2月ですが、この週末雨と強風で、バードウォッチャーにはつらいものとなりました。日曜日も晴れたものの、風が強くて鳥が現れてくれません。強風が鳥の鳴き声や気配を消してしまうのです。
でも、あと少しで立春。それならばと春に先がけて咲く花を探してみました。まずは年明けから咲いている寒梅、紅梅だけでなく白梅も咲き出しています。ロウバイもすでに盛りです。今日はマンサクがほころんでいるのを見つけました。池の水は温かいのか、ほとりのレンギョウも咲き出しています。
野草はというと、ツグミ平ではヒメウズがけっこう咲いていて、さらにヒメオドリコソウもたった1輪ですが咲いていました。
日当たりのよい公園南側の農地を探すと、土手にはナズナの白い花、オオイヌノフグリの青い花、ホトケノザの薄赤い花(写真)も咲いていて、春はすぐそこという印象。
人間界は暗い話ばかりですが、寒風に耐えて咲く小さな花に元気をもらった日でした。
2009年1月25日(日) 8:00〜11:30 快晴
ここのところ空振り続きのアリスイに会いに北本公園に出かけました。現地はたくさんのバードウォッチャー、カメラマンでいっぱいです。ここはベニマシコ、ルリビタキ、ジョウビタキなどがいつも見られる人気のスポット。
早速教えてもらった場所に行くと、すでにたくさんの人たちが三脚を立てています。聞くと今出ているとのこと。ラッキーがありました。アリスイは写真のような姿で、枯れ木、枯葉と区別が困難。いると思って探さなければとても見つかるものではありません。
アリスイはバードウォッチャーの間では、恐竜みたいな鳥といわれます。体の模様がは虫類的だったり、首をうねらせる仕草などからイメージされるようです。写真は虫がいたのか、長い舌を出したところ。長い舌でアリなどの昆虫をなめ取るのはキツツキ類一般の習性ですが、アリスイが舌を出すと、ゴジラが炎を吹いているシーンを想像してしまいます。やはり鳥は恐竜から進化したのでしょうか。
この他、ベニマシコ、ルリビタキ、ジョウビタキなども見て、幸せな休日でした。
2009年1月18日(日) 8:30〜12:50 曇
今日は荒川のほとりの秋ヶ瀬公園に出かけてみました。アリスイが出るということを聞いたからです。教えてもらったポイントで待ってみましたが、なかなか出てきません。それでも、アカハラ、トラツグミ、ジョウビタキ、カシラダカ、アオジなどが次々に現れて、飽きません。
それでもアリスイは現れず、河岸を替えてみるかと向かったのはお隣の彩湖。お目当てはベニマシコです。いつも現れる葦原で探すといました、♂と♀がペアで出現。夢中でセイタカアワダチソウやヨモギの実をついばんでいます。
こちらも夢中でシャッターを切って、幸せな時間を過ごさせてもらいました。赤い鳥というのは、バードウォッチャーの心を鷲づかみにしてしまう魅力をもっていますね。写真には曇り空が味方して、赤い色がきれいに出ています。
彩湖ではこの他、タヒバリ、カンムリカイツブリ、オオバンなどがいて、それぞれ楽しませてもらいました。この広い彩湖、ゆっくりと来て隅々まで見てみたいですね。
2009年1月10日(土) 8:50〜12:00 晴
今日から3連休というわけで、今日も公園へ。今日はキクイタダキかななんて思いながら三宝寺池の周辺を歩いていたら、お知り合いの方からハクチョウは撮ったかと、声を掛けられてびっくり。あわててボート池に駆けつけました。
新聞にも載ったとかで、大変な人だかりです。オオハクチョウの成鳥が2羽と幼鳥が2羽。おそらく家族でしょう。8日に飛来して10日で3日目とか。狭いボート池で見るとすごく大きく見えます。
オオハクチョウは2001年に幼鳥1羽が飛来したという記録がありますが、4羽も一度に飛来したというのは信じられないような気持ちです。オオハクチョウはコハクチョウより体がやや大きい程度で、遠くから見た目にはほとんど変わりません。違いはくちばしの黄色と黒の模様だけです。
それにしても、無粋なボート池がたちまちロマンチックな白鳥の湖に大変身。周辺の食べ物屋さんも大賑わいのようで、ハクチョウ特需状態です。珍鳥といわれる鳥はいくつか来ましたが、これほどの人を集めるとはさすがにオオハクチョウです。ただ、残念なことにこの日の夕方までには、飛び去ってしまったようです。
【2008年 平成20年】
2008年12月31日(水) 7:40〜11:00 晴
大晦日も早朝はやはり公園へ。先日からよく見られているイカルは、今日は10羽ほどの群れが通過するのを見ただけ。エナガ、コゲラ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロの混群が林を渡っていったり、シロハラやアオジが枝の上に飛び出したり、モズが日向ぼっこをしていたり、アオゲラの声が響いたりと、いつもの面々でした。
林にはサザンカがたくさんの花をつけて、枯れ野の寂しさを慰めてくれていました。今年の最後の写真は白花のサザンカです。
訪れていただいた皆さんありがとうございました。今年はつらいことの多い年でした。新しい年の幸せと、戦争のない世界を祈って、キーボードの打ち納めとします。
2008年12月28日(日) 11:00〜16:50 晴
知人の方々と、渡良瀬遊水池に鳥見に出かけました。
遊水池に入る前に、板倉の広い農地でまずミヤマガラス、コクマルガラスを探します。ミヤマガラスの100羽ほどの群れはすぐに見つかったのですが、コクマルガラスは見あたりません。これまで3回ほど来ている場所ですが、コクマルガラスが見つからなかったのは初めて。異変があったのでしょうか。
ここで、ハイイロチュウヒがミヤマガラスに追われている様子に遭遇。心配していたハイイロチュウヒが見られてまずは幸先よし。
渡良瀬遊水池では、陽が西に傾いてくる頃、ハイイロチュウヒのねぐらになっている葦原で待っていると、赤い陽を受けて、ハイイロチュウヒが次々に帰ってきます。白いからだが陽に映えて、とても美しく見えます。ここではタカの仲間のミサゴ、チュウヒ、ノスリ、トビも見られ、猛禽の王国、渡良瀬を満喫しました。
写真はハイイロチュウヒです。これで初夢に鷹が出てくれればいうことなしですが。
2008年12月21日(日) 6:50〜11:00 晴
鳥はやはり早朝かと、日の出の頃に出かけてみました。暖かいとはいっても池からは湯気は立っていて、気温が低いことを証明していました。
管理所の南側の高いケヤキを見上げると一番上の方に鳥が止まっているのが見えます。よく見るとアトリで30羽くらいはいるようです。高いところにはすでに朝日が届いて、胸のオレンジ色が輝いていました。
カラスに脅されてグラウンドの柵沿いのサクラから、ケヤキの方に移動していき、ケヤキの実を食べ始めました。ケヤキの残りの紅葉とアトリの色が朝日に輝いて、美しい光景です。一緒にカメラを構えていた人から、ケヤキの下の茂みにアトリが降りているよと教えてもらうと程なく、いっせいに飛び立ちました。50羽はいたでしょうか。
この間もしきりとアオゲラの声が聞こえ、池にはオオバンやダイサギも来ていました。カラの混群も健在。楽しみ多い季節です。
2008年12月13日(土) 9:00〜13:00 晴
このところの暖かさが残って、鳥見日和でした。紅葉は最後の彩りを見せていました。記念庭園、野鳥誘致林は日が差すと息をのむほどの美しさです。
三宝寺池ではツグミやシメ、アトリ、ジョウビタキ♀などが見られました。水辺観察園のタチヤナギにカシラダカが現れるというので、しばらく粘ってみましたが、出てきたのはジョウビタキの♀だけ(写真)。かわいい子でした。
記念庭園のカキはまだ残っているかと回ってみると、あと20個ほどが残っていました。そこに、ツグミ、シロハラ、ヒヨドリ、メジロ、シジュウカラ、コゲラなどが次々に来て、ついばんでいます。ここのカキも今日で終わり。次はイイギリやセンダンでしょうか。
2008年12月7日(日) 9:30〜13:00 晴
石神井公園も遅かった紅葉がようやくピークになりました。寂しくなる前の一瞬の彩りです。
三宝寺池では何だか鳥の影が薄くて、ヒヨドリの声が響くばかり。そこで、記念庭園のカキの木の下で粘ってみました。カキもだいぶ少なくなって、それでも150個くらい。しばらく待っていると、ヒヨドリをはじめ、メジロ、シジュウカラ、コゲラ、ツグミなどが次々にやってきます。
お目当てのシロハラもようやくやってきてくれて、写真に収まってくれました。アカハラも期待していたのですが、そちらは空振り。
後からアトリの声が聞こえて、振り返ると紅葉の枝に1羽だけ止まっていました。カメラを向けるとあっという間に飛び去ってしまいました。
2008年11月29日(土) 晴 9:30〜13:00
いよいよ紅葉が盛りとなりました。石神井公園では、ケヤキ、エノキ、コナラ、クヌギ、イヌシデといった広葉樹が多く、イロハモミジも多いので紅葉はなかなか見応えがあります。写真は、三宝寺池の入り口のイロハモミジです。
鳥はというと、アトリ、イカル、アオゲラ、キクイタダキ、アカハラ、ジョウビタキなど、いろいろと情報は聞いたのですが、実際に見たのはアトリの群れが飛んでいるところくらい。消化不良でした。
来週は12月。これからの冬鳥に期待したいところです。
2008年11月22日(土) 晴 9:50〜13:00
暖かい小春日和で、冬鳥に出会えそうな予感が。先週ちらりと見ただけのアトリはどうなっているでしょうか。
三宝寺池に着くと、ここでよく会う方が何人か中ノ島のハンノキを見上げています。聞くとイカルがいるとのこと。高いところにいるのでよく見えませんが、確かにイカルです。15羽ほどが群れになって飛んでいます。イカルの群れは2005年以来です。
イカルが飛んでしまったあと、今度はアトリの群れがやはりハンノキに止まりました。アトリの後はまたイカルの群れ、合間にはシメも顔を出しました。イカルやシメもアトリと同じアトリ科の鳥。アトリは漢字で花鶏と書くくらいで、マヒワやマシコ類も含めて美しい小鳥の代表です。
この冬定着してくれるのではと、期待は膨らむばかりです。
2008年11月15日(土) 9:30〜12:30 晴後曇
まず記念庭園に行くと、池にはコガモが15羽、それにマガモの♂♀1羽ずつがいました。中ノ島の池のイロハモミジがようやく色づいてきたところ。
史跡公園では、今日もジョウビタキの♀、柿の木にはメジロのほかツグミ(写真)が姿を見せてくれました。ツグミの姿を見ると、晩秋の気配を感じます。
三宝寺池に行くと、水辺観察園の所にカメラを構えた人が集まっています。何でもアトリが来るということで待っているようです。1時間ほど待つと、梅林の方向から50羽ほどの群れが頭上を越して中ノ島に入った様子。池の畔にいると、なかで水浴びをしているのか、にぎやかな声。やがて群れをなして、再び来た方向に飛び去りました。アトリの群れの来訪は6年ぶりでしょうか。思わずワクワクしてしまいました。
2008年10月19日(日) 9:30〜12:00 晴後曇
土曜日は風邪で一日伏せっていましたが、少しよくなったので公園を一回り。これでは治らないよといわれています。
目につくのはケヤキがだいぶ色づいてきたことでしょうか。ムクノキ、エノキ、ゴンズイ、エゴノキ、サンゴジュ、カキなどの実が熟してきて、しばらく見ていると、けっこういろいろな鳥がやってきます。とりあえず、今日はエノキにコサメビタキのかわいい姿が見られました。
秋の渡りもそろそろ終わりに近づき、ツグミやジョウビタキなどの冬鳥がやってくる季節です。ツグミの声を聞いたという情報もありました。
水辺観察園は、秋の花が行く秋を惜しむように咲き競っています。写真はフジバカマです。秋の七草の一つで、昔は川の土手などにどこでも咲いていたそうですが、現在は野生種は絶滅が心配されています。キク科の花ですが、ユニークなのは香草として使用されたこと。枯れた後に乾燥させるとクマリンという物質が出来て香ります。平安時代の貴族はこれを香として使用していたということです。興味深いですね。
2008年10月5日(日) 9:00〜12:30 晴後曇
史跡公園に着くと、すぐにキーという甲高い声。急いで探すと、ヒマラヤスギの高い梢でモズの♀(写真)がいました。天覧山などでは聞いていましたが、ここ石神井公園ではモズの高鳴きは初めて。昨日も、三宝寺池ではコガモを見、回りの林ではカケスを何度も見ました。秋の深まりを感じます。
柿の木もようやく色づいてきて、メジロやヒヨドリも姿を見せています。ゴンズイやハナミズキの実、シラカシやクヌギのドングリもたくさん落ちてきて、鳥たちを迎える準備も整ってきました。楽しみな季節です。
水辺観察園は、ツリフネソウ、ミゾソバ、サクラタデ、シラヤマギク、ユウガギクなどが盛りを迎えて、秋の景色です。その花の間をせわしなく飛び回る影があり、よく見るとこれはクロホウジャク。スズメガの仲間ですが、昼間飛び回ってホバリングしながら蜜を集めて回ります。茶色と黄色の体色は、これも秋の色です。
2008年9月27日(土) 9:00〜15:00 晴
飯能の天覧山に行ってきました。空気もややひんやりしてきて、天気もよし。絶好のハイキング日和です。目標はサシバの渡りを見ることと、低山のトンボでした。
サシバは見られませんでしたが、トンボはルリボシヤンマ(写真)、タカネトンボ、ミルンヤンマ、オニヤンマなどが見られて成果がありました。
しばらく前まで田んぼだったと思われる谷間の湿地に、穴が掘ってあって、水たまりになっています。ここにトンボがやってきます。
また、ここは秋の花野になっていて、ミゾソバ、アキノウナギツカミ、ミズヒキ、サクラタデなどのタデ科の花、ツリガネニンジン、アキノタムラソウ、ツユクサといった青い花、ユウガギク、ツリフネソウなども咲いて、夢のような花園でした。
なお、この週末は所用で石神井公園に行けなかったので、28日の夕方に一回りしました。ボート池にヒドリガモの♂が1羽。冬ガモがなかなか見られなくて心配していましたが、ようやく見ることが出来ました。今年の初ガモというわけです。なんだかほっとしました。
2008年9月21日(日) 8:50〜11:00 曇後雨
曇り空でしたが、午後までは持ちそうだということで出かけました。
着くとまずまずの天候で、やや盛りを過ぎた萩の花にはキチョウが群れていました(写真)。秋は深まっていますね。
水辺観察園ではもうタイアザミが盛りを過ぎ、ノハラアザミが盛りを迎えています。秋の七草のフジバカマが咲き始め、ツリフネソウが目立ってきました。この雨空が去れば、秋本番はもうすぐそこです。
鳥は今日もツツドリを見ましたが、写真を撮っていたら予想より早く雨が落ちてきました。一時は雨宿りをしたのですが、雨は激しくなるばかり。未練を残して引き上げました。
2008年9月15日(月) 9:00〜12:30 曇
土日と法事で田舎へ行っている間に、サンコウチョウやツツドリ、ヒタキ類が現れたようで、早速出かけてみました。三宝寺池の木道を歩いていたら、中ノ島からカラスに追われてオオタカが現れました。先日も取り上げた♀の若鳥で、今も毎日のように顔を出しているようです。
ツツドリは毛虫が好物なので、桜の木をたんねんに探していると、ヒヨドリに似ているがお腹に斑のある鳥が出現。毛虫を捕っています。目には金色のアイリングがあって、これはツツドリに間違いなし。秋の渡り鳥をようやく見ました。
今日は、この他にもシジュウカラに混じったヤマガラ、高い木の上で動くヒタキらしい鳥も見ました。これからが楽しみですね。
2008年9月6日(土) 10:00〜12:30 曇
水辺観察園に行くと、ススキの根本にナンバンギセルの赤い花が咲いていました。ハマウツボ科という聞き慣れない種類に属し、葉はほとんど退化していて、主にイネ科の植物の根に寄生して花を咲かせます。
名前は変わっていますが、万葉集にも“道の辺の尾花が下の思い草”と詠まれていて、古くから知られていたことが分かります。それにしても“思い草”とは、秋にふさわしい名前ですね。
今日は、秋の渡りの鳥の出現情報をよく耳にしました。サンコウチョウにツツドリ、ムシクイ類です。秋の渡りは秋の長雨に時期と重なり、春と違って囀りがありません。出会い頭の発見を期待して、ひたすら探して歩くしかありません。でも、鳥の話を聞くとワクワクするものを覚えます。これからですね。
2008年8月31日(日) 9:30〜12:30 曇時々晴
このところ激しい雨が続いています。多くの災害も出ているようです。これも地球温暖化の影響としたら、恐ろしいことです。
今日も公園に行ったら、三宝寺池の入り口のセンダンの大きな枝がぼっきりと折れていました。夜来の雨で枝に重みがかかり、今朝7時前くらいに折れたということでした。けがなどする人がなくて何よりでした。
さて、水辺観察園は夏の花がピークを過ぎ、シロバナサクラタデや、ミズヒキ、イヌタデなどのタデ科の花、秋の七草のヤマハギ、オミナエシ、そして、ユウガギク、キンミズヒキ、センニンソウ、キツネノマゴなどの秋の花が優勢です。
これらの花にはイチモンジセセリ、キマダラセセリ、ダイミョウセセリなどの小さな蝶が群がっています。そこに大きなトンボが現れて、これはオニヤンマ。緑の目に縞模様のしっぽ。飛ぶ姿はさすがに大物の風情があります。
今日の写真はオオタカです。このところ、毎日のように現れて餌を狙っているとのことです。ただ、見たところまだ若い♀のようで、狩りもなかなか成功していないとか。でも、猛禽らしい堂々たる姿にしばし見とれました。
2008年8月23日(土) 10:00〜12:30 曇
急に気温が下がって、10月中旬という涼しい日となりました。このところの猛暑でウンザリしていたので、生き返ったような気分です。ただ、気温が下がるとチョウやトンボなどの昆虫類が姿を見せなくなるのが残念です。
そんななか、キツネノマゴの群落にはイチモンジセセリとキマダラセセリ、ヤマトシジミなどの小さなチョウが飛び交っていました。何だか寂しさを感じてしまう光景でした。
写真は草むらで見つけたスケバハゴロモという昆虫。体長はわずか数ミリですが、見かけどおりに、セミに近い種類です。羽衣という名前もぴったりだと思います。脅かすと跳ばないではねて逃げるのもご愛敬です。
2008年月9日(土) 13:30〜16:00 曇
観察会に参加し、その後秋の花を探しました。このところの暑さが一休みして、楽に一回りできました。
観察会では、タマムシが飛んだりしたのが成果でした。ただ、止まっているのが見つからなくてやや残念。
7日は早くも立秋。それで、秋の花というわけです。写真はイヌタデですが、この他、ミズヒキ、アキノタムラソウ、シロバナサクラタデ、それにキツネノマゴもちらほらと出ていました。そうそう、水辺観察園では秋の七草の一つ、オミナエシの黄色い花も見られました。雑草のヤエムグラも出てきています。万葉集に
八重葎茂れる宿の寂しきに 人こそみえね秋は来にけり
という歌がありますが、自然界はもう秋の色が濃くなってきています。
2008年8月2日(土) 10:00〜12:30 晴
うだるような暑さの中、公園を一回り。え〜と、鳥はムクドリの家族がただうるさいだけ。ヒヨドリさえも遠慮がち。そんななか、巣立ちビナを連れたエナガの群れ、シジュウカラの群れが枝を渡っていきます。葉が茂って、よく見えないのが残念。
この季節はやはり昆虫です。思い直してトンボ、チョウを探します。三宝寺池で一番目だったのはウチワヤンマでした。大きな姿でぶんぶん飛び回って、シオカラトンボやコシアキトンボなどを蹴散らす勢いです。ギンヤンマも元気。マルタンヤンマが見つからなかったのが残念。
アベリアの花には、クマンバチ、クロアゲハ、カラスアゲハなどが来ていましたが、黄色い胴体に赤いオビという派手なツートンカラーのオオスカシバが目立ちます。スズメガというガの仲間ですが、昼間に行動して、ホバリングをしながら蜜を吸うという面白い習性があります。
この仲間には、長い花筒をもつ花からも蜜が吸えるよう、口吻を30センチ以上も長くした種類もいるそうです。進化って不思議です。
2008年7月24、25日(木、金) 晴時々曇
真夏の尾瀬に行ってきました。尾瀬は3回目ですが、なぜかこれまでは草紅葉の季節ばかり。もっとも、鳥見が中心だったからかもしれません。
今回は花が目的。この季節の尾瀬はまさに天上の花園という風情でした。ヨッピ橋の周辺はニッコウキスゲが一面に咲き乱れていました。ノアザミやトキソウ、キンコウカなどがとりどりの色を競い合っています。
見たかったモウセンゴケで、地塘の縁は赤く彩られています。何とも幸せな気分、夢心地でした。
鳥も、カッコウ、ホトトギス、ウグイス、ホオアカなどの声がひっきりなしに聞こえ、ノスリも舞ってくれました。
山小屋で温泉につかり、翌日は白砂峠を越えて尾瀬沼、沼山峠から檜枝岐に下りてゆっくりと1泊。ここのそばが絶品でした。毎年でも行きたいですね。
2008年7月21日(月) 曇 10:00〜12:00
所用で午前中短時間だけ行ってみました。曇で案外しのぎやすく、助かりました。
今日驚いたことは、イヌタデ、ミズヒキ、シロバナサクラタデといったタデ科の花が目立つようになったことです。タデ科は秋の花といった印象が強いのですが、梅雨明けと同時に咲き始めていたのです。写真は、水辺観察園で写したシロバナサクラタデですが、背景の赤紫色はミソハギ、オレンジ色はオニユリです。これも一つの夏の風景。
アオスジアゲハ、カラスアゲハ、クロアゲハなど、真夏のチョウも今が盛り。夏全開の公園でした。
2008年7月13日(日) 9:00〜12:00 晴
今日はいいことがありました。オニヤンマの羽化に出くわしたのです。暑いなか、出かけた甲斐があったというものです。
水辺観察園の橋を通りかかると、北側のカキツバタの葉になにやら大きな茶色のものがしがみついていて、これがオニヤンマの抜け殻。本体はすぐそばにぶら下がっていました。オニヤンマの羽化を見たのは5年ぶりです。
オニヤンマは日本で最大のトンボ。羽化までは、ヤゴの形で5年間もかかるといわれています。流れに草が被った水辺を好み、水辺観察園の奧から続く流れで生育します。羽化すると、この流れの上を飛ぶ姿が見られます。
花はミソハギがかなり咲いてきて、フトイも花を咲かせています。オニユリは今にも咲きそうにつぼみが膨らんできました。
鳥はムクドリのファミリーがうるさいだけ。鳥見人にはつらい季節が続きます。
2008年7月5日(土) 晴 10:00〜13:00
いやー、暑いですね。昨日あたりから一気に真夏に突入という陽気です。まだ体が暑さに馴れていなくて、いっそううっとうしさが募っています。
この季節、林の中を歩くと、クヌギの木から樹液がしみ出していて、そこにチョウや甲虫などいろいろな虫が集まっていることがあります。甘酸っぱい匂いが漂っていて、昆虫酒場などと呼ぶ人もいます。
あるクヌギの木では、ナミジャノメ3頭が仲良く樹液を吸っているところに、キイロスズメバチがやってきて、我が物顔に樹液を吸い始め、ナミジャノメも負けずににらみ合いを始めました。
別の木では、カナブンとルリタテハ(写真)が夢中で樹液を吸っていました。リルタテハの青が鮮烈ですね。
2008年6月28日(土) 曇 10:00〜15:20
お知り合いの方々と寄居のトンボ公園に行ってきました。現地のNPOの方々が休耕田を借りてトンボの公園をつくっています。3カ所を回りトンボを探しました。
今回トンボがたくさん見られたのは、高台にある池の回りでした。アサザが植えられた池では、オオアオイトトンボ、アオイトトンボ、キイトトンボ(写真)、モートンイトトンボ、ハラビロトンボ、ルリボシヤンマなどが飛び回っていました。色鮮やかなトンボを追いかけていると、時間を忘れます。トンボを追いかけてこんなに興奮したのは、子どもの時以来でしょうか。
ただ、一部の地域では周辺の埋め立ても進められいて、心配されます。それにしても、こうした池や湿地を維持するのは予想外に困難なようです。団体の皆さんの活動に頭が下がります。
2008年6月21日(土) 曇後雨 10:00〜12:30
梅雨も本格化して、雨もかなりまとまって降るようになりました。この雨の中、鳥たちは子育てに余念がありません。
カイツブリは先日報告した家族に続いて、2家族が雛をかえして子育て中です。近くではバンも2番子を育てるべく巣づりをしていました。カルガモも抱卵中の家族がいます。
カワセミは先日2番子が出現したのですが、引き続いて子育てに挑戦するようで、交尾しているのがこのところよく見られます。以前には、お盆休みに3羽巣立ったことがありました。
カイツブリの巣を見ていたら、コアジサシがやってきて、しきりと水面にダイビングを始めました。3羽います。今の時期にはしばしば見られますが、もちろん公園で子育てするわけではなく、多摩川の河口あたりからやって来るのでしょう。長い羽が美しいカモメの仲間です。
南半球から子育てのためにやってくる遠来のお客さんですが、東京湾は埋め立てと開発が進んで、コアジサシが営巣できる海岸の空き地がなくなってきています。今のうちに何とかしなければ。
2008年6月14日(土) 晴
久しぶりに晴天の週末です。喜んで今日も公園を一回りしました。
鳥はシジュウカラやエナガの巣立ちビナを連れたファミリーが飛び回っています。ただ、すでに木の葉が茂ってしまってなかなか見えません。鳥見には厳しい季節ですね。
となれば昆虫の季節。ギンヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、コシアキトンボ、モノサシトンボ、クロイトトンボなどがすいすいと飛び回っていました。そのなかで今日のトピックはミドリシジミに出会ったこと(写真)。ミドリシジミはハンノキを食草にしていて、石神井公園でも出会うことが出来ます。
羽の裏は地味な茶色ですが、表は金緑色を輝かせています。日の当たるところを飛ぶと、きらきらと光ってこの世のものとも思えません。
すでに梅雨に入って2週間。アジサイが赤紫、青紫の花を咲かせています。梅雨の季節は梅雨と楽しむ心をもちたいものです。
2008年6月8日(日) 9:00〜12:30 曇
昨日は暑くて、トンボやチョウなどの昆虫が目につきましたが、今日は日差しもなく気温が低かったせいか、昆虫は今ひとつ。
水辺観察園は、ノハナショウブが盛りを過ぎ、ホタルブクロ、アサザなどが目をひいていました。もっとも目立っていたのはドクダミの白い花。薄暗がりに白い花はよく目立ちます。梅雨に入って、やはりアジサイが色づいてきました。
今年はボート池で、カイツブリが3カ所で繁殖しました。今日も西側で、4羽のヒナを連れた♂♀が、しきりに潜っては餌をとり、ヒナに与える姿が見られました。ほっとする風景です。
2008年5月30日(金)、31日(土) 晴後雨
1年ぶりに戸隠へ行ってきました。天候は今ひとつでしたが、絶え間なく小鳥たちの声が聞こえ、別天地ですね。
鳥はというと、今は抱卵中といった時期で、鳥の姿はなかなか見えにくかったです。それでも、ミソサザイ、アカハラ、キビタキ、コサメビタキ、オオアカゲラ(写真)、ニュウナイスズメなどを見て、オオルリ、クロツグミ、ホトトギス、ツツドリなどの囀りを聞いて、満足して帰路につきました。
宿の料理も戸隠の素材を使ったもので、こちらも大満足でした。
2008年5月25日(日) 13:50〜16:30 雨後曇
土曜日は仕事で公園には行けず、今日も午前中は雨。午後になって雨が止んできたので、勇んで出かけました。
鳥はシジュウカラやコゲラ、メジロの声がしたくらい。バンの子はだいぶ大きくなり、カイツブリは抱卵中。カルガモもどこかで抱卵していることでしょう。
水辺観察園では、カキツバタに替わってノハナショウブが咲き誇っていました。夏の花が咲きそろう間を埋めるように、イグサ、フトイ、ホソイ、サンカクイなどのイグサ科の植物が大きくなってきました。地味ですが水辺を特徴付ける植物です。
鳥に替わって目立ってきたのは昆虫。残念ながら雨上がりの曇り空で、種類は少なかったのですが、トンボではヤンマ類、モノサシトンボ、コシアキトンボなど、チョウではクロアゲハ、スジグロシロチョウ、モンシロチョウ、ヒメジャノメなどが飛んでいました。
今日の発見は、ミマキマイマイの生まれたばかりの子どもが見られたこと(写真)。目玉の先からしっぽまで計ってもわずか1cm足らず。透き通った体が何ともかわいらしい姿でした。
2008年5月17日(土) 8:30〜1:30 晴
ようやく週末の晴。そろそろサンコウチョウやホトトギスの出番かと、勇んで出かけたのですが、結果は見つからず。今年の夏鳥は、どうも不作のようです。
公園の留鳥はすでに子育てのシーズンで、シジュウカラやエナガ、コゲラはあちこちでヒナが飛び回っています。水鳥もバンはすでに第1陣が巣立ち、カイツブリも抱卵しています。カワセミも巣立っていて、公園に集まっている鳥カメさんたちはこれに夢中。
今週目についたのは昆虫たち。クロアゲハ、ナミアゲハ、ダイミョウセセリ、コミスジ、サトキマダラヒカゲなどのチョウ、ギンヤンマやクロイトトンボなどのトンボたちがあちこちで見られました。クロイトトンボはすでに尾つながりになって産卵していて、ちょっとびっくり。
石神井公園は鳥の季節から昆虫の季節へと、動いてきています。
2008年5月11日(日) 10:00〜12:00 雨
この週末も雨にたたられてしまいました。それでもじっとしてもいられず、傘を差して公園を一回りしました。最初に迎えてくれたのは、道路に近い葦の間で鳴くオオヨシキリ。ツバメもしきりと水面を飛び回っていました。
水辺観察園のカキツバタはやや盛りを過ぎたようですが、雨にしっとりと濡れて青紫の色が一段と映えていました。南側のコウホネの群落もすっかり大きくなりました。その向こうに大きなアオサギが現れて、なかなかいい風情でした。
中ノ島ではカワセミの親子がいるようです。いつの間にか巣立ったようです。親から餌をもらっていますが、子どもも時々ダイビングをして餌取りの稽古も。カイツブリも抱卵中で、新しい命の季節が始まっていました。
2008年4月19日(土) 曇 8:30〜12:30
今日のお目当ては当然夏鳥。オオルリやキビタキのさえずりを求めてじっくりと探しました。しかし、風向きがよくないせいか、声はさっぱり。それでも粘っていると、野鳥誘致林の高木の梢からオオルリの声が降ってきました。必死に姿を探しましたが見つけられず、それっきりさえずりも止んでしまいました。ウ〜ン、残念。
夏鳥はそれっきり。にぎやかなのはヒヨドリばかりでした。それで、池の岸に降りると、カワセミが頻りにホバリングをしていました。近くに♂♀がいるし、頻繁に餌も運んでいる様子。どうやら、雛の巣立ちも期待できるかもしれません。
水辺観察園はミツガシワが花盛り。カキツバタも咲き始めました。八重のサトザクラが散り始めて、春惜しむ季節から水辺の花が輝く初夏に移ろうとしていますね。
2008年4月12日(土) 晴 10:00〜12:20
土曜日は晴れて暖かく、日曜日は雨模様でぐっと冷え込むと、定めない春らしい天気で体がついていくのが大変です。読者の皆さんもご注意ください。
さて、東京近郊の公園ではキビタキが見られたとの情報もあり、気の早い夏鳥は来ていないかと探し回りましたが、気配はなし。来週までおあずけです。ツグミはまだ見られますが、冬鳥は大半が帰ったようです。でも、エナガは元気に飛び回り、モズの♂♀は見られます。これからどうなるのでしょうか。
水辺観察園はミツガシワが咲きそろい、ゲンゲも花盛り、カキツバタもつぼみが大きくなってきました。水辺の花が輝く季節が始まりました。
ところで、中ノ島のハンノキが更新期とあってだいぶ透けてきた上に、枯れアシが2月の雪で倒れたために、自生のミツガシワがよく見えています。よく目をこらすと、白い花の群落が見えますよ。これが、氷河期から生き残ったミツガシワです。
写真は東京ではちょっと珍しいシロバナタンポポです。
2008年4月6日(日) 曇時々晴 10:00〜13:00
今年も南鷹尾の観察会に出かけました。早春の野草を探します。
お目当てはスミレで、エイザンスミレ、アオイスミレ、ヒナスミレ、ナガバノスミレサイシン、タチツボスミレ、コスミレ、スミレ、マルバスミレ、ミヤマスミレの種類が見られました。ただ、いずれも今ひとつ生育が悪く、一番早く咲くはずのアオイスミレがまだ見られたところからすると、2月の雪のせいか、だいぶ遅れているようでした。
途中では、カタクリやヤマエンゴサク、キケマンなども見られて楽しい道行きでした。
慣れない山道もあって、帰るとけっこう疲れていましたが、翌日起きると気分がすっきり。森林浴の効果を実感しました。
写真は、なかなかきれいなのにヨゴレネコノメという可哀想な名前をもらってしまった野の花です。
2008年3月30日(日) 曇後雨 8:00〜12:00
東京の平野部ではどこもソメイヨシノが満開。しかも日曜の夕方からは雨が予想されていたので、この週末は最後のお花見の機会となりました。そこで、人の少ないうちに公園を一回りしてこようと早めに出かけたのですが、けっこうな人出でした。
確かにソメイヨシノは満開。しかし、ヤマザクラやエドヒガン(シダレザクラ)はまだ1週間くらい先のようでした。コブシは盛りを過ぎ、ヒュウガミズキ、レンギョウ、ヤマブキなどがピーク。野草はミツガシワが咲き出し、ゲンゲ(レンゲソウ)も咲いてきました。いい季節です。
写真は29日にいった浜離宮のサクラ。高層ビルの中の可憐な花です。
2008年3月23日(日) 晴 8:00〜12:00
この週末、待望のソメイヨシノも咲いて春本番となりました。
石神井公園でも、コブシ、レンギョウ、ハクモクレン、シデコブシ、トサミズキ、ヒュウガミズキなどの樹木、ニリンソウ、アマナ、ジロボウエンゴサク、コスミレ、タチツボスミレ、ヒメウズなどの野草が咲いて、一気に華やかな風景を作り出しています。ミツガシワももうすぐです。
キチョウ(写真)、スジグロシロチョウ、モンシロチョウなども飛び始めています。
冬鳥がずいぶん少なくなりました。ハシビロガモは全く姿を消し、マガモも見えません。一方で、ウグイスはさえずりの練習に余念がなく、エナガはどうやら巣作りを始めたようです。シジュウカラのさえずりも高くなってきています。
あと3週間もすると、待望の夏鳥が渡ってきます。本当に楽しみですね。
2008年3月15日(土) 晴 8:50〜11:30
この週末、本当に暖かくなりました。予想どおり、三宝寺池のオナガガモはほとんど北帰行に飛び立ってしまいました。キンクロハジロも池の中央に集まって、これまでとは違った雰囲気です。
この陽気で、一気に花が開いてきました。野草では先週から咲いているアズマイチゲをはじめ、ジロボウエンゴサク、コスミレ、アマナ、バイモ、そしてニリンソウも。春本番ですね。
また、コブシやモクレン、レンギョウ、そして早咲きのサクラの花。住友グランドのオオカンザクラ、そして赤いカンヒザクラの花も咲いていました。(写真)。カンヒザクラは南方系の血が濃い、下を向いて咲くサクラです。
よく話題になる沖縄の名護城趾のサクラなどもこのカンヒザクラの系統といわれています。散るときも花びらではなく、花のまま散るのが特徴です。
俳人の杉田久女の句に
風に落つ楊貴妃桜房のまま
とあるのはこのサクラのことです。
ソメイヨシノの開花も早まるという情報もあります。百花繚乱の季節、楽しみですね。
2008年3月8(土)、9(日) 晴
この週末は余り時間がとれず、短時間ずつ、そそくさと一回りしました。
それにしても暖かくなりました。一気に春が来たという陽気です。梅は満開、遅れていた史跡公園の豊後梅も咲き始めました。ヒヨドリ、メジロ、シジュウカラがひっきりなしに訪れています。カワラヒワの声も大きくなってきました。
野草はとみると、先週ご紹介したアズマイチゲは花の数が大きくなり、アオイスミレ(写真)、タチツボスミレも一輪ずつ咲いていました。これから、イチリンソウ、ニリンソウ、ジロボウエンゴサク、コスミレなども咲きそろってきます。
雑草扱いですが、道ばたをみるとオオイヌノフグリの青い花、ヒメオドリコソウの赤い花、ハコベの白い花も盛りになってきています。畑にはホトケノザも咲き誇っています。
鳥は、キクイタダキ、エナガ、ジョウビタキなどに会いました。ビンズイなどもみられているようです。三宝寺池のカモも含めて冬鳥はこれから北帰行です。楽しませてくれてありがとうといいたいですね。
2008年3月2日(日) 8:50〜12:00 晴
ずいぶんと暖かくなってきて、花の便りが待ち遠しくなります。今日も水辺観察園で、春一番の花を探しました。咲いていたのはアズマイチゲの白い花が3輪。スプリングエフェメラル(春の短い命)といわれる花の中でも、まず名乗りを上げる花です。スプリングエフェメラルは、雑木林など落葉広葉樹林の林床で咲きます。冬の間落葉樹の林でたっぷりと陽を浴びていち早く花を咲かせ、種子をつくって、広葉樹が葉を広げる頃には地上から姿を消してしまうという戦略を持っています。
落葉広葉樹の林という環境をうまく利用して生育するというわけです。こうした戦略をもつ仲間には、カタクリ、ジロボウエンゴサク、イチリンソウ、ニリンソウなどがあります。いずれも野草のスーパースターたちです。
一方、お池のカモとくにオナガガモなどは、暖かい日差しのなか今にも飛び立たんばかりの様子です。
咲きそろってきた梅の花を見ていたら、メジロがしきりにやってきて蜜を吸っていました。まだ虫の少ないこの時期には、メジロも花粉を運んでくれる貴重な運搬役というわけです。毎年のことながら、梅に来たメジロのかわいさには思わずレンズを向けてしまいます。
2008年2月23日(土) 晴 9:00〜12:00
午前中は春の陽気、午後の3時頃からは嵐が吹き荒れてこれが春一番。春はイメージとは異なり、激しく変化する季節ですね。
そろそろ春の花が咲き始めるのではないかと、重点的に探しましたが、水辺観察園では小さなセントウソウの白い花が落ち葉の影から顔を覗かせていただけ。アズマイチゲやアオイスミレなどのスプリングエフェメラルはまだでした。
周辺の農地で、ホトケノザの群落が薄赤い花を付けていました。春の色ですね(写真)。あとは、外来種のオオイヌノフグリの青い花、ヒメオドリコソウのピンクの花くらい。今年の冬は寒さが厳しかったせいか、開花が遅いようです。
鳥はきれいなオシドリの♂が1羽。足輪を付けているところを見ると、井の頭動物園から飛来したもののようです。
エナガの群れは相変わらず元気、カワラヒワのさえずりも大きくなってきました。キクイタダキもまだいるようですが、さっきいたよと聞いたところにはすでに影がありませんでした。
午後の春一番で、カモも北帰行を思うことでしょう。春本番は間近です。
2008年2月17日(日) 9:00〜11:00 晴
立春を過ぎてもなかなか暖かい日はやって来ません。石神井公園では、ウメやマンサクが咲いて、フキノトウも顔を出していますし、何よりも日差しが強く、長くなっています。人間にも春が実感されるのもあと少しでしょう。
今日は定例のカモカウントの日。合計294羽で、1月よりも50羽程度減少していました。減少の大部分はカルガモで、他の冬ガモはほとんど変化がありませんでした。
でも、よく見ると、オナガガモは名前のとおりオスの尾羽が長くなり(写真)、大部分がつがいになって泳いでいます。北極圏で子育てをするオナガガモは旅立ちも早いので、もういつでも旅立てる準備が整ってきたということでしょう。旅立ちは間近です。
それから、今日はエナガがしきりにクモの巣を集めているのを見ました。これは巣づくりの準備に違いありません。ワクワクする季節はすぐそこです。
2008年2月10日(日) 曇後晴
先週に続いて、この週末も雪が降りました。先週の雪よりだいぶん少なく、日曜日の朝から溶け出していました。
さて、鳥たちはどうしているかと様子を見に行きました。特徴的だったのは、シジュウカラのさえずりがあちらからもこちらからも響いていたこと。牡丹雪の後の気温上昇で、春の息吹を感じて、恋の歌を歌いたくなったのでしょう。そのほか、余り目立ったことはありませんでしたが、ツグミ平のアイドルだったルリビタキ♂が数日前から見えなくなってしまったというのが気になりました。
三宝寺池の中の島を囲んでいた葦が雪の重みで倒れ、中の様子がよく見えるようになっていました。ミツガシワやカキツバタが咲くころまで見えてくれると面白いのですが。
帰り道、ボート池の東側でハクセキレイに会いました(写真)。雪の上を抜き足差し足で歩いているのには思わずにんまり。
2008年2月3日(日) 雪 9:30〜11:30
東京地方は今シーズン3度目の雪。といってもこれまではほとんどちらつく程度でしたが、今日は本格的な雪になりました。雪国の人には誠に申し訳ないことながら、いつもと違った雪景色が見られると、公園に出かけました。
木々が雪に被われた景色はそれなりに美しいものでしたが、1昨年の大雪の時と違って、かなり重い牡丹雪で、ある程度積もると落ちてしまうようでした。ピラカンサスやタチカンツバキ、紅梅などに積もって彩りを引き立てていました。
しかし、鳥はカモの他はシジュウカラが目についたくらいで、他の小鳥はどうしているのか見られません。雪を避けて木立の中に隠れているのでしょうか。
カモだけは気温よりも水温が高くなって湯気の立つ池を元気に泳ぎ回り、訪れる人が少ないせいか、♀を囲んで首を上げたり下げたりの求愛ダンスを繰り広げているオナガガモのグループも目につきました。帰り道、ユリカモメがボート池に100羽ほども浮かんでいたのにはびっくり。
東京では牡丹雪は春の兆し。明日は立春です。
2008年1月27日(日) 9:00〜10:30 快晴
大寒の最中で人間は震え上がっていますが、次の24節季は立春。この時期でも花を付ける樹木に注目してみました。
まずウメ。2週間くらい前から三宝寺池北側の梅林で紅梅が花を付け始めたと思っていたら、今日はかなり満開に近いくらいまで咲いていてびっくり。白梅もちらほらと咲き始めていました。
管理所の近くにあるロウバイも咲きそろって、良い香りを振りまいています。野鳥誘致林のマンサクは本当にわずか緑色の花弁を開いている花が見られました。
そして中の島を見ると、ハンノキが褐色に煙ったように見えます。ハンノキは今が花期の盛り。写真のように褐色の雄花が垂れ下がっています。雌花も近くにあります。雄花の花粉は風に乗って飛んで行くので、昆虫がいない季節でも受粉することが出来るのです。地味ですが、これも三宝寺池の冬の風物詩。まもなくやってくる春に向けて、植物たちは動き出しています。
2008年1月19(土),20日(日) 晴時々曇
寒に入って寒い日が続いています。風邪をひいている方も多いのではないでしょうか。でも、大寒の次の24節季は立春です。がんばっていきましょう。
19日は、三宝寺池でユリカモメの姿が目立ちました。緊急船着き場で人がパンを配り始めると、どこからともなく30羽近いユリカモメが現れて、パンをカモたちと争っていました。これほどの数がとも思いましたが、ここも海からの直線距離は20キロ程度、カモメにとっては一飛びの距離に違いありません。
20日は、定例のカモカウントの日。今日は合計で335羽で、前月より少し増えていました。オナガガモが少し減り、カルガモ、キンクロハジロが増えているようでした。しかも、オナガガモは三宝寺池で大きく減り、石神井川では増えていました。これはどうも、石神井川では毎日パンを撒いている人がいるためのようです。
これは井の頭公園や上野公園などでも同様の傾向で、夏は北極圏の北部という、人とほとんど接触のないところで暮らしているオナガガモが、冬には人から餌をもらうことに一番慣れてしまうというのは、何だかとても不思議です。
2008年1月5日(土) 9:00〜13:00 曇後晴
新年明けましておめでとうございます。今年は天候もまずまずで、よい年となることを信じたいものです。
ところが、正月そうそうに風邪を引いてしまい、鳥見もままなりませんでした。それでもようやく回復して今日も石神井公園へ。カメラを片手に鳥を見に来ている方も大勢目につきました。
そんな方が多く集まっているところが、池から少し上がった高台の一角。シジュウカラやヤマガラ、時々はエナガの群れも通り抜けていきます。人気を集めていたのはルリビタキ♂。背中の青が目に染みました。
ルリビタキは夏は高山で繁殖する鳥で、富士山の5合目あたりはメッカです。一昨年の夏、登ったときには、シラビソなどの梢で富士山に向かってビロロ〜ンと囀っていました。
冬はフクラスズメのように丸くなった姿が多いのですが、そのときはすっくと背筋を伸ばして声を限りに鳴いていたことを思い出しました。
【2007年 平成19年】
2007年12月31日 晴 9:30〜12:30
東京地方は、連休に入ってからまずまずのお天気で、私も公園三昧の毎日です。木々はほとんど葉を落とし、冬景色の中、やはり冬鳥を探して回りました
しかし、年の瀬になっても冬鳥はほとんど増えていません。それでもお池のカモはオナガガモ(♂)の尾羽が急に長くなってきたり、ハシビロガモ(♂)の冬羽根がきれいになってたりと変化は感じます。
林の小鳥はカラの混群で、エナガ、キクイタダキ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、コゲラが一緒にそばを通り抜けていきます。今日はかわいいエナガの写真が撮れました。バードウォッチャーは小鳥の群れが近くを通るとこの上ない幸せを感じてしまいます。
それにしても、冬鳥はまだまだ少ないと思います。お山に雪が少ないのか、冬鳥そのものの数が減ってしまったのか。地球温暖化がやかましくいわれる折から、とても心配です。人間の生きる環境が悪化していることを、冬鳥の減少が警告しているのでなければよいのですが。
そして、今年も戦火が絶えることがありませんでした。来年こそは平和と環境の年にと祈って、今年の更新を終えます。
今年1年、訪れてくれた皆様、ありがとうございました。
2007年12月22日(土)〜24日(月)
年末の3連休。年賀状書きなどもあって遠方へ出かることもなく、やはり石神井公園で過ごしました。天気は晴から雨、そして晴れと変化に富んでいました。
先週盛りだった紅葉はほとんど散り、名残の紅葉となっていました。花も昆虫も見えず、やはり鳥探し。
土曜日は史跡公園でアオゲラ、三宝寺池でキクイタダキ(写真)に出会いました。何日か前には5羽も現れたそうですが、この日は1羽だけ。残り少ない紅葉の間を飛び回って虫を探しているようでした。
日曜日は冷たい雨。三宝寺池を回ると、中の島の土留め板にひらりと舞い降りた鳥がいて、よく見るとこれがオオタカの♀。雨のせいかカラスが集まってくる様子もなく、のんびりと羽繕いをしているのが印象的でした。他にはオオセグロカモメ。このシーズン初めてかな。
月曜日はまた快晴。あちこちでシメ、アオジ、ウグイスなどのお声がにぎやかに聞こえました。三宝寺池でようやく噂のルリビタキを見て、連休の鳥見の締めくくりをしました。それにしても、やはりまだ冬鳥が少ないですね。
2007年12月16日(日) 9:00〜11:00 晴
今日はカモの数を数えて三宝寺池、石神井池、記念庭園、石神井川と歩いて回りました。マガモ、コガモ、カルガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、ホシハジロの合計で289羽。先月は165羽でしたから、124羽増えたことになります。増えたのは主にオナガガモとカルガモでした。
三宝寺池の周辺には、カワセミ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ツグミ、アオジなども見られました。とくにモズは何度も大きな声で鳴いてアピール。紅葉もかなり散った公園に、冬鳥の季節の到来を宣言しているようでした。
2007年12月9日(日) 8:45〜12:15 快晴
師走。冬晴れの一日でしたが、風も強くなってきました。石神井公園にも紅葉のピークが来て、イロハカエデは燃えるような赤を陽に透かせていました。青空に映える紅葉は、華やかな季節の終わりでもあります。来週には、紅葉も散り、冬枯れの光景となっていることでしょう。
今日も鳥を探したのですが、出は余りよくありませんでした。冬鳥は少しずつは見かけているのですが、まだ定着している様子はなかなかありません。それでもツグミはよく見かけるようになり、アオジも声だけでなく姿も見るようになりました。ウグイスのチャチャはあちこちから聞こえます。
紅葉が散ると、鳥の姿はいっそう見やすくなります。楽しみはこれからです。
2007年12月2日(日) 8:45〜12:00 晴後曇
この週末も石神井公園です。水辺観察園の花はすでになくなっていますが、替わってイロハモミジをはじめ紅葉が見頃になってきました。今年は秋の天候が暑かったり雨が多かったりと不順だったせいか、色づきは今ひとつですが、桜紅葉をはじめケヤキ、イチョウ、イヌシデなどの黄葉も残っていて、色づいた葉の織りなすハーモニーが楽しめます。次の日曜日くらいがピークかもしれません。
そこで鳥ですが、この週末は全くさえませんでした。水鳥も林の小鳥もいつもの面々が出たくらいで、数も多くありません。暖冬で鳥が山から下りてくる時期が遅れているのでしょうか。
そんななかでも楽しませてくれたのがヤマガラ君(写真)。ケヤキの黄葉を背景に、秋を感じさせてくれました。ヤマガラは今年三宝寺池でも繁殖し、エナガとともに定着してきているようにも思えます。これはどんなことを意味しているのでしょうか。
2007年11月25日(日) 晴 9:00〜12:00
この3連休は天候に恵まれて、秋の美しさを満喫することが出来ました。石神井公園も今が一番美しい時期。広葉樹と落葉杉がいっせいに紅葉して、色彩のハーモニーを奏でています。心配したイロハモミジも少し遅れいているようですが、だいぶ色づいてきました。
小春日和に恵まれたことで、昼近くに水辺観察園にいると、ツマグロヒョウモン、ムラサキシジミ、ヤマトシジミなどのチョウも現れて暖かい日差しを楽しんでいるようでした。
鳥は、池のカモはオナガガモ以外はかなり数もそろってきたようです。林では今朝もエナガ、シジュウカラ、メジロ、コゲラの混群に出会いました。小鳥の群れに囲まれると幸福な気分になってきます。
冬鳥もツグミ、トラツグミ、ルリビタキ、ジョウビタキ、シメなどが見られています。このところ見えなかったアオゲラも見られるようになってきました。楽しみはこれからです。写真はヒヨドリ。秋の色を見てください。
2007年11月18日(日) 晴 9:20〜12:30
紅葉はイロハモミジこそまだ青葉ですが、カキ、サクラ、トチノキ、ケヤキ、ハナミズキ、ナンキンハゼなどが色づいて、晩秋の気配です。
三宝寺池の水辺観察園には、アワコガネギクが咲いていました。金色の花弁が泡のように盛り上がってついていることからこの名前がついたといわれます。この花が散ると後に咲く花はなく、水辺観察園は春までお休み。アズマイチゲなど早春のスプリングエフェメラルを待つことになります。
そんな季節に楽しみが増すのが、冬鳥たちの訪れです。今日は池渕史跡公園の柿の木の下で、カメラを構えて待ちました。やって来たのはメジロ、コゲラ、シジュウカラ、ヒヨドリの常連のほか、冬のお客さんのツグミ。これまでも群れで飛んでいるところなどを見かけましたが、写真に収まってくれたのはこれが初めて。
カキノキは今年はどこも豊作のようで、カキが好きなアカハラやトラツグミ、アオゲラなどもやってきてくれることを期待したいものです。
2007年11月11日(日) 雨 9:00〜11:00
土曜日、日曜日と雨続きで残念な休日でした。今日は、カモの飛来状況の調査に参加して、石神井公園周辺の水辺を回りました。
公園一帯は、それでも次第に紅葉が進んで、サクラ、カキが紅葉の盛り、ケヤキもだいぶ色づいてきました。晩秋の気配が濃くなってきました。
肝心のカモですが、マガモ、コガモ、カルガモ、オナガガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ(写真)の6種類で、計165羽でした。昨年同時期とほぼ同じで、大きな変化はありませんでした。数年前と比べると大きく減少していますが、減っているはオナガガモだけで、これは石神井公園での給餌が少なくなったことの反映のようです。
もともと、三宝時池のカモの主食は水草で、昔は日が暮れると荒川の土手まで餌を採りに出かけ、早朝には連なって帰ってくる姿が見られたそうです。そう考えてみると、カモの数の減少も、不思議ではないのかもしれません。
今日うれしかったことは、三宝寺池でカラの混群に出会えたことです。エナガ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラが一緒に行動していました。カラの混群は気候が厳しくなってくるとよく見られます。小鳥にとっては、生き残りをかけた厳しい季節が始まっているのです。
2007年11月4日(日) 快晴 8:30〜12:00
秋らしい快晴の1日でした。水辺観察園はヤクシソウ、シロヨメナ、ツワブキ、フジバカマなどのキク科の花が盛り。最後を彩るアワコガネギクもだいぶつぼみが膨らんできました。
昨日、別の用事で公園を訪れた時は、オオタカの若鳥がカラスに追い立てられている場面に遭遇し、今日はカメラをしっかり用意して行ったのですが、残念ながら出会えませんでした。
池のカモは、オナガガモ、キンクロハジロ、ホシハジロが入っていましたが、先週見た群れとは違う群れのようで、まだ定着はしていないようです。記念庭園にも13羽のコガモが入っていました。
それでも、公園を歩くとウグイスのジャジャという地鳴き、アオジのチーという強い声があちこちから聞こえてきます。冬鳥のシーズン入りです。
写真は柿木に来たメジロです。今年は柿の木がどれも豊作で、たわわに実をつけています。これからツグミ、アカハラ、アオゲラなども来てくれるでしょう。楽しみに待ちましょう。
2007年10月28日(日) 晴 8:00〜10:00
台風一過の晴天となりました。早朝の観察会に参加して三宝寺池を一回りしました。周辺にはたくさんの枝が落ちていて、風の強さを思わせました。
池には50羽ほどのオナガガモ、3羽のキンクロハジロもやってきていました。ようやく本格的な群れが来てきたようです。周辺の林ではシジュウカラ、エナガ、ヤマガラの混群も見られました。ヤマガラの姿は半年ぶりに見ました。
池の南側ではチャノキの花が咲いていました。そう、あのお茶です。チャノキはツバキの仲間、花もツバキによく似ています。少し早いようですが、サザンカも間もなく咲いてくるでしょう。冬の花ツバキ科の先駆けということでしょうか。
2007年10月21日(日) 8:20〜11:30 晴
今日も朝から鳥を探したのですが、目についたのは三宝寺池の初キンクロハジロ♀くらい。どうも夏鳥の秋の渡りはほぼ終わり、冬鳥の到来はもう少し先という端境期のようです。これからに期待しましょう。
水辺観察園はミゾソバとツリフネソウが妍を競い、シラヤマギク、ヨメナ、シロヨメナ、ヤクシソウ、ツワブキ、ノハラアザミ、イヌコウジュそしてフジバカマなどが咲いていました。
今日気がついたのは、帰り花です。水辺観察園のミツガシワをはじめ、トサミズキ、ボケ、ツツジなどが咲いていました。狂い咲きともいいますが、強い剪定や台風などで痛めつけられると、本来の花期でない季節に花を開くといわれます。でも、華やかさはなく寂しさが募るのは致し方ありません。
カラスのゴマの葉が赤くなり、ゴマに似た果実を付けていました(写真)。こちらはシソ科で、夏に薄いピンクの花を咲かせていました。それにしてもこの紅葉。見事な秋の色です。池畔の氷川神社は秋祭で賑わっていました。秋も深まってきましたね。
2007年10月14日(日) 9:00〜12:00 曇
朝晩ずいぶんと冷え込んできました。北の国からは初冠雪や紅葉の便りが聞かれます。
今日も渡り鳥を探して公園を回りました。三宝寺池にはオナガガモに加えて、ハシビロガモ、そしてヒドリガモの♂(写真)がいました。ヒドリガモは三宝寺池では、この季節には必ずといっていいほど姿を見せてくれますが、2、3日のうちに姿を消してしまします。去年の今頃は、十数羽の群れも姿を見せてくれました。
ヒドリガモも、オナガガモと同様にシベリアの北部で繁殖して冬には日本に渡ってくるカモです。今日見られた♂はエクリプスと呼ばれる地味な姿でしたが、オナガガモに比べるとかなり派手な色彩です。これからのカモたちにも期待しましょう。
池の周囲で会った方から、光が丘公園にはノビタキがいるよと教えてもらって、急きょそちらに向かいましたが、今日はどうも抜けてしまったとのことで空振りでした。
三宝寺池の上空には渡っていくツグミの群れも見えました。いよいよ冬鳥の季節です。
2007年10月7日(日) 7:30〜11:00 晴
晴れてさわやかで秋日和という1日でした。いろいろと秋の渡りの情報を聞いて、くまなく探しているのですがなかなか鳥運がありません。昨日はオナガガモ♂3羽、今日はキビタキ♀(写真)くらいでした。いつ見ても、ヒタキの目のかわいらしさには魅せられてしまいます。やっと巡ってきた鳥の季節を楽しみたいものです。
水辺観察園はミゾソバが一気に咲いてきて、ツリフネソウと競っています。キク科はノハラアザミ、シラヤマギク、ヨメナ、シロヨメナ、オトコエシなど。忘れてならないのが秋の七草のフジバカマです。これもキク科の花。つぼみが膨らんで、ようやく花が開きかけてきました。
今年は秋が暑かったため、全体に季節が遅れ気味とのことです。ゆっくりと秋の深まりを楽しみましょう。
2007年9月22日(土) 9:30〜12:30 晴
今日も秋の渡りの鳥を探しました。公園に入るとすぐにサンコウチョウがいたという話を聞き色めき立ちましたが、すでに後の祭りでした。
三宝寺池周辺の林を探すと、キビタキの♀、エゾビタキ、センダイムシクイが見られました。秋の渡りは目立たない替わりに案外のんびりしているという印象があります。今頃は成鳥、これから10月いっぱいくらいまでは今年巣立った幼鳥が渡ってくるようです。これからに期待しましょう。
水辺観察園は、ツリフネソウがかなり咲いてきて、アキノのゲシ、タイアザミ、ノハラアザミ、シヤラヤマギクなどのキク科の花、サクラタデ、ミズヒキなどのタデ科の花とそろってきてすっかり秋の花園となりました。
ツリフネソウ(写真)はお尻の部分(距)が丸くなっていて、ここに昆虫を誘うための蜜を蓄えています。横から見ると船が吊られた形で、これが名前の由来といわれています。昆虫が距の部分にある蜜を求めて、花の奥深くまで入っていくことで、受粉が確実に行われるという仕掛けです。
ところが、なかには花の前でホバリングしながら長い口吻を差し込んで、蜜だけ失敬してしまうオオスカシバ(スズメガの仲間)のような奴もいます。長い進化の歴史のなかで育まれた仕組みなのでしょう。
2007年9月15日(土) 晴 10:00〜12:40
今日は秋の渡りの鳥を探してみました。春にこの公園を通過していった鳥たちは、今頃南への旅の途中にまた立ち寄ってくれるはずなのですが、春と違って、さえずりがありません。探すには、出たとこ勝負。出会い頭の遭遇を期待するしかありません。
当然林の上の方を見ていくわけですが、疲れて水面を見ると、見慣れないカモが1羽。そうそう、オナガガモの♂です。エクリプスといわれる地味な格好をしていますが、間違いなく初ガモ。北極圏で子育てして、また帰ってきてくれたわけです。毎年のことながら、嬉しいですね。
この他には、野鳥誘致林でエゾビタキを見かけました。たしかに渡ってきているのです。しばらく、ワクワクする日が続きそうです。
2007年9月8日(土) 晴 13:05〜15:30
前日の台風で、木の枝がかなり落ちていて、強風の猛威を感じせました。クヌギやコナラの葉が落ちて、かなり大きくなったドングリが色づいてきているのが目につきました。
水辺観察園はワレモコウ、サクラタデ、ミズヒキなども咲いてきて、秋の花園に変わっていました。
この季節の主役トンボはギンヤンマやシオカラトンボ、オオシオカラトンボ、赤トンボもちらほらと見えました。ただ、まだアキアカネではなく、ウスバキトンボ、ナツアカネのようでした。
2007年8月26日(日) 晴 8:10〜10:00
今日は早朝の観察会に参加しました。暑い暑いと言いながらもだいぶ秋の気配は濃くなってきました。
そんななか、今日のハイライトはタマムシを見たことです。金緑色に輝く金属光沢の美しい、あのタマムシです。国宝の法隆寺の玉虫厨子を飾っている羽でご存じの方も多いことでしょう。あの輝く光沢は忘れることが出来ません。玉虫厨子には何と5千匹のタマムシが使われているそうです。
私自身生きているものを見たのは初めてでした。木の高い部分にしがみついていましたが、さすがにあの光り輝く羽は隠しようがありません。こんな美しい生きものが生存できる三宝寺池の貴重さを再認識しました。
2007年8月18日(土) 曇 10:00〜12:30
このところ続いていた猛暑日が一服、ほっとするような一日でした。この涼しさに誘われたのか、公園には顔見知りが多く来ていました。
気温がやや低かったせいか、トンボもチョウも今ひとつ。そんななか、たくさん見られたのがキツネノマゴに来ているイチモンジセセリでした。
イチモンジセセリは渡りをするチョウとしても知られています。詳しいことはよく分かっていませんが、毎年立秋頃になると急に増えてきます。後翅に数個の一列に並んだ白い斑点があり、これがイチモンジの名前の由来です。黒いつぶらな瞳に褐色の可愛いチョウです。
一方のキツネノマゴは唇型の小さな花が可愛い秋の野草。名前の由来は、頂上の穂が狐のしっぽに見立てられたところから来たようです。可愛い花に可愛いチョウ、これも秋の風景です。
2007年8月11日(土) 晴時々曇 13:00〜15:15
今日も蒸し暑い一日。水辺観察園の花は盆花の異名をもつミソハギが盛りとなり、カノコユリが咲き残っていたほか、ノカンゾウも咲いてきた。キツネノマゴが一気に咲き出したほか、キンミズヒキ、ミズヒキ、サクラタデ、ヤマハギ、アキノタムラソウなど、秋の花が次第に優勢になってきた。猛暑とはいえ、8日の立秋を過ぎたことを実感しました。
キツネノマゴの小さな花に、これまた小さなイチモンジセセリがとまっている様子は、秋の風景ですね。
今日のハイライトはヤブヤンマとマルタンヤンマを見つけたこと。薄暗いしげみで、木の枝に大きなトンボがぶら下がっているのを見つけました。ヤブヤンマ(写真)の黄色やマルタンヤンマの青がひときわ目立っていました。
2007年8月4日(土) 晴 9:40〜12:00
2週間ぶりに石神井公園を回りました。水辺観察園で目に付いたのは、早くも秋の花が咲き始めていたことでした。キンミズヒキ、ミズヒキ、アキノタムラソウ、カントウヨメナ、そしてハッカなど。関東地方はやっと梅雨が明けたというところですが、考えてみれば、8日は立秋。暑い中にも秋の気配が漂ってくる頃です。都市生活で狂った人間の感覚はともかく、生き物の世界は早くも迫り来る秋の気配を感じて営みを変えてきているのです。
ところで今日はハッカ(写真)に注目。ハッカはシソ科で湿地を好み、葉の出ている脇に茎を取り巻くように小さな花をびっしりと咲かせます。葉の匂いをかぐと、あのハッカの匂いが立ちのぼります。戦前はメントールをとるために盛んに栽培されたそうですが、戦後は合成品に押されて見る機会も少なくなっています。
ところで、池の上には時々赤トンボを見るようになりました。ナツアカネやウスバキトンボのようです。ヤブヤンマやマルタンヤンマの話も聞きます。この日は、コオニヤンマも見ました。クロアゲハを捕まえて食べた後休んでいるとのこと。あんな大きな蝶も捕食するのかとちょっとびっくりしました。
ツグミ平では、今年巣立ったエナガの若鳥たちが賑やかに飛び回っているのが見られました。そこまで来ているそれぞれの秋を、懸命に生きようとしている姿に感激でした。
2007年7月22日(日) 雨後時々晴 8:00〜9:30
早朝に公園を一回りしました。雨模様の中、水辺観察園ではミソハギの赤紫の花がかなり咲いていました。盆花の異名もある花です。もう一息のオニユリのオレンジの花とともに、夏の花園の主役です。
鳥はボート池東側で、カイツブリのヒナが孵りそうという話題くらい。小雨とあって、トンボもチョウもさびしく、気落ちして帰る途中、駐車場の植え込みのアベリアにアサギマダラが止まっているのを見つけて、思わずうれしくなってしまいました。
このところマスコミでもよく取り上げられているので、ご存知の方も多いと思いますが、アサギマダラは渡りをするチョウとして有名です。毎年南西諸島から本州中央部まで、長い旅をして暮らします。もっとも、鳥のように同じ個体がやってくるわけではなく、途中、世代をつなぎながらはるばると飛んできます。
何のためにこんな渡りをしているのか、よく分かっていませんが、名前のとおりの美しい浅葱色(薄い青緑色)の姿を見ていると、とにもかくにも旅の無事を祈らずにはいられません。
2007年7月16日(月) 曇時々晴 10:30〜15:00
超大型台風が通過した翌日、オオムラサキを探して埼玉県北部の武蔵丘陵森林公園に出かけました。ここは冬は鳥が多くてしばしば訪れるところですが、夏に来るのは久しぶり。
オオムラサキはアカメガシワの樹液の出る木に飛んできました。しかし、そこにはカブトムシの♂という強力な先客がいて、思うようには樹液を吸えないようです。それでも長い口吻を出し、カブトムシの角の下まで伸ばして樹液を吸っています。ときどき、カブトムシが威嚇すると、逃げる態勢を取るのでしょうか羽根を開きます(写真)。
すると、美しい紫色がはっきりと見えて、観察している人たちからは歓声が上がります。国蝶オオムラサキが生きていくには、幼虫が育つエノキの林、樹液の出る木々が必要です。同じ地球に生きる人間として、仲間たちのことを考えないで良いわけがありません。
この日は他にもチョウトンボやノコギリクワガタ、それにヤマユリも見られて、とてもすばらしい1日でした。
2007年7月8日(日) 曇 10:00〜12:45
このところ彩りの乏しかった水辺観察園で、オレンジ色のヤブカンゾウがひときわ目立っていました。さらに、盆花の別名もあるミソハギも咲き始めて、どうやら、夏の花園の姿になってきたようです。
水辺観察園の夏は、ユリの王国です。ヤブカンゾウもユリ科ですし、これからオニユリ、カノコユリ、ノカンゾウ、ウバユリと次々に咲いてきます。色もオレンジ、白、鹿の子模様と、なかなか多彩です。
池渕史跡公園に回ったら、ネジバナがまだ残っていました。背丈はわずか10センチくらい、地味な姿ですがこれもランの花(写真)。マクロレンズで近づいてみると、茎をぐるりと回って花がつき、個々の花もなかなか複雑な形で、色も鮮やか。日本産の野生ランです。
ボート池のちびっ子釣り堀では、バンのヒナが7羽かえっていました。真っ黒な毛糸玉といった様子です。父と母のほかに、子育てを手伝うヘルパーもついているようで、見ていて飽きません。近くではカイツブリも抱卵していて、間もなくヒナを背中に乗せて泳ぐ姿が見られそうです。
2007年7月1日(日) 曇 8:40〜11:30
今日から7月、梅雨とはいえ降るようで降らない日が続いて、渇水が心配になってきました。
三宝寺池はトンボの活動がにぎやかです。アジアイトトンボ、アオモンイトトンボ、モノサシトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、オビトンボ(コフキトンボの♀)、ギンヤンマ、ウチワヤンマ、マルタンヤンマと、にぎやかでした。
ウチワヤンマの指定席の、厳島神社の浮き御堂の前の杭に珍しくシオカラトンボが止まっているなと思ったら、すぐにウチワヤンマがやってきて、シオカラトンボに2度3度と威嚇行動(写真)。ついに追い出してしまいました。なかなか迫力のある空中戦でした。
史跡公園に回ると、ここではネムの花が満開。煙るような赤紫の優しい花です。あの細い筒のような花弁と見えるものが、実は1本ずつ独立した花となっている、なかなか面白い構造です。
三宝寺池の入り口には、大きな七夕の竹が飾り付けられていました。今年は、星の世界のロマンを我慢しても、雨の恵みを願わなければならないかもしれません。
2007年6月23日(土) 晴 6:30〜10:00
珍しいヒクイナが見られると聞いて、さいたま市の大久保農耕地に出かけました。ここは荒川の堤防内にある広大な水田地帯で、渡りのシギ、チドリをはじめ、たくさんの鳥が見られることでよく知られたところです。
堤防を越えて、高いところから観察していると、休耕田の葦の上を飛ぶ鳥がいます。白い体に羽のこげ茶色が鮮やかなヨシゴイ(写真)です。さらに、水たまりにはシロハラクイナもいます。昨年に続いて今年も営巣が期待されます。
近くにいた人に教えてもらって、ヒクイナが出現する場所に移動。結構長い時間粘ったのですが、日がかなり高くなってそろそろ諦めかけたときに、風に乗って「タンタンタンタン・・・」という声が聞こえてきました。これが、「戸をたたくような」といわれるヒクイナの声。けっこう感激です。
結局ヒクイナの姿は見られませんでしたが、声を聞いただけでよしとし、あとで俳句につくりました。
夕闇の田に水満ちて水鶏鳴く
俳句の世界では、水鶏(くいな)はヒクイナのことです。朝が夕闇になったのは、文学的フィクションでお許しください。
2007年6月17日(日) 快晴 10:00〜12:15
梅雨入りが発表されたと思う間もなく中休み。しかも、この中休みかなり長そうです。この22日の金曜日は夏至。言うまでもなく一年で一番昼の長い日ですが、例年は梅雨の最中で、そんなことを思うこともありません。今年はその昼の長さを実感できそうです。
公園はコシアキトンボが増え、シオカラトンボに替わってオオシオカラトンボが多くなってきたようです。うるさかったのは史跡公園のムクドリのファミリー。大方20羽近くの群れで大きな木を占領して、巣立ったばかりの若鳥たちが餌くれーとばかりに鳴き交わして、にぎやかなこと。
公園では今月、三宝寺池で外来種のカメを捕獲する作業をしています。すでに、カミツキガメ、ミシシッピーアカミミガメ、ミナミイシガメといった、本来三宝寺池の生態系に存在しないはずのカメが捕獲されています。実際私たちが観察会で見ていても、イシガメ、クサガメといった在来種のカメは、ほとんど見られません。
カミツキガメなどは、在来種を圧倒しているだけでなく、人に危害を加える恐れもあります。面白そうだとペットとして購入し、飼いきれないと簡単に捨てる。こんなことだけは止めてほしいものです。
2007年6月10日(日) 雷雨後晴 8:30〜9:50
昨日は野暮用で行けなかったので、今日は早くから出かけたのですが、9時半頃から雷鳴がとどろいて雨が降り出し、早々に引き上げました。
というわけで、ほとんど見ていませんが、なかで面白かったのはニホンミツバチの巣の前にクモの巣が張ってあり、けっこうミツバチが引っかかっていたこと。さすがに、仲間を助けようと集まり、懸命の救出作戦。そこにキイロスズメバチがやって来て、こちらにもミツバチがスクランブル。この巣は多難なようです。
水辺観察園でとにかく目立ったのはドクダミ。白い花が一面にはびこっています。お馴染みの雑草ですが、花のように見える4枚の白いものは花弁ではなく、総苞片というもので、真ん中に塔のように立った部分に、たくさんの花があります。しかし、そこにある花も花弁は退化し、雄しべと雌しべがそれぞれ3本ほどずつセットになったものが重なり合っているという、きわめて珍しい構造です。
嫌われ者のドクダミですが、俳句では十薬という名前で呼ばれるように、化膿防止や高血圧、動脈硬化の予防などにも効果がある薬草です。なかなか興味深い植物です。
2007年6月2〜3日(土、日) 晴
この週末は長野県の戸隠へ行ってきました。戸隠はバードウォッチャーにはおなじみのところ。野鳥の宝庫といわれています。今頃はすでに平地を通過した夏鳥が集まってきているのではないかとの目論見で出かけました。
オオルリやキビタキ、センダイムシクイ、コムクドリ、キクイタダキ、カッコウ、ホトトギス、ツツドリ、ミソサザイといった鳥たちが出迎えてくれました。とくに、まだ巣立ったばかりのキバシリの雛が、がに股で懸命に木をよじ登っていくところが見られたのは、かわいかったですね。
ハイライトは、アカショウビンと出会ったことです。早朝、奥社の参道を歩いていくと、キョロロローーンという特徴のある鳴声が響いてきました。姿を必死に探しましたが、上空を飛んでいくのがチラリと見えただけ。残念。
でも思いがけず、アカショウビンの声を聞くことができて、幸せな戸隠探鳥行でした。写真は、3年前に新潟で写したものです。
2007年5月26日(土) 晴 8:30〜11:30
気持ちのいい五月晴れの一日。公園は、わずかにオオルリの声が聞こえたものの、静かな様子でした。夏鳥の渡りの時期はどうやら終わったようです。変わって元気なのは、公園で子育てをしているシジュウカラなど。あちらこちらで、巣立ちビナを連れた、シジュウカラのファミリーが目につきました。
ところで、4月から営巣していたヤマガラの雛がどうやら数日前に巣立ったようです。4〜5羽だったとか。だいぶ前に気がついていたのですが、余りにも目につきやすいところだったので、掲載を控えていました。
今年は、4月になってもヤマガラの姿が見られたので、営巣しているのではと思っていました。親鳥は虫をくわえては、せっせと巣に運んでいました。狭い樹洞だったために、ヒナの顔が見られなかったのが残念でしたが、無事巣立ったと聞いてほっとしました。ヤマガラの営巣は久しぶりです。
水辺観察園は、カキツバタがピークを越えたと思ったら、ノハナショウブが盛りを迎えていました。睡蓮も満開となり、華やかな季節はなおも続きます。
2007年5月19日(土) 曇時々晴 10:45〜13:00
三宝寺池の水辺観察園北側に、アサザの黄色い花が咲き始めました。今年はとくに花が多いようです。アサザは湖沼などに特有の植物で、ミツガシワ科。一つ一つの花は半日ほどの命しかありませんが、つぼみが次々に開いてきて、秋の初めまで結構長い花期を咲き継いでいきます。
アサザは今、とても注目を集めています。かつては全国の湖沼に大きな群落をつくっていましたが、環境の悪化とともに減り、環境省の絶滅危惧種第2種に指定されています。霞ヶ浦・北浦周辺では、アサザをシンボルに、水辺環境を取り戻そうと市民による運動が大きな広がりを見せています。
アサザはまた、浮葉から空気を取り入れて、水の下の土壌中に酸素を放出する性質があり、湖沼環境の改善にも役割を果たしています。
5月の太陽の下に咲くアサザは、石神井公園の来園者にも、環境問題の大切さを訴えています。
2007年5月12日(土) 晴 13:00〜15:00
気持ちのいい五月晴れの一日でした。
石神井公園も一年のうちで一番華やかな季節です。カキツバタはややピークを過ぎ、アサザの黄色い花が咲いてきました。水辺観察園の橋の上を通ると、甘い香りが漂います。これはスイカズラの金銀の花。白い花が黄色へと移ろっていきます。
今週気がついたのは、トンボやチョウなどの昆虫が急に目立つようになったことです。トンボはシオカラトンボが増え、すでに産卵もしているようです。写真はオオシオカラトンボです。また、クロアゲハ、スジグロシロチョウ、ヤマトシジミ、ツマグロヒョウモン、コミスジなどの春のチョウが舞っていました。
それに比べて、春の渡り鳥はめっきり減り、季節の終わりが近いことを知らされました。鳥の季節から昆虫の季節へ。大きく季節が回っている音がします。
2007年5月5日(土) 晴 6:30〜9:00
ゴールデンウィークは、皆さんいかがお過ごしでしたか。私は、何とかの一つ覚えのように、毎日公園に行きました。この季節の楽しみ、夏鳥に出会うためです。
全体に、4月中はオオルリ、キビタキ、センダイムシクイなどを見、サンコウチョウ、エゾムシクイ、ヤブサメなどの声を毎日のように聞いたのですが、5月に入ると、渡りがピークを過ぎてしまったのか、ぐんと姿が少なくなりました。これからは山に行かなければ、ならないのかもしれません。
水辺観察園は、ミツガシワがほぼ終わり、カキツバタの青紫の花が盛りを迎えていました。カキツバタは昔、その花を繊維にすりつけて、染料として使ったといわれます。有名な在原業平の「唐衣着つつなれにし妻しあればはるばる来ぬる旅をしぞ思う」という歌も、そんなことを踏まえているのかもしれません。初夏の日、この青紫が心に染みました。
2007年4月30日(月) 晴 8:30〜12:30
今日で連休3日目。渡ってくる夏鳥を探して、毎日公園を見て回っています。昨日今日と、オオルリ、キビタキ、センダイムシクイ、それにサンコウチョウの声を聞きました。初夏の木漏れ日のなかの夏鳥の囀りは、本当に人を幸せにしてくれます。
もう一つ、新しい命の誕生がありました。この冬公園で越冬していたエナガが、あちこちで営巣し雛が次々に巣立っています。ヒナの数はおおよそ数十羽になるのではないでしょうか。巣立ったばかりのヒナは親鳥から餌をもらおうと、必死で親を追い掛け、
時々は枝に一緒に並んで止まったりしています。本当にかわいい姿です。(写真)
水辺観察園は、春本番。ミツガシワがピークを過ぎたと思ったら、カキツバタが咲き始めました。水辺の花が輝く季節です。
2007年4月21日(土) 晴 7:30〜11:00
先週半ばまでの寒さとは打って変わって、暖かい週末となりました。こうなると、心待たれるのは夏鳥です。夏鳥に会いたくて、早朝から公園に出かけました。
待っていると、やや弱いながらもオオルリのさえずりが聞こえてきます。いました、オオルリの♀(写真)、そして瑠璃色の♂。深い青が目に染みます。そして、今日のトピックはコマドリの囀りを聞いたこと。あの、ヒンカラカラ・・・という、特徴的な囀りです。思わず心が躍り出すような声です。
この他、センダイムシクイ、ヤブサメなどの声が聞こえました。こうして木漏れ日の下で夏鳥を待っていると、本当に幸せな気分になってきます。
2007年4月15日(日) 晴時々曇 8:30〜11:30
春真っ盛りの石神井公園、そのシンボルミツガシワが盛りを迎えていました(写真)。ミツガシワは高地や寒冷地では湿地に普通に生息している植物ですが、関東以南の平地ではきわめてまれな植物です。
氷河期以降に気温が上昇していくなかで、ミツガシワも次第に生息地を北へ、高山へと移動させていったわけですが、三宝寺池には冷たい湧き水があったために、生き残ったといわれています。ということは、三宝寺池も氷河期からここにあったということになります。奇跡ですね。
さて、この季節のもう一つの楽しみは、夏鳥の通過です。南の国で冬を過ごしていた夏鳥は、この季節繁殖のため日本に渡ってきます。多くは1000m以上の山で繁殖しますが、途中東京の緑地帯にもトランジェットしていきます。
昨日から、オオルリ、センダイムシクイ、ヤブサメなどの目撃情報を耳にしました。姿はなかなか見られませんでしたが、たしかにセンダイムシクイのチヨチヨビーは聞きました。これから連休の後まで、心が躍るような季節が始まりました。
2007年4月7日(土) 晴後曇 10:00〜15:00
南高尾に春を探してきました。同じ東京とはいいながら、やはり少々季節は遅れ気味で、サクラがちょうど満開でした。混み合う自然研究路を離れて、峰の薬師方面の林道を歩きました。
林道沿いには、スミレがたくさん顔を出していました。ナガバノスミレサイシン、タチツボスミレ、ヒナスミレ、アオイスミレ、ヒメスミレなど。なかでも注目はエイザンスミレ(写真)。比叡山で初めて発見されたために、叡山の名前をもらっているわけですが、むしろ太平洋側の低山に多いと、図鑑にはあります。ほんのり赤く染まって、何とも愛らしい姿です。
森からはひっきりなしにウグイスの声が聞こえてきます。練習もだいぶ進んだようで、ホーホケキョの美しい囀りも聞かれました。うれしかったのは、林道沿いの沢から、ミソサザイのさえずりが聞こえてきたことです。この声を聞くと、バードウォッチャーは山の春を実感するのです。
2007年3月31日(土) 曇 10:00〜12:30
石神井公園はソメイヨシノが満開でした。でも、青いビニールシートは本当に興ざめですね。
野外ステージの南側にあるヤマザクラの大木(練馬の名木に指定されています)も、ようやく3分咲きくらいになり、いつもは閉ざされているフェンスも開放されていました。このゾーンは、最近は一面に咲き乱れるショカッサイの赤紫の花の方が人気があるそうで、やや寂しいですね。赤みがかった若葉と同時に開いた白い花は、日本のサクラを代表するものです。
先週も書いたのですが、三宝寺池を回っていると、ウグイスのピケキョの声が聞こえ、振り向くと池にせり出したレンギョウの枝の中に姿が見えました(写真)。カメラを向けていると、数人の方が集まってきてしばらく観察。ウグイスが行ってしまってから、「ウグイスってなんか汚いね」なんて言っている人も。
でも、ウグイスは声で勝負。藪の中にいる地味な姿だからこそ、あの美しい囀りが生まれたともいえるのです。見通しが悪く、地味な姿だから、セレナーデで精一杯♀にアピールする必要もあります。
あと半月もすれば、夏鳥が華やかな声を響かせてやって来ます。楽しみですね。
2007年3月25日(日) 雨 8:00〜10:00
時に激しい雨でしたが、傘を差して三宝寺池を一回りしました。以前にも書きましたが、激しい雨風というのは春先にはよくあることです。この先に暖かい穏やかな季節があるのですね。
こんな時は鳥も警戒心を薄れさせるのか、近くまで寄ってきてくれます。いつもはすぐに逃げてしまうカケスもすぐそばで美しい羽を見せてくれました。エナガが近くまで降りてきてくれたり。そうそう、ウグイスも今が囀りの練習時期。ホーホケキョがピーピケキョになっていたり、ケキョだけだっりと、懸命の練習です。きちんと鳴けるようになると、もう山に帰ります。
というわけで、今日は写真が撮れませんでした。そこで、21日に撮った、石神井公園で初めて咲いたカタクリの花をお目にかけます。昨年俳句友達のOさんから根塊と種をいただき、大切に育ててきました。区内のカタクリの名所は、清水山や稲荷山がありますが、石神井公園もいつかその仲間に加えてもらいたいものです。
2007年3月18日(日) 晴強風 10:00〜12:30
春の強い風が吹き荒れた一日でした。この風に誘われるように、春の花が一斉に咲いてきました。今日はジロボウエンゴサクが咲いているのを見つけました。春本番ですね。
春本番といえば、サクラです。本命はソメイヨシノということになっていますが、石神井公園では、3月の初めからまずカンヒザクラ、そしてオオカンザクラが咲きます。住友グランドのオオカンザクラは、咲き始めてすでに3週間近く。だいぶ散ってきましたが、今年はワカケホンセイインコが来なかったせいか、花が長くもちました。
よく見ると、まだメジロがしきりと蜜を吸いにやってきていました。ほんのりピンク色のオオカンザクラに、メジロの緑が映えています。まだまだ昆虫の少ないこの時期、メジロは花粉を運んでくれる貴重な存在。オオカンザクラもたっぷりの蜜でもてなします。
あと1週間くらいでソメイヨシノが開花するはずです。その後はヤマザクラ、シダレザクラ、サトザクラと次々に開いてきます。心はずむ季節です。
2007年3月11日(日) 雨後晴 13:00〜15:30
春の嵐が吹き荒れた一日でした。春は季節が激変する時、穏やかな日、寒い日、嵐の日、それが春なのです。
そんななか、公園では、ニリンソウが咲き始めていました。一つの茎に2つの花がつくところからニリンソウと呼ばれます。2つの花が咲く時期をずらすことで、受粉できる機会を長くしているのです。
ニリンソウやアズマイチゲ、カタクリなど早春に咲く花は、スプリングエフェメラル(春の短い命)と呼ばれています。これらの花は、落葉広葉樹林の林にうまく適応した植物です。クヌギやコナラなどの林は、秋に葉が落ちると、晩秋から春にかけて地表に日の光がたっぷりと降り注ぎます。この光を利用して、早春から花を咲かせ、種を実らせ、栄養を蓄えた上で、広葉樹が葉を広げる初夏にはすっかり地上から姿を消してしまいます。この季節だけ見られる、春の妖精ともいわれます。そこで、
二輪草春の在りかをひそやかに
と、つくってみました。
2007年3月4日(日) 晴 9:30〜11:30
とても3月の初めとは思われないような陽気のなか、公園を一回り。
野草は一気に咲いてきました。これまでのアズマイチゲやセントウソウ、アオイスミレに加えて、ムラサキサギゴケ、バイモ、ケキツネノボタン、それにシャガまでが開花しました。
三宝寺池を覗いたら、オナガガモが見あたりません。オナガガモは北極圏の北の方で繁殖するカモで、北帰行も早いのですが、こんなに早いのは初めて。びっくりです。
また、今日はチョウも見ました。キタテハ、ムラサキシジミ、キチョウ(写真)まで。キチョウがシャガに止まっているのは、ほとんど1月以上先の光景です。
ちょっと怖いくらいのペースです。華やかな季節が早くやってきてくれるのはうれしいのですが、ちょっと心配になってしまいました。
2007年2月25日(日) 晴 9:00〜11:00
公園は、早春の花が大分咲いてきました。アズマイチゲにアオイスミレ、セントウソウ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ。
今日の注目は、フキノトウです。落ち葉の間から、緑色の鮮やかな姿を見せています。フキノトウはフキの花芽ですが、フキノトウは花を開かないうちに収穫して、天ぷらなどにしていただく、春の味覚です。
でも、そのほろ苦いこと。子どもの頃はとても食べられなかったものです。年を重ねて、その味が分かるようになってきました。考えてみると、春の野草は苦いものが多いですね。フキノトウを初め、ツクシ、セリなど。早春の野草の苦みは、冬の間に溜まった体の毒素を排出してくれると聞いたことがあります。クマも冬眠からさめると、まずフキノトウを探して食べるそうです。
人生の苦みも教えてくれる、早春の野草です。
2007年2月17日(土) 晴 10:40〜14:00
ゆっくりと起きて大分遅くなってから公園を一回りしました。日当たりの良い空き地にはホトケノザ(写真)が群生していました。これも早春の花です。葉の形から仏様の座っている座の名前をもらったということです。シソ科独特の唇弁花といわれる花の形をしていますが、それにしても独特です。それにこの鮮やかな赤い色。春が来たことを精一杯告げている印象です。
公園の水辺観察園では、アオイスミレ、セントウソウに続いて、アズマイチゲが7輪も咲いていました。例年、アズマイチゲは3月初めの開花ですから、ずいぶんと早いとことになります。暖冬の影響でしょう。
ただ、花は咲いても花粉を運んでくれる昆虫がまだ飛んでいません。咲いてはみたものの、受粉して種を作ることが出来るのかどうか。花にとっても死活問題です。地球の温暖化は遠い世界の出来事ではないのです。
2007年2月11日(日) 晴 9:30〜12:30
風の強い日でした。石神井公園に行ったら、光が丘公園ではミソサザイが餌付けられていて、すぐに見られると聞いて、そちらに向かいました。着いて間もなくミソサザイが現れて難なく写真に収まってくれました。
ミゾサザイは夏は山にいる鳥ですが、冬になると平地に降りてきて、身近で見られる鳥です。石神井公園でもこの冬、2個体が確認されています。
昔は民家の台所にまで現れて、味噌をなめているからあんな色になったといわれていたくらいです。
ミソサザイの本領は何といっても、雪が残っているような渓谷で、早春から活発に動いて繁殖することです。寒さの残る山の空気を切り裂くように、大きな声で囀っています。スズメよりも小さい体で、信じられないような大きな声で鳴いてます。
写真に収まってくれた個体も、間もなく山に帰って囀りを響かせることでしょう。
2007年2月3日(土) 晴 9:40〜12:00
今日は節分、明日はいよいよ立春です。ところが、いつもの年には立春とほとんど同じくして巡ってくる旧正月は、あと2週間も先の18日です。新古今和歌集の巻頭には、
年の内に春は来にけりひととせを去年とやいわむ今年とはいわむ
とあって、旧暦における季節の混乱に首をひねっています。それにしても、今年の暖冬には首をひねるばかりです。白梅の香りはすでに春なのですが。
石神井公園は、春の日差しで来園者も多く、カワセミのスポットには30台近いカメラが並んでいました。もう少しするとカワセミも恋の季節です。
鳥友達と会うと、去年は冬鳥の数は少なかったが、カラムクドリ、オジロビタキ、タシギと、けっこう珍しい鳥が出て写真には困らなかったが、今年は数は多いものの珍しいものがないと嘆いていました。多ければ多いで望みは尽きない。ぜいたく病を反省しました。
2007年1月27日(土) 晴 9:30〜11:40
暖かい日差しのなか、「石神井公園野鳥と自然の会」の総会の開かれる前に、公園を一回りしました。
特記するようなことはありませんでしたが、鳥は一通り。また、梅林の紅梅、白梅が早くも見頃を迎えていて、びっくりしました。確か、2週間前はちらほらと咲き始めた程度でしたが、その後の暖かさが開花を促したのでしょうか。
池の縁のハンノキの林で、エナガの群に遭遇。いつもは高いところにいるのですが、今日はハンノキの低い枝に降りてきて、愛嬌を振りまいていました(写真)。エナガは全長12.5cmと図鑑にありますが、尾羽が長い分胴体は小さくて、シジュウカラの半分もあるかと思われるほどです。
このカットだと、何となく流し目風。とてもかわいくて、憎めないやつです。
2007年1月21日(日) 晴 9:40〜12:20
昨日から大寒に入りました。一年中で一番寒い時期です。さすがに公園を歩いていても寒さが身に染みます。
しかし、これをしのげば春はすぐそこです。寒中でも咲いている花を探してみると、コウバイ、ロウバイ、ヤブツバキ、タチカンツバキ、草本のヒメウズ、ハキダメギクも。それにマンサクも後一息のところです。けっこう咲いているものです。
野鳥誘致林の一角にツバキの仲間のシロヤブツバキがひっそりと咲いていました。ツバキは木偏に春という漢字が当てられています。春一番の木の花ということでしょう。日本のツバキ科の原種はヤブツバキ、ユキツバキ、サザンカの3種類。ユキツバキは日本海側の限られた地域に咲きます。
立春はすぐそこ、春を待ちわびる心が膨らみます。
2007年1月14日(日) 晴 9:00〜11:30
今朝は、石神井公園のカモの数を数える行動に参加しました。結果は約330羽。数年前は1000羽を記録したことを考えると、激減と言えるでしょう。理由はいろいろと考えられますが、大きいのは餌を与える人が少なくなったことのようです。
減少数の大部分はオナガガモです。オナガガモは水中や水辺の草を食べるカモですが、現在、石神井公園には残念ながらこうした水草はあまりありません。休息場所としては適していても、餌は人間の給餌に頼っているのが実態です。現在の数は適正と言えるのかもしてません。
ところで、カモたちは今が恋の季節。オナガガモは、すっかりお尻の羽が長くなり、婚礼衣装に着替えています(写真)。先日の雨の日にはそれぞれの種類ごとにグループになり、首を上げ下げして雌にプロポーズしている様子も見られました。
2007年1月7日(日) 晴 9:30〜12:30
新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨日の嵐から一転して快晴。でも、風の強い一日でした。
暖冬傾向ということで、冬に咲く花を探してみました。となれば何といっても寒梅。梅林では早咲きの紅梅(写真)が早くも花を咲かせていました。りんとした姿は、冬こそふさわしいものがあります。
ほかにはロウバイ。マンサクの花もあと少しでほころびるところ。花芽の黄緑色が見えています。あとは三宝寺池を縁取るハンノキ。地味ですが茶褐色の雄花と雌花が咲いています。
寒さはこれからが本番ですが、寒さに耐えて咲く花を見て心が温かくなった思いです。
【2006年 平成18年】
2006年12月31日(日) 晴 8:50〜12:30
静かな年末です。このお休みも公園を回りました。今年は冬鳥が多くて楽しみ多い公園です。今日もカケスやジョウビタキ(写真)に遊んでもらいました。
今年は犯罪予防のための植栽の刈り込み、ドッグラン設置問題など、公園のあり方に多くの問題を投げかけられた年でした。理想の自然観察公園とは何かを、来年も考えてきたいと思います。
また、世界中で戦渦が広がった年でした。非寛容の空気が世界中で広まっていることを危惧します。平和と環境の年となるよう願いたいものです。
最後に、訪れていただいた皆様ありがとうございました。
2006年12月23日(土) 晴 9:15〜12:30
久しぶりに石神井公園を離れて、筑波山まで赤い鳥を探して遠出しました。オオマシコが10羽以上も出ていると聞いては、行かないわけにはいきません。オオマシコは東シベリアからユーラシア大陸にかけて広く分布している鳥ですが、日本に渡ってくるものは数が少なく、バードウォッチャーにとっては垂涎の的です。何といっても全身真っ赤。雪の中などで見ると美しいことこの上ありません。
現場は山の中腹斜面。じっと待っていると、遠くの梢に止まっているものが見えました。なおもじっと我慢していると、本当に目の前に10羽ほども出現。夢ではないかとカメラのシャッターを切りました。赤い鳥というのは、バードウォッチャーの心を鷲づかみにしてしまう魔力があります。
好天にも恵まれ、赤い鳥を見て、幸福な一日でした。
2006年12月16日(土) 晴 9:50〜12:30
イロハモミジの紅葉が頂点となりました。石神井公園も、全体が燃えているようです。とりわけ今日は日差しがあり、陽を透かしてみるとまさにとろりとした金色の赤です。次の週末にはすっかり葉を落とし、枯れ野の風情となっていることでしょう。美しい季節が惜しまれます。
今日は水辺観察園でモズ♂を見ました。話には良く聞いていたのですが、やっと会えました。ツグミ平のルリビタキ♂、史跡公園のジョウビタキ♂も健在です。冬鳥の季節は始まったばかりです。
2006年12月9日(土) 雨 13:00〜15:30
紅葉もピークを迎えたというのに、一日雨にたたられてしまいました
雨の三宝寺池を回っていたら、中央付近にとても白いやや小型のカモが見えました。双眼鏡でよく見るとホオジロガモ♂(写真)でした。胴体の下側が白く、頭と上側は緑色の光沢のある黒、ほおに白い丸という姿です。
雨の中、時々潜って餌を探しているようでした。面白かったのは、頭をそらせて鳴くポーズをとっていたこと。イナバウアーならぬ「カモバウアー」?! ♀にアピールするときのディスプレーだそうです。
いずれにしても、石神井公園でホオジロガモは初のお目見え。先日のミコアイサに続く珍客です。次はどんな鳥がきてくれるか、楽しみです。
2006年12月2日(土) 晴 9:00〜12:30
三宝寺池を囲む雑木林で、ルリビタキ♂(写真)に再会しました。ルリビタキとは、7月に富士山の5合目で会って以来です。
ルリビタキは富士山のような高山で繁殖して、冬になると平地に降りてきます。名前はヒタキですが、ツグミの仲間です。ユーラシア大陸では広く分布している鳥で、あのメーテルリンクの「青い鳥」も、このルリビタキがモデルだとか。こんなかわいい青い小鳥を見れば、誰だって幸せな気分になれます。
紅葉がピークを迎えようとしている石神井公園でした。
2006年11月24日(土) 晴 900〜12:30
木々の紅葉が進み、公園は全体に花が咲いたようです。イチョウやマンサクの黄色、ケヤキやコナラ、クヌギなどの褐色、ラクウショウやメタセコイヤも赤いクリスマスツリーのようです。ようやく紅葉が始まったイロハモミジもまもなく真っ赤に色づくでしょう。
公園について間もなく、ミコアイサ♀が来ているよと教えていただき、見ることが出来ました。ここでは3年ぶりです。今度はパンダガモの愛称がある♂も来てほしいものです。
落葉が進むとともにカケス(写真)が見やすくなってきました。シラカシやコナラなどのドングリを狙って、高い木の上で鳴き声をあげています。今日はエナガやヒガラ、メジロ、コゲラなどの混群に出会い、とても幸せな気分になれました。冬が駆け足で近づいてきた公園です。
2006年11月18日(土) 晴 9:10〜12:30
冬鳥が着実に増えています。石神井公園の林も、鳥たちの声でいっぱいになってきています。
ツグミ、ジョウビタキ、アオジ、エナガ、ヒガラ、ウグイス、カケス、そしてマガモやオナガガモなどのカモたち。
今日は何と、ここでは珍客のウソ(写真)に出会いました。それも♀3羽です。最初はアキニレの実をむさぼっていましたが、やがて場所を変えて草地の上のイノコヅチの実を食べ始めました。
ウソはスズメよりもやや大きいくらいなので、イノコヅチの枝先に行くと、枝が大きくたわみます。そこをうまくバランスをとりながら、穂先を上手につまんでいました。
とそこに、ジョウビタキの♂も。心が躍るような季節がやってきました。
2006年11月12日(日) 晴 9:00〜12:00
強い風が吹いて、木枯らし1号となりました。寒い一日でした。冬の入り口に差し掛かりました。
三宝寺池の近くで、シダレザクラの帰り花が咲いているのを見つけました。ときならぬ開花ですが、台風や剪定などで木が傷んだとき咲くことがあります。とはいえ、葉をすっかり落とした枝に、ぱらぱらと寂しそうに咲いているのはわびしさを募らせます。
今日は強風で鳥はなかなか見られませんでしたが、カケスが次第に地上付近まで降りてきて、目につきやすくなってきました。冬鳥が次第に増えてきた公園でした。
2006年10月28日(土) 晴
新聞に日光いろは坂の紅葉の写真が掲載されていました。近くの紅葉を探してみると、ケヤキ、リョウブ、ツタ、ハギなど、かなり紅葉しているのが見られました。なかでも印象に残ったのはカツラ。
写真のように、丸っこい葉を黄色に染めて、日に輝いていました。それにもまして印象的なのは、綿飴のような甘い香り。紅葉した葉が甘い香りを放っているのですが、なぜかは分かっていないそうです。日だまりのなかにこのにおいが漂ってくると、子供の頃に連れて行ってもらった秋祭りの縁日を思い出します。何とも懐かしい香りです。
このところ林に冬鳥の姿が多くなってきました。カケス、ヤマガラ、エナガ、アカハラ、シロハラ。今日はマミチャジナイ、シメ、ジョウビタキの情報も聞きました。鳥好きにはたまらない季節の始まりです。
2006年10月22日(日) 曇時々晴 8:05〜10:15
秋の水辺観察園で目立つのは、キクとタデの仲間です。ミゾソバはお馴染みのソバとも近い仲間で、一面に白い花を咲かせています。頭頂に集まった花が開くと写真のようなかわいい姿です。タデの仲間は荒れ地でも元気に育ちます。
ソバは日本的な作物というイメージがありますが、実は原産地は中央アジアで、世界中で栽培されています。開拓などのときには、ソバの種を持って行くというのが通例だったそうです。ソバは荒れ地でも育つ上に、撒いてから45日程度で収穫できる作物です。新世界を求めて荒れ地に鍬を入れた人たちをどれだけ助けてくれたことでしょう。
2006年10月15日(日) 曇時々晴 9:30〜12:30
昨日に続いて、今日もオナガガモ(写真)を見ました。先月の末から来ているという話を聞いていたのですが、ようやく姿を見ることが出来ました。シベリア北極圏からのお客様です。
右側が♂ですが、この時期は♂もエクリプスと呼ばれる地味な姿をしています。これから寒くなるに従って、オスは美しい繁殖羽根に替わってきます。春、再びシベリアに向かって旅立つ前に、冬の間に繁殖の相手を見つけるためです。
何はともあれ、これから半年間、美しいカモたちには十分に楽しませてもらいたいものです。
2006年10月9日(月) 快晴 9:30〜12:30
秋晴れの快晴、気持ちまで虫干しされるような一日でした。
秋の花園は、ツリフネソウ、ミゾソバ、そしてキク科のタイアザミ、シラヤマギク、シロヨメナなどが満開。秋全開といったところです。
この3連休も、石神井公園で秋の渡りの鳥を探しました。キビタキ♂♀、コサメビタキ、エゾビタキ、カケス、ヤマガラなどを見ました。写真はキビタキの♀です。ヒタキは瞳がつぶらで、本当にかわいいですね。
鳥が徐々に増えてくるのを感じるのは心が躍る思いです。帰って行く夏鳥たちを送ると、次は冬鳥の季節です。
2006年9月30日(土) 曇時々晴 9:00〜12:30
今日は石神井公園で渡り途中の小鳥を重点的に探しました。結果はエゾビタキ(写真)3羽とコサメビタキ1羽だけ。キビタキの情報もありましたが、出会うことが出来ませんでした。
秋の渡りは、春と違って囀りがありません。出たとこ勝負で、出会えるかどうかということになります。しかも、台風をはじめ雨の多い季節で、雨の合間を縫って渡っていきますから、週末ウォッチャーにとってはかなり厳しい条件です。
渡っていく方も試練なら、見る方も試練。それだけに出会えた喜びは格別。無事に渡っていけよとエールを送りたくなります。
2006年9月23日(土) 晴 9:00〜12:00
台風が東海上にそれ、久しぶりに晴れの休日となりました。お彼岸の中日で、いよいよ秋本番です。
水辺観察園は、秋の花が全開。キクの仲間、アザミの仲間、ツリフネソウやタデの仲間などです。とくに見頃はサクラタデ(写真)。イヌタデやハナタデ、ミズヒキなど小さな花を開くタデの仲間では、最も大きい5弁の花を咲かせます。ほんのりとピンクに染まったところも桜を思わせます。
三宝寺池の周りの林では、秋の渡りの鳥たちが姿を見せるようになりました。コサメビタキやエゾビタキ、キビタキ、ヤマガラなどを見ました。サンコウチョウやオオルリの情報もありました。秋の渡りは囀りもなくひっそりと渡っていきますから、出会えるかどうかは運次第です。それでも運が良ければ、けっこう多くの鳥たちに出会うことが出来ます。気ぜわしい季節です。
2006年9月10日(日) 晴時々曇 9:15〜12:00
気温がぐんぐん上がって、厳しい残暑の一日になりました。公園を一回りすると、何となく鳥の動きが目立ってきたような気配があります。記念庭園ではホオジロの声、水辺観察園の周辺ではカラの群に混じってヤマガラが見えました。赤いチョッキのちびさん。ここでは半年ぶりのお目見えです。
他にもダイサギやアオサギ(写真)。野鳥誘致林では高い木の上にムシクイ類が動いているのが見えました。秋の渡りは確実に始まっていたのです。間もなく初ガモも見られるでしょう。鳥の季節が動き出しました。
2006年9月2日(土) 快晴 11:00〜13:30
久しぶりによく晴れた土曜日。しかも、湿度が低くて気持ちのいい陽気でした。台風だ、熱帯夜だといっているうちに、秋は来ていたのです。水辺観察園を見渡せば、アキノタムラソウ、アキノノゲシをはじめ、秋の花が盛りとなってきました。
生い茂るキツネノマゴの群落をしきりに飛び交う小さなチョウがいます。イチモンジセセリ(写真)です。ダイミョウセセリやキマダラセセリと同じセセリチョウの仲間ですが、イチモンジセセリは渡りをすることでも知られています。
渡りをするチョウといえばアサギマダラが有名ですが、イチモンジセセリはあの小さな体でどこからやってきたのでしょうか。よく見ると愛嬌のあるかわいい顔です。
2006年8月26日(土) 曇 19:00〜21:00
毎年1回、夏休みの最後の土曜日に行われる三宝寺池夜の観察会。昼とは全く違った様相を見せてくれます。
まず、セミの羽化。午後7時からのスタートでしたが、早くもあちこちで始まっていました。目立ったのがツクツクボウシです。成虫の羽は透明ですが、羽化したては緑がかっていて、神秘的な美しさがあります。しかし、最も多いはずのアブラゼミはほとんど姿が見られませんでした。そういえば今年は、アブラゼミの鳴き声も少なくなっています。何か異変があるのでしょうか。
異変といえば、ヒキガエルなどのカエル類が全く見られませんでした。どうしたことでしょうか。
全体に夜の底にうごめく生き物の気配が、ほとんど感じられなかったのが特徴でした。自然が失われている証でなければいいのですが。
2006年8月19日(土) 晴 11:00〜13:00
お盆の最中から悩まされてきた台風もようやく海上に出て温帯低気圧になったようです。久しぶりに晴天の公園に出かけました。
水辺観察園は夏の花が一段落して、しだいに秋の花が目立ってきています。オミナエシやキンミズヒキの黄、ミズヒキの赤、アキノタムラソウの青、ハッカの白などとりどりです。
でも、この季節の楽しみはトンボの観察。先日はマルタンヤンマという成果がありましたが、今週はちょっと不作。かろうじてネキトンボ(写真)を教えてもらって見ることができました。そう、もう赤トンボの季節が始まっていたのです。
真夏には、ショウジョウトンボくらいでしたが、これからはナツアカネ、アキアカネ、ノシメトンボ、コノシメトンボ、ウスバキトンボ、マユタテアカネなどなど。日本で見られる赤トンボは20数種類といわれています。
日本を意味する「秋津島」という言葉は、「蜻蛉島」とも書き、トンボの群れ飛ぶ土地という意味だそうです。日本は蜻蛉の国だったのですね。
2006年8月5日(土) 晴 11:00〜13:20
朝からうだるような暑さ。光化学スモッグ注意報も出っぱなしです。
昼近くなってから、チョウやトンボの出現を狙って公園を一回り。いましたいましたマルタンヤンマ。それも♂♀2頭ずつ。オスはトルコ石のようなと形容されるコバルトブルーの複眼です。この深いブルーが美しいですね。
水辺観察園は、カノコユリがピークを迎え、遅れていたヒオウギ、さらにノカンゾウのオレンジ色の花、サワギキョウの紫色、イヌゴマやハッカの白と、夏の花園が全開です。
暑くても、訪れる人をあきさせない自然がありました。
2006年7月29日(土) 曇 17:00〜19:15
久しぶりに夕方から、一回りしました。この季節は、夕方から現れるチョウやガ、セミの羽化、開花する花などがあり、たくさんの見どころがあります。三宝寺池の西側は日が早くかげるので、この時間から開花するカラスウリはまだ空の明るいうちから見られます。5弁の花ですが、まるで糸を吐いたような姿は幻想的。薄暗いところにできるだけ大きな花に見せて、花粉を媒介してくれるガをおびき寄せようということでしょうか。
今日はセミの羽化は見られませんでしたが、ヒグラシのカナカナという声が降るようでした。夏本番の夜でした。
2006年7月23日(日) 曇時々小雨 8:00〜10:25
朝方の雨が少し残り、曇り空へと移っていくなか、三宝寺池の周りを一回り。水辺観察園はウバユリの白い花が咲き始めて、次第に夏の様相と思ったら、すでにミズヒキ、イヌタデといった秋の花も咲き始めていました。それに引き替えると、ヤブカンゾウ、ヒオウギがまだ咲いていません。
梅雨がなかなか明けないこととあわせて、一体どうなっているのでしょうか。
今日のトピックは、マヤラン(写真)が咲き出していたことでした。日本産のランの仲間ですが、兵庫県の摩耶山で初めて発見されたところから、この名前が付いたそうです。葉はなく、腐植性で、湿った暗いところに生えます。ご多分に漏れず、この花も減少の一途。
野鳥誘致林で、羽化したばかりのクロアゲハを見つけました。すぐ側には抜け殻もあり、羽化したてとあって、本当にきれいな羽でした。ラッキーというところです。
2006年7月15日(土) 10:30〜12:30
2週間ぶりの三宝寺池です。しかし、曇から雨もよいで今ひとつ。
水辺観察園は早くもオニユリ(写真)、ミソハギも咲き始めました。夏の園らしくなってきました。オニユリは種ができずに、葉の生え際に着いたムカゴで繁殖するという珍しい植物です。球根は食用になり、栽培もされているそうです。あの丸く反り返った花びらは、とにかく印象的です。
池の周りには、マルタンヤンマが出ているとのことで、知り合いのM さんと一緒に目をサラのようにして探しましたが、見つかりません。あのトルコ石のような青い目に何とか会いたいもの。
2006年7月8日(土)〜9日(日)
昨年に引き続いて富士山に行ってきました。この季節、多くの小鳥たちは繁殖のため山に登ります。とくに、ルリビタキ、ビンズイ、カヤクグリなど、冬には平地でもお馴染みの鳥が、何と2,500m以上の高地で営巣するのです。人間にとっても行動も結構大変な高地で、あの小さな体の持つパワーに驚くばかりです。
さて、観察はもっぱら奥庭荘の水場でした。ルリビタキ、カヤクグリ、ウソ(写真)、メボソムシクイ、カヤクグリ、ヒガラなどが次々に登場してくれました。富士山は火山台地なので、水の溜まるところが極端に少なく、こうした水場には列をつくって水浴びに来るというわけです。
さて、今回の一押しはヨタカの声を聞いたことでした。キョキョという声は独特。高地の夏を満喫しました。
2006年7月1日(土) 曇後雨 10:30〜12:00
三宝寺池の岸辺を歩いていると、ぷ〜んと甘酸っぱいにおいが漂ってきます。これはクヌギが出す樹液の匂い。この甘い樹液を求めて、たくさんのチョウ、甲虫類がやってきます。チョウではルリタテハ、ヒメジャノメなど、甲虫ではコクワガタなど。
アゲハやスジグロシロチョウ、花蜂などが花の蜜を求めて集まるのに対して、樹液を頼りに生きるチョウや甲虫も大きなグループです。あたりに立ちこめるにおいは、何だか居酒屋のにおいにも似て、昆虫酒場の宴といったところです。
2006年6月25日(日) 曇 8:00〜10:00
相変わらずの梅雨空の下。今日は昆虫に注目。ミドリシジミの♂♀(写真)が見られました。去年は比較的たくさん見られたミドリシジミでしたが、今年は初めて。飛び立つときに♂は緑色、♀は青い色が見えてうっとりしてしまいます。
水辺観察園では、8羽の子供を連れたカルガモが現れましたが、子供はすでに親鳥とほぼ同じ大きさで、違いは体の色がやや黒ずんでいるくらい。それでも子供が水草などを必死に食べているそばで、1羽だけ首をあげて天敵に警戒を怠りません。母の愛を感じさせる一こまでした。
2006年6月17日(土) 曇 10:00〜12:30
梅雨だからというはいうものの、毎日のように雨が降り気分も湿りがちです。サッカーのワールドカップで気を紛らわせている毎日ですが、これも眠気が募ってけっこうつらいですね。
久しぶりに雨が止んで、公園を一回りしました。水辺観察園の花はノハナショウブのあと、束の間の端境期で、目立ったものはありません。そんななか、ハンゲショウの葉が白くなっていました。
半夏生というのは、夏至から11日目を言い、今年は7月2日に当たります。かつてはこの日までに田植えを終えるものとされていた農事の節目でした。またこの日は、空から毒が降るという言い伝えもあり、井戸にふたをしたり、外出を控えたりといった、禁忌があったそうです。サラリーマン社会になった今日、そんな言い伝えも遠い彼方でしょうか。
さて、ハンゲショウはこの半夏生の頃に咲くのでその名が付いたといわれます。真ん中から垂れ下がっているのが花穂で、花が開いてくると立ち上がってきます。この地味な花を補って、昆虫たちにアピールするために、上の方の葉が半分白くなると考えられています。
不思議な言い伝えと雰囲気を身にまとって咲いています。
2006年6月11日(日) 雨 11:00〜13:00
いよいよ梅雨に入りました。今日は朝から雨降りです。それでも公園のようすが気になって、傘を差して一回りしました。
雨の花といえばまずアジサイです。紫の花を丸く付けた様子は、さながら梅雨のプリマドンナでしょうか。もう一つのアジサイが、ガクアジサイです。アジサイの原種ではないかといわれていますが、今ひとつよく分からないようです。回りの花は装飾花といわれるもので、花ではありません。本当の花は中央の丸い玉のような部分です。やがて開いて雄しべ、雌しべが立ち上がってきます。
もう一つ、オカトラノオがその名のように、花穂を振り上げていました(写真)。それにしても、オカトラノオとはよく付けた名だと感心してしまいます。
感心といえば、ホタルブクロも心惹かれる花です。釣り鐘のような、下向きに垂れた姿も趣があります。
この季節、咲く花はそれぞれ個性的です。
2006年6月4日(日) 曇 9:50〜12:00
先週の週末は福島県の裏磐梯高原に行っていたので、石神井公園は2週間ぶりになります。けっこう様相が変わっていて、水辺観察園はカキツバタに替わってノハナショウブ、ホタルブクロが盛りとなっていました。
うれしいニュースは、カワセミがこの周辺では数年ぶりに繁殖に成功し、3羽の雛が巣立ったことでした。もう親と一緒ではありませんでしたが、若が1羽見られました。若鳥は胸が汚い色なのが特徴。それでも、もう水面にダイビングして魚を捕っていました。この若鳥たちは、程なく親とは別のすみかを求めて、別の水辺へと旅立っていくことでしょう。
もう一つ、トンボがすっかり増えていました。多いのはコシアキトンボですが、シオカラトンボ、クロスジギンヤンマなども見かけました。渡りの夏鳥が去った水辺は、蝶やトンボ、昆虫たちの王国へと変貌中です。
2006年5月27〜28日 曇、大雨
東京からはいなくなってしまった夏鳥たちを求めて、福島県の裏磐梯高原を訪ねました。ところが、あいにくの天気で、27日は雨こそ降らなかったものの風が強く、28日は台風のような大雨でした。自然が相手だと、こんなこともよくあります。それにしても、今年は週末に荒天がよくありますね。
裏磐梯高原は東京からすると、ほぼ1ヵ月遅れの季節で、サトザクラ、ウワミズザクラ(写真)が最後の盛り。とても桜の仲間とは思えません。また、生まれたばかりの新緑がみずみずしい姿を見せていました。
天候には恵まれなかったのですが、それでも森の中では着いたばかりと思われるオオルリやキビタキなどが、つがいの相手を求め、精一杯の美声を張り上げて愛のセレナーデを歌っていました。本当に魂を揺すぶられるような歌声です。
今回の探鳥で、ハイライトはイスカの群れ。イスカといえば、「イスカの嘴の食い違い」で知られる変わった嘴です。先が食い違った大きな嘴が何に役立っているのかというと、松ぼっくりから実をつまみ出すのに誠に効果的ということです。
今回出会ったときも、カラマつにとりついて、しきりにマツの実を突いていました。赤銅色でスズメくらいの大きさの変わった鳥たち。進化の不思議を実感させる姿でした。
2006年5月21日(日) 快晴 9:15〜12:00
久しぶりに5月らしいさわやかな快晴に恵まれました。心地よい風の中、公園を一回りしましたが、鳥の声は全く静か。わずかにキビタキの声が聞こえただけでした。この公園での夏鳥のシーズンは、束の間に終わってしまったようです。
かわってにぎやかになってきたのが、巣立ってきた幼鳥たち。シジュウカラの家族が林のあちこちで飛び回っていました。巣立ちビナは、大きさこそ親鳥と同じくらいですが、ネクタイが短く、胸もヒヨコのような黄色です。ニーニーと鳴きながら、羽を振るわせて「餌くれー」と叫んでいます。親は大忙しで虫を捕っています。ご苦労様。
池では、やはり雛を連れたカルガモ母さんが来園者の人気を集めていました。
その池の縁に白い花を散らしていたのが、エゴノキです(写真)。エゴというと、ヤマガラの大好きな実を付ける木ですが、初夏には「林縁の女王」とたたえられる、美しい花をつり下げるように咲かせます。4年ほど前、オシドリが雛をかえしたことがあって、その時に咲いていたのがエゴノキでした。新しい命と白い花。忘れられない出来事です。(「オシドリの子育ち」のページを見てください)。
2006年5月14日(日) 曇時々雨 7:00〜13:00
昨日の雨の中、サンコウチョウの鳴き声を聞いたので、夜来の雨で動いていないかもしれないと、早朝から野鳥誘致林に詰めかけました。
しばらく待っていると、高いところからホイホイホイの声。血眼で探すと暗い梢の周辺をヒラヒラと舞う姿。これがサンコウチョウに違いありません。わずかな時間止まってくれると、青いアイリングも見えます。体の2倍以上もある尾はオスのシンボル。思わず興奮してしまいました。
ただ、写真を撮るとなるとこれは最悪の条件。暗いところを素早く飛び回っていて、ファインダーにもなかなか入らず、入ったと思うとすぐに抜けてしまう。辛うじて撮った写真はシルエットだけ(写真)。腕の未熟を恥じるばかりです。それでも長い尾は見ていただけると思います。
サンコウチョウはバードウォチャーにとっては、年に一度はぜひとも見たい鳥。幸せなひとときでした。
2006年5月3日〜7日(日)
読者の皆様はゴールデンウィークはどのように過ごされたでしょうか。石神井公園は、よい天気が続いて大変な人出でした。
さて、この間の夏鳥は3日が最高、4日もまずまずでした。しかし、そのあと晴天が続いたせいか、すっかり抜けてしまったようで、鳴き声も薄くなりました。今日は雨だったので、明日はまた期待されますが、昨日は夏鳥のしんがりメボソムシクイの声を聞き、シーズンの終わりも近いことを知らされました。
水辺観察園では、カキツバタ(写真)が盛りを迎えました。三宝寺池では、ミツガシワ、コウホネと並ぶ三大貴重種です。自生のカキツバタは珍しく、紫の花は初夏の水辺にひときわ輝いて見えました。
これと並んで楽しませてくれたのが、キンラン、ギンランでした。とくにキンランは花付きのよいものもあり、毎年の盗掘を乗り越えて今年も咲いてくれました。こうした花は民家の庭ではまず育ちません。野においてこそ美しく、万人が楽しむことができます。このことを考えていただきたいと思います。
2006年4月30日(日) 晴 7:20〜13:00
ゴールデンウィークの始まりです。この時期はいつも石神井公園で、南の国から渡ってくる夏鳥を探します。昨日も今日も、早朝から三宝寺池の周辺でカメラを構えました。
昨日はオオルリ、今日はキビタキが美しい囀りを聞かせてくれました。ただ、いずれも若鳥のようで、風切り羽根の先端に茶色が見えます。でも、囀りはとても伸びやかで、とくに今日のキビタキ(写真)はひっきりなしに囀りを聞かせていました。彼らはこれから関東平野の北の山で子育てをすることでしょう。
こうして、木漏れ日の下で夏鳥を待っていると、初夏の風が心地よく通りすぎていきます。幸福感というのはこういうものでしょうか。
2006年4月22日(土) 晴 6:30〜11:00
今日も早朝から夏鳥を探しました。しかし、聞こえたのはセンダイムシクイのチヨチヨビーだけ。どうも、人間のお休みのスケジュールと、鳥の渡りのタイミングがなかなか合わないようです。こればかりは運としかいいようがありません。だからこそ、鳥たちのと出会いはいつもドラマチックなのです。
昨日の早朝、記念庭園で見たカルガモの親子は、今日は石神井川に引っ越していました(写真)。この様子を見ていた方によると、金曜日の昼前、11羽の雛を連れたカルガモ母さんは、記念庭園の東側の道路を横切って石神井川まで歩いて引っ越したそうです。その方は、バスを一時ストップさせてカルガモを渡したとのこと。何だか、三井物産の池から皇居のお堀まで引っ越したあのカルガモを思い出しました。
バンのヒナも孵って、シジュウカラの巣作りも今がピーク。新しい命の輝く季節が始まりました。
2006年4月15日(土) 晴 7:00〜11:00
そろそろ夏鳥が来ていないかと、早朝から出かけましたが、石神井公園ではオオルリもキビタキも声は全く聞こえませんでした。近くの公園からは夏鳥到来のニュースも聞こえてくるだけに、本当に待ち遠しいですね。
水辺観察園はミツガシワ、コウホネ、さらにカキツバタも咲き始めて、彩り豊か。レンゲソウ、ヤマブキソウ、イチリンソウなど次々に開花して、華やかな季節を謳歌しています。
ミツガシワは、浮島でも開花しているのが、南側の木道からもよく見えます。「ごあいさつ」にも書きましたが、ここのミツガシワは氷河時代からの生き残りで、学術的にも大変貴重なものとされています。今年も無事に咲いてくれたと、感謝したくなるような姿です。
2006年4月8日(土) 晴時々雨 10:00〜15:00
南高尾に野の花を探しに出かけました。天気は晴れたかと思ったら雲が広がり、雷も鳴るといった定めない空でした。
主な目的はカタクリ(写真)でしたが、そこにはヤマエンゴサクの青紫の花、アズマイチゲなども咲いていました。ところが、観察を始めると同時に雷が鳴り、雨が強くなってきました。あわてて高尾山口の駅に引き返しました。
駅前でとろろそばを食べているとたちまち日が差してきて、いい天気に。このまま帰るのはと高尾山の6号路、琵琶滝まで登りました。ここでも琵琶滝付近から俄雨。つくづくたたられてしまいました。
そんななか、とても面白かったのが思いがけなく入った林道でした。そこでは、ナガバノスミレサイシン、ミミガタナンテンショウ、ジャノヒゲの青い実、ヨゴレネコノメなどの野草、スギタニルリシジミなどの蝶も舞って、何だかワンダーランドに迷い込んだようでした。
それに比べると高尾山の登山道はほとんど何の野草もなく、寂しい限り。目につくようなものは採られてしまうのでしょう。いささか寂しくなってしまいました。
2006年4月1日(土) 晴 9:30〜12:30
この週末は桜、と言ってもソメイヨシノの最後の見頃。天気もよく公園は人でいっぱいでした。ソメイヨシノが咲くと何となく心が落ち着かなくなることがあります。桜は私たちの心を揺さぶる花です。
桜のもう一方の主役がヤマザクラ。石神井公園にある大きなヤマザクラが開花し、普段は閉じられている柵が開放されました。まだ一分咲きといったところですが、見応えがあります。そこに入ると、ヤマザクラの下にはショカッサイの赤紫の花が咲き乱れていました。
赤紫の花には白い蝶が群れています。よく見ると、それはツマキチョウ(写真)でした。羽の端に黄色い紋があって、この時期にしか見られないことから、春の妖精の別名があります。ショカッサイにツマキチョウ、何だか夢心地にさせてくれる風景でした。
2006年3月25日(土) 晴 10:00〜13:00
ソメイヨシノが1分咲きくらいとなり、いよいよ春も盛りです。暖かくなり、公園の人でもとても多くなりました。
今日の発見は水辺観察園でジロボウエンゴサクが咲いているのを見つけたこと。本来なら、ここではアズマイチゲと競って、春一番に咲くはずなのですが遅れていました。でも一安心。
ジロボウエンゴサクとは変わった名前ですが、ある地方では、スミレをタロウボウ、本種をジロボウと呼んで、子どもたちが距を引っかけて遊んでいたところから、ジロボウという名が付いたと、図鑑にありました。
エンゴサクというのは、漢方で本種の呼び名だそうです。カタクリと同じように、地下に根塊があり、これを掘り起こして薬に用いるそうです。何となく不思議な植物ですね。
2006年3月18日(土) 晴 10:30〜13:00
そろそろ住友グランドのところのオオカンザクラが咲き、メジロが蜜を求めてくる頃といそいそと出かけました。オオカンザクラは咲き始めていたのですが、いたのは何とワカケホンセイインコ。それも6羽です。メジロやヒヨドリも来るには来るのですが、ワカケホンセイインコの姿に恐れをなしたのか、そそくさと行ってしまいます。
オオカンザクラはサクラの仲間でもとくに蜜が多くて、鳥たちが集まります。メジロは花に嘴を差し込んで蜜を吸いますが、ヒヨドリやワカケホンセイインコは花をむしって、根本をしゃぶりそのまま落としてしまいます。木の下には咲き始めたばかりというのに、花びらが絨毯のように散っています。
ワカケホンセイインコは、元々愛玩用に輸入されたのですが、逃げ出したものが繁殖して今では我が物顔に東京の空を飛び回っています。本当に困ったのもです。
さて、春本番となって花も次々に咲き出しました。今週はニリンソウ、ムラサキケマン、アマナの開花を確認しました。それに、ミツガシワも。いよいよ楽しみな季節です。
2006年3月12日(日) 晴 10:30〜12:00
今日も暖かな日でした。
史跡公園にカワラヒワの姿を探していたら、コスミレが咲いているのを見つけました。昨年は一輪も見つけられなかっただけにとてもうれしい発見。いつも咲いてる場所から少し離れた東側の土手に群落を作っていました。
早春の花といえば、林床のアズマイチゲやジロボウエンゴサクなどのスプリングエフェメラルとともに、やはりスミレですね。スミレは、毎年同じところに咲くとは限りません。突然大きな群落を作ったかと思えば、翌年には全く見えなかったりと、かなり気まぐれなところがあります。
そうそう、スミレの種子はアリが運ぶといわれます。このムラサキ色が目に染みますね。
2006年3月5日(日) 晴 9:00〜11:30
暖かくて穏やかな一日。さすがに春3月です。石神井公園では春一番の花、アズマイチゲが咲いていました。他にも、ヤマネコノメ、セントウソウなど。
アズマイチゲをはじめ、カタクリ、ジロボウエンゴサク、ニリンソウなど早春の林床に咲く野草の仲間は、スプリングエフェメラル(春の短い命)とか、春の妖精とか呼ばれます。
クヌギやコナラなどの林は、冬には葉が落ち明るい日差しが降り注ぎます。その日差しをいっぱいに受けて、早春から花を開き、タネを充実させて、コナラやクヌギが葉を広げる初夏には、すっかり地上から姿を消してしまいます。まさに春の短い命にふさわしい花たちです。
これから、ジロボウエンゴサク、ニリンソウ、イチリンソウ、ムラサキケマンなどが次々と花開いてきます。
2006年2月25日(土) 晴 12:00〜14:00 2月26日(日) 雨 9:00〜10:00
25日の土曜日は、所用で伊豆に行った帰りに、神奈川県内の某所で、オガワコマドリ(写真)を見てきました。オガワコマドリは、シベリアで繁殖して中国南部で越冬するツグミの仲間ですが、日本にはまれに飛来すると図鑑にあります。
背中はオリーブ褐色、目の上に眉斑があり、♂は首に青や褐色のリングがあります。きれいでなかなか気品のある個体でした。冬の終わりから早春は、なぜか珍鳥の季節です。今年も楽しめれば幸なのですが。
26日は一日雨。週に1度は行かないと気になるので、朝方に傘を差して石神井公園を一回り。水辺観察園で、アズマイチゲ、アオイスミレ、セントウソウが咲いているのを発見。春一番に咲く、春の短い命(スプリングエフェメラル)たち。もう春です。
2006年2月19日(日) 曇一時晴 10:30〜13:00
曇りがちでうすら寒い日でした。一時の晴れの続いた時期から、曇や雨の日も定期的にやってくるようになりました。
今日はアカハラが目に付きました。アカハラは繁みの中にいて、なかなか姿を見せてくれなかったのですが、ヤブの中には餌がなくなってきたのか、表の方に出てくるようになったようです。枝にとまって、そこに薄日が差すと、お腹の褐色がとても映えて見えます。冬鳥がいっそう見やすくなるこれからに期待しましょう。
写真はフキノトウです。落ち葉の間からようやく頭を持ち上げてきました。食材としては、香りとほろ苦さが春の息吹を感じさせてくれます。
「春の皿には苦味を盛れ」と言う言葉があります。 フキノトウの天ぷらを味わってみましょうか。
無粋な話で恐縮ですが、この公園の中に犬を放し飼いにして遊べるドッグランという施設を作る話が持ち上がっています。武蔵野の面影を残し、自然を楽しみながら散策できるこの公園に、ふさわしい施設とはとても思えません。公園は狭くて、子供が思いっきり走り回ることができるスペースもないのが現状です。ドッグランよりキッズラン、そう考えたいのですが。
2006年2月12日(日) 晴 10:30〜13:00
昨日とは打って変わって風も強く寒い一日。当然鳥も少なかったのですが、今日はルリビタキ、ウグイスなどを見ました。ルリビタキはきれいな♀タイプで、尾羽のブルーが印象的です。
野鳥誘致林を歩いていたら、ツグミの10羽ほどの群れが、高い梢を行ったり来たり。ツグミは渡りの時をのぞいてあまり群れを作らないはずですが、強くなってきた日差しにやがて来る北帰行の心を誘われたのでしょうか。
花も、オオイヌノフグリをはじめ、セントウソウが一もと、木は紅梅、マンサク、ロウバイ、レンギョウと咲き始めました。とくに、野鳥誘致林北側のマンサクはたくさんの花をつけて見頃となっていました。この寒さを越えれば、花咲く春です。
2006年2月4日(土) 晴 9:20〜12:00
今日は立春ですが、歌の文句のような「春は名のみの風の寒さよ」の一日でした。
ところで、「光の春」という言葉があります。確かに、風は冷たいのだけれど、日差しは確実に強くなっています。ガラス戸の中から外を見ていると、春が来たかと見違えるほどです。外でも、林の中などにいると、風がさほどでない日などは、とても温かく感じます。
この日差しを受けて、林床で成長してくるのが、春一番の野草たちです。石神井公園では、アズマイチゲやジロボウエンゴサクなどですが、その前に現れるのが、生命力にあふれた外来種の野草。
今日は水辺観察園で、オオイヌノフグリがたくさん咲いているのを見つけました。次はヒメオドリコソウでしょうか。外来種ですが、春を待つ心にこたえくれる野草たち。とくに、オオイヌノフグリは彩りの乏しい枯れ野に、水色の可憐な花で彩りを添えてくれます。
このほか、先週見つけた紅梅、管理所の側のロウバイ、野鳥誘致林のマンサクもようやくちらほらと咲き始めました。
池では、カモたちがしきりに求愛のダンスを踊っていました。よく見ると、既につがいになっているオナガガモやキンクロハジロ、コガモも目立ってきています。
春はもうそこまでですね。
2006年1月28日(土) 晴 9:50〜12:00
記念庭園の坂を上がっていくと、メジロの群れが出迎えてくれました。さらに、奧の枝にアオジの黄色いお腹が見えました。昨日くらいから寒さが緩んできたせいでしょうか。鳥の動きにも春の気配を感じます。
三宝寺池にはいつものカモたち。行楽客が投げる餌をもらおうと、池のあちこちを右往左往。同じ場所にコサギが4羽もいたのが目立ったくらいでした。
春の花はいかにと探しましたが、ロウバイもマンサクも咲く気配もありません。なかで、ようやく咲き始めたのが紅梅(写真)。物の本では、白梅の方が早いと書いてありましたが、ここでは紅梅が先でした。例年に比べると1月半も遅れての開花です。梅一輪ほどの温かさを感じた日でした。
午後は石神井公園野鳥と自然の会の総会で、公園散歩は早々に終了しました。
2006年1月21日(土) 雪 13:00〜15:00
一日雪が降り続きました。しかも、東京では珍しい軽い雪質の粉雪。予報では昼から止むということでしたので、待っていましたが一向に止みません。昼過ぎから傘を差して公園を一回りしました。
軽い雪質のせいか、細い枝にまで雪がかぶり、とても美しい光景になっていました。とても東京都内とは思われません。
そんななかカモたちは身を寄せ合って、寒さに耐えているようでした。オナガのオスは長い尾羽がすっかり伸び、メスを囲んで首を上げ下げして求愛のポーズをとっていました。ハシビロガモのオスもようやく美しい繁殖羽根に衣替えです。
寒かったけれど、雪景色を堪能した一日でした。
2006年1月15日(日) 晴
昨日の雨とは打って変わって温かい一日でした。今日は久しぶりに、埼玉県戸田市の彩湖に行ってきました。
穏やかとはいっても、ここは荒川の河川敷遊水池でけっこう風は強い。葦原の上に飛ぶはずの小鳥はほとんど見られませんでした。
替わりに水鳥はけっこうにぎやか。マガモ、オナガガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ミコアイサ♀、美しいヨシガモも群れがいました。このヨシガモ、近くのオオバンが岸に上がって草を食べ始めたのに誘われたのか、次々に岸に飛び上がってこれまた草を食べ始めました。
カモの食性はマガモやオナガガモ、そしてヨシガモも含めて水面採餌ガモといわれる種類は、本来草食です。昼間は池の水面で休んでいて、暗くなると近くの川岸で草を食べ、朝方池に帰ってくるというのが基本的な生活パターン。数年前に訪れた石川県の片野鴨池でも、朝早く大きなカモの群れが池を目指して隊列を組んで帰ってきていました。
美しいヨシガモが草を食べるシーン(写真)。それにしても昼間からとは、少し警戒心なさ過ぎでは。
2006年1月8&9日(日、月) 晴
今年初めての更新です。今年もよろしくお願いいたします。
さて、この3連休は石神井公園と善福寺公園で鳥見をしました。善福寺公園はテレビでも流されたコハクチョウ(写真)です。普段は静かな公園も、一躍白鳥の湖と化して、ギャラリーも数十人。なかなかの人気でした。
それにしても、間近で見るとコハクチョウは大きい。周りのオナガガモと比べても、悠々たるものです。それに、あの長い首。かしげる姿も優雅です。
石神井公園は、記念庭園の柿の木にアオゲラ、アカハラ、シロハラ、ツグミなどがひっきりなしにやってきていました。今年は柿が豊作のようで、公園外の民家の庭にもたくさんの柿がなっていました。そのせいか、例年年内にはなくなるイイギリやセンダン、ピラカンサスがほとんど手つかずで残っています。
また、この公園では珍客のタシギ(写真)が数日前から見られました。カメラの砲列をものともしないで、しきりと餌をあさっていました。それにしても、タシギは警戒心が強いはずですが、季節外れの青いクレソンの中にまで入っているのには驚きでした。
【2005年 平成17年】
2005年12月29日(木) 晴 6:30〜11:00
氷点下の冷え込みとなった朝を狙って、三宝寺池にカモの写真を撮りに行った。気温が水温よりも低くなると、水面から朝靄が立ち上るはず。その中を泳ぐカモは都内とは思えない幻想的な風景となるはず、ということだったのだが、地下水を汲み上げている周辺をのぞいては、ほとんど水蒸気は立っていなかった。残念。
それでも何とか靄の立っているところに朝日が差してきたというのが、この写真。だが、背景に落葉杉の落ち葉が入って、どちらかというと秋の雰囲気となってしまった。なかなかうまくいかないものですね。
このところの寒気で、山に雪が降ったためか、ようやく石神井公園にも冬鳥の姿が目立ってきた。記念庭園の柿の木にも、アカハラ、ツグミ、アオゲラなどが頻繁に来てくれるようになった。これからに期待。
というところで、今年の更新は終了します。訪問していただいた皆さんありがとうございます。自然豊かな石神井公園と世の平和を祈念して、ワープロの打ち納めとします。
2005年12月25日(日) 晴 9:30〜13:00
このところの冷え込みと木枯らしで、公園の木々はすっかり葉を落とした。イロハモミジもわずかに枝にしがみついている葉があるだけ。冬枯れの姿になってきた。
この季節は、樹形を観察する楽しみがある。一口に雑木林といわれるが、ケヤキは竹箒を逆さに立てたようなといわれる大きな枝振りを見せているし、ラクウショウは幹がすっくと立ち上がった形、コナラやクヌギは枝をけっこうくねらせている。
今朝は氷点下の冷え込みで、ボート池、三宝寺池の一部も氷が張っていた。カモたちも氷の上で寒そうだ。というのは、人間の思いこみで、カモたちはけっこうご機嫌かもしれない。氷上のマガモの姿は、なかなかりりしい(写真)。
それにしても、カモたちは氷の上でも足が凍えてくるということはないのだろうか。本の知識としては、鳥の血管は膝から下と、膝から上で別の体系になっていて、羽毛のない足からの放熱を少なくしているというが、本当にそんな便利なことになっているのだろうか。
2005年12月18日(日) 晴強風 9:00〜10:30
晴れてはいても強風が吹いて寒く、鳥も期待できないので、木の実を観察してみた。この強風で葉を落としたせいか、イイギリ、センダンなどの実がとくに目立ってきた。池の端のノイバラの実、マユミのつり下がった実(写真)、誘致林のビナンカズラの実もわずかだが残っていた。
多くの木の実は鳥が食べていると思うのだが、種類によって早くなくなるもの、遅くまで残っているものがある。ムクの実やカキ、ナンキンハゼなどの実はすぐになくなってしまうが、ピラカンサス、イイギリ、センダンなどは遅くまで残っている。
ムクの実などは人間が食べても甘くておいしいが、イイギリなどは食べられたものではない。例外はあるが、赤など派手な色の実はどうもおいしいものは少ないようだ。鳥の味覚がどんなものか分からないが,人気のない実ほど派手な色でアピール!?
2005年12月10日(土) 晴 9:30〜11:30
冬晴れで、冷え込んできた。先週に続いて記念庭園の柿の木へ。柿の実はまだまだたっぷりとあって、年内持ちそうな様子だ。
しかし、ツグミ、ヒヨドリ、メジロ、コゲラくらいで、期待していたものはなかなか現れない。それでも、今日はコゲラ(写真)が数も回数も頻繁な登場。一度に7羽程が現れたこともあった。これは初めて。手間のかかる木の中の虫探しより、手っ取り早く柿の木を突こうというのか、本当は甘党なのか。
記念庭園の紅葉も盛りを迎えていて、イロハモミジに小鳥が止まる場面も期待したのですが、チャンスには恵まれませんでした。
2005年12月3日(土) 9:45〜12:45 晴俄雨
イロハモミジの彩りが最高潮を迎えた。全体的にもここ1〜2週間がピークだろう。鳥も冬鳥が少しずつ増えてきている。アオジのチーやウグイスのジャジャも多く聞こえるようになってきた。それでもまだ例年からすると、遅れていると思う。
記念庭園の柿の木は葉が落ちて、そろそろ鳥がやってくることかとしばらく待ってみた。来たのはツグミ(写真)、ヒヨドリ、メジロだけ。少々寂しい。柿の実は今年は豊作でまだたっぷりあることだし、情報では、アオゲラやアカハラも姿を見せているとのこと。これからに期待しよう。
2005年11月26日(土) 晴 9:15〜12:30
しばらくぶりに光が丘公園に。中央の銀杏並木がしきりに金色の落ち葉を降らせていた。サンクチャリでは、オオタカの若とカラスがしきりに追いかけっこ。ただ、オオタカが居着いてしまったせいか、池には何もいない。寂しい限り。
この後、石神井公園へ。ケヤキやコナラ、クヌギ、ラクウショウやメタセコイヤに続いて、いよいよイロハモミジが色づいてきた。とくに池の中央部のイロハモミジはもう真っ赤になっている(写真)。
これに比べて、野鳥誘致林などはまだ青いまま。この分だと、まだしばらくは楽しめそうだ。
2005年11月19日(土) 9:15〜12:00 晴
1週間ぶりに公園に来ると、紅葉が進んでいることに感激する。メタセコイア、ラクウショウの落葉杉が赤くなり、イロハモミジも紅葉する木が出てきた。あと10日ほどもすれば見頃ということになるだろう。
三宝寺池の緊急船着き場付近で、カラスが大騒ぎ。オオタカかと思ったら、ハシブトガラス同士で取っ組み合いの大げんか。どうも違う群れの個体がやって来たので、追い出し行動をかけたらしい。それにしても、2羽は互いの胸を足でしっかりつかみ、迫真の争いだった。
あとはダイサギが久しぶりに入っていた。コサギとツーショットの場面も。紅葉した枝の下に止まると、コサギ(写真)もなかなか絵になる。
2005年11月12日(土) 9:00〜11:00 雨後晴
早朝に雨があがり、やがて晴れ間が広がってきた。数日ぶりに行くと、石神井公園も大分秋の気配が濃くなってきていた。ラクウショウやメタセコイアなどの落葉杉が茶褐色に変わり、柿やサクラなどもすっかり紅葉してきていた。
紅葉といえばイロハモミジなどのカエデ類だがこちらはまだ少し間がありそうだ。だが、よく見るとイロハモミジの先端部分が赤く色づいている。蝶つがいのような形をしたものは、翼果といわれる果実(写真)の翼の部分。翼に挟まれた部分の2個のふくらみが果実だ。風が吹いたときなどには、翼の生えた果実はかなり遠くまで飛ぶらしい。旅立ちの時も近いようだ。
鳥も大分気配が濃くなってきた。池のカモが増えてきたし、林の小鳥も姿は見えなくても鳴き交わす声が多くなってきた。ツグミやアオジの声をよく聞く。この季節、紅葉に止まる小鳥の写真が撮りたいと思うのだが、さて今年のチャンスは。
2005年11月5日(土) 9:15〜13:00 晴
しばらくぶりによく晴れた土曜日。早速三宝寺池へ。ケヤキやカツラを中心に、かなり色づいてきた。カツラの丸っこい葉は黄色に色づいて、付近には綿飴のような甘い香りが立ちこめている。
あちこちでカラの混群と出会う。シジュウカラ、メジロ、コゲラなど。中之島をじっくり見ていたら、ジョウビタキ♂が止まってくれた。お腹のオレンジ色がまぶしい。今季はこれが初認。何だか心が躍る。
ぽかぽか陽気で、お年寄りの社交場になっている池の日だまりではムラサキシジミ(写真)が数頭舞っていた。ムラサキシジミは成虫の形で越冬する少々変わったチョウ。葉っぱの裏側などにしがみついて寒さをしのぎ、冬でも暖かい日には現れる。何だかとてもいとおしくなってしまう。
2005年10月29日(土) 9:00〜12:30 曇時々晴間
雨が心配されたが、天気はもち時々薄日も差した。気温が高かったせいか、薄日が差すとツマグロヒョウモンをはじめ蝶がけっこう舞っていた。
お池のカモは先週のヒドリガモの群れはすぐにいなくなってしまったようだが、替わって今週はハシビロガモ、そしてホシハジロが来てくれた。数はまだまだ少ないものの、これで三宝寺池で普通に見られる冬ガモは一通り出そろったことになる。
周辺の林では、シジュウカラやメジロなどの混群がしきりと枝から枝へと渡っていく。ウグイスのジャジャも聞こえて、いよいよ冬の始まりも近い。
水辺観察園はヤクシソウやシロヨメナなどのキク科の花が最後の彩り。目立っていたのは紅葉したタコノアシ(写真)。真っ赤に色づいて、まさにゆでダコ。
2005年10月22日(土) 10:00〜13:00 曇時々雨
次第に晴れてくるとの予報を信じて出かけたら、途中でたびたび雨に見舞われた。カモが次第に増えてきて、これまでのコガモ、オナガガモに加えて、今日はマガモ(写真)、キンクロハジロが見られた。
小鳥も次第ににぎやかになってきて、記念庭園、三宝寺池でもシジュウカラ、コゲラ、メジロが入ったカラの混群が見られた。三宝寺池では、さらにヤマガラも加わっていた。何度か声は聞いていたが、見たのはこの秋初めて。池の周辺には、エゴの実もたっぷりあることだし、春までいてほしいものだ。
2005年10月15日(土) 雨後薄日 11:00〜13:45
朝方は降っていたので、様子を見てから公園へ。昼近くになったしまったので、鳥はほとんど気配もない。着くと薄日が差してきて、チョウやハチなどが活発に飛び回っていた。とくに縁があったのがツマグロヒョウモンの♀(写真)。野鳥誘致林、水辺観察園、城趾への橋の手前と3回も現れた。
このツマグロヒョウモンも南方系のチョウで、三宝寺池でも昨年くらいから多く見られるようになってきた。やはり温暖化の影響ということだろうか。
うれしかったのが、ナンバンギセル(花のページ参照)が本格的に出てきたこと。これまでは頼りなさそうなものが1本ずつかすかに咲いてはしぼんでいたが、今度は群落になっている。万葉集に「道の辺の尾花が下の思い花今更になどものか思わぬ」と歌われた、日本人にはゆかりの深い花だ。
2005年10月10日(日) 雨 10:15〜11:45
3連休、しかも今日は晴の特異日というのに、雨続きです。家に籠もっていてもというわけで、公園を一回りしました。
予想通りというか、鳥も昆虫もほとんど見えません。雨で魚が見えないカワセミが、水面を木が覆っているところでじっと水面を見つめていました。ゴイサギも繁みの間で雨宿りです。
ヤマガラの姿を見ていないので、重点的に探したのですが、声も聞こえません。木道を覆うエゴノキの樹上には、何とキジバトの姿。しきりにエゴの実を食べています。エゴの実は表皮に毒があるといいますが、キジバトも食べるなんて驚き。ヤマガラに残しておいてほしい。
公園の草木は、イイギリ、コムラサキシキブ、カラスウリ、ビナンカズラなどの実が色づき、いつの間にかサクラやケヤキの紅葉も進んできました。この長雨の先の深まった秋を想像して帰りました。
2005年10月2日(日) 快晴 10:30〜16:00
秋の里山、六道山・野山北公園を散策しました。谷合の谷土田の上には、たくさんの赤トンボ、ツリフネソウやミゾソバなど秋の花が咲き乱れる側の小川の上には、オニヤンマがパトロールをしていました。赤トンボの仲間では、とくにマユタテアカネが目立ちました。
複眼と口の間に眉のような黒い斑があるからというのですが、場所からして、眉というよりちょび髭ではないでしょうか。チョビヒゲアカネでは様にならないと言われればその通りなのですが。
途中の山道には、クサギ(写真)の実が見られました。赤い台の上の青いルビーの宝石のような実です。自然界の青、すてきな色です。
六道山に出て展望台に登りましたが、残念ながら晴天続きのせいかサシバの渡りは全く見られませんでした。でも気持ちのいい汗をかいて、充実した一日でした。
2005年9月23日(金) 晴時々曇 9:15〜11:30
暑さ寒さも彼岸までといわれるお彼岸ですが、けっこう蒸し暑い。南海上から台風が接近してるためか。
鳥を探して、三宝寺池を回りました。今シーズン初めてコガモが見られました。オスのエクリプスのようで、1羽だけにしては、えらく落ちついたヤツでした。何はともあれ初ガモ。
緊急船着き場付近で、浮島の高い梢に、カラスに囲まれている茶色い鳥を発見。ぐるりと回って近づこうとしましたが、着いたとたんに飛び去ってしまいました。あとはお立ち台にカワセミの若がいたくらい。秋のヒタキはおあずけでした。
2005年9月4日(日) 曇時々雨 9:00〜14:00
先月に続いて、茨城県の田んぼにシギ・チドリを尋ねました。先月のリベンジというわけだったのですが、水の入っている休耕田が少なく、辛うじて見つけた湛水田でエリマキシギ(写真左)、タカブシギ、キアシシギ、アオアシシギ、コアオアシシギ、タシギ、コチドリが見られたくらいでした。
なかでの成果は、エリマキシギの14羽ほどの群れを見られたこと。周りにいるキアシシギやアオアシシギと比べても、大きな体という印象でした。そうそう、田んぼのシギ・チの群れにオオタカがつっこんでいく、なかなか迫力のあるシーンも見られました。
シギ・チロードといわれる霞ヶ浦・利根川周辺の田んぼで、こんなに少ないというのはどういうことなのでしょうか。南へ渡っていくシギ・チドリたちは何処で栄養補給をしているのか、できているのか。とても気になるところです。
2005年8月27日(土) 晴時々曇 19:00〜21:00
真夏の恒例行事、夜の観察会に参加しました。歩き出して間もなく、ムクゲコノハ、さらにオニベニシタバが現れて、まずは大物をゲット。さらにあちこちでアブラゼミ、ツクツクボウシの羽化が見られました。とくに野鳥誘致林中央では、アブラゼミ幼虫の背中が割れるところから観察でき、大人も子供も夢中になったしまいました。アズマヒキガエルも大小数多く見られました。
夜の公園はなかなか一人では見られません。昼間とは全く違った生き物が見られて、大興奮の一夜でした。
2005年8月21日(日) 11:00〜13:30
しばらくぶりに石神井公園のお話です。今日はトンボを探して、三宝寺池の周辺を回りました。風が強くて、池の上を飛ぶトンボは少なかったのですが、赤トンボの仲間のウスバキトンボが飛んでいるのが見えました。周辺の木には、ナツアカネ、コノシメトンボも止まっていました。
さらに、Y さんからマルタンヤンマの♀がいると教えていただき、ストロボまで貸していただきました。オスは青いトルコ石のような美しい複眼で知られますが、メスもなかなかきれいな体色です。
また、初めてムラサキツバメ(蝶)も見られて、今日は昆虫日和でした。
赤トンボにマルタンヤンマ、カラスウリの実も大きくなっていて、暑いけれどもう秋ですね。
一緒に回っていただいたHさん、そしてYさん、ありがとうございました。
2005年8月17日(水) 7:50〜14:30 晴
お盆休みの最後に、シギ・チドリを探して、茨城県の田んぼを巡りました。広い田んぼの中で、水の入っている休耕田が狙い目です。といっても、なかなか分かりにくいのでシラサギが集まっているところを、車を走らせながら探します。
数カ所を回りましたが、シラサギが集まっているところはあっても、シギ・チドリはなかなか見つかりません。タカブシギ、セイタカシギ、アオアシシギ、トウネン、ジシギSP、コチドリ程度。数も多くはありませんでした。運が悪かったのか、まだ渡ってきていないのか。
それにしても、暑い一日でした。
2005年8月7日(日) 9:50〜12:00 晴
今日は立秋。とても蒸し暑くて、秋が来たとは冗談にも言えない。でも考えてみれば、立春も寒さの真っ最中。「春は名のみの風の寒さよ」だった。秋は名のみの蒸し暑さと唱えて、当分しのぐしかありません。
水辺観察園はオニユリ、カノコユリに続いて、ノカンゾウ、ウバユリも咲いて、夏の花園は今が盛り。一方で、オミナエシ、サワギキョウ、ハッカなどの秋の花も咲き始めて、立秋を感じさせる。
今週は、三宝寺池の上を飛ぶトンボに赤いものが目立ってきた。どうも、多くはウスバキトンボのようだが、ナツアカネ、アキアカネも混じっていると思われ、この辺も秋への移ろいの証だろうか。
2005年7月31日(日) 8:30〜10:30 晴
鳥の少ない季節、きれいなアオバトを見に大磯の海岸に。砂浜にほど近い岩礁に、アオバトが群れをなして海水を飲みに来るという場所。着いて間もなく、40羽余りのかなり大きな群れがすぐに現れましたが、やはり海水浴客を警戒しているのか、なかなか下りてくれない。それでも小さな群れはけっこう下りてくれて、緑色の羽根、オスは葡萄色の肩羽根、コバルトブルーの嘴という、美しい姿をじっくり見ることができた。
ここで目の前に夏羽根のカンムリカイツブリが登場。冬になれば、葛西臨海公園とか、彩湖でよく見られるが、夏羽根の個体を見たのは初めて。気が動転して、ボケボケ写真になってしまった。
2005年7月23日(土) 10:00〜12:30 曇
水辺観察園のオニユリが咲き始めた。側のカノコユリもあと一息。これでノカンゾウも咲くと、ユリ族が咲きそろうことになる。夏景色というところだが、早くも秋の七草のオミナエシが咲き、アキノタムラソウも咲いている。まだ、立秋も来ていないのだから、スピード違反では。
バンのヒナが4羽、ボート池のちびっ子釣り堀で2週間目。ここでは3度目の繁殖ではないか。水鳥の繁殖もそろそろ終わりだが、今年は三宝寺池に集まるカルガモの数が少ない。多い年は、繁殖を終えて換羽を迎えたカルガモが100羽以上も集まったのだが。それとも、まだまだ子育て中でこれから集まってくるのか、気になるところだ。
2005年7月18日(月) 晴
関東地方は梅雨が明けたそうだ。これからは、鳥はいないし暑いしでつらい季節ですが、がんばっていきまっしょい。
三宝寺池ではアオサギとコサギが見られた。この連休中ずっといたようだ。これまでは大きい鳥が入ると、たちまちカラスが集団で圧力をかけ、追い払ってしまっていた。3日も連続でアオサギがいたということは、カラスが少なくなってきた恩恵かな。
水辺観察園のハナイカダに実が付いているのを見つけた。ハナイカダは雄木と雌木があり、雌木だけでは花は咲いても実は付かない。観察園にも、最初雌木だけが植えられ、その後そばに雄木も植えられた。それでもなかなか実が付くまでにならなかった。ここでハナイカダの実を確認したのは初めて。
葉の上の花や実を、筏乗りに見立てた名前だそうだが、見えるかな。
2005年7月2日(土) 曇後晴
三宝寺池周辺は鳥の声はほとんどしない。チーという声がして、カワセミ♂が飛んできた。さらにもう1羽、こちらも巣立ったばかりの♂。しばらくぶり。
ゴイシシジミがいるよと教えていただいて、ようやく見られた。ネマガリザサに着くアブラムシを食べて育ち、成長してからはアブラムシの出す汁を吸汁するという、珍しい生態のチョウだそうだ。よく見ると、ゴイシシジミのとまっているササの上にはアブラムシがびっしり。どうやら産卵していたらしい。
城趾前のスイレンのショウジョウトンボはまだいた。先週は♂1頭しか見られなかったが、どうも♂が2頭、♀が1頭いるらしく、♀を巡って、オス同士が争う場面も見られているそうだ。
今週は何だか、人の話の受け売りばかり。
2005年6月19日(日) 曇後晴
繁殖のため山に登ってしまった鳥たちを探して、昨晩から富士山に行ってきました。
暗いうちに、山中湖畔から始動。別荘地を歩いてオオルリやキビタキ、ムシクイ類などを探します。早朝は、期待していた囀りのシャワーはヒガラ、シジュウカラ、キビタキ、時々ホトトギスが遠くで聞こえるくらい。それでも、けっこう姿は見られました。
しかし、7時くらいになって日が差してくると、俄然活気づき、オオルリ、クロツグミ、センダイムシクイ、マミジロ(?)も囀りだしました。この季節、やはりこうでなくては。
この後、北富士演習場に転戦。広い草原で子育てするコヨシキリやノビタキ、ホオアカなどが顔を見せます。これらに託卵を狙うカッコウ、ホトトギスに加えて、オオジシギも何度も舞ってくれました。
後は、定番の富士山5合目の奥庭荘へ。水場には、ルリビタキ、ウソ、ヒガラ、コガラ、キクイタダキ、カヤクグリなどが姿を見せてくれました。しっかり子育てして、冬になったらまた石神井に来てね。待ってるよ。
2005年6月18日(土) 曇時々晴
この季節の楽しみは、やはり鳥たちの子育て。先週は1家族だけだったボート池のカイツブリは、3家族が雛を連れていた。とくにちびっ子釣り場の家族は、ヒナを背中に乗せたままで餌を与えていて、とてもかわいい。バンも近くで営巣していた。
史跡公園に入ると、とにかくムクドリがうるさい。見ると、若鳥も多く混じっているようだ。巣立ちビナを連れたシジュウカラの家族も、繁みから繁みへと渡っていく。命の躍動を感じる。
早々、柵内の芝生ではネジバナが咲き始めていた。地味だけれど、歴とした国産のランの仲間だ。
三宝寺池では、先週見られたカワセミは姿を消していた。新しいテリットリーを求めて移動していったのだろう。こうした中で、やがてここに定着してくれるカワセミも出てくるはずだ。
2005年6月12日(日) 晴 9:30〜12:20
記念庭園に着いたら双眼鏡を持っていないことに気がつき、取りに戻って、今度は北側の舗装道路を三宝寺池に急ぐ。ちびっ子釣り堀に顔見知りの人がいて、コアジサシが来ていると教えてもらう。コアジサシは1羽だけで、しきりに水面に降下して餌を取っていた。これは双眼鏡を忘れた、けがの功名。
昨日見たカワセミの若は今日も三宝寺池にいた。Kさんから3羽いたと教えてもらったが、見たのは1羽だけだった。ほかで生まれた一番子が、やって来たのだろう。早くも、お立ち台の前はカメラマンが詰めかけていた。
昨日城趾でしきりに鳴いていたアオゲラは、今日は一声しか聞こえなかった。
帰ろうとしていたら、スイレンの池にオシドリの♀が飛来。身繕いをしてボート池方面に飛んでいった。
2005年6月4日(土) 曇
2週間ぶりに石神井公園を回ったら、すっかり様相が変わっていた。
水辺観察園は、ノハナショウブとホタルブクロの花が盛り。すっかり雨の季節を迎える支度が調っていた。鳥はというと、春の渡りは終わり、すっかり寂しくなるとともに、バンやカイツブリが繁殖し、子連れで
泳ぎ回っている。シジュウカラも子連れで、三宝寺池周辺の茂みを伝うように移動している。
帰ろうとしていると、kさんに会って、ボート池にコアジサシが来ていると教えてもらう。急遽、そちらに移動。釣り場の看板の上に2羽のコアジサシが止まっていて、間もなく1羽が餌を取り、もう1羽に給餌し始めた。
すっかり巣立ちビナに給餌しているのかと思ったら、どうも、オスが求愛給餌をしていたらしい。後で、聞いた話では、この2羽は5月末から日に何時間か姿を現し、求愛給餌を繰り返しているらしい。他所で一旦繁殖に失敗し、再起を期しているつがいではないかとの見方もあった。この後、交尾もしていたそうな。
それにしても、コアジサシの長い羽は美しい。飛び上がる度に、夢中でシャッターを切ってしまった。